知事の記者会見
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平成27年10月13日(火) 午前10時00分
1.

知事発言

(1)

有料道路コンセッションに関する実施方針(「愛知県有料道路運営等事業実施方針」)について

【知事】  おはようございます。本日は10月13日火曜日、3連休の後の火曜日で、休み明けということでございまして、定例記者会見を始めさせていただきます。
 有料道路コンセッションに関する実施方針について発表させていただきたいと思っております。
 お手元にA3横の資料をお配りしております。これがおさらいということでございますけれども、愛知県有料道路コンセッションということで、道路を利用して、その運営権を民間開放しようということを私どもが取り組ませていただいたわけでございます。
 コンセッションの対象路線は、愛知県道路公社が所有する8本でございまして、メインは知多4路線でございます。これは全部で50キロぐらいありますから、これが一番のメイン。要は知多半島の大高のインターチェンジからダーッと師崎まで真っすぐ南へ延びるものと、途中から半田で枝分かれをして常滑の中部国際空港に行くもの、それから連絡橋ということで、知多半島を貫く大動脈でもありますし、中部国際空港へのアクセスを、ある意味、道路では独占するというもので、大変な基幹道路でございます。
 あと長いもので言えば猿投グリーンロードもございますが。これも、今となりますと、万博公園からダーッと行って、藤岡を通って足助まで行くと。豊田市の北の方を通っていく、これも大変大事な道路でございます。こうしたものの運営権を一括して民間開放にするということで、このスケジュールから見ていただきますと、平成24年2月に構造改革特区で提案させていただいて、これでかれこれ3年半が経つわけでございます。2年間かけまして、こうしたものをやるということを平成26年春に決めていただいて、結局その上で、法律が通ったのが今年の7月ということでございました。そして、国家戦略特区の区域認定がこの9月でございまして、それを受けての今回のこの実施方針の公表ということでございます。
 一番右の棒グラフを見ていただきますと、愛知県道路公社の平成26年度決算状況でございまして、今12路線ありますから、このほかにも4路線がありますが、ほとんどこの8路線と言っても過言ではありません。178億、179億円の収入で、一般管理費、事業資産管理費を合わせまして67.5億円ということですから、110億円ぐらいが借金の償還だとか、あと、いわゆるプール計算の損失補てんの引き当てなどに充てられるということで、大変内容のいい道路だということをご理解いただいた上で、この運営権を民間企業に開放する、譲渡するということでございます。
 法律が7月に改正になり、そして国家戦略特区において9月にこの計画が認定になり、これを受けまして8路線で有料道路コンセッションを実施するということでございます。そして、このPFI法5条の規定に基づいて事業の実施に関する方針を策定し、公表するというものでございます。
 まず、発表資料1の別紙をご覧いただきながらお聞きいただければと思います。1の事業内容に関する事項ということですが、(1)事業方式及び事業範囲。まず「維持管理・運営業務」は、PFI法に基づく事業として実施する。そして、「改築業務」がございます。インターチェンジを武豊に一つ、りんくうに一つ出口を追加する。あとパーキングエリアを二つ追加する、大府と阿久比ですね。そうしたものの改築事業なり維持補修といったものがございますが、そういったものはコンストラクション・マネジメント方式により効率化、そして透明化しながら進めていくということでございます。
 コンストラクション・マネジメント方式というのは、コンストラクションマネージャーという、いわゆる設計会社だとかコンサルタント会社、そういったところと契約をして、そこが事業の発注なり管理なり、そういったものをアドバイスしながらマネジメント業務を行うということで、今、段々段々広がってきておりまして、東北の復興事業などではこれが多く活用されております。
 技術的に中立を保ちつつ、発注者の側に立って、設計、発注、施工の各段階において設計の検討、工事発注方式の検討、工程管理、品質管理、コスト管理などの各種マネジメント業務を行うというものでございまして、段々段々そうしたものが増えてきているということでございまして、これを今回も活用させていただくというのがまず一つでございます。
 そして、(2)でございますが、対象となる公共施設、そして運営権の存続期間は、ここに書いてあるとおりでございまして、知多4路線は、来年度、平成28年の10月からスタートですから、30年間の期間をもってやる。あとは、猿投グリーンロード、衣浦トンネル、衣浦豊田道路、名古屋瀬戸道路などは、それまでに期間が来れば無料開放していくという段取りになっております。この運営権の存続期間が終了するということでございます。
