知事の記者会見
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平成28年7月19日(火) 午前10時
1.

知事発言

(1)

北朝鮮のミサイル発射について

【知事】  皆さん、おはようございます。7月19日火曜日、海の日の3連休明けの定例記者会見を始めさせていただきます。
 今日午前5時45分から6時40分ごろにかけまして、北朝鮮のミサイル発射がされたという報道がありました。また改めてコメントを出させていただきますが、今年は1月6日の核実験、2月7日の弾道ミサイルの発射に続いての、累次にわたる弾道ミサイルの発射というのは、平和と安全を損なう重大な挑発行為でありまして、断じて容認できません。明白な安保理決議違反でありまして、航空機、船舶の安全確保の観点からも極めて問題のある行為でありまして、北朝鮮に対して厳重に抗議するとともに、強く非難をいたします。
 政府には、国際社会と連携して、北朝鮮の拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて断固とした措置をとるよう強く要請するものであります。本県としては、引き続き県民の生命、財産を守るため、安全・安心の確保に努めていくことといたします。ということで、後ほどまたコメントを出させていただきます。
  
(2)

トルコで発生したクーデターについて

【知事】  日本時間の16日未明トルコで発生したクーデターについてでございますが、県内の企業の現地進出状況についてヒアリングをいたしました。早速状況を聞いたところでございますが、トルコには今現在県内企業が15社、18拠点を設けております。これは2014年12月末時点の調べということでございまして、直近の数字と御理解いただければと思います。
 そのうち5社から事業活動への影響について確認ができましたが、確認ができた企業からは人的被害の情報はありません。ビジネスへの影響につきましては、一部企業で16日、16日も操業しているのですね。16日の朝から夕方まで工場の操業が停止されたほか、トルコへの出張禁止、自粛などの措置がとられているということでございます。今後とも継続的に情報収集し、状況変化があれば速やかに報告をしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 全部で15社18拠点。やはりトヨタ自動車がアセンブリー、組立工場を出しておりますので、それに関連する自動車関係の企業が多いようでございます。ほかにはカゴメさんとかね、ホシザキ電機さんとかヤマザキマザックさんとかブラザー工業、それからオーエスジーといったような自動車関連以外の、以外というか関連ということかもしれません。機械というのは。結構多くの企業さんが、トルコはヨーロッパへの窓口ということで進出されているということだと思いますが、引き続きしっかりと情報を把握していきたいと思っております。
  
(3)

