知事の記者会見
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平成28年1月25日(月) 午前10時
1.

知事発言

(1)

天皇盃第21回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会及び皇后盃第34回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会における愛知県チームの男女アベック優勝について

【知事】  おはようございます。1月25日10時の定例記者会見を始めさせていただきます。
 昨日、広島県で行われました全国都道府県対抗の男子駅伝大会におきまして、先週、愛知代表女子チームが優勝しましたのに続きまして、男子チームも見事に優勝いたしました。男女のアベック優勝というのは、史上初ということでございまして、大変素晴らしい結果でございます。1月からスポーツで大活躍ということで、喜ばしい限りでございます。
 ちなみに、これは今日発表かな、1月26日、明日の火曜日午後5時5分から20分まで、男子チームは調整中でありますが、男女の代表チームと監督の皆さんが私のところに来てくださいます。男子チーム、女子チームともに労をねぎらい、そしてお祝いを申し上げたいと思っておりまして、そして、またこれからも次なる目標に向かって大いに頑張っていただくよう期待を申し上げたいと思っております。
 昨日も色々話を聞いたのですが、特に女子チームは、いわゆる予備の選手も含めて13人中12人が、いつも12月にモリコロパークでやっている市町村対抗駅伝ですね、あそこの出場経験者ということもありまして、ああいう形で小中高生、社会人の皆さんが一堂に出る駅伝大会を県内でずっとやっているということが、その裾野を広げることにつながっているのではないかと、昨日の夜、ドラゴンズの山本昌投手の引退パーティーで、某テレビ局の社長さんがそういうふうに言っておられました。なるほどそれもそうだなと思います。裾野が広がるというのは大変大事なことだなと思いますので、是非、また明日取材の方もよろしくお願い申し上げます。
  
(2)

第65回全国高等学校総合体育大会 スケート競技・アイスホッケー競技選手権大会のフィギュア競技における愛知県選手の男女アベック優勝について

【知事】  また、併せまして、先週、この1月22日、23日に、岩手で行われたフィギュアの高校選手権大会も、男子、女子ともに優勝していただきました。男子は山本草太選手、女子は松田悠良選手ということで、大変、素晴らしいことでございます。これから岩手では冬の国体がありますので、大いに期待をしたいと思っております。
  
(3)

「愛知からくりくふう展in刈谷」の開催について

【知事】  「愛知からくりくふう展in刈谷」の開催についてでございます。
 「愛知からくりくふう展in刈谷」の開催につきましては、昨年11月20日にその概要について記者発表しておりますが、詳細を申し上げます。
 企業の製造現場では、日本の伝統技術である「からくり」に使われているような、てこの原理などを利用して、単純なメカニズムで、品質や作業性、故障などといった問題を解決する「からくり改善®」に注目をしています。
 こうした製造現場の「からくり改善®」作品の展示を通して、小中高生を始めとする県民の皆様に、モノづくりの面白さを体験していただくことにより、モノづくり人材の育成を図るため、新たな取組として開催するものであります。
 日時は、3月12日土曜日の午前10時から午後4時まで、会場は刈谷市の産業振興センター、主催は愛知県、刈谷市、そして日本プラントメンテナンス協会で構成する実行委員会でございます。対象は、将来のモノづくりを担う小中高生ですが、中小企業にとっても大いに参考になる内容になっております。入場は無料でございます。
 内容につきましては、二つのイベントです。一つは、県内企業の「からくり改善®」作品の展示と実演であります。刈谷市に本社・工場のあるアイシン精機、ジェイテクト、デンソー、トヨタ自動車、豊田自動織機、トヨタ車体、トヨタ紡織のトヨタグループ7社による様々な作品の展示とともに、企業の方に直接作品を紹介していただきます。
 この会場に色々持ち込んで、社員の方も説明員というか配置し、実演していただくということで、正直言って企業の皆さんには持ち出しというか大変な御協力をいただくということでございますので、よろしくお願いいたします。
 二つ目は、刈谷少年少女発明クラブの子供向け工作教室、愛知工科大学・愛知工業大学・南山大学そして地元企業によるロボット展示・木工教室の開催を予定しております。
 また、当日は、私や刈谷市長が抽選を行う抽選会やスタンプラリーなどの企画も用意しておりますので、楽しんでいただきたいと思います。小中高生を始めとする多くの県民の皆様に御来場いただいて、モノづくりの面白さを体験していただくことを期待しております。
 10月に、「からくり改善®くふう展」というものをポートメッセなごやで行いまして、これは2年に1回名古屋でやっているんです。名古屋と東京で行ったり来たりということでありますが、大変素晴らしい内容であります。10月に毎年というか、2年に1回秋にやるやつは入場料を確か1人2万円ぐらいとるのかな。企業の方を対象にということでありますが、これは小中高大学生、子供たちに見ていただきたいという思いで、急遽相談をして実現するというものでございます。多くの方にお越しをいただければと思っております。
  
(4)

第12回教育懇談会の開催について

【知事】  第12回教育懇談会の開催について申し上げます。
 「教育懇談会」は、これで12回目となりますが、2月10日午前10時から、今度は「児童生徒の市民性・社会性を高めるシティズンシップ教育のあり方」についてをテーマにいたします。
 これは今年の参議院議員選挙から18歳が選挙権を得るということもございます。また、道徳性・社会性の向上、ボランティア活動を始めとする社会参画を促す教育の充実など、これからの社会を形成する市民としての必要な資質・能力を身に付けるための教育、シティズンシップ教育のあり方について、幅広い視点から御意見をお伺いしたいと思っております。
 今回は、特別参加として、日本シティズンシップ教育フォーラムの副代表で、京都教育大学教授の水山光春さん、そして、漫画家の江川達也さんにも参加をいただきます。
 懇談会でいただいた御意見、御提案は、今後の愛知の教育にしっかりと生かしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
   
(5)