 そして、1の(3)でございますが、料金に関する事項でございます。これは、有料道路の利用料金は、道路公社が国土交通大臣の許可を得た額を上限として、民間事業者が弾力的に設定することができるということにさせていただきますが、もちろんこれでもって、上限にして、例えば料金を大分下げた場合も、収支はその事業者が当然持つことになりますけれども、そういったことも弾力的にやる。
 考えらえるのは、季節ごとに、例えば知多半島道路でいくと、海水浴の季節とか、潮干狩りの季節とか、そういったときは少し高目にしてやる。少し利用が少なくなるような冬の時期とかは安くして利用者を増やすとか、こういうことを弾力的にやったらどうかと、やれるようになりますよということでございますが、そのリスクは当然、運営権事業者の方に背負ってもらうという意味でございます。
 そして、1の(4)は、附帯事業と任意事業でございますが、民間事業者には道路の維持管理、運営、改築事業のほか、民間の創意工夫を生かしてパーキングエリアの商業施設の運営など附帯事業や、道路区域外における任意事業を展開し、地域の活性化と利用者サービスの向上による有料道路の利用促進を図ることを期待するというものでございます。
 附帯事業は、ここに並べてありますような、主にパーキングエリアなどということになろうかと思います。今、新東名などパーキングエリアのお店なんかが大変賑わっておりますので、一つの名物、名所にもなっておりますから、そういったものも期待したいと思っております。
 それから、その沿線開発。特に私どもは沿線開発、地域活性化というためにこれをやるわけですから、そうした任意事業にも期待したい、そういう提案を待っているということでございます。
 それから、(5)として、運営権者による運営の結果生ずる収益の帰属でありますけれども、ここに書いてありますように、「維持管理・運営業務」において、運営権者の創意工夫で経費節減になった場合は、その分は運営権者に帰属いたします。インセンティブといいますか、当然合理化努力をしたら、その分は運営権者に帰属するということでございます。
 それから、それぞれの年次の実績料金収入が設定時における計画を上回ったり下回ったりする場合ですが、それぞれ差の6%の範囲内は運営権者、それ以外は公社という形にいたします。
 大体これまでの過去10年の計画収入と実績収入との乖離を表にいたしますと、ちょうどその乖離の部分の半分半分を公社と運営権者でシェアすると、分けるということで、大体6%ぐらいということでございます。これも運営権者にとってはインセンティブの一つになろうかと思っております。ちなみに、NEXCOは1%でありますから、6%というのは大きなインセンティブになると思っております。
 そして、一番大きなポイントはこの金額、運営権対価の基準となる価額ということでございますが、それが1の(6)でございます。運営権の対価は、民間事業者が自らの収入として収受する有料道路の利用料金から、道路公社に対して運営権設定の対価を支払うものでありまして、8路線の総額で約1,220億円を基準となる価額として競争に付したい。これがベースで、それでもって入札をしていただく、札を入れていただくということでございます。いわゆる最低価額と言っていいと思います。
 これはどうして設定したかと言いますと、運営権対価となる基準となる価額の設定は、コンセッション期間中に得られる計画収入から、公社が運営を継続した場合の支出を差し引いたものを基本として、公社が引き続き事業継続したと仮定した場合の事業収入と同程度になる水準を目安として、算出いたしております。
 概算のイメージでお示しいたしますと、コンセッション期間となる平成28年度から57年度までの、いわゆる知多4路線の全部のその期間が終わるところまでの30年間において道路公社が運営を継続した場合を前提といたしますと、料金収入とは約3,500億円、そこから道路の維持管理、料金徴収等の管理運営に係る支出2,000億円を差し引いた事業収支が1,500億円ということでございます。ここから借金を返したり、県が出資した736億円というものがございますが、それを返すというか積んでおいてもらうとか、そういったものを入れますと、差し引いた事業収支は大体1,500億円ということになるわけでございます。
 この額は、30年間の将来的な収支でありますので、運営権対価を設定するコンセッション、いわゆる現時点に割り戻す。将来にわたって、この3,500億円で2,000億円ですから30年間やると差が1,500億円の価値がありますよと。ただ、それは将来にわたってのものですから、それを今の時点に戻すとなると、金利で割り戻すということをやらなければならないわけでございますが、それをここに書いてありますように年1.18%の利率で複利で割り戻しますと、この1,220億円ということになるわけでございます。
 これは、今から2年前の平成25年9月に国の内閣府で、このPFI法に基づく公共施設等運営権及び公共施設と運営事業に関するガイドラインというのを施行いたしておりますが、そこでもこう書いてあるんです。運営権対価の算出方法は、運営権者が将来得られるであろうと見込む事業収入から事業の実施に要する支出を控除したものを現在価値に割り戻したものを基本とし、ということで、当たり前ですね。金利がついているから、その先のやつは今の金利で割り戻して今の価値にするということで、1,220億円ということでございます。