イギリス・フランス渡航の成果について

【知事】  先週行ってまいりましたイギリス・フランスの訪問について御報告をさせていただきたいと思います。
 これは毎日、ちょっと時差がありますので日本時間では翌日ということになりますが、毎日記者クラブには、今日はこういう行程でありましたということを御報告をいたしておりますが、そのまとめをさせていただきたいと思います。
 7月10日の日曜日、日曜日といっても参議院選挙の万歳をやった後にさっと新幹線で行きまして、7月10日の真夜中といいますか、実際乗ったのは11日の朝の12時過ぎということでありますが。それから16日の土曜日までの間、イギリス及びフランスを訪問してまいりました。
 目的は、イギリスではロンドン郊外ファンボローの国際航空ショーの開催にあわせて渡航したというものでございます。この航空ショーは世界最大級の航空産業の展示会でありまして、パリとファンボローを1年おきにやるということでございます。今回2016年は、主催者によれば45か国からおよそ1,400以上の企業・団体の出展があったとのことであります。
 イギリス訪問の際、多くの航空宇宙産業の企業を会員に持つ中部経済連合会の豊田鐵郎(とよたてつろう)会長、そして名古屋商工会議所の山本亜土(やまもとあど)副会頭始め経済界の方々にも御同行いただきまして、地域を挙げて愛知・中部の航空宇宙産業のアピールをしてまいりました。
 また、11日夕刻は、ロンドン市内におきましてグレーター・ナゴヤ・イニシアティブが主催するシンポジウムにも参加をし、あわせて、セットでね、その後のメインイベントが、大体セミナーをやって、その後交流会、交歓会をやりますが、交歓会、交流会が大体倍から3倍ぐらいのメンバーになりますので、その交流会がメインでございましたが、これは愛知県主催で交流会を開催いたしました。
 航空機エンジンのイギリス・ロールス・ロイス社や航空宇宙産業において必須とされる三次元設計ソフトの大手であるフランス・ダッソー・システムズ社といったファンボロー国際航空ショーに参加する海外企業の方々や、イギリスの貿易投資総省のリー・ホサイン航空宇宙関係投資部門長、日本でいうJETROに当たる部門ですね、これは。といったところを始めとする外国政府機関、それから愛知県、日本からイギリスに進出している企業さんなど、各方面から多くの皆さんに御参加いただいて、私からも航空宇宙産業を中心に日本一の産業集積を誇るものづくり県愛知もアピールをさせていただきました。
 また、当日、ファンボロー国際航空ショーにおいて三菱航空機から、おりしも当日欧州企業から初めてとなります20機のMRJ購入の基本合意についても発表されましたので、その点もアピールをさせていただきました。三菱重工の大宮会長、三菱航空機の森本社長、そして川崎重工の石川副社長始め、三菱、川崎、富士の3重工などの国内からの出展企業の皆さんにも参加をいただいて、海外の航空宇宙関連企業との交流を深めていただく有意義な機会となったと思っております。
 そして、翌12日火曜日には、豊田会長、山本副会頭とともにファンボロー国際航空ショーに、会場に行ってまいりました。午前は、日本航空宇宙工業会として共同出展している日系企業各社のブースの訪問、その取組もお聞きをいたしました。続いて、三菱航空機のシャレーを訪問し、大宮会長、森本社長と面談をし、更にMRJの商談が進展するように意見交換と激励を行ってまいりました。
 それから、午後はボーイング社のシャレーを訪問いたしました。シャレーというのは、普通のブースじゃなくて独立の建物で、応接とか会議室とかいろいろなものを入れた、あとイベントの部屋もつくっているような、そういう大きなものを、臨時の建物ですけどね、シャレーと言うそうでございますが。
 午後、ボーイング社のシャレーを訪問いたしまして、民間航空機部門の上級副社長ケビン・シェムさんとも面談をしてまいりました。シアトルでもお会いしましたので、これで2回目ということでございますが。そのこととあわせて、8月に北米で、いよいよMRJの試験飛行が始まりますので、そのサポート、そして愛知の企業との関係強化等々も要請をしてまいりました。また引き続き、連携を深めていきたいと思います。
 なお、ボーイング社は今年が創立100周年ということで、その展示ブースもありましたので、訪問いたしました。
 そして、この7月15日金曜日からセントレアにおきましても、世界をずっと巡回しているようでありますが、ボーイング社が100周年記念の企画展示「ABOVE AND BEYOND」が開催をされておりますので、どこかで近いうちに訪問したいと思っております。
 その後、続いてエアバス社のシャレーを訪問いたしまして、エアバス社のトム・ウィリアムスCOOと面談をしてまいりました。エアバス社には、中部地域は航空機産業、自動車産業、工作機械などの分厚い製造業の集積があり、それらを支えるサプライヤー企業を含めた日本企業と関係を深めていただきたいということを要請させていただきました。これに対してウィリアムスCOOからも、日本企業との関係をより深めていきたいとの期待が表明され、相互理解を深める努力をしていくことを両者で確認したということでございます。
 エアバスも、実際中身、今全体の航空機の部品等々でいえば大体7、8%は日本企業のものが入っているということでございますが、もっともっとそれは使いたいというお話がありました。今後どういうふうにするかは、また関係者とよくよく相談しながら取り組んでいければと思います。
 翌13日水曜日には、エアバス本社があるフランスのツールーズに移動いたしました。そして、その日はツールーズを圏都とするオクシタニー地域圏政府議員でありエアバスのグループ会社OBであるベルナール・プラノ議員と面談をいたしました。今年の2016年国際航空宇宙展でありますとか来年のエアロマート名古屋等々について、ツールーズの企業の参加についてもお話をさせていただきました。また、様々な点、航空宇宙産業や自動車といった点でも連携を深めていったらどうかという話もさせていただきました。
 続いて14日は、7月14日は革命記念日でフランスの祝日ということでございますので、オフィスは全て休みということなので、あいち航空ミュージアムの参考にするために、航空博物館であるエアロスコーピアと宇宙分野の展示施設でありますシテ・ド・レスパスを視察いたしました。
 そして、15日金曜日はエアバス本社を訪問いたしまして、レミーモロー国際協力部門長とエアバスジャパンの松岡副社長始め関係の皆さんと面談をいたしました。
 COOと話したのと同じでありますが、愛知には様々な優秀なサプライヤーがたくさんいるので、愛知・中部の企業とエアバス社との関係拡大を目指したいということを申し上げまして、高い技術力を持つ愛知企業との協力を一層進めたい、連携を深めていきたいという期待が表明されたということでございます。大いにこれからの進展をしっかりサポートし、後押しをしていきたいと思っております。こういう形でアピールできたということは大変有意義だったと思っております。
 今後とも、航空宇宙産業は大変伸びしろがありますので、しっかりと取り組み、進めていければと思っております。
 ちなみに、エアバス社はいろいろ話を聞きますと、やはりなるほどと思うのですが、受注残が10年以上あるということなので、もっともっと生産を拡大したいということでございまして、大変そういう意欲を持っていると。世界中でそういう飛行機の部品をつくれる企業はそうないので、そういう意味では、是非そういった面で取引が広げていければというそういう意向、強い意向を期待とともにお聞きをしたということでございました。また引き続き、そういった面での取組をしっかり進めていければと思っております。
 