地方法人課税の見直しに対する愛知県からの緊急声明について

【知事】  地方法人課税の見直しに対する愛知県からの緊急声明について発表させていただきます。
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/zaisei/tihouhouzinkazeiyousei.html
 平成28年度の税制改正における地方法人課税の見直しにつきましては、昨年12月に決定されましたが、消費税率が10%に引き上げられる来年4月以降の取扱いとして、一つは、かねてから我々が主張しておりました地方法人特別税、これは法人事業税を2分の1国が召し上げて譲与税で配り直すというものでございますけれども、これは、何らの理屈もない。ただ単に帳尻合わせということで、地方分権に逆行するということで、この8年間、延々と撤廃、廃止を申し上げてきましたが、これは2分の1が今3分の1、そして消費税10%のときに撤廃ということが決まったということでございまして、これは一つ前進ということであります。
 その一方で、次の措置が講じられることになりました。一つは、法人住民税法人税割、いわゆる法人市民税の国税化の割合を県の分も市町村の分も拡大するということ。それから、市町村への減収補てん措置として、県の税収である法人事業税の5.4%を実質国税化して、召し上げて県内市町村に配れということが決められてしまいました。これは地方税の国税化の強化でありまして、分権に逆行するものであり、極めて遺憾でございます。
 そして、更に今回の見直しでは、地方法人課税の割合が高い、私ども愛知県や東京都に多大な影響が見込まれます。とりわけ、県内市町村の一部の不交付団体におきまして、法人市町村民税の国税化による減収が、県からの法人事業税の交付金、そして消費税の引上げによる増収を上回って、大きく減収となる自治体が複数出てくる可能性が判明いたしました。
 地方消費税の引上げによる住民負担が増加する。これらの自治体では、そこに住んでいる人にとっては、住民負担は増加する、税負担は増加するんですけれども、そこの自治体の税収はなぜか突然減る。当然住民サービスも削減されるという摩訶不思議なことになるわけでございます。これでは自治体運営はできません。
 そうした、自治体運営に非常に大きな影響を与えるこうした見直しについて、影響を受ける自治体の声を一切聞くことなく、国が一方的に勝手に決めて勝手にやろうということは極めて遺憾でございます。今後、国においては、こうした現場の実態を十分に把握した上で、全ての地方自治体の財政運営等に悪影響が生じないように、必要な対策を講じられるよう強く要求するものでございます。
 この点は、御手元に参考資料といいますか、私が12月の時点で申し上げていたもの、主張していたものをお配りしています。
 12月11日、これは与党税制改正大綱が決定したときの私のコメントでございまして、経緯が色々書いてありますが、基本的に、国税化の拡大強化であり、これは地方分権改革に逆行するということ。そして、もう今既に、消費税が5%から8%に上がったけれども税収はドンと落ちるということが愛知県内6市町村、6自治体で生じているのですが、いわゆる今回の措置を拡大することによって、これが7自治体に拡大し、更にその額が増えていくということで、これは前からこういうことになるのはけしからんと。県の財布もさることながら、法人市民税をドーンとやると、これは愛知県内の市町村の自治体運営に非常に悪影響、大きな影響があるということを、かねがね秋以降申し上げてまいりました。
 ただ、どういう数字になるかは、これは総務省がどういう形でこの消費税収、それと特に県からの事業税交付金という制度は年末にドーンと突然入ってきましたので、これがどうなるかによってですが、その配分のやり方とか何とかというのを総務省がやり方を示したので、それに基づいて私どもが試算した数字がようやくできたということでございます。
 この試算は私ども愛知県でしかできませんので、これができたので、今回、今日この段階で発表させていただくということでございます。ただ、この時点でも、こういうことは非常に問題だということを申し上げてまいりました。
 それを受けて、本日付けで、この数字とともに、こういったやり方はいかがなものか、こういったことを前提にする今回の地方税法改正法案には反対であるということを明確に申し上げたいということでございます。
 そして、今回のことでございますが、横長の資料がありますが、数字を併せて説明させていただきたいと思います。
 まず1ページでございますが、これは今申し上げた、制度の仕組みでございます。枠囲いのところに法人住民税法人税割の縮小と書いてあります。ポイントは市町村が12.3%というのが、グッグッグッと減ってきて、今でも9.7%に減っているのですが、それがグーッと減って6%まで減る。12.3%が6.0%ということでありますから、半分以下に減るんですね。これは非常にまずは計算がしやすいと思います。それが消費税の増収と県からの交付金でどれだけ戻るかと。戻り切らないので穴が開くということになります。
 県は、都道府県は5%が1%に、もうほとんどなくなってしまうということでありますし、あわせて法人事業税の100分の5.4を交付金として市町村に配れということが決められてしまう。これはもう召し上げられるのと一緒ということが制度の枠組みでございます。
 愛知県は、26年度決算で法人事業税を2分の1召し上げられて譲与税で配り直すということで、1,107億円の穴が開いております。消費税率の5%が8%になるときに、法人事業税の国税化が2分の1が3分の1になり、法人県民税が一部召し上げられたということで、あわせて992億で、ちょっとましだということですが。要は、愛知県は法人事業税のウエイトが高いのでこういうことになるのですけれども、だからいいという話では全くなくてね、理屈は何もないと、けしからんということであります。
 これが今度28年度改正、いわゆる先程申し上げた法人事業税2分の1の国税化がなくなるということですが、一方で法人住民税が取られる、それから交付金として事業税の5.4%が取られるということで800億円ということでございまして、県としては少しはましになるということですが、だからいいという話では全くなくて、これは分権に全く逆行する、理屈がない話だということでございます。
