知事の記者会見
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平成28年1月4日(月) 午前10時
1.

知事発言

(1)

年頭所感

【知事】  皆様、新年明けましておめでとうございます。
 1月4日、月曜日でございます。ちょうど年頭の仕事始め式の日、そして定例記者会見を始めさせていただきます。
 昨年、2015年は、リニア、そして燃料電池自動車FCV、そして日本初の国産ジェット旅客機MRJ、そしてまた航空宇宙産業などなど、愛知が大いに勢いをつけてきた、そういう1年でございました。そういうものを称しまして、私は“Heart”of JAPAN〜Technology&Traditionという形で愛知を国内外に大いにアピールするということで取り組ませていただきました。今年2016年、平成28年もそういう勢いが更に加速していく、盛り上がっていく1年にしていきたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。
 そして、今日は年頭でございまして、先ほど仕事始め式でもこの書き初めを御披露させていただきました。申年でございまして、申にちなんだ言葉というものを一生懸命探しましたけれども、なかなか良い言葉が無かったので、自分でつくらさせていただきました。
 4年前の辰年のときが「飛竜乗雲」、竜が雲に乗って飛ぶ。その竜を猿に換えまして、猿が雲に乗って飛ぶ。孫悟空が筋斗雲(きんとうん)に乗り天空をかけめぐって大活躍をする、そして幾多の困難、ハードルを乗り越えて無事、三蔵法師を天竺(てんじく)にお連れするというサクセスストーリーにちなんで、まさに元気で、活力あふれる、そしてどんな困難も立ち向かって乗り越えていく、そういう勢いのある1年にしていきたい、その思いでこの「飛猿乗雲(ひえんじょうううん)」という言葉を書かせていただきました。よろしくお願い申し上げます。
 さて、今年は、まずは「中京大都市圏」づくりに取り組んでまいります。2027年度のリニア開業により、首都圏、中京圏の5,000万人の大交流圏、その西の拠点として更にインフラ整備を始めとする、名古屋駅のスーパーターミナル化を進め、しっかりと取り組んでまいります。新東名高速道路も2月13日に全通をいたします。中部国際空港の2本目滑走路にも取り組んでまいります。また、全国初となる有料道路コンセッションも今年中に事業化を進めてまいります。
 そして、製造品出荷額等38年連続日本一の「産業首都あいち」の力を更に盛り上げてまいります。航空宇宙産業、そして次世代自動車、ロボット、工作機械などなど、そうした産業、付加価値の高いモノづくりを更に盛り上げてまいります。
 そして、全国有数の農業県・愛知といたしまして、このブランド力のアップ、そしてICTの活用などで農業力を強めてまいります。花の王国あいちも含めて、更にアピールしてまいります。
 そして、国家戦略特区による規制緩和も、農業、医療、教育、雇用・労働に加えて、近未来技術の実証、それから外国人の産業人材の受入れといったことも提案し、進めてまいりたいと思います。
 そして、産業力を支えるのが「人財力」でございます。産業人材の育成、若者の更なる技能のアップ、そして女性の活躍、そして高齢者の活躍、そして障害を持った方と健常者とのバリアフリーの社会をしっかりとつくってまいります。
 また、人づくりとして、学校教育につきましても、「第三次愛知県教育振興基本計画」及び「愛知の教育の大綱」を今年度中に策定いたしまして、一人一人の個性を生かした確かな学力の向上と、そしてきめ細かな教育を充実させてまいりたいと考えております。