 その金利1.18%というのは何ですかということでありますが、1.18%というのは、将来の景気動向は不透明でありますので、過去10年の期間をとりまして、その間の10年モノ日本国債の利率の平均値から算出しましたということでございます。そういう意味では堅く見たという。一番適切、分かりやすいということではないでしょうか、過去10年の10年モノ国債の利率ですから、堅く見たということでございます。これが1の(6)ということでございます。
 そして、2として民間事業者の募集及び選定に関する事項でございます。
 (1)民間事業者の募集・選定方法及び審査体制でありますが、競争性の担保及び透明性・公平性の確保に配慮した上で、競争性のある随意契約によります。優先交渉権者の決定にあたりましては、公社は、学識経験者等で構成する民間事業者選定委員会を設置する。民間事業者選定委員会の審査の中でこの(2)のようなスケジュールですね。まず@募集要項等の説明会をやって、A第一次審査。第一次で何社かに絞って、その上でB第二次審査参加者との競争的対話、いわゆるヒアリングを行いながら、出してきたものだけではなくて、色々なご要望をお聞きしながら、また色々な提案もそこで議論をして、それをやった上で第二次審査に臨んでいただく。第二次審査に詳細なものを出していただくということでございます。
 この事業者選定委員会は、お手元にあります実施方針の15ページにメンバーを示しております。
 15ページ、2の民間事業者の募集及び選定に関する事項(2)審査体制でございまして、委員は、日本アイ・ビー・エムの椎名名誉相談役を委員長といたしまして、東京大学名誉教授の宮田先生始めこうしたメンバーで、民間事業者選定委員会をもう既に設置いたしました。9月18日金曜日に設置済みということで、その時点で顔合わせ、第1回会合も開かせていただいております。この選定委員会におきまして、こうした実施方針以降の手続を進めていくということでございます。
 スケジュール的なものは、記者発表資料の2ページを見ていただきたいと思います。
 今後の主なスケジュール等ということでございますが、今日記者発表して、説明会は、この資料の2の(1)、10月20日の火曜日10時から11時半で行います。これは愛知県道路公社がプライムセントラルタワー名古屋駅前店の名古屋会議室におきまして説明会をやるということでございます。その後質問を受け付ける。
 今後の主なスケジュールとして、11月頃募集要項を公表して、それから8週間後の平成28年1月頃に参加表明書及び第一次審査資料の提出していただいて、そして先ほどの事業者選定委員会で2月頃に第一次審査を行って、第一次審査を行ってから14週間を見て、5月頃に第二次審査資料を出していただく。その間、競争的な対話を、ヒアリングをさせていただく。来年6月頃に優先交渉権者を決定し、公表する。7月に協定を締結し、運営権の設定、公表、そして8月頃に実施契約の締結、公表、来年10月から事業を開始すると、こういうスケジュールで臨んでまいります。
 次が(3)応募者の構成・資格でございまして、応募者は、応募企業または応募グループといたしまして、応募グループにより応募する場合は代表企業を定め、また、日本国外における道路事業のマネジメント業務を行っている、または実績を有する法人が応募グループ外で応募する場合は、当該法人は応募グループの一員とみなすということでございます。応募グループを組んでもらったら代表で出してくださいねという話でありますが、なお、応募企業及び応募グループを構成する企業は、道路特措法の第2条第4項に規定する会社または当該会社と直接、間接を問わず資本関係を有する者でないこととさせていただきます。
 これは、幅広く民間事業者を募集することで競争性を高め、より魅力ある提案を得るため、応募者は、この道路整備特別措置法第2条第4項に規定する会社、これは高速道路株式会社でございますが。これはもう既に9月に開いた民間事業者選定委員会で学識経験者の意見も聴いた上で、我が国初の有料道路運営の民間開放となる本事業の目的や、公平な競争条件の確保の観点から、資本関係を有する企業も含めて、参加を制限するということにいたしました。これまでも、法律が成立した後、7月31日に私が東京と名古屋でこのプロモーション、説明会を行いました。その折に、約150社の企業、団体が出席をしていただきました。重複を除きますと大体120社でございますけれども、企業さんとしては120社。東京、名古屋で企業、団体としては150社出ていただきましたが、そういう説明会、それからその前に、5月、6月に、これまでにヒアリングをした企業さんなど民間事業者の方々に、関心のある方にアンケート調査をさせていただきました。今年の5月、6月にやったアンケートの中で、幾つか意見をいただきまして、中には参加資格は制限しなくていいんじゃないかという声も少しありましたが、圧倒的に多くの方々が、民営化の本来の趣旨に鑑み、官出資企業の参加は適さないのではないかとか、道路系公企業が特定のグループに関与し応募することは競争性を極めて阻害するというご意見、それから真の民間活力を生かした成功例とするためにも一定の制限を設ける必要があるのではないかとか、国内第1号の事例で注目度の高い案件であるため、様々なノウハウを有する多数の民間事業者がより積極的に参加しやすくなるようすべきであって、特定の道路系公企業は入れない方がいいというご意見を多数いただきました。