  
(4)

フランス・ニースで発生したテロ事件について

【知事】  なお、何社かからもう電話等々でも取材がありましたが、ちょうど7月14日の夜は、フランスのニースでテロ事件がありました。大変痛ましい事件でありまして、こうしたテロに対しては、一般の方を対象とする無差別テロというのはもう絶対許せないということでありますから、国際社会と情報を共有し連携を密にして、テロの根絶に向けて取り組んでいかなければならないということだと思っております。
 ただ、もちろん我々もその7月14日の夜は当然食事しておりますから、大体フランスのレストランなんていうのは夜8時ぐらいでないと開きませんので、9時過ぎでもまだ明るいので、夏ですからね。そうやっていきますと、人はたくさん出ておりましたが、そこのつじつじというか、そこに5、6人1組で迷彩服を着た軍隊の兵士さんが自動小銃を持って警備に当たっている、そこかしこにいると。ああいう光景は日本では見れないので、随分警備が厳重だなとも思いましたが、まさかその同じ時間にニースでテロが起きているというのは全く予想だにしませんでね。次の日の朝起きて報道で知ったということでありますから、大変残念でございます。
 ただ、あわせて、こういった形で、そういう旅行会社とかエアラインの方からは、せっかく夏休みでこれからというときに、もう既にいろいろキャンセルが出ているというふうにもお聞きしておりますので、そういうふうになるというのは大変残念でございます。是非こういったテロ、こういったことについては断固として対応していければと思っております。
   
(5)