 一方でもう一つ、これは参考までですけれども、東京都は毎年2,000億円取られて、これが都の場合は法人事業税よりも法人都民税というか、やはり構造的には、愛知県は企業ですが、東京都は企業もさることながら個人のお金持ちがたくさん住んでいて税金を払っていると、こういう構図でございまして、これが2,000億円が4,600億円ということになるという試算でございます。
 要は、これは国の理屈ですが、御案内のように消費税を上げる、それを地方消費税としてもたらす。そうなりますと、東京、大阪、名古屋という大都市部は消費が、やはりみんなそこで買い物をしてくるので、特に東京なんかは非常に税収が上がってくる。いわゆる買い勝ちというか、地方の田舎の方は買い負けというか、そういう形になるので、それを税で調整しようという趣旨なんですね。
 ですから、本来東京都から幾ら取るかと。これでも東京都は3,000何百億円ぐらいの消費税収の増収がありますので、差引きでいえばそういう影響ということでございます。ある意味で、こういう東京に集まるものをどう分配するという形でこの枠組みは仕組まれたのですが、その副作用で愛知県内の減収となる7市町村のデータでございます。
 愛知県内では、碧南市から始まって七つの市町村で、国税化による影響額が、いわゆる県からの法人事業税交付金、それから消費税の増収を大きく上回って、差引きで減収となるということが出てきてしまうわけでございます。
 一番左の欄が国税化の影響額、いわゆる平成26年度決算で法人市町村民税の半分が取られるというと、このマイナスが立つ。県から244億円の交付金を県内にもばらまいたものがこういう収入になるという想定。それから、消費税の増収分がこれだけある。ところが、差し引いてマイナスが立つということでございます。
 ちなみに、こういう市町村単位で消費税が上がってマイナスが立つ市町村は、全国で愛知県の七つだけでございます。東京都にはそういう自治体はありません。平たく言うと、消費税が東京に集まってくる、だから東京から少し全国に配分しようといって制度を仕組んだところ、東京都では都が調整しますから、そういう市町村は出ずに、なぜか愛知県だけ7市町村そういったものが出てきてしまった。まさに副作用というか、とばっちりというか、ということでございます。
 豊田市が112億円。一般会計予算が1,780億で112億円ですから、6.3%の予算がなくなる。それも何の理由もなくですよ。何か豊田市が悪いことやったということですか。
 何か説明があったかというと、何もないですよ。民主主義の社会でこんなことがあっていいのですか。
 みよし市も、252億の予算で14億で5.5%。ほか碧南市、刈谷市、大口町、飛島村、幸田町と、この七つということでございます。全国でこの七つだけが、消費税が上がったことによって何の脈絡もないけど、なぜか減収になる。私はこんなことは、あり得ないと、あってはいけないと思います。
 なぜこうなるかというのは、愛知県の県内市町村においては、法人住民税、いわゆる法人市町村民税のシェアが高くて、地方法人課税の見直しにより大きく影響を受けるということでございます。
 ここに書いてありますように、豊田市が法人税割の割合が30.2%、みよし市が27.3%、大口町は21.0%、刈谷市が18.6%などなどでございまして、県内合計11.8%。東京都は23区を除いて6.6%。全国では合計で8.0%。東京都は、23区ごとに出てこなくて、全部東京都と合算ですから、そういう区ごとのやつが出てこないということであります。
 東京都の場合も、御案内のように三鷹市とか武蔵野市とか、いつも財政力指数が上位に出てくる団体がありますが、そこは皆さんも御案内のように、基本的には企業の税収ではなくて、個人のお金持ちがたくさん住んでいて個人の市民税、それから土地が高いので固定資産税ということなので、そこには今回手をつけておりません。
 ですから、法人課税を見直すということで、東京都には影響が来ずに、日本で唯一、愛知県の7市町村だけにこういう影響が来るということでございまして、これは極めて遺憾だと言わざるを得ないと思いますし、これははっきり言って総務省の設計ミスだわ。多分これは頭に無かったんだよ。最近役人も劣化したと思いますが、まさにまさしくそういうことだと思いますよ。民主主義の国で、こんなことが通るのは、あり得ないと思いますね。
 私から更に補足を申し上げたいと思います。まず申し上げるのは、今回、先程申し上げましたように、県内市町村の一部不交付団体で影響があるということで数字を精査してまいりました。それが今回出てきたので、ここで発表していきたいということでございます。
 この緊急声明でも申し上げましたが、こうした県内市町村も含めて、全ての地方自治体の財政運営に悪影響が生じないように必要な対策を講じていただきたいと思います。これはまさに地方税を国税化するということで、分権に逆行する極めて遺憾なものでございます。こういったことを今後強く申し上げていきたいと思います。
 更に補足を申し上げたいと思いますが、そもそも、地方消費税の引上げによる増収部分は社会保障施策に充てられるものでありまして、そういう仕立てになっております。純粋な増収と言えるものではありません。社会保障に充ててくれと、こういうことだと、こういう制度に充てろということで、地方負担も、子供、子育てとか新しい色々な施策にたくさんついてきています。それは消費税の増収があるからいいでしょということですが、ここは消費税の増収を上回るカットでドカーンと。豊田市なんか毎年110億、120億穴が空くと、それではもうできませんよね、ということが1点。
 それから、もう既に去年の4月から、消費税率が5%が8%段階になるときでも、豊田市では既に毎年40億円を超える減収になっております。これが今回110億円、120億円となる。これは看過できません。まさに受忍限度という言葉があるかもしれませんが、それをはるかに超えるものではないでしょうか。