 そういう中で、この事業者選定委員会の皆さんのご意見も、もっともっともっと厳しいご意見でございましたが、一つは、論点としては、今回の我々のこの事業は、純粋な民間企業からの提案をいただいて、その事業運営を確保したいということでございます。高速道路株式会社は、ご案内のようにNEXCO東日本、中日本、西日本と、1兆円、1兆円、1兆円と、ちょうど1兆円ずつになるように企業をつくり、その他にも首都高速が5,500億円ぐらい、阪神高速が2,000億円ぐらいの事業体で、5社、それから本州四国連絡橋の横断道路で6社。ということでございますが、基本的には、首都高速、阪神高速は別とすると、旧日本道路公団でいえば、東、中、西で1兆円、1兆円、1兆円とこうなっております。その形態は株式会社ではありますけれども、現在も全ての株式を行政機関が保有している特殊会社、いわゆる機構というものが持っていて、しかし、根っこは全部国ですから。そういう意味では国100%と言っていいと思いますが、そういう特殊会社でございます。
 そのため、行政機関が全額出資する愛知県道路公社が管理運営しております有料道路、いわゆる今の県道路公社の有料道路は県が100%出資の道路公社なので、そこの運営権を民間の皆さんに開放してやっていただく。民間の事業者が持っているノウハウ、創意工夫を生かした提案、管理運営に期待するという本事業の目的からして、国100%の高速道路会社が運営に入ってくるということは、この我々の事業の目的に沿うのかという点が、まず第1点。それは純粋な民間企業ではありませんから、それはないのではないかというのが1点。
 それから2点目として公正、公平な競争条件の確保という点でございます。
 高速道路株式会社は、市場を独占し、同業の競争相手が存在しない環境の中で広域な高速道路の管理運営を行っていることから、他の事業者に対して圧倒的な技術力とノウハウを有しております。この優位性を他の民間事業者が上回る可能性は極めて低く、競争上、高速道路株式会社が圧倒的な優位に立っております。そのため、高速道路株式会社の参加を認めることになりますと、公平な競争条件が侵害され、国内外での疑念を惹起されないかどうかということもございます。
 日本初の道路のコンセッションの民間開放という今回の事業からして、海外からも非常に関心が深まっておりまして、今までの、我々のヒアリングの感触、そしてまた説明会等々からすれば、コンソーシアムを組んで事業の応募に手を挙げていただけるのではないかと。それも複数社が手を挙げていただけるのではないかと思っておりますが、そういう海外の目から見て、日本は官から民へと言っても、結局また圧倒的な力を持つ官営企業が入ってくるんですかと。それは公正、公平な競争条件にもとるのではないですかと言われかねないといいますか、必ず出ると思います。
 そして三つ目として、我々は、民間事業者を育成したい。こういうインフラを整備する民間事業者を育成したいという思いがございます。これから更新期を迎える国内のインフラでありますとか、アジア諸国でのインフラ整備の急増を踏まえますと、国内外で事業展開できる民間事業者の育成が急務だと。日本全体として、こういうインフラを手がける、それも作るだけじゃなくて、作って運営をする、そういうインフラ関連の事業者、民間事業者を育成するのが急務だと考えます。
 今まで道路については、そうしたことは認められておりませんでした。私どもは、3年半かかって、ようやくここまで来たので、そうしたことをやっていく上でも、今回は純粋に民間事業者の提案を待ちたいと思っておりまして、こういった形での制限をさせていただくということにさせていただきました。
 特にこの民間事業者選定委員会の皆様からは、強い意見という意味での意見をいただいたということも、あわせて申し上げておきます。
 そして、(4)といたしましては、国内外のインフラ事業、または不動産開発事業において一定の出資またはマネジメント業務を行った実績、あるいは国内のPFI事業において一定の出資をして事業を実施した実績を有していることということで、インフラ関係の事業をやった方々がどなたか入っていってくださいねと、全く関係ない人はだめよという話でございます。
 そして最後3は、リスク分担ということで、物価変動リスク、競合路線の新規開設リスク、それからモニタリングといったことを付随して書かせていただいております。
 ちょっと長くなりましたが、こういった形で、ようやくここまで持ってくることができました。今後は、この実施方針の内容につきましては10月20日に道路公社が説明会を予定しておりまして、質問または意見を受け付けております。詳細は道路公社のホームページをご覧いただきたいと思います。
 そして、先ほど申し上げたように、11月以降に募集要項を公表し、民間事業者からの提案を募集いたします。そして、民間事業者選定委員会において審査し、運営権者を決定し、来年夏に契約をし、来年10月に事業実施をしていきたいと思っております。