第31回国民文化祭・あいち2016「開会式・オープニングフェスティバル」について

【知事】  第31回国民文化祭・あいち2016の開会式・オープニングフェスティバルについてでございます。
 今年の10月29日土曜日から開催いたします第31回国民文化祭・あいち2016の開会式・オープニングフェスティバルについて、プログラムの概要と出演者が決定をいたしましたので御報告をいたします。
 お手元に配付いたしました資料の2ページ、3ページをお開きいただきたいと思います。総合プロデューサーはもう既に発表しておりますが、お願いしております安田文吉(やすだぶんきち)先生、渡辺俊幸(わたなべとしゆき)先生、西川千雅(にしかわかずまさ)先生の3名ということでございます。
 御案内のように、安田先生は南山大学の元教授でありまして、今は東海学園大学で教えられておられますが、日本近世文学、名古屋芸能文学といいますか名古屋の伝統文化に非常に造詣が深い方ということでございます。作曲家の渡辺俊幸さんは名古屋市御出身でありますが、2005年の愛知万博の開会式の音楽監督とか、あとNHKの大河ドラマの「利家とまつ」「毛利元就」、「大地の子」などなど、そういった音楽を手がけておられます。西川流四世家元の西川千雅さんは名古屋を中心とした日本舞踊の家元ということで、まさに日本の伝統文化を中心に、と現代音楽を融合したそういった形でのお三方にお願いをしたということでございます。
 そして、(7)にありますようにプログラムは、プロローグ、開会式典、オープニングフェスティバル、そしてエピローグということでございます。このうちオープニングフェスティバルにつきましては、全体を三つの章に分けまして、愛知の文化を象徴する山車をモチーフに物語を構成しながら、郷土の三英傑、信長、秀吉、家康が時空を超えて登場し、ふるさと愛知の文化の魅力を紹介する展開としており、愛知の歴史と伝統、新しい文化の創造が融合した、本県での国民文化祭の幕開けにふさわしいオープニングステージを考えているところでございます。
 そして、(8)にありますように愛知県出身の女優の戸田恵子さんを語り部とし、司会として、開会式典等の演奏及び合唱は、総合プロデューサーで作曲家の渡辺俊幸さんの指揮によりまして、NHK名古屋青少年交響楽団、名古屋少年少女合唱団に演奏をしていただくということでございます。
 戸田恵子さんは、LOVEあいちサポーターズでもお願いをしているということでもございますし、今回快くお引き受けいただいたということでございます。
 大いに盛り上げていければと思っておりますので、よろしくお願いします。
 なお、一般入場者の募集につきましては、平成28年7月22日、今週の金曜日から9月12日までということでございますので、どうか奮って御応募をいただければありがたいと思っております。大体観覧人数は、一般入場者、招待者と合わせて全体で2,100名程度を考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 そのストーリー展開の中で、この地に古くから根づき今日に受け継がれてきた伝統芸能、そして本県が誇るものづくりの伝統、創造性あふれる豊かな文化を、琵琶の伴奏によって「平家物語」を語る平曲演奏や、江戸時代より受け継がれてきた知立の山車文楽、鎌倉時代から伝承されてきた神事である東栄町の花祭、それから西川流四世家元西川千雅さんによる日本舞踊など、総勢300名を超える出演者によるパフォーマンスで、多彩、多様な愛知の文化の魅力を表現することといたしております。
 この平曲というのは、鎌倉時代から盲目の琵琶法師たちによって語り継がれてきた800年ほど続く伝統文化でありまして、平家物語を琵琶の伴奏で弾き語りするものでありますけれども、江戸時代にこの琵琶奏者を尾張藩が迎えて以来、名古屋が平曲伝承の中心になってきたということでございます。現在、その系譜に連なる唯一の平曲伝承者今井検校勉(いまいけんぎょうつとむ)さんの語りを通じて日本の和心に触れていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、12月3日の閉会式・フィナーレステージについては、8月中にはそのプログラム概要、出演者を決めたいと思いますので、またその折に発表したいと思っております。
 国民文化祭は、10月29日から12月3日まで36日間、県内全域で90の事業、イベントを行うことといたしておりますので、多くの皆さんに御参加をいただければと思っております。
 
     
(6)