 その一方で、こういったところは今、どういう税の構造になっているかということを、参考資料をつくりましたが、見てください。豊田市、みよし市、どちらも豊田税務署がかぶりますので、そこでの国税と地方税の割合、国税への貢献度を見ていただきたいと思います。
 平成25年度、平成20年秋のリーマンショック以降、トヨタ自動車が4年連続赤字決算をし、繰越欠損も入れたら、なかなか税収が上がってこなかったということがようやく癒えて、平成25年度豊田税務署では、国税の法人税が2,692億円上がった。
 一方で、法人市民税は平成25年度、これ国税から地方税は1年遅れになりますので、25年度はまだリーマンショックの傷が癒えていないということで、豊田市、みよし市合わせて60億円で、それが1年遅れで、ようやく回復してきたなという26年度で、豊田市、みよし市で408億円。
 しかし、地元に408億ですよ。国に2,700億円ですよ。もう既にこれだけ国には貢献をしているわけですよ。それにもかかわらず、更に豊田市、みよし市合わせて400億円を半分以下にしようというのですよ。私はこんなの許せないですよ。何でこれ以上負担を強いられなければいけないのかということだと思います。
 例えば、ちょっと違うかもしれませんけど、地方の負担という意味でいったら、例えば、東京都の新国立スタジアムが、スキームとすると1,581億円の事業費のうち、東京都の負担が395億円ですよ。それを東京都に負担させるために、特別に法律をつくるんですよ。いわゆる国の施設に対して地方自治体に負担させることは地方財政法で禁止されていますから、そういうことやるためには特別立法が要るということなのですね。だからこの国会でわざわざ法律をつくるんですよ。
 東京都の一般会計予算8兆円ですよ。8兆円の一般会計予算があるところで395億円負担させるように特別立法をするんですよ。豊田市1,780億円の予算で、毎年110億120億円が、毎年ですから、4年たったら400億を超えてしまうんですよ。それが一言もなしに、何もなしに、意見を聞くこともなし、説明もない、ごめんねの一言もない、何もない。これが政治ですか。
 日本全国で愛知県の七つの市町村だけなんですよ。私は、愛知県がいいとは言いません。いいとは言わないけれども、これはしかし、全体のあれかという話ではありますけど、県内の七つの市町村の減収は、それは我慢なりませんね。おかしいもん、こんなの。何で愛知県内の市町村、それも先程申し上げたように、国税をこんなに出して一生懸命頑張ってるところが、こんな理不尽な負担を強いられなければいけないのですか。今の今まで説明なんか一言もないですよ。国からも誰からも、国会議員からも一言もないよ。こんなことがあり得るんですか。
 要は、企業が頑張ってるということとは、違うんですよ。例えば、トヨタ自動車さんの社員の7、8割は豊田市かみよし市に住んでいるんです。だから、地元の市民の方が一生懸命頑張っている。企業という存在は、法人というのは一つのバーチャルな存在であって、結局働いているのは人ですから。そこにいる市民が一生懸命頑張って、全世界で国際競争、グローバル競争を闘って、付加価値を得て、果実を得て、それをささやかに税収という形でやっていたら、それを一言もなしに召し上げていくということは、これは私も社会的な公正に反すると思います。
 あえて言えば、地域を発展させて、国を発展させるために一生懸命頑張ってきたらペナルティーが来ると。おまえら頑張り過ぎだから罰を与えてやると、税金を半分取ってしまうぞと。おまえらが頑張るからいけないのだと。もっとぐうたらしていろと、こういうことですか。
 この国は、一生懸命頑張ったらペナルティーが来るのですか。この国は一生懸命頑張ったのに罰を与えるのですか。そういう国にいつからなったのですか。こんなやり方をするのは、我々愛知県が、豊田市が、愛知県民、豊田市民が悪いことしたのですか。国に税収を2,700億円も払ったらいけないのですか。地元に400億円しか残らなくて、国に2,700億円。それだけ貢献したことが悪いことだったのでしょうか。私は是非、明確に答えていただきたいと思います。
 要は、一生懸命頑張ったところの地方の税収を、説明もなく一方的に召し上げていく。それも地方の自治体運営に支障が出るほどまでドーンと、一言もなく召し上げていく。これが地方分権ですか。これは高市総務大臣にお聞きしたい。明快に答えていただきたい。これが地方分権ですか。今の国が、今の政権が目指す地方分権の姿なんですか。一生懸命頑張ったところの税収を、一言の説明もなく召し上げていく。これが地方分権ですか、答えていただきたい。
 同じく、一生懸命頑張ったら罰を与える、ペナルティーが待っている。これが地方創生の姿なんですか。今の政権が目指す地方創生というのは、一生懸命頑張ったところに「頑張ったから、じゃあ罰な。」と言って罰を与えるのですね。これについて、石破地方創生担当大臣に是非お答えをしていただきたい。私は聞きたいね。それが地方創生ですか。何か、頑張った地方でなければ応援してやらないとか、何かそういうことをいつも言われているようだけど、これが地方創生ですか。是非お答えしていただきたいと思います。
 更に言えば、先週金曜日、22日の国会で、安倍総理が施政方針演説で、地方の創意工夫、地方税財政について言われておりました。地方創生の原動力、それは地方の皆さんの情熱でありますと。自分たちの未来を自分たちの創意工夫で切り開くと。アベノミクスで税収は上がったと。その果実を全国津々浦々に届けますと。消費税率の引上げのときに地方法人税を拡充して、都市に偏りがちな税収の再分配を行うことで、地方でも財源をしっかりと確保してまいりますと、こういうふうに胸を張られております。
 しかし我々のところは、大きな減収になるんです。消費税額をはるかに上回る減収になるんです。何か勘違いしておられませんか。この減収になるところは、都市部ではないんですよ、地方なんですよ。多くは三河部の自治体ですね。これ田舎ですよ、地方ですよ。地方でたまたま、一生懸命、企業振興とか企業立地とか産業振興をやって、そういう企業、産業が育ってきた。だから今何とかやれている。