  
(2)

観光PRのための魅力発信ツールについて

【知事】  観光PRのための魅力発信ツールについてということでございます。
 この度、愛知県の世界的な知名度向上と国内外からの一層の誘客促進を図るため、「広報誌」、「動画」、「ポスター」の三つの魅力発信ツールを制作いたしました。
 「広報誌」は「愛知の引力。」と名付けました。またぜひご覧いただきたいと思います。
 動画も、観光誘客に直結する海外でのプロモーションを意識して制作いたしました。今年春からやっております「“Heart”of JAPAN〜Technology&Tradition」をベースに、「TECHNOLOGY&TRADITION TO THE FUTURE」として英語で制作をいたしました。You Tubeで本日より配信いたしますので、ぜひ、ご覧いただきたいと思います。
ポスターですけれども、これも、海外での観光プロモーションを意識したもので、5種類制作をいたしました。
 これらの魅力発信ツールは、この後、この日曜日から参りますインドネシア・シンガポール渡航で使っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 You Tubeは、クリス・グレンさんにやっていただいているということなので、またぜひご覧いただければと思っております。
  
(3)

知事の東南アジア渡航について

【知事】  私の東南アジア渡航ですが、18日日曜日から24日土曜日まで、インドネシアとシンガポールを訪問いたします。今回の渡航では、岩村県議会海外重要課題調査団団長始め県議会の皆様、そしてインドネシアのジャカルタでは、三田中経連会長、名古屋商工会議所の立花、佐伯両副会頭を始め経済界の方々にもご同行いただきます。
 現在調整中ですが、ジャカルタにおきましては、大統領府、工業省、運輸省、投資調整庁など政府機関を訪問し、政府要人と意見交換を行わせていただきます。各大臣、アポイントはいただいていますけれども、向こうが正式には直前にならないと発表できないということなので、また決まり次第ご報告させていただきたいと思っております。
 そして、インドネシアのジャカルタにおいては、ガルーダインドネシア航空を訪問してエアポートセールスを行いたいと思います。また、19日の夕刻は経済交流会を現地で開催いたします。インドネシアの経済界、そしてインドネシアへ進出しておられる企業など、各方面から多くの皆様をお招きして、交流を深めたいと思います。
 そして、翌20日の火曜日は、本県と昇龍道プロジェクト協議会と合同で、インドネシアの旅行会社を対象に、観光説明会を開催いたします。先ほど説明した「魅力発信ツール」も大いに活用して本県の観光魅力をPRしてまいります。
 そして、22日の木曜日は、愛知県立大学の学長と共にジョグジャカルタにあるガジャマダ大学を訪問し、私が本県の産業力を始めとする様々な魅力について講演を行いたいと思っております。
 そして、23日の金曜日にはシンガポールへ移動し、ASEAN最大の日本食商談会「Oishii JAPAN」でトップセールスを実施いたします。この商談会には、県農林水産物、その加工食品を取り扱う12の事業者に出展していただき、ASEANへの食の輸出のゲートウェイであるシンガポールで大いにPRしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 ちなみにシンガポールは、昨年2014年の1人当たりGDPはアジアでトップで、5万6,319ドルあります。ちなみに日本は3万6,332ドルということですから、ここまで落ちぶれているということなので、5割増し以上でございますから、アジア最大の裕福な都市がシンガポールということでございますので、そういったところで、円安でもありますから、大いにそうしたPRというのは効いてくるのではないかと思っております。
  
2.