 観光振興も、2015年を「あいち観光元年」と称しまして「“Heart”of JAPAN〜Technology&Tradition」というキャッチワードをつくらせていただきました。更に盛り上げて進めてまいります。
 医療・福祉の充実にも取り組んでまいります。「次期あいち健康福祉ビジョン」、そして「地域医療構想」の策定といったことも進めてまいります。そして、「あいち小児保健医療総合センター」の救急病棟を2月からオープンいたしまして、三次救急を進めます。そして、県立城山病院を全面改築し、「愛知県精神医療センター」を2月にオープンいたします。
 そして、重症心身障害児者の施設につきましては、尾西の「一宮医療療育センター」をこの1月に開設、そして県立の岡崎の「三河青い鳥医療療育センター」を4月にオープン、そして春日井のコロニーを全面改築いたしました「医療療育総合センター」を今年の夏にオープンという形で進めてまいります。
 安心・安全の確保も重要な課題でございます。南海トラフの巨大地震に備えた「愛知県地域強靭化計画」に基づいた建物等の耐震化を進めてまいります。ゼロメートル地帯における広域防災拠点の整備も進めてまいります。また、交通安全につきましても、大変大きな課題でございまして、昨年も交通死亡事故ワーストでございました。今年も全力で交通安全に取り組んでまいります。
 そして、「環境首都あいち」の実現でございます。産業も日本一でありますが、環境施策も日本のトップランナーとして取り組み、進めてまいりたいと考えております。
 また、2019年のラグビーワールドカップ、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピック、またFIFAフットサルワールドカップの招致など、大きなスポーツ大会の招致でこの地域を盛り上げていきたいと考えております。
 地方分権、行財政改革も進めてまいります。東三河の振興、そして三河山間地域の振興、離島の活性化、地方創生にも全力で取り組んでまいります。
 そして、今年5月26日、27日は伊勢志摩サミットがございます。中部国際空港、名古屋駅といったゲートウェイを擁する愛知県でございます。全ての首脳はこの愛知にお越しいただきます。しっかりと受入れ、歓迎、そしておもてなし、そして万全の警備を進めてまいりたいと思います。また、産業観光、武将観光、そして日本一の山車からくり、なごやめしなど、愛知の魅力を国内外にアピールしていきたいと考えております。
 併せまして、この2016年から日本がサミット議長国になりますので、更に陣容が必要だということで、愛知県といたしましても、サミット対策室を増員、そして外務省への職員派遣をこの1月から追加して、また派遣することといたしております。
 そして、芸術・アートの年でございます。8月に「あいちトリエンナーレ2016」がオープンし、10月末に「第31回国民文化祭・あいち2016」、そして12月に「第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会」ということで、現代の最先端アートから伝統文化、そして障害者アートまで、切れ目なく開催してまいります。こうした芸術・アートの分野、力に触れていただきたいと思います。
 そうしたこと全てに取り組みまして、日本一元気な愛知をつくってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
        