 それも、企業、産業を誘致するために、地方はそれなりの努力というか、更に自分で税収を使ってインフラ整備したり企業立地を誘致したり、色々なことやっているんです。ここは、都市部ではないですよ。見てくださいよ、田舎ですよ。東京と違うんですよ。明治以来150年間、延々とインフラ整備して、全国から、日本中から、世界中から人が集まる、世界の都に仕立て上げた東京と違うんですよ。どんどん人が集まり、企業も集まって、放っておいたって税収は上がるようなところと違うんですよ。田舎が一生懸命頑張った、地方が一生懸命頑張ったらですよ、そういったところから地方税収を召し上げていく。それが地方の創意工夫を助けるということになるのですか。全く違いませんか。おかしくありませんか。是非明快な見解をお聞きしたい。どういうふうに説明されるのか、説明を聞いてみたいと思います。
 とにかく、今日ここに至るまで、一言も何の説明もない。理屈もなく、何の説明もなく一方的に税を召し上げていく。それを国会でトットコトットコ通そうとしている。これって税の原則に反しませんか。民主主義に反するのではないんですか。社会的な正義に反するのではないですか。
 そもそも、税の話こそが民主主義の原点ではありませんか。イギリスに議会が始まったのは、国王が勝手に税金取ろうとするから、ちょっと待てと。みんなが集まって、王様が勝手に税を取ることはまかりならんといって始まったのがイギリス議会、議会制民主主義の原点ではないですか。自分たちの意見を通さずに勝手に本国が、イギリスが勝手に税金をかけて取っていこうとするから、これ反対だといって独立戦争を起こしたのがアメリカではないですか。そういう歴史があると思いますよ。
 だから私は、今回の件は、まさに税の原則、民主主義の原則に反するものだと思います。これについて、私は本来国から説明があってしかるべきだと思いますが、今に至るまで国からも国会議員からも一言もありません。早急に私からも申し入れを行いたいと思っております。もちろん、これは日程とかあるかもしれませんが、それはしっかり申し入れたいと思います。
 併せて、今日この10時の時点で記者発表しますから、政府の全閣僚、三役、そして全国会議員の皆さんにこの資料を、私の添え書きを付けてお届けをし、お考えをいただきたいと思っております。今日この時点で、この数字を、一番大事なのはこの数字ですから、この数字を公表して、我々の考えをこういうふうに申し上げておりますから、今後、これは国会で十分議論をしていただきたいと思っております。いよいよ明日から本会議、代表質問が始まるなら、来週から予算委員会でしょ。予算と税はセットですから、是非国会で十二分に議論をして、より良い解決策を見出していただきたいと思います。
 愛知県には、愛知県選出の国会議員さんが衆参でたくさんおみえですから。是非、そのことは十分念頭に置いて、国会で与野党の枠を超えてしっかりと議論して、より良い解決策を見出していただきたいと思っております。
 私は、こういった形で愛知県内七つの市町村にこれだけの多大の影響があると。東京都の新国立の負担と比べても極めて理不尽だと、一言の説明もないという、こういう状況では、こういう今回の地方税法改正法案には全く反対です。是非、これは国会において十二分に議論していただきたい。我々は全然、何の意見も聞かれてませんよ。我々の意見も述べる機会もありませんよ。
 はっきり言って、多分、国会議員さんみんな、誰もこの数字を知らないと思いますよ。特に豊田市が100何十億円なんて、御存じないと思います。だから私は、総務省の設計ミスだと言っているんですよ。ミスですよ。多分、そんなこと説明してないよ。薄々ちょっと豊田市は広がりそうだけど、一つか二つならいいかというぐらいのことではないんですか。そんなわけにいきません。
 どうしてもやりたいなら、愛知県民、豊田市民にしっかり説明してくださいよ。それが国の役割ではないんですか。それと、そもそも国会議員の役割ではないんですか。
 私は、このことについては、ありとあらゆる機会を捉まえて、これからきつく、強く申し上げていきたいと思っております。
 色々申し上げましたけど、これがそのまままかり通っていって、豊田市で100何十億円、刈谷市でも毎年6億とかいうのだったら、極端に言うと、4、5億あったら幼稚園が一つできるんです。これ、単発ではないんだよ、毎年だよ。召し上げられたら、県民生活は破壊されますから、そんなこと、私は黙って見過ごすことはできません。これは強く申し上げたいと思います。
 私には愛知県民を守る責務があります。愛知県民の生活を守る責務があります。とにかく今回のこうした措置は絶対に容認できない。絶対に容認できない、そのことを強く申し上げて、今後とも当然の権利として徹底的に申し上げていきたい。そして、対応策を是非早急に示していただけるように取り組んでいきたいと思っております。
 とにかく、このことは税の原則に係わる話だと思います。私は、政策論争として、大いに国会で議論していただきたいと思います。その上で、より良い方策をきちっと見出していただきたいと思います。
 何度も申し上げますが、私というよりも、愛知県民全体が、このことについて、こういう理屈のないこと、理不尽なこと、一生懸命頑張ったらペナルティーが待っているということ。それも説明が一言もないこと、税の原則、民主主義の原則に反するようなこと、そういったことについて、今の政権が言っているから、お上が言っているから泣き寝入りなんてことはしませんから。これからもしっかり申し上げていきたいと思っております。
 これは県議会の皆さんともよくよく相談しながら、これから主張、訴えをしっかりとやっていきたいと思っております。県議会の皆さんにも、議長さん始め何人かにはもう説明してありますが、皆さん異口同音に憤っております。これは去年からずっと、彼らにはこうだこうだ、こんなことが非常に危惧されるよということは申し上げてて、今回ようやく数字ができたのでというので説明してありますけれども、みんな当然ですけれども、こんなのだったら愛知の行政はやれないということで、非常に憤っておりますから、我々行政だけじゃなく、行政、議会、それから県民の皆さん全員挙げて、しっかりと申し上げていきたい。この難関を打ち破るために、断固闘っていきたいと思っております。
 