質疑応答

(1)

有料道路コンセッションに関する実施方針(「愛知県有料道路運営等事業実施方針」)について

【記者】  有料道路を民営化することとなりますが、附帯事業、区域外事業等どういった地域活性化策の提案を期待していますか。また、地元企業の運営権募集への参加についての配慮等はどのように考えていますか。
【知事】  広く国内外からより良い事業提案を募りたいと思っておりますので、地元云々は考えておりません。広く国内外から提案を受けたいと思っております。広く広く、より良い提案をしていただいて、それを我々は評価をしたい。そして、事業者選定委員会の皆さんのご意見を聞いて評価をしていきたいと思っております。
 ただ、そうは言っても、先ほどの最初の質問と裏表かもしれませんが、我々は何でこれをやるかというと、やはり沿線の地域開発、地域の活性化を目指したいということでありますから、地元の方々の方が土地勘がある分だけ有利というか、そういう面はあるかもしれません。
 ただ、今まで全く県というか官でしかやってこれなかったものですから、関連事業も含めて、事業運営のノウハウなんてないと思いますので、そういうことからすれば、若干土地勘があったとしても、それはあれじゃないでしょうか、世界を股にかけてきて、色々なインフラ事業に携わり運営をしてきた方々のノウハウは相当なレベルのものではないでしょうかね。そういう意味では、国内外を問わず良い提案をということなので、評価の点で、地元であるかないか、それは全く考慮しません、考えておりません。それが1点。
 そして、今回この事業の実施方針を策定することができたので、これで事業が、これから1年かけてスタートする、突き進んでいくということになるわけですが、我々の思いは、期待は、一つはもちろん先ほど申し上げた価額ですよね。1,220億円というのをベースにいたしましたが、我々としては、少しでも有利なといいますか、価額をいただければありがたい。
 1,220億円で全部借金を返して、県に736億円の出資金も戻ってきて、さらに若干のプラスアルファがあるんですけれども、それをさらに上回れば上回るだけ県にまた戻ってくるということになりますから。これは県民の皆さんにとっては大変結構なことではないかなと思います。それが1点。
 あとは、やはり沿線開発、地域の活性化、これを大いに期待したいと思っております。
 鉄道会社の元々のビジネスモデル、特に私鉄、民間鉄道会社のビジネスモデルというのは、鉄道を引いて沿線開発をして、それでトータルで事業を展開するというのが日本の鉄道会社の成り立ちでありました。我々今回は、この県の道路公社の有料道路の沿線を、全く同じというわけにはいきませんが、とにかく沿線開発、沿線の活性化、これをぜひ進めていきたい、そういう思いでございます。
【記者】  関西国際空港の民営化の際は、結局、1企業グループしか応募がなく、大変だったようですが、今回の愛知県のコンセッションの場合は、成功できるか、自信のほどはいかがですか
【知事】  それはこれからでございますが、相当たくさんの方に手を挙げていただけると期待をいたしております。
 我々はこれまで、こういう事業方針を作り、あれするために、法律が通るのに大分時間がかかりました。その間、準備運動する期間が大分たくさんありましたので、相当な色々なヒアリング、対話を続けてきました。そういう意味では、そういった知見なりを積み上げた上で、こうしたものを作らせていただきました。
 そういう中からいたしますと、有料道路を使ってPFI、コンセッションをやるのは今回が初めてだということと、有料道路というのは海外では非常に優良事例がたくさんあるということ。そして、今回の我々の、この愛知県道路公社の有料道路については、先ほどの収支状況を見ていただいても、大変な優良物件だということなどを考えあわせますと、まず間違いなく日本でPFI法でコンセッションをやっているところの最優良案件であることは間違いないと思っております。
 道路というのは収入が非常に安定しておりましてね。天変地異が起こって道路が崩壊するとか、日本経済が崩壊するというのだったら別ですけれども、そんなことになったら、日本そのものがひっくり返る。そんなことになれば別ですけど、そうでなければ相当な安定的な事業運営、収入が見込めるということだと思います。そういう評価も既にいただいておりますので、私は多くの方々に参加していただけると期待をいたしておりますし、その中からより良い提案をいただいて、この愛知県の有料道路はこういうふうになるのかというぐらいの、そういったものを、県内はもちろんですが、国内外の皆さんに見ていただきたい。そういうモデルケースにしていきたいと思っています。
【記者】  運営権対価の基準となる価額は約1,220億円以上になるとのことですが、これは、建設費の償還という意味で、基本的には借金等の返済に回すということでしょうか。 