2.

質疑応答

(1)

伊勢志摩サミットについて

【記者】  2016伊勢志摩サミット対策室の増員及び外務省への職員の追加派遣について、具体的な人数や時期を教えてください。
【知事】  外務省の派遣職員は、今9月1日に1人、1月中にもう1人派遣するということで今調整をいたしております。
 それから、サミット対策室の増員は、1月中に4人。年末の12月28日がちょうど150日前で、中部空港にカウントダウンボードを作りました。ですから、もう150日切っているので、国のどこの部署もやっつけ仕事に近いような形で、よっこらしょでやっていると思いますけれども、時間がないので我々も全力でやっていければと思っています。要は、5月に済んでしまったら終わってしまう。そういう意味では、それまで全力で取り組んでいければと思っております。
 引き続き、外務省はその窓口ですけど国の各省とも調整をして、我々の希望とか要請とか、どういうふうにするかとか、あと時間の区割りとか、しょっちゅう、色々打合せしています。ただ、12月まではサミット議長国がドイツだったので、なかなかあれなんですけど、これで1月から日本が議長国になったので、テーマを決めて。
 我々の一番の関心事は、セントレアでのどういう受入れ、歓迎で、どういう時間帯になって、どういうことをやるかということでして、あと名古屋駅をどういうふうにしていくかということ。それから、アウトリーチ国はどういうテーマでやって、どういう国にお声を掛けていくのか。
 お声掛けすれば、それは間違いなく全て、万障繰り合わせて首脳、トップ本人が来られると思いますし、その方々は全員名古屋にお泊りいただくということになろうかと思いますので、そうなりますと、そこでどういう形での受入れと歓迎とアピールをしていくか。具体的に分かってくれば、その方々に、サミットだけではなくて、1日か半日ぐらいいただいて、この愛知、名古屋のTechnology、そして伝統文化、Tradition、この地域のいいところを見ていただきたいということをお願いに行こうと思っておりますので、陣容も強化をしてしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