      
2.

質疑応答

(1)

地方法人課税の見直しに対する愛知県からの緊急声明について

【記者】  例えば、豊田市の場合、自助努力ではなく、たまたま、大企業であるトヨタ自動車(株)の本社があって税収が増えているだけなので、格差是正のために再配分しても良いのではという見方もあるかと思いますが、どう考えますか。 
【知事】  それは先程明快に申し上げたでしょ。企業という存在というものは、人が働いて初めて成り立つわけですよ。企業という人間がいるわけではないんですね。トヨタ自動車7万数千人の社員の方が、一生懸命働いてつくっているわけです。
 その社員の方々は、大方というか7、8割は豊田市、みよし市、あの地域に住んでおられる。そこの市民が一生懸命働いてグローバル競争を闘って、付加価値を得て、果実を得てやっているということですし、あえて言えば企業さんだって社会的な存在ではないですか。法人格という形であるわけですね、認められているわけです。そういった活動を企業がやっている。
 そこに立地をしていたって、元々こんなグローバル企業がいきなりポンといって東京から舞い降りてきたわけではなくて、戦前にあんな苦しい思いをして、戦後一旦潰れかかった、そういう時代だってあったわけですね。あそこの企業誘致をしたときに、当時の挙母町は、土地の実勢価格と企業立地のための土地の価格で、当時の町の予算の相当分をはたいてこちらに誘致したとか、色々なことをやっているわけですよ。
 しかし、日本全国を見てください。そうやって企業立地、産業振興がうまくいった例はむしろ少ないんですよ。むしろ失敗している方が多い。それだけリスキーなんです。自分で企業、産業を興して、自分の足で自立してやっていこうということは非常にリスキーなんですよ。今ないことをやるわけだから、チャレンジしなければ。そのことを一生懸命やって、たまたま、たまたまそういったことがうまく何とか回っているということなんですね。
 元々ルールに基づいてやっていたわけですね。税というのは租税法定主義ですから、国税も地方税も法律に基づき、条例に基づいてやってきている。そういう租税法定主義があり、民主主義、資本主義の世の中では、やはり予測可能性があって初めてビジネスが成り立つわけですね。それにもかかわらず、その予測可能性をことごとく覆して、いわゆる海外の新興国、途上国のような形で、ある日突然税制が変わって、今年からこれだけ税よこせとか、金をよこせというようなことが、何で日本で起きるのかということだと思います。
 私は全く、そんなこと言われるのは、極めて心外だし、論外だしね。そういうことを言う方は、もう地方自治体は努力するなと、何もしなくて国からの施しを待っていた方がいいのだと、努力するからばかなんだと。今回の措置は、私は一生懸命頑張った者に対するペナルティーだと。頑張った罰ということかと。そういうふうに言い直せと。日本はそういう国なのだと。そういうふうになったのだと。
 今の政権が目指す地方創生というのは、頑張った者に罰を与えるんだと。頑張るなということだったら、そういうふうに言ってくださいよ。違うのだったら違うと言ってくださいよ。違うのでしょ。違うのだったら、是非こんなやり方を、この措置を直してほしい。当然のことを言っているだけです。
【記者】  国の地方交付税等による市町村間の格差是正が行き過ぎだということですか。
 それとも、今回のやり方が問題だということですか。
【知事】  今回のやり方が問題なんですよ。自治体間の財源の是正というか、財源の調整というのは、国税5税でプールして地方交付税で均てん化するということがありますよ。だからこういう自治体は、そういう意味では、地方交付税は1円ももらってないわけです。愛知県だって、かつてそれをもらわないときがあった。それは仕方ないんですよ。国税をこんなに払っていたって。
 愛知県もリーマンショック前の多かったときは、愛知県内の、県、名古屋市、市町村で得ている税収が3兆円、国に払っている税収は3兆5,000億円という時代が長く続きましたよ。
 それはちょっといかがなものかとは思うけど、だけどもそれは決められたルールかなと思いますが、私は、今回、消費税収が東京、名古屋、大阪の大都市に集まるからそれを均てん化するという趣旨について、それがいけないとは言っていないんですよ。それをやるなら、もっと納得する形でやっていただきたいということで申し上げているのであって、特にそれを調整することについて、私は、ある程度やむを得ないとは思いますよ。今回の、地方税を使うというものはおかしいと思いますけど。やり方は色々あるだろうと思いますが、要は、このことによって大きく減収になる、消費税が上がるけれども税収がマイナスになるということがいけないと。それはおかしいでしょ。どう考えたって理屈がつかない。
 全国に七つの市町村しかないと、全部足したって100何十億円だというのだったら、そこを調整してくれと言っているのですよ。そう難しくない。地方交付税は、来年度の予算だって16兆円あるんだよ。それを、おまえら頑張ったからおまえらだけ罰を与えるというようなやり方が地方創生ですか。これは、一事が万事だと思いますよ。こんなことはあり得ない。
 本来あるべき姿は、地方交付税の原資を増やして、国税から地方交付税に回るものを増やして、この16兆円を増やして、そこで消費税が上がってもあまり増収にならないところに配っていくというのが本来のあり方なんでしょうね。ただ、その原資がないから税の間で配分するということですけど。法人課税だけ使うとこういう話になって、私の先程の説明の一番最後の5ページにあるように、市町村で法人市町村民税の割合がこれだけ高いところは他にないので、こういうことが起きる。しかし、かつての霞が関、かつての自治省だったら、このくらい分かるはずだけどね。それが分からないのが、分からないというか、あえて目をつぶったのか、それとも本当に分かってなかったのか。知らないふりして突っ走っていけば最後は数でどうにかなるとでも思っているのかということですけど、私は断固反対だと、こんなやり方はないだろうということは申し上げたい。申し上げるのは私の責任だから、それは申し上げなければいけないですから。 
【記者】  今後、国に対して、具体的な是正の提案をしていくのですか。
 提案をしていく場合は、その提案内容について、現段階である程度の考えがあるのですか。それとも、今後検討していくのですか。
【知事】  我々が検討したって、彼らにそれがどうしたと言われたらそれまででしょう。だから、私はこれはけしからんと、問題だと、税の原則に反すると、民主主義の原則に反すると、社会的正義に反するということを申し上げているのであって、これは強くここで申し上げておりますし、全国会議員にはこの資料を渡して説明をさせていただきますから、大いに国会で議論していただきたい。本当にこんなのが通るのですかということで、議論をしていただきたい。その上で、是正措置をしっかりと講じていただきたいということを申し上げていきたいと思っております。
 はっきり言って、そんな難しい話でも何でもないよ。全然難しくない。
 はっきり言って、これは失念していたのでしょう。ただそれだけだと思いますよ。だから難しくも何ともないのだから、これはきっちりやっていただきたいということを申し上げていくということだけです。 
【記者】  抜本的にシステムを変えると言うよりも、救済措置を考えるべきだということですか。 
【知事】  当たり前ではないですか。色々なやり方があると思いますが、私が言っているのは、都道府県単位でいいとは言いませんよ。この愛知県の分の法人事業税、法人県民税が召し上げられていくということについては、いいとは言いませんよ。いいとは言わないけど、それ以上に、今回、全国1,700の区分けになっている市町村が、消費税が上がるにもかかわらずドーンと税収が落ちるということになると、それはやっていけないということですよね。
 それが全国で愛知県内の七つしかないということですから、その七つをどうにかしてくれと言っているわけですよ。私のこの文面に、「全ての自治体の財政運営に悪影響が生じないように必要な対策を講じてもらいたい」というのはそういうことです。だからそう難しくないでしょと言っているんです。
 それは制度全般を見直してくれた方がいいよ。いいけど、多分そういう形にならないでしょう。法案は、予算とセットだから、この後もうすぐ、2月に入ったらすぐ閣議決定して出ていくのでしょう。あと、どういうやり方があるかと、そんなの幾らでもやり方あるよ。そもそもやる気がないというのだったら、我々は闘うしかないね。それは断固闘うね。愛知県民は見てると思う。
 何もなしで、国会で法律を通しますと、どんどんやっていきますと、知ったことかと言う。それは愛知県民は見ているよ。民主主義の世の中だから、これは選挙が答えを出してくれるでしょう。愛知県民は見ていますよ。それはそういうことではないんですか。それは私は強く申し上げていきたいと思います。 
【記者】  愛知県の試算では、東京等では税収がマイナスになる市町村はなく、マイナスになるのは県内の7市町村だけということです。これは、総務省が、トヨタグループの大企業があり、基準財政収入を大きく上回る自治体の税収をマイナスになるようにしているような気がしますが、知事はどう見ますか。 
【知事】  それは聞いてください、そういうことではないと思うよ。いつもいつも議論になるのは、東京都の話ですもんね。東京都で毎年何千億円も超過税収が上がってくるということをどうするんだと。消費税を地方税として割り振ったから、その分また東京にドーンと乗っていく、それをどうするんだということでいつも議論がされているんですね。
 そこに、特に最初の法人事業税の議論のときは、リーマンショックの前だったので、平成19年の年末、8年前は愛知県も不交付団体だったから、そういう意味では、東京都ほどではないけど、東京、愛知という感じの対象だったのでしょうけど、今は、私ども愛知県はリーマンショックの後、交付税をもらう交付団体に落ちぶれているので、あまり偉そうなことは言えないんですけれども、それでも東京都はずっと、何千億円も毎年超過税収がたまるという形になっているので、常にそこが問題になって、そこを議論したら、他のところが、今回の県内のこういう市町村、特に法人市町村民税のウエイトが非常に高い市町村がおざなりになったというか、はっきり言って失念していたと、忘れていたということではないんですか。
 一言の説明もないよ。私は秋からずっと言ってきたよ。県内の市町村にこういうのが出てくるのは、おかしくないかと言っていたら、はあはあはあというような感じです。何か5億円、10億円ぐらいのことだと思ったのでしょう。それでもいいとは言いませんよ。だけど、これ、毎年100億円ですからね。
 先程申し上げたように、物事というのは程度問題がありまして、一般会計8兆円の東京都が、新国立ですったもんだしてやっているでしょう。あれだけ、すったもんだやって395億円負担するのに法律つくるんですよ。1,700~1,800億円の予算の豊田市が毎年、平年度ベースにすると120億円ぐらいになるのだが。110億円、120億円も毎年、理由もなく、消費税が上がったからごめんねで減収になるなんて、こんなの社会的正義に全く反すると思いますね。そのことは強く申し上げていきたいと思います。
【記者】  租税原則の公平・中立・簡素の観点から見た場合、愛知県にとって、今回の地方法人課税の見直しは、公平・中立の点から厳しい状況だと思います。
 簡素の点から見ても、分かりづらく、住民の方にとっても、自分の知らない間に自分の住む市町村の税収が減っていたということになりかねないという感じさえ受けます。
 簡素の観点から見た場合、知事はもう少し税制の制度全体を見直すべきだと思いますか。 
【知事】  それはまた別の観点で、私は常に地方の税収というか、国と地方の税収構造を見直すべきだということは申し上げていますけどね。地方自治体でいわゆる地方交付税をもらわない不交付団体は東京都だけだと、愛知県は財政力指数が2番目か3番目にもかかわらず、交付税をいっぱいもらわなければやっていけないというところにまで落ちぶれたということは、やはり、これはやり方がおかしいのだと思うんです。
 あと、全国でも市町村で、地方交付税の不交付団体は、愛知県内が26年度今のところ13団体。それを入れて、30団体か40団体ではなかったかな。やはり変は変ですよね。だから、どこを基準にしてどういうふうにするかというのは、それは、色々議論はあるけど、それはあると思います。
 ただ、それはそれとして、本来の制度論ですが、今回のような、今の制度を前提にして消費税の税収を配分し直すということは、何らかのやり方ではやらなければいけないのでしょうとは思いますが、それをやったときにこういう副作用が出てくるなら、その副作用にはやはり手当てをしなければいけないのではないんですか。そのことをしっかり申し上げたいと思います。
 法人事業税の2分の1を国に召し上げて配り直すというのは、8年前に議論があったとき、当時私は自民党愛知県連会長でしたけど、当時の福田さんの総理執務室まで怒鳴り込みに行きましたよ。
 当時、自民党の政調会長をやっていた谷垣さんと私で覚書を結んで、愛知県の財政には影響及ぼさないという形で一札巻いて、制度の本体ではなくて、色々な措置でその負担を和らげるというやり方をやりましたよ。今回はまるでない。まるで何にもありませんから。
 市町村だから当時のあれよりもはるかにひどいよ。予算規模の大きいところもあれば小さいところもあるけど、そういったところは一生懸命爪に火をともして、お金を、税収を集めて、みんな一生懸命努力してやって、そんな派手なこととかぜいたくなことはやっていませんよ。そういったところから、そんな100億円、10何億円、何億円とドコーンと一方的に召し上げていく。それも消費税が上がったのを機会に召し上げていくというのは、一体何の理屈があるのかと。何でそんなことが手当てできないのだろうか、何でそんな議論がなかったのかということについて、極めて疑問だね。
 これは愛知県民は見てますよ。 
【記者】  自民党税制調査会が興味をなくしたということでしょうか。 
【知事】  それは、よその県の人は興味ないかもしれないわね。地元の人は、愛知県の国会議員さんはもっと興味を持ってほしいわね。私はそのことは、ずっと言ってきたよ。 
【記者】  8年前の偏在是正の時は大きな議論になりました。今回はそのような感じではなかったと思いますが、知事はどのように思いますか。 
【知事】  最後まで議論になったよ。最後まで議論になったけど、議論の焦点は東京都をどうするかという話でしたね。
【記者】  地方法人課税の問題について、当該7市町村には連絡はしたのですか。また、例えば、協議会を立ち上げるなど、現段階で計画があれば教えてください。
【知事】  7市町村には、こういう数字になりますよということと、25日月曜日ですね、こういう形で私から記者会見をして、しっかりと対応してくれと、対策をつくってくれと言って、国に対して緊急声明を出しますということは説明をし、7市町村みんな、県が先頭に立ってやってくれるのはありがたいと、我々もしっかり訴えていきたいと。我々は決して、そんな裕福だとか豊かだとか、そんなことは全然ないと。とにかく、毎日住民のニーズに応えてやっていくことで必死なんだというお話でございました。
 7市町村でどうのこうのというよりも、愛知県には市長会、町村会がありますから、そういった市長会、町村会の皆さんにも、もう既に説明してありますけども、よく相談しながら。これは、それぞれの7市町村の問題ではなくて、他にもぎりぎりのところがありますからね。愛知県の市長会、町村会、そして愛知県、いわゆる県の地方行政、地方自治体全体の問題として取り組んでいきたいと思っております。
(2)

食品衛生上の問題が危惧されるビーフカツ等の流通について

【記者】  県に対してダイコー(株)やみのりフーズから廃棄物の処理及び清掃に関する法律第18条に基づく報告があったと思いますが、どのような回答でしたか。
【知事】  これは22日の金曜日に、環境部から皆さんにも説明はあったかと思いますが、今回、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第18条に基づいて、ダイコー株式会社に対しましては過去5年間の壱番屋さんからの処分を受託した事項、廃棄物の種類、受託量、金額、目的、それから壱番屋さん以外の者から処分を受託した事項といったことの報告を求めました。
 壱番屋さんに対しては、過去5年間にダイコー株式会社に中間処理を委託した事項、ダイコー株式会社への現地確認の実施状況などについて報告を求めました。
 みのりフーズに対しましては、平成27年11月頃にダイコー株式会社から購入したビーフカツに関する事項、過去5年間にダイコー株式会社から購入した食料品に関する事項などについて報告を求めました。1月22日金曜日に3者から報告書が、期限でありましたから提出されました。
 今回の報告は、廃棄物処理法に基づいて廃棄物が適正に処理されているか確認し、必要があれば法的措置を講ずるということの判断資料として提出を求めたものでありまして、現段階では法的措置を検討中でありまして、報告された内容についてはお示しをすることはできないということで、部局の方から22日金曜日に申し上げていると思っております。
 この報告書の内容を確認するため、今後引き続き必要に応じて立入検査、聞取りを行いまして、実態を把握した上で、ダイコー株式会社等に対しまして、法に基づいて厳正な対処をさせていただきたいと思っております。
【記者】  先日、県は、動植物性残さを取り扱う産業廃棄物処理業者53社への立入検査をされましたが、その他の産業廃棄物処理業者への対応はありますか。
 また、県として、条例を含め、産業廃棄物に対する独自の対策を考えていますか。
【知事】  まずは、いわゆる食品廃棄物を取り扱う産業廃棄物処理業者に対しまして、愛知県所管のダイコーを除く53社につきましては、先週18日月曜日から20日の水曜日までに環境部が、廃棄物処理法に基づいて緊急の立入検査を実施いたしました。その結果、受託した産業廃棄物の横流しの実態、事案は認められなかったということでございます。今現段階では、食品廃棄物の問題ですから、この食品廃棄物の産廃業者さんに対して調査をし、そういうことはなかったということを確認いたしております。
 現時点は、もう御案内のように、今回のビーフカツの横流し問題についての実態解明ということで、今、色々なことで調査をしておりますし、先程申し上げました1月22日金曜日に報告書が3者から提出されましたので、その報告書の内容を精査し、精査するということは、また当然、それぞれの3者から聞取りをやらなければいけませんから、書類に基づいて聞取りをしながら、また必要であれば現地に立入検査もしなければいけないので、今はそのことにまず全力を挙げているということでございます。
 なお、県民の不安を解消するために、1月20日水曜日に、県内の食品関係12団体に対しまして、表示が不適な食品は決して取り扱わないこと、そして食品残さ等の廃棄物は適正に処理することなどについて、それぞれの会員に周知するように通知をいたしております。
 12団体というのは、食品衛生協会とか食品原料商組合とか牛乳協会とかアイスクリーム協会とか、食肉生活衛生同業組合とかチェーンストア協会とか、そういう団体が12団体あるのかな。具体的にはまた部局に聞いてもらえばいいと思いますけど、そういったことを今やっているところでございまして、引き続き、こういう食品の関係の表示、安全性などなどについて、県内の保健所には、こうしたものをしっかりとチェックするようにということを指示しておりますから、そういった形でまずはやっていきたいと思っております。
 いずれにしても、全体が把握できないと、全体をどうするかということは、次のところへ行きませんから、まずは今、この事案の内容の把握ということで全力を尽くしているということでございます。