知事の記者会見
メインメニュー
知事のマニフェスト 知事の発言・寄稿 知事記者会見 県議会知事提案説明 知事からのメッセージ 知事交際費の執行状況 プロフィール トップページ 写真で見る主な活動


平成28年6月13日(月) 午前10時
1.

知事発言

(1)

愛知子ども調査の実施と子どもの貧困対策検討会議の立ち上げについて

【知事】  おはようございます。6月13日月曜日、梅雨どきの雨の天気でございますが、いつものように午前10時、定例記者会見を始めさせていただきます。
 愛知子ども調査の実施と子どもの貧困対策検討会議の立ち上げについて御報告をいたします。
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/chiikifukushi/kodomo-hinkon1.html
 「人が輝くあいち」をつくるためには、未来を担う子どもたちが、生まれ育った環境に左右されることなく、健やかに育成される環境を整備することが大変重要でありまして、子どもの貧困対策は、社会全体で早急に取り組むべき重要な課題だと認識をいたしております。しかしながら、経済的に困窮している家庭における生活実態や様々な課題を把握しなければ、実効性のある子どもの貧困対策を行うことはできません。このため「愛知子ども調査」を実施し、子どもの生活実態や子育て支援ニーズ、経済的な要因が及ぼす影響等を調査することといたしました。調査により本県特有の課題も浮き彫りにできればと考えております。
 調査は、名古屋市を含む県内の市町村及び県・市町村教育委員会の協力を得て、実態調査という形で、今年12月に、子どもと保護者合わせて約3万5,000人を対象として実施したいと考えております。
 また、子ども調査における質問項目など具体的な内容を検討していただくとともに、調査結果の分析、そして分析を踏まえた支援策の検討等を行っていただくため、県子ども・子育て会議の後藤会長や、前名古屋市副市長の岩城弁護士を始めとした有識者7名による子どもの貧困対策検討会議を立ち上げることとし、6月28日に第1回会議を開催いたします。全ての子どもたちが、夢と希望にあふれた輝かしい未来を描けるよう、今回実施する子ども調査の結果を踏まえ、今後の実効性のある子どもの貧困対策につなげてまいりたいと考えております。
 愛知子ども調査、今申し上げたように今年の12月予定、県内全域。そして対象児童は、小学校1年生は、これは保護者。大体本県、小中とですね、高校も大体そうで、1学年大体7万人ぐらいでございますから、その1割、10%を対象として。
 そして、まず小学校1年生につきましては、これは何で1年生、5年生、中学校2年生としたかというと、小学校1年生は子どもの成長にとって経済的な影響がまだ少なく、就学前の子育て支援ニーズも把握できるということで1年生。ただ、小学校1年生の子どもが答えられるということにはなりませんので、これは保護者にアンケートを行うということでございます。小学校5年生は、塾に通うなど経済的な影響が大きくなり始める年齢ということで、こちらは子どもと保護者ということで7,000人、7,000人で1万4,000人。中学校2年生はそろそろ進路を考え始める年齢ということで、この中学校2年生と。こちらも子どもと保護者両方ということでございます。
 特に小学校1年生というのは、小1の壁と言われるように、小学校に進学すると保育園での延長保育がなくなり、子どもたちが夜1人で過ごす時間が長くなるため、共働き家庭でありますとか、ひとり親家庭の保護者の働き方の変更を迫られるといったようなことも指摘をされておりまして、小学校入学後の支援ニーズの把握につなげることが、そういうのを把握することができるということで、小学校1年生ということで検討したいと思っております。
 なお、その前の小学校に上がる前の未就学児童も対象にしたらどうかという意見、声も想定されますが、そういった御意見などなどがあれば、今回立ち上げる子ども貧困対策検討会議で様々に御意見をいただければと思います。
 対象者数は先ほど申し上げた3万5,000人。今後のスケジュールは、この6月28日に第1回の検討会議を立ち上げまして、大体秋ぐらい、10月ぐらいまでに全部で4回ぐらいやりまして、調査内容を固めて、12月に調査を実施すると。3万5,000人の方にお配りして、また回収する。そして、年明けにまた更にこの検討会議を2回ぐらい開催し、そして3月下旬ぐらいに集計結果をとりあえず、多分全体的に取りまとめるのはもうちょっとかかるかもしれませんが、その段階で速報的な数字が出てくるのではないかと思っております。ですから、今年中に、秋までにこの検討会議を4回ぐらい、調査項目とか統計とか分析手法を検討するためにやって、調査を実施して集計いたしましたら、年明けに集計結果を分析、作成するために2回ぐらいやって、3月の末ぐらいに何とかまず第1弾が公表できればと思っております。そして、4月以降に、最終的にその集計結果の分析結果と最終報告書が公表できればと思っております。
 そして、第1回の検討会議は6月28日火曜日、午前10時から正庁6階ということで、今申し上げた貧困対策全体のこと、子ども調査について説明をし、御議論、御意見をいただきたいと思います。
 検討会議の構成員は7名でございまして、この折出先生、後藤先生始め、教育学、社会福祉学、社会学、保育学、それぞれの専門の大学の先生方6人と、実際にそういった子どもの貧困対策等々で長年弁護士として御活躍をされてこられた前の名古屋市副市長の岩城弁護士にお願いをさせていただいております。
 岩城弁護士は、少年事件や児童虐待を始めとした子どもの諸問題をライフワークとして取り組まれ、NPOのCAPNA(子どもの虐待防止ネットワーク・あいち)でも活躍されるなど、経済的な困窮が子どもの成長にどのような影響を与えるのか福祉の現場で実際に見てこられ、活動してこられたということでございまして、学者さん6人と、やはり現場の、そういうフィールドワークとして現場で活躍、活動されてこられて、そして何といっても愛知県内実態調査となりますと、3万5,000人というか全体の3割強は名古屋市内ということになりますので、そういう意味で、そういった名古屋市の副市長という責任者の立場で仕事をしてこられた岩城さんが適任ではないかということで、私から直接お願いをさせていただきました。
 それぞれの先生方も、大学の先生も、そして岩城さんも、本当に快くお引受けをいただいたということでございます。なお、岩城さんは平成14年から平成25年まで愛知県社会福祉審議会の委員として御参画をいただいておりますので、県の福祉施策にも非常に造詣が深いということで、期待をいたしております。
 結局子どもの貧困対策というのは、この数年来様々に国でも、社会福祉の分野でも非常にこれは大きな課題だということで言われておりましたが、とにかくまず実態を、何でもそうですけど、対策、施策を打つためにまず実態を明らかにしないといけないということだと思っております。
 これまでは、これも何年も前からでありますが、国のほうでは経済協力開発機構(OECD)の一つの、子どもの貧困というのはこういうものですというモデルがありまして、いわゆる17歳以下の子どものうち、世帯の手取り収入総額をずっと下から高いほうまで並べると山になりますね。その平均値の半分より下の部分を、それ未満で1人当たりの所得がね、家族1人当たりの手取り収入総額の所得が半分の半分未満の部分を貧困世帯と呼ぶことといたしております。具体的にはまた部局に後で聞いていただければと思いますが。それが日本の厚生労働省がやっている国民生活基礎調査、これは3年に1回ですが、平成24年にやったものからすると家族1人当たりの所得が122万円以下、家族ね、1人当たり。122万円だから、4人家族だと488万円ですか、総収入がね。それより小さいと、そこは貧困家庭だということで、そういう貧困率を公表しておりまして、平成24年の子どもの貧困率は16.3%ということで、この数字もじわじわじわじわ、昭和60年10.9%、日本がね、でありましたが、じわじわじわじわ上がっていって平成18年は14.2%、平成21年が15.7%、平成24年が16.3%ということでじわじわじわじわこの数値が上がってきているということでありまして、16.3%ということは約6人に1人の子どもが相対的貧困の状態にあるということでございます。
 なお、都道府県別の子どもの貧困率は公表されておりません。子どもの貧困率について、都道府県別に行ったのは、27年度、沖縄県が調査をいたしました。唯一沖縄県が調査をしたということでございまして、その調査を我々も、これは広く一般的に公表されておりますので入手できますが、我々は今回この沖縄県がやった調査を参考にしてやりたいと思っております。
 沖縄県も対象学年を小学校1年生と5年生と中学校2年生にし、対象人員は約5,000人、うち有効回答が3,500人、70%強ですね。ということで、人口が愛知は多いものですから3万5,000人という形でやりたいと思っている。大体沖縄県の6.5倍ぐらいなのかな、愛知県は、人口が。ということなので、そういう形でやっていきたい。ちなみに、沖縄県が分析した子どもの貧困率は29.9%ということでございました。今年の1月の終わりに調査を発表されておられます。
 これと別に、この国の調査をもとにして山形大学が平成28年3月、今年の3月に山形大学が都道府県別の子どもの貧困率を調査いたしました。これは総務省の就業構造基本調査と厚生労働省の被保護者調査から推計したものということでありまして、この山形大学の今年3月にやった推計調査でありますと、平成24年、全国の貧困率は13.8%。これによると沖縄県の貧困率は37.5%、愛知県は10.9%ということでございました。
 これは、愛知県は、この山形大学の都道府県別でいくと愛知県は10.9%。愛知県は御案内のように製造業が大変盛んであり、1人当たり県民所得は東京に次いで全国2位でございますので、そういう意味では中間所得層が非常に厚い。産業県ですからね、サラリーマン層が非常に多いと。特に製造業のサラリーマン層が多いので、中間所得層が厚いということなので、貧困率は正直言って全国平均よりは低くなるだろうということは想定されると思いますが、だからいいということにならないのでね、確実にこの相対的貧困の状態にある子どもたちは存在しているわけでございます。
 ですから、我々としては、そこの実態を明らかにして、そこにフォーカスを当てられるような施策をどういうふうにつくっていくか。まずは実態がわからなければその対策、施策の打ちようが、きちっとした施策が打てないので、まずは実態を明らかにするということにしていきたいと思っております。
 これはある程度のといいますか、愛知県内の実態調査をやりますから、サンプル数が少ない小さな町、村だとなかなか町、村単位での率というのがちょっとばらつきができると思いますが、名古屋市とか豊田市とか春日井市、一宮市とか岡崎市とか豊橋とかこういう大きなところはその傾向がぴしゃっと出てくると思います。
 また福祉圏域、これは愛知県内に12ある二次医療圏と一緒ですが、この福祉圏域ごとで数字がこれもぴしゃっと出てきますので、そういう意味では、それぞれの地域ごとで対策をきめ細かくやることができると思っております。
 調査の項目とか手法は、沖縄県の子ども調査を参考にしたいと思います。ですから、例えば一部については沖縄県と比較分析ができるように同じ質問項目を用意するとかいうこともしたいと思いますが、いずれにしても、この7人の先生方に本当に忌たんのない意見をいただいて、こういった項目をつけ加えるべきだ、こういうふうな角度から分析したらどうかということをいっぱいいただいて、ある意味で全国のモデルになるような、後に是非続いていただけるような調査、分析にしていきたいと思っております。
 ですから、そういう意味で、私ども愛知特有の課題も浮き彫りにできるようなことがやっていければと思っております。そういったことでこの子どもの貧困調査やっていきたいと思いますが、個人的な思いを申し上げますと、私、子どもの貧困問題、国会議員の折にもよくテレビの討論会とか新聞の討論、議論の場とかによく出させていただきました。社会保障、福祉の関係のテーマは大体私がよく国会議員で出させていただきましたが、その折にもこの子どもの貧困対策というのは課題でございました。
 ですから、この家庭の貧困を次世代に継続させないという意味で、教育の機会均等をどうしていくか、それから就学援助をどうしていくかとか、そういったことをやはりしっかりやっていかないといけないということを当時から申し上げておりました。
 もう一つ私自身個人的な思いがありますのは、先ほどの国民生活基礎調査によると1人当たりの所得が122万円以下を相対的貧困層と呼ぶと、こういうことでありますが、間違いなく私の家庭もそうであったのでね、そういう意味でこの子どもの貧困問題というのは身につまされる思いがありまして、他人事ではないという思いがございます。
 私は、私の父は大工でありまして、1日日当幾らというのでずっと、60半ば70ぐらいまで働いたのですかね。私が一番上で男3人兄弟でありますけど、3人とも大学を出させていただきました。いい時代だったと思いますよ。やはり高度経済成長で、日本が経済成長する時代でありまして、家も兼業農家なのでそんなに生活費用がかかるわけでもないといいますか、非常にぜいたくをするわけでもないということだったのでそういうことができたのだろうと思いますけど。その後バブルがはじけて、何といいますか職人さんの人件費が、1日当たりの労賃がどんどんどんどん下がって、20年前より安いわけですからね、今のほうが。今ちょっとこの2、3年上がってきていますけど、それまでは本当に、平成元年ぐらいがピークでね、どんどんどんどん下がってきている。ですから、そういう状況だと多分子ども3人大学なんか出せないと思います。ですから、そういう意味ではいい時代であったと思っております。
 もし仮にうちの親というか両親、父でも母でもどちらでもいいですけど、もし体が病弱でそういうことがあったらとてもそんなことはできない。おかげでみんな健康で、めったにお医者さんにかからないというようなことだったので、そういう意味では、そういういい時代ということと、健康に恵まれたということなどなどで、おかげさまで私も大学を出させてもらったということだと思っております。
 ですから、もし一歩でもちょっと違ったことがあれば、私自身そんなことにはなっていないと、そういう思いが常にありまして、そういう意味では私は運がよかったと、たまたま運がよかったという思いが私は非常に強いので、そういう意味では、そういう運がよかったか運が悪かったかで大きくばくちのように人生が左右されると、子どもの人生が左右されるという社会であってはいけないと私は思っております。
 ですから、別にそれが政治家としての原点だとか信念だとか、そんな口幅ったい偉そうなこと言うつもりはさらさらありませんが、やはりそういう思いでね、やはりこの問題は取り組む人が一人でも多くいてほしいと、そういうふうにね。
 要は、今たまたま自分がこういうふうに大学も出て仕事やれるのは運がよかったと、運がよかったのだと。だから、ちょっと違っていたらもう全然違う人生になっていたというようなことに思いをはせて、そうであってはいけないと、そうではないのだということを、全ての人にどういう状況になっても平等にチャンスが与えられる、そういう社会であってほしい、そういう思いでこの子どもの貧困問題、そして貧困を、世代をまたがって連鎖させないということに、是非多くの人に共感を持ってもらって、こうした取り組みを支援していただければありがたいと思っております。
  
(2)

「アジア競技大会招致推進室」の開設及び開設式について

【知事】  アジア競技大会招致推進室の開設及び開設式についてでございます。
 2026年開催予定の第20回アジア競技大会を愛知・名古屋で開催するため、5月13日にJOCに立候補し、そして5月30日にこれもJOCに大会の開催構想を提出いたしました。これを受けてJOCは、6月7日の理事会で愛知県・名古屋市から開催構想が提出された旨を報告しました。さらに、JOCの今後の対応として、愛知県・名古屋市と協議しながら開催構想の内容を充実させていく、あわせて評価委員会を構成してアジア・オリンピック評議会(OCA)メンバーとともに7月に現地視察を実施し、大会開催及び運営の適正について評価を行う予定。現地視察の実施状況及び評価結果について、9月13日開催予定の次回理事会で報告をし、承認をされれば9月25日のベトナムで開催予定のOCA総会にてJOCとして立候補する予定ということが報告され、了承されました。
 こうしたことから、まずは7月に予定されるJOC及びOCAによる現地視察への対応や開催構想の内容の充実など、9月25日開催予定のOCA総会に向けて更に加速をして取り組んでいくために、「アジア競技大会招致推進室」を振興部スポーツ振興課内に新たに設置いたします。人員は室長以下10人で、本庁舎6階の2016伊勢志摩サミット対策室があった場所、あれがもう閉じましたので、あそこに開設をいたします。16日の木曜日には開所式を行い、私も看板かけを行う予定でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 JOCとOCAの皆さんが7月ぐらいに視察に来られますので、全部見るというのはちょっと難しいかと思いますが、主立ったところを見られると思いますので、それを対応するような準備をし、プレゼンテーションの資料も準備をし。何度も申し上げますが、この招致ブックというのをつくらないといけませんので、これをしっかりとつくるということでやっていきたいと思っております。
 なお、前もここで聞かれたかとも思いますが、招致活動は我々行政だけではなくて関係者一丸となって推進することが不可欠でありますので、スポーツや経済などの関係団体が参画する招致委員会のような組織も、これも必要ではないかと思っておりまして、早急にこれは検討していきたいと思っているところでございます。
  
(3)

ダイコー(株)に保管されている廃棄物の撤去について

【知事】  ダイコーの廃棄物撤去についてでございます。
 6月8日、先週の水曜日から県の事務管理による撤去を開始いたしまして、皆様にも取材をしていただいておりますが、8日、9日、10日、3日間で、10日の金曜日までに最も腐敗性の高い本社工場の冷凍庫内に残っている廃棄物合計約12トンを撤去いたしました。これにより冷凍庫内の廃棄物の撤去は全て完了いたしました。
 皆さんも、私もテレビ等で拝見いたしましたが、3月に電源が切れて中がもうすごいにおいだったですね。行かれた方もおられるかと思いますが。それは、一応全て撤去は完了したということでございます。さらに、排出事業者による廃棄物の回収状況については、これまでに63社で合計836トンが回収されましたと。保管量全体が8,900立米なので、大体9.5%が回収されたということでございます。
 今現在も稲沢市内3か所の保管場所におきまして、廃棄物の分別、荷づくり、搬出等の作業を毎日行っておりますので、しっかりとやっていきたいと思います。したがって、ダイコーの許可というのは、許可を取り消しますと、前に申し上げておりますように、新たに排出事業者が判明しても処理困難通知書が発出できなくなるので、当面はこの許可の取消しは行わず、撤去作業を優先したいということでございますので、よろしくお願い申し上げます。
  
2.

質疑応答

(1)

愛知子ども調査の実施と子どもの貧困対策検討会議の立ち上げについて

【記者】  子どもの貧困対策検討会議に関して、前名古屋市副市長の岩城氏に直接依頼したのはいつですか。
 任期満了前の副市長辞任という岩城氏の経歴は考慮しましたか。
【知事】  先週の月曜日だな。先週の月曜、うん、私が直接。
 これは県のこういう対策会議なので、これをやろうと春ぐらいからいろいろ検討していたので、やはり一番大きい固まりが名古屋市なので、どう考えても。大体3割強ですから。名古屋市に一番お骨折りいただくということ、御協力いただかないといけないので、その担当の副市長は岩城さんだったので。岩城さん、子どものこういう貧困問題とか児童虐待とか、まさにライフワークとして取り組んでおられた方なので、いずれかの段階でこれは協力をお願いしないといけないと思っておりましたところに退任されたので。
 現職の副市長さんだったらやはり県の審議会の委員さんにお願いするということにならないので、むしろ行政として御協力をということで、行政同士で話をしてお願いをしていくということだったと思いますが、今回5月末で御退任されたので、そういう意味ではそのいろいろな知見を生かして、また御協力いただければありがたいという思いでお願いをしたということです。
 ですから、あくまで岩城さんは、これまでの経歴とか、やはりそういういろいろな知識、知見、そういったことで御協力、御支援をいただいたらということと、名古屋市でその責任者をやっておられたので、そういった意味でも我々の調査と名古屋市との間を結びつけていただける、そういう役割も果たしていただけるのではないかということで、そういう意味では岩城さんの御協力、御支援に本当に期待をいたしております。
【記者】  子ども調査は、愛知県内の子ども世帯の貧困率を調べる調査という認識でよいですか。また、愛知県は外国人の児童生徒の割合が全国的に高く、経済的状況も悪いという指摘もありますが、そのようなことも含めて調べるのですか。
【知事】  これはそれぞれに1年生、5年生、中学校2年生を7,000人、7,000人、7,000人で3万5,000人ですから、当然そういう中に、無作為に抽出してやることになると思いますので、当然相当な確率で、その確率分だけ入ってくると思います。ですから、そういった面での分析もできるのではないかと思います。
 それと、この調査は貧困率も含めた実態を、できるだけ実態を縦横斜めいろいろな角度から見て、この愛知県内における子どもの貧困というのはこういう実態なのだということを明らかにしたい。ですから、その中に当然率は出てくると思います。それも市町村別というか、いわゆる福祉圏域別には必ず出てくるので、そういったものがやはり次の施策に生かしていけるのではないかと思っております。
【記者】  子ども調査の予算はいくらで、財源はどこから充てるのですか。
【知事】  予算は、これは検討会議でやっていってということでありますけれども、沖縄が幾らかかっているのだっけ。
【健康福祉部長】  1,000万円以下。
【知事】  沖縄は500万、1,000万円以下。ですから、沖縄県が5,000サンプルで回収した3,500人、うちが3万5,000人ですから7倍以上です。ですから、億はいかないと思いますけど、どうでしょう、ざっくり言って5〜6,000万円はかかるのではないでしょうか、5〜6,000万はかかると思います。もう少しかかるかもしれません。やはり調査項目を増やしていって、より丁寧にきめ細かくというと増えていくということだと思います。
 これは今後ということなので、もう6月議会はこれで始まってしまいますから、この検討会議で中身を詰めさせていただいて、12月に調査やるということは、次の9月議会に議会のほうにはお願いをしていきたい、そういうスケジュールになろうかと思っております。財源はこれは県の単独事業ということになろうかと思います。国のほうで何かそういうのがあればあれだけど、ないですね、今のところ。
【健康福祉部長】  可能性はある。
【知事】  でも、全額なんかあり得ないだろう。ほんの一部だろう。
【健康福祉部長】  沖縄は800万円です。 
【知事】  800万円の7倍と、単純計算すると大体私が言った線がいい線ではないかという気がしますけど。要は単独です。こういう調査は、何かひな形があるわけではないので、それはそれぞれの、県単位で自分でやってねということなのでしょう。
 ただ、国がもしやろうとすると全国調査になるから、そうするとどういう調査項目やって、どういうあれするかだけでも結構な額と期間とあれがかかるから、そういう意味で基本的にはこれは県の単独事業にならざるを得ないと思います。
 ですから、これを踏まえていろいろな対策が必要、こういう対策が必要だということが当然出てくると思いますので、それはやはり当然必要に応じてというか、国のほうに政策要求、予算要求、これはしていきたいと思っています。 
【記者】  子ども調査の結果に基づいて、県としてどんなことができそうか、知事の中で思い描いているものはありますか。 
【知事】  いやそれは、やはり、この対策会議はまさにそのために立ち上げるわけですので、まずは調査の前には、こういう調査、より実態を浮き彫りにできるような、そういう調査になるように調査項目をつくり、モデルというか仕様、スペックをつくってやるということと、あわせて、やはりこういう対策が必要ではないかということをいっぱい提言していただけるような、そういう会議にしていきたいなと思います。
 ですから、私先ほどちょっと申し上げましたが、やはり子どもの貧困調査なので、子どもの対策ということになりますと、子どもさんやはり、今回の対象も小学校1年生、5年生、中学校2年生ですから、やはり小学校、中学校、学校上がる前の子どもたちももちろんですが、やはり教育、学校に通っている子どもたちの教育についてどういうふうなサポートとか支援ができるのか。学校から出ていった場合の放課後の対策をどういうふうにしていくのかとか、何かそういう、教育と学校外、ですから教育と福祉で、そういったものについてどういうふうな対策があるか、どういうふうにきめ細かく対応できるか、そういう観点でやはりやっていく。
 今現在あるのは、授業料の免除だとか就学支援だとかいろいろあるではないですか。そういったものに加えてどういうふうにやっていくか。放課後児童クラブをこういうふうに工夫しようかとか、NPOのそういった、さっきちょっと御質問があった外国人の子どもたちに対してだったら、日本語教育だけではなくて、もっとこういうサポートができるのではないかとか、よりきめ細かなことをこの会議で提言いただいて。
 また、さらにそういった対策、我々県というよりむしろ市町村の皆さんが現場で一番対応していますから、市町村の皆さんとどういうふうに対策とか事業とかをつくっていくか、それはもう本当に縦横斜めからしっかり検討して取り組んでいきたいと思っています。
 
(2)

ダイコー(株)に保管されている廃棄物の撤去について

【記者】  先日、愛知県警が瀬戸市の産業廃棄物処理業者を逮捕しましたが、ダイコー(株)と同じように県が撤去ということになりえるのですか。
【知事】  これは、今回ダイコーの場合は、とにかく大量の食品廃棄物がもう腐敗すると、現に腐敗していると。これはその地域の環境とか地域で生活されている方々に対して大変な悪影響だということなので、ある意味でやむにやまれず苦渋の決断で今回対応したということでありますから、これが前例となるというものではないと我々認識をいたしております。
 今御指摘のあった瀬戸の件は、これは建築廃材が多いのかな。だから、腐るものではないのだな、今のところね。
 ということなので、同じようにはならないと思います。
 これは、ずっとその大量の廃棄物が保管をされ、ずっと県としても指導を重ねてきたわけでありますが改善されないので、昨年9月に改善命令を出し、それでも全然やらないというか、むしろ積むのを増やしているようなこともあったので、この3月31日に改善命令違反で告発をして、今回逮捕という形になったということで。そもそもこの人は産業廃棄物処理業の許可もないと、取っていないと。みずから営んで解体業で発生した廃棄物をどんどん積んでいったということなのですね。
 そこを昨年6月にドローン、要は壁か何かで張っていて中が見えないとか調査も拒否していたので、ドローンでばーっと見たのが去年の6月30日か。そういうことをやったということでありますが、そういう意味では、今回のものが前例になるということではないということなので。ですから、これについてどういうふうに対応するかは、今後よくよく検討ということだと思っております。
【記者】  6月8日に撤去が始まった時、稲沢市がパッカー車を持ってきて処理していましたが、民間の産業廃棄物処理業者3社の無償協力はいつから始まるのですか。また、この3社を選んだ理由は何ですか。
【知事】  今回ダイコーの廃棄物を焼却処理する3業者については、ダイコーに保管されている廃棄物を処理できる品目の許可を持っているということ、それから1日当たりの処理能力が50トン以上あるということ、輸送距離が50キロメートル以内であるということ、それから最終的に焼却処理ができるということ、以上の4条件を全て満たす事業者を選定させていただいて、通常業務の余力の範囲内で協力してほしいということをお願いし、3社快くお引き受けをいただいたということでございます。
 オオブユニティとサンエイと豊田ケミカルエンジニアリングということの3社でございまして、大変ありがたいと思っております。この3社がいつからやるというのはわかるのか。 
【環境部長】  分別とか作業の準備を進めていて。
【知事】  こっちのほうで今分別やっているのだな、稲沢の保管場所のところで。それで分別の荷づくりとか何とかができ次第そちらの3社のほうにどんどん運んでいって、要は焼却をしてもらうということです。ですから、いつというよりも、でき次第ということ。
 しかし、その3社は、取材はちょっと御勘弁ということで、だから、稲沢のダイコーの保管場所から、荷づくりをやって出ていくところはいいですが。受け入れてあれするところは勘弁してくれということなので。ですから、その荷づくりができて、その3社の出ていくというところは、また差し支えなければお知らせするということにさせていただきます。