(2)

アジア大会の招致について

【記者】  本日、一部報道に、県が2026年アジア大会の招致の意向を固めたとありましたが、これに関して教えてください。
【知事】  2026年もそうですけど、私としてはやはり2027年のリニア開業に向けて、そこで大型の国際的なスポーツ大会、国際的な大きなイベントといったものをやっていきたいなという思いはあります。
 アジア大会もそのうちの一つの選択肢だと思っておりまして、これは県議会でもこれまで何度か、一昨年、昨年と質問をいただきましたし、名古屋青年会議所さんからも、もう1年ぐらい前になりますが御要請もいただいております。そういった形で大きな大会を、やはり我々の目標は2027年でしょう。若干、その日程が合うかどうかというのはありますけども、それに向けて調査検討をし、その上で取組を、具体化していきたいと思っています。
【記者】  アジア大会は、複数ある国際的なスポーツ大会やイベントの招致の候補の中の一つだということですか。
【知事】  私はアジア大会は、個人的には是非そういった形でやっていきたいと、取り組みたいと思いますが、これは大変大きな、巨大な大会なので、それについてどういうふうに条件整備をしていくか。これまでも正直言って、ずっと内部的には色々な可能性を持って検討をしてきまして、何が必要なのかということも含めて、大分前提条件がクリアになってきたと思っております。
 そういう意味では、実現可能性も含めて取り組んでいきたいと思っていますが、もちろんそれだけではなくて、色々なスポーツ大会を含めてやっていければいいかなと思います。いずれにしても、まずは更に具体的な調査検討を進めて、是非そういう方向で取り組んでいきたいと思います。
【記者】  調査検討準備委員会等を今年中に設置するといった、具体的な話はありますか。
【知事】  新年度に調査検討費、調査費を出したいと思います。
 2020年代に向けて、特に2027年の前後といいますか、2027年は何と言ったって、世界初のスーパーマグレブを世界中の人に見ていただきたいと、東京−名古屋が40分だということのインパクトを世界中に発信したいと思いますので、そういう意味で是非そういった形でやっていければ。
 元々アジア大会は、2014年の韓国・仁川の後は2019年ベトナムで決まっていた。それが、ベトナムがちょっとなかなか難しいという話になって、次はインドネシアのジャカルタ及びその周辺が引き受けたんですね。それで2019年だったけど、2019年はインドネシア大統領選挙があるので、1年前倒して2018年にしてくれということになって2018年。その後、2022年は中国の杭州になったという経過がありますから、私は是非2027年にそういった形のことがやれれば、これだけのインパクトのあるものはないのではないかと思っております。
 やはり2027年に何をするか、それは、まだまだ12年先と言いながら、名古屋駅界隈の用地買収等含めていきますと、あと実際の工事、事業の期間を考えると、はっきり言って、そんなに余裕がある工程ではないと思いますが、英知を絞ってこれをやっていきたい。
 我々としては何といっても東京−名古屋の40分というスーパーマグレブを、是非是非世界中の人に見ていただきたいなと思っておりますから、そこにこういった世界中が注目するような大型の国際大会をぶつけていきたいと、手を挙げていきたいということでございます。
 ですから、色々な前提条件、例えば何万人も入るような、新国立の6万8,000人とか8万人みたいな、その後のことを考えると、あれほどのものはよう造りませんが。ですけど、ある一定規模の国際大会ができる陸上競技場、メインスタンドが要るということですから、瑞穂の建て替えという話がこれから具体化をしていく。これは我々もずっとずっと名古屋市とも相当打ち合わせをしてきておりますので、それをどういう形で進めていくかということも含めてやっていければと思いますし、他にもまだ色々詰めなければいけない、クリアにしなければいけないものがたくさんありますからね、どういう形かというのはあれですが、是非具体化をして、名乗りを上げていければと思っています。
【記者】  メイン会場の有力案は、瑞穂陸上競技場ということですか。
【知事】  メインスタジアムというかメインスタンドは他にないでしょ。あそこは8レーンしかありませんので、国際大会は9レーンが必要なので、名古屋で世界陸上も開けないんですね。それはいかがなものかと。大分老朽化もしてきているということもありますし、そちらの観点からも。
 正直言って、あそこが大分手狭ということもありますので、名古屋市の郊外とかそういったところでやれるところはないかと。それは県有地で幾つか土地はありますから、やろうと思えばやれるよ。だけど、その郊外のぐっと離れたところに造って、本当に人が集まるかということとか、色々な意味でのことを考えて。名古屋市とは別に、県がもう一つ造るのかということなどを考えますと、そこはやはり愛知県と名古屋市が共同でやっていくということが一番、県民、市民が望んでいる方向ではないかなと私は思っております。
 具体的なことはまだ、これから更に詰めていかなければいけませんけど、相当大きな事業費も要りますし、その後の運営も含めて考えますと、新国立で色々、ああでない、こうでないと言われ、あれほどの規模ではありませんが、ちょっと大きくすると、事業費が何倍もかかってしまう。あんな大きなものではありませんが、やはり同じですよね。後々の運営まで視野に入れて考えていかないと、造ったのはいいが、後は重荷になるというのではいけませんからね。ということを含めてしっかりと検討していければと思っています。
【記者】  確認をしたいのですが、知事としては、可能であれば、リニア中央新幹線が開通する2027年のアジア大会開催を要請していきたいということですか。 
【知事】  そういうことです。我々としてはやはり目指していきたいのは2027年だから。ただ、相手があることだから分かりませんよ。
【記者】  知事の希望としては、開催年をずらして、2026年ではなく、2027年の開催を要請したいということですか。
【知事】  それは言っていかないといけないと思っています。やはり、2027年という年が特別な意味があるのではないでしょうか。
 それは、我々愛知県だけではなくて、日本国中、日本国民全員の人がそういう思いを持っているのではないですか。東京−名古屋のリニア新幹線、スーパーマグレブは、私は昭和39年の東海道新幹線を凌駕(りょうが)するぐらいのすごいインパクトだと思いますけどね。
 

(3)

スポーツの国際大会の招致について

【記者】  今、アジア大会の話がありましたが、県は現在、FIFAフットサルワールドカップ2020、ラグビーワールドカップ2019等、様々な国際大会の招致をしています。県として、このような大きな国際大会を招致する狙いを、リニア中央新幹線の開通以外の話を含めて聞かせてください。
【知事】  年頭の挨拶の中にもありましたが、私は国際的なスポーツ大会というのは、やはり理屈抜きに見ている方々を感動させると思いますし、熱いアスリートの熱闘が伝わってきますので、この地域もそうだし、あと日本全体を盛り上げていく、そういうインパクトはあると思います。
 私は、競技種目はどれが良くて、どれがどうのこうのという話ではなくて、全般的に、ぜひ国際的にもよく知られている認知度の高い大きなものを、そういう節目節目のときに招致して、盛り上げていければと思っております。
 基本的に、この愛知も名古屋も色々な大会をこれまでもやってきていますけどね。名古屋市に愛知県体育館もあれば、日本ガイシホールもあれば、ナゴヤドームもあれば、様々なそういうスポーツ施設がたくさんありますけれども、そういったものがややもすると少し時代が、時が経って少し時代に遅れていると言うと語弊があるかもしれませんが、先程申し上げたように、ここでは陸上の世界大会を開けないんだよね。手も挙げられない。ということは、これを解消する必要があるのではないのかなということとかですよ。
 他にも、例えば愛知県体育館でも、去年の秋ハンドボールのアジア予選をやりましたけど、国際大会をやるのに施設的には相当限界に来ていて、愛知県体育館のすぐ西側のところにプレハブを建てた。控室がないとだめなわけですよ。そういうプレハブを建てていくとか、あとVIPが来たときの動線がないとか、色々あるんです。中のものは何とか、わかしゃち国体とか、あと色々なことで、耐震も空調とか色々なことをやり替えていますけれども、やはり施設的には、大相撲名古屋場所をやってもらっていても、いっぱいいっぱいなわけですよ、みんな外に作ったりなんかしてね。そういうことのリニューアルとか、何とかを、これは誰がというのではなく、県民のためにやって、できるだけ大きな、時代に合ったような器を作って招致をしていくということも必要ではないかと思います。
 例えば、まだ今シーズン真っ盛りですけど、フィギュアスケートなんか非常に盛り上がって、この間の全日本選手権は長野県のオリンピックの会場であったアリーナでやりましたけど、長野県でやっても4,000人しか入らない。確か4,000人か4,000何百人だったかね。埼玉県とか代々木でやると1万人とか1万何千人とか入るわけでしょ。
 フィギュアスケートの選手は圧倒的に愛知出身者が女子も男子も活躍しているわけですね。でも、やろうと思ってもなかなか前提条件になる箱というか、器が苦しいというのでは、やはり申し訳ないと思いますよ。そういったことも含めて、是非ハード整備も兼ねながら、リニューアルもしながら、これから2020年、2027年と節目がどんどん続きますので、ぜひそういった形で大きな大会を招致し、アピールしていければと思っています。
 先程、御質問のあったアジア大会云々は、4年、4年、4年の回り順でいくと2026年なわけですね。2022年まで14年、18年、22年と決まっているから26年なのですけれども、我々としては、一旦2014年、次が19年で決まった経過もあるので、我々は何とか2027年でやれたらいいかなと。それは相手があることだから分かりませんよ。だけど、そのぐらい言っていくだけの価値はあるのではないかなと私は思います。

(4)

マイナンバー制度について

【記者】  いよいよマイナンバー制度が本格的に運用されますが、まだまだ、県民の皆さんに不安な部分があると思います。
 基本的には国が中心になるとは思いますが、県として、マイナンバー制度に期待することや、不安に感じる部分はありますか。
【知事】  これは愛知県だけがどうのこうのという話ではなくて、オールジャパンの話ですからね。国が社会保障と税の一体改革の中で、、こういった様々な行政サービスとか社会保障のサービスがより円滑に受けられるようにということでマイナンバーという制度ができたわけです。まだ全部行き渡ってないのかね、ということがありますが、まずはこういう形で国民の皆さんに、一番このマイナンバーで直接関連するのは市町村の窓口での様々な手続ということになろうかと思いますので、まずはそういったことが円滑にやれると、やれるようにということを我々はしっかりサポートしていくということだと思っております。
 それが円滑にやれて、所期の目的がしっかり達成できたと、これが導入できて良かったねということにならないと、これだけの大きなお金をかけてやって、効果がなかったというのでは、それはいけないので。この後、更に色々なところに使ってという話は、まずは使っている人たちがちゃんとこれで便利になったねとか、良かったねということにならないと、その次に行かないでしょう。
 むしろ今の段階では、様々な情報が漏れるとか、情報漏えいの危惧があるといった方が色々なアンケートを採ると強いようなので、そういったことがないようにならないと広がっていかないと思いますから、まずは窓口、それから利用される国民の皆さんと円滑にやっていけるように、そういったものをしっかりサポートし、そういった状況をしっかり注視しながらやっていければと思っています。
 

(5)

知事の年頭の所感について

【記者】  今年は、サミットを始め、MRJ、FCV、様々なスポーツの国際大会の招致、訪日外国人の増加など、対外的にも大きな飛躍が期待できる年だと思います。
 知事は、「今年は○○が変わる」の「○○」に敢えて何か言葉を入れるとすれば、どのような言葉が挙げられますか。
 ここが更に良くなるとか、ここが昨年と違うといったことがあれば教えてください。
【知事】  私は、むしろ去年、これまでやってきたことが更に広がっていく、拡大していくということではないのかなと思います。これまでやってきた、色々な種をまいて芽が出てきたものを更に伸ばしていく、広げていくということだと思います。
 そういう意味で勢いを加速していく、速めていくということですから、私は、ちょっと字があれかもしれないけど、やはりスピードを変えたい、スピードをもっともっと速くしたい。もっとスピード感あふれるような、そういう県庁でもあるし、そういう愛知でもあるし、そういう日本にしていかなければいけないのではないかと思います。
 今言われたグローバル化、国際化がどんどん進み、そしてデジタル化がどんどん進んでいくということなので、毎年毎年、私も思いますけれども、年を追うに従って世の中のスピード感が、変化のスピードが非常に速まっていますよね。これは良い悪いではない、好き嫌いではなくて。嫌いだと言ったって、世の中が変わっていく、世界はどんどん動いていくわけだから、そういう意味で私はスピードを変えたい。スピードが変わっていく、どんどん変化の度合いが変わっていく、そういう1年にしていければと。そういう動きの速さ、速さが変わるというのかな、スピードが変わるというのですかね、どちらの言葉がいいのか知りませんが、そういう感覚がどんどん変わっていくような、それで、どんどんどんどん新しいものにアグレッシブに挑戦していけるような1年にしていきたいと思います。 

(6)

参議院議員選挙について

【記者】  今年は、参議院議員選挙が行われます。衆参ダブル選挙となる可能性もありますが、知事の見通しはいかかですか。
【知事】  私の個人的な見立てというか、見た感じでしょうけど、ダブル選挙はないと思います。元々ないということなので、それは置いておいてということで。
 参議院選挙はどういうふうになっていくか、これは今日から国会が始まりますので、その国会での議論、テーマ、論点、それがどうなっていくかということによるのではないかなと思います。ですから、まずは今日から始まる国会での論戦を注視していきたいということではないかと思います。
 様々な課題がたくさんありますよね。とにかく去年9月末で国会を閉じてから基本的には国会をやっていない。委員会は閉会中審査をやったといいながら、秋に国会を開かなかったというのは、確か20何年ぶりでしたかね。私が国会議員になってから秋に国会がなかったということはあまり記憶にありませんがね。郵政解散の後に特別国会を開いたから臨時国会がなかったとか、それは、そのときも国会はありましたからね。だから、開いてなかったということは無かったのではないですかね。
 様々な外交日程だとか色々な予算とか税制とか、そんなの毎年やって、当たり前のことです。国会はやはりその時々のテーマがあれば、国会を開いて議論するということが本来あるべき姿ではないのでしょうかね。10月、11月、12月と3か月、国会をやっておられないので、はっきり言って、さっさと開いて、さっさと議論やってもらわないといけないということだと私は思っています。
 去年あれだけの議論があった安保法制が通った後に、まともな国会が開かれていないというのは、私は極めて異常な事態ではないかと思いますから、今日から開いた国会でしっかりと議論して、論戦をして、様々な国民の皆さんの声に、政府与党はしっかり応えていただかなければいけないのではないかと思います。
 その後、10月からTPPの大筋合意だとか何とかと色々あって、それでも国会は開いていませんからね。閉会中審査はあったと言ったって、これは違いますからね。やはり補正予算、それから本予算、予算審議を絡めた中で、そういった国政の大きなテーマについて議論を深めていただきたい。外交安保ももちろんだし、TPPなど、国際経済のものも、もちろんだし、それから消費税の軽減税率のことについてなどなど、テーマはいっぱいあるではないですか。そういったものを大いに議論してやっていただければと思っております。
 それからもう一つ、今年は参議院選挙は、有権者を18歳まで拡大するということになっておりますから、18歳、19歳の方々が新たに有権者になる、投票権を獲得する。その人たちがどういうふうに投票行動するのか、どういうふうに動くのかということは、やはり大いに注目されますよね。そういった若い人たちに関心を持ってもらえるような政治とか、そういった取組を我々はやらなければいけないだろうと思いますから、それも含めて大いに注視していきたいと思っております。