ダイコー(株)会長等の逮捕について

【知事】  廃棄物の食品の不正転売事件で7月12日にダイコー株式会社の大西会長始め3者が食品衛生法等の違反ということで逮捕されたということでございます。
 これは、もう何度も申し上げておりますが、廃棄物としての適正な処理を行わずに食品として不正転売したということでありまして、食の安心・安全を揺るがす大変な事態だと思います。また、廃棄物処理への信頼を揺るがすゆゆしき事案であったと考えております。
 今回、これらの者は食品衛生法違反等で逮捕されたということでありますが、食品衛生法を所管する県といたしまして、流通経路の把握と再発防止にこれまでも努めてまいりましたが、今回の事案を重く受けとめまして、食の安心・安全を確保するための施策を一層推進していきたいと考えております。また、廃棄物処理につきましても、関係機関と連携をし、廃棄物処理業者や排出事業者に対する監視、指導の強化など、再発防止にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 なお、廃棄物の撤去作業が今ずっと鋭意進められておりますが、今回の逮捕、事実上この会社はもうほぼ休業といいますか、実質停止状態でありましたので、逮捕による影響は生じていないということでございます。
 そして、撤去状況について申し上げますと、まず排出事業者不明の廃棄物につきましては、県の事務管理の一環として、県主導で今撤去を進めているわけでありますが、6月8日水曜日から撤去を開始し、7月15日金曜日までに、排出事業者が不明な廃棄物は合計約83トンを撤去いたしました。そして、排出事業者による廃棄物の回収状況ですが、これまで77社で合計約1,162トンが回収されたということでございます。
 なお、稲沢市内3か所の保管場所におきまして、県による撤去については毎日、廃棄物の分別、荷づくり、搬出等の作業を行っております。そのことについての、今回の逮捕について、この撤去については支障、影響は生じていないと、引き続き着実にやっていきたいと思っております。

2.

質疑応答

(1)

イギリス・フランス渡航について

【記者】  イギリス・フランスに渡航されて、今回で知事の訪問は何回目でしょうか。また、現地での愛知のものづくりの現状はどうなのか、印象、感想を聞かせてください。
【知事】  私が知事に就任してから何回ぐらい渡航したかというのは、手元に資料がないのでわかりませんが、年に3、4回ぐらい行っておりますので、そのくらいではないかと思っております。日程をやりくりしていく中で訪問しているということでございます。
 目的はそれぞれにありますので、またあれであれば事務方にお聞きをいただければと思います。全て資料はもう随時出しておりますので、御覧いただければと思っております。
 今回は、先ほど申し上げましたように、イギリスのファンボローでの国際航空ショーを視察するということ、それから世界の航空機産業の2大巨頭であるエアバス本社を訪問するということ、この二つが大きな目的でございました。
 ファンボローの国際航空ショー、本当は去年のパリの国際航空ショーに行ってと。もともとの予定でいうとMRJの初飛行は去年の5月という予定でしたからね。そうすると6月のパリのエアショーに行けば、これでちょうどはずみがつくなということは思っていたのですが、残念ながらそれが去年の秋11月に延びたということで去年は見送ったのですが、何とか今年は、経済界の皆さんと一緒にMRJについて是非アピール、PRをしたいということで行ってきたということでございます。
 大体ああいう国際航空ショーで、ああいったところで、いわゆる受注の商談会ですか一番のメインは。どれだけ受注するかそこで発表すると、そこではずみをつけるというのが世界の航空ビジネスの常識といいますか、なっておりますので、そういう意味では大変にぎやかで華やかでありましてね、やはりこういったところは参加していかないといけないということかなと思いました。
 皆さんも是非機会があれば、一回行っていただいたらいいと思いますが、1年にこれ、ファンボローというのは飛行場に、飛行場が通常はチャーター機、ビジネス機、ジェットというかそれ専用で、定期便はないのですね。そこに空き地があって、2年に1回この国際航空ショーをやるために空き地を置いてあると。そこにテントを張って、見本市会場にしていっぱいブースをつくっているのですけど、企業のやつとあわせて、私びっくりしたのですけど、各国政府というか各国の州政府のブースがやたら多くて、アメリカ、カナダ、フランス。正直驚きましたけども。アメリカの各州、幾つぐらいなのかな、私が見ただけで10幾つ、もっとあったかな。何とか州、要はワシントン州があったり、テキサス州があったりと、インディアナがあったりとかそういう各州、ノースカロライナがあったりとか何とかってそういうところの、そこでこういう航空機産業があるというのを大いにアピールし、むしろ彼らは何かというと、是非企業立地してほしいというお誘いでしょうけどね。カナダでいえばケベックとかですね。そういったところが、もちろんボンバルディアのあれですからありましたけれども、そういったところが大いにアピールしているということでございました。
 三菱のシャレーはもちろんですが、またボーイング、それからエアバスの二つのシャレーも行って、それぞれの民間航空機部門の責任者とも面談できましたし、エアバスの本社にも行きましたし、彼らの意気込みも非常にお伺いできましたので、大変いい機会ではなかったかと思いますし、是非こういったことを積み重ねながら、航空宇宙産業、航空機産業を、是非我々のそういった日本の企業とか愛知の企業、中部の企業の受注につなげていきたいなと思いますので、また引き続きしっかりとアピールをしていきたいと思っております。
 いろいろ課題も見えてきましたけれども、またそれはおいおい、また関係の皆さんとも相談しながら、しっかりと取り組んでいければと思っております。