(3)

アベノミクスの評価について

【記者】  前回の会見でアベノミクスの評価について、成長戦略がうまくいかなかった、民間の活用や分権が必要で、構造改革をもっとやるべきだったとの所感でしたが、それについて、今一度、一番やるべきことは何だったのか、なぜできなかったのか、改めて知事の考えを伺えますか。
【知事】  私は、前回の会見でも申し上げましたが、アベノミクスについて、三本の矢というキャッチフレーズ、そして方向性、これは間違ってないということを申し上げて、よかったと。日銀の金融緩和も、これは5年前から、今の行き過ぎた円高を是正するためには、これはもっともっとやるべきだということを申し上げてきました。ですから、それはいいと。
 そのあくまでも金融緩和で時間を稼いでいる間に、要は構造改革をやらないといけないということを前回も申し上げた。これまでもずっと申し上げてきました。それはいろいろなポイントがあると思いますが、やはり構造改革ですから、今の日本の経済の状況が、経済とか産業とか企業のあり方とか、そういったものがもう世界はどんどん成長しているのについていっていない。ですから、グローバル化をもっと受け入れないといけない。
 だから、今年の2016年の国際通貨基金(IMF)のアウトルック、要は経済成長見通しというのは、世界は3%です、日本は0.5です。ですから、こんな差があるのですから、世界が成長している、世界のグローバル化をもっと受け入れる。今日本は少子化になって労働力不足とも言われているわけですから、それは外国人の労働者、外国人の技能者、高度人材もっともっと受け入れていく、もっともっとこのグローバル化を受け入れていって、それでもって、それをエンジンにして成長していくということが当然必要ですよね。そのことをずっと我々は国家戦略特区でも、去年11月に外国人材のそういった受入れを提案しているけど、全くノーアンサーだということです。
 ですから、そういったことをもっともっとやるべきだということを申し上げておりますし、この間5月にスタートさせました医療ツーリズムだって、日本の高度な医療、それからこの住みやすい環境、観光地もいっぱいある、こういったところをもっともっと来たいという海外の人がいっぱいいるので、それをもっともっと受け入れたらどうかといったこと。そういったことをやっていく上において、日本一律で、霞ヶ関、永田町で現場をよくわかっていない人たちが実態をつかまずに、さっきの子どもの貧困対策とも絡むというか同じような趣旨なのですが、要は実態がわからなくて対策を打ったってしようがないので、実態がわかる対策をタイムリーに打つためには、現場に近いところにそういう施策を任せる必要がある。ですから、グローバル化と分権を、分権で我々にどんどんやらせてくれれば成長してみせますよ、それは。ということを申し上げているのです。
 ですから、グローバル化とか分権とかそういったところが、全く進んでいないということなので、もっともっとグローバル化を大胆に、それから国家戦略特区で、特区でやらせるというのだったら、ああいうちまちましたことではなくて、もっと思い切って任せて、我々がやりたいと手を挙げたやつは全部やらせてもらうと。それも直ちに、来月とか再来月、1か月、2か月ぐらいですぐやらせてもらうと。
 有料道路のコンセッション、今月中に大体、優先交渉権者が決まりますけど、我々が国に提案したのは平成24年の2月なので、これ。4年4か月かかってここまでようやく来たということですよ。4年4か月ですからね。優先交渉権者と契約して、愛知県の有料道路を民営化するのは今年の10月を予定していますから、だから4年8か月かかってようやくですから。そのスピード感のなさたるや一体何なのだと、先進国なのかということを申し上げたくなりますね。ですから、世界の動きはもっともっと早いわけですよ、どんどこどんどこ進んでいっている。
 ですから、そういう意味で、私は、諦めてもしようがないので、今からでも遅くないから、やはりグローバル化と分権、これをどんどんやっていけばそれは成長していきます。日本はそれだけの底力あるのですから。ですから、それを縛らないで、もっともっと自由にやっていくということをまた声を大にして言いたいと思います。