【知事】  建設費の償還と、県から736億円の出資金がありますから、それの分をドーンとためて最後に戻してもらうということと、プラスアルファがございます。そういう意味では、その分が、1,220億円プラスアルファになると思いますので、そのプラスアルファの部分は県の収入、県民の財産ということになります。
【記者】  以前、この話が出始めた頃に、運営権を売却した収入を学校の耐震化に使うという記事を見た記憶がありますが、どういう名目で県に戻ってくるのですか。出資金で戻ってくるとしたら、道路の特定財源になるのでしょうか。 
【知事】  もうそれは一般財源ですから何に使っても、ということですが、それはおいおい、これから考えるということではないでしょうか。一般の歳入になりますから、道路に使う分もあるのかもしれませんし、今言われた公共的な建築の部分に使うと、学校なんかに使うということもあるかもしれませんし、まさにそれは一般の収入にするのかもしれません。どういう形で、それはこれからだと思っております。
【記者】  収入は分割して県に入ってきますが、自由度の高い一般会計の収入として毎年計上するのか、それとも30年後に計上するのか、どちらでしょうか。 
【知事】  最初に、ここにあるように一時金が150億円ありますから、最初に一時金150億円をもらって、あとは分割という形になります。どういうふうに使うかはこれからですけれども、まずは基本的には、やはり借金を返していくということはやっていかなければいけないと思います。
 ですけど、1,220億円で、30年1,500億円のうち借金が、返す方が700数十億円なので、半分以下なので、そういう意味では色々な自由度はあるのではないかと思いますけどね。
【記者】  道路公社と相手方のリスク分担のラインを6%とした妥当性について、もう少し詳しく聞かせてください。 
【知事】  これは、先ほども申し上げましたが、愛知県道路公社の過去10年の計画収入と実績収入とのずれですね、乖離を、10年分を計画収入を真ん中にしてグラフにいたしますと、ちょうど真ん中にして6%くらいとって、その山と裾とがちょうど半分半分ぐらいになるということなので、その半分は民間事業者に持ってもらって、その半分は公社が負担する、いわゆるフィフティー・フィフティーのところがちょうど6%ということだということで、引いたということでございます。
 あと、先ほど申し上げましたようなNEXCOの場合が、一生懸命努力して増やしても1%までしかとれなくて、あとは全部国が持っていっちゃうよということだと、それは一生懸命収入を増やそうというインセンティブになりませんので、我々としてはできたらこれを少しでも、1%より少しでも多くする。そうすることによって、この今回のコンセッションが魅力的なものになって対価も高くなるということですから、それで何とか色々交渉した結果、今回は何とか6%まで、広げることができたとご理解をいただければと思っております。 
【記者】  運営権の対価が約1,220億円とのことですが、算出根拠で重要となるのが料金収入と維持管理費だと思います。今後30年の料金収入の3,500億円と支出の2,000億円は、どのように算出したのですか。 
【知事】  これは、この対象8路線があって、その期間があります。その8路線についての今後計画期間までの収入について、現状の状況を前提にして3,500億円をはじいて、そしてそれを維持管理していく人件費だとか補修費だとかそうしたもの、必要なものが2,000億円と、残ったものが借金を返すもの、それから損失補てん金として積み立てていくもの、そういったものを差し引いて、残りが1,500億円という形で算定したということでございます。 
【記者】  現状を前提として算定したということは、現状の収入状況が30年間続くということになりますが、昭和40年代に整備した施設もあるので老朽化して、インフラの維持費もかさむのではないかと思います。現状の収入、維持管理費を算定の前提にしたことについての妥当性に関してはいかがですか。 
【知事】  全部入れてある。むしろ堅めに見積もっているので、個々の諸元というか、事業者の方が見ていただければ納得いただけるものだと思っています。要は、どこからも突っ込まれないようにつくってあるから、もし詳しく知りたいのだったら、建設部に聞いてください。
 維持補修費は全部見てて、人口がむしろ減っていくといったもので、道路の利用量も少しずつ低減していくということも入れてある。 
【建設部長】  将来の人口予測を行って、人口減に伴う交通量の減も含めた上で、料金収入をちゃんとカウントした上でやっています。当然、通常の維持管理も入っておりますが、大規模な更新に関してはまだこれからです。まだ新しい路線も多いものですから、そのあたりはこれからの検討の余地はあります。基本的に今考えられるものについては全て含んでおります。
(2)

リニア中央新幹線の工事実施計画の進捗状況等について

【記者】  リニア中央新幹線の工事実施計画の認可から、10月17日で丸1年になります。名古屋駅の再開発について、今、関係者が議論していると思いますが、その進捗状況を知事としてどう捉えていますか。また、名古屋駅の再開発について、名古屋市、JR、民間鉄道会社等様々な関係者がいますが、県としての役割をどう考えていますか。
【知事】  再開発の前提といいますか、リニアの大前提といいますか、前提となる大事業として、名古屋駅地下駅、リニア新駅をつくるための用地の確保という大事業がございます。それを今、名古屋市、愛知県、そしてJR東海、3者でチームをつくって、地元説明会などをやっているところでありまして、これができるかどうかにそれがかかっていると思っていますので、そこに全力で当たりたいということがまず第1点。
 あわせて、名古屋駅界隈の再開発、駅の構造、駅を大きくつくり替えていくということにつきましては、これは都市開発ということでもありますから、名古屋市、そして大方の土地はJRが持っているということもありまして、JR東海などで議論をしていただいているわけでありますが、それに当然附随して、名鉄、近鉄、それから市営地下鉄など鉄道事業者がたくさんあり、そして周辺の事業者の皆さんにも議論していただいていますが、当然我々もそれに参画しております。当然、公共スペースをどうつくっていくかということになりますし、民間だけではなくて公共としてどうするか、国、県、市としてどうやってやっていくかということになりますと、我々も当然事業費の負担という話にもなってくると思いますので、金を出すのであれば口も出すということになりますよ。まずはたたき台を名古屋市が中心になって考えてもらって、色々我々が意見を出していくと、こういうふうになってくると思います。
 我々としてはそこの駅を、名古屋市というよりも、愛知県というよりも、中部地区最大のターミナルですから、今後100年の使用に耐えられるようなスーパーターミナルをつくっていくということだと思っておりますし、そこからさらに乗り降りがしやすく、そして発着がしやすい。また、我々は名古屋駅に40分圏で来られる人口、エリアを増やしたいということなので、例えば名鉄がセントレア行きとか三河の方に行くやつを増発できるようなターミナルをもう一つつくるとかいうようなことも検討の中に入っていますので、そういったことを我々としてはしっかりとプッシュしていければと思っております。
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環太平洋連携協定(TPP)に関する県の支援策について

【記者】  TPPについて、特に農業関係で関税が撤廃されていく中で、国は支援策を打ち出したようですが、それについて、どう評価されていますか。また、愛知県として何らかの支援策をお考えですか。
【知事】  国の支援策は、要はこれから考えますって言うのでしょ。何か具体的なものはまだですよね。
 TPPの内容自体が、農産物の関税撤廃等々は想定よりもたくさんというか、発表されたわけですけれど、まだ他にもTPPは、様々なサービス、投資の自由化だとか、色々な環境規制だとか国有企業の規律だとか電商のeコマースだとか、知財の保護だとか、とにかく物の貿易、他の色々なルールを決めているものなどの詳細についてはこれからだと思いますので、我々としてはそういったことの情報を十分、これは政府しか持っていませんから、政府からできるだけ早くそういったものの情報開示をしてもらいたいということが1点。
 そういう中で、農業関係については、私も前から申し上げておりますが、大変大きな影響がある。特に畜産分野を中心に相当大きな影響があると見込まれますので、その影響の把握だとか、あとそれに対する対策などについて、関税の削減撤廃は少し期間はあるようですけれども、5年10年先こういうふうに関税削減撤廃になりますよとなると、やはり事業をするときには、特に、農業の場合、営農を継続する場合には、その先々がこういうふうに厳しいんだとなったら、やっぱり営農の意欲だとか投資というものに結びついていかないと思いますので、私はできるだけ前広にそういった対策をつくってやっていく必要があると思います。国の方にはそういったことを、早くそういった対策づくりをやってもらえるように主張したいと思います。私は、愛知県としても、TPPについては、農業とか物の貿易、関税だけではなくて投資ルールも幅広い影響があろうかと思いますので、これは国の対策を待つだけではなくて、愛知県としても独自にこのTPPの対策本部といったようなものをつくっていく必要があると思っております。そこで情報把握と情報共有とですね、そして、国の施策とも相まっての県としての対策を深めていく、そういったことが必要になるのではないかと考えております。
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第3次安倍改造内閣の組閣について

【記者】  安倍内閣の組閣に関し、今回の布陣、特に色々注目されている一億総活躍担当大臣については、どうご覧になっていますか。
【知事】  主な顔ぶれはそう変わりませんので、継続性を重視したんでしょうねと思います。そういう意味では、特に大きく変わったという印象がないので、特にこれといった感想はありません。それぞれのつかさつかさでしっかりと仕事をやっていただければいいんではないでしょうか。
 それと、1億総活躍ということでありますが、言いたいことは要は三つですよね。経済を強くしていく、それから子育て支援、それから介護で離職する人を減らすように特養をたくさんつくっていく、社会保障をしっかり強化していくということなので、これはそれぞれに今までもう既にやってきてはいることなんですよね。経済を強くして、そうした社会保障の基盤を強くするという。これはこれまでもずっと言ってきたことですから、それをそういう言葉でアレンジされたんでしょうけれども、政府というか今度の閣僚が、担当の加藤さんもそうだけど、何をやるかを早く詰めなければいけないと最初に言っているわけなので、我々としては何をやるか早く詰めて、また教えてちょうだいねということだと思っています。