(2)

愛知県の漁業について

【記者】  愛知県の漁業について伺います。7月30日は土用の丑の日で、愛知県のウナギの収獲量は全国2位ですが、その他トラフグやクロダイ、アサリ、クルマエビなど、愛知県は全国でも漁業産業における実力県の一つだと思います。そういった点で知事もトップセールスを行っていますが、愛知県の漁業の魅力、実力というのは、どういったところにあると考えますか。
【知事】  愛知の漁業、漁業生産自体は全国大体半ばぐらいでありますけれども、やはり、今言われたように特徴がありまして、幾つかの魚種というかそういったものは、トップクラスのものがたくさんあります。ですから、これだけの工業県、産業県でありながら、漁業、水産という形でもそこそこの実力があるのではないかと思っております。
 私、前から農林水産物については、やはりブランド化だと。やはり得意技を生かす。何でもかんでもということではなくて、やはり得意技を生かすブランド化というのが必要だということをずっと申し上げておりますので、そういう意味では特徴があるのですね、愛知の漁業生産というのは。そういった特徴のあるところをもっともっと伸ばしていければいいのかなと思います。
 ですから、ブランド化の例としていつも申し上げているのは、例えば名古屋コーチンとか、あいちの花とか、抹茶とか、野菜、日本一の野菜、そういったものもアピールしていったらどうかということを申し上げていますが、あわせてウナギ、アサリ、そういう日本一のものをまた大いにアピールしていければと思います。
 御案内のように、もともとウナギの養殖は30何年間愛知県が日本一で、静岡の次は愛知の、特に一色のところがずっと日本一だったのですが、残念ながらシラスウナギがとれなくなってきたので九州、鹿児島に抜かれてしまったのですけれども、養殖技術等々については今でも日本一だと思います。
 私も、聞いて初めてなるほどと感じたんですけど、昔はね1年か1年以上池に入れて大きくしていたのですね。ところが今、一色の養殖漁業者が開発した技術は半年で大きくするわけですよ。これは新仔と呼びまして。だから、冬に入れて土用の丑に間に合わせると、半年で大きくすると、その技術というわけです。で数をそろえると。いわゆる半年で、いわゆる若いウナギですから非常にやわらかくておいしいということなのです。だから、そういう意味では、そういった技術を持った愛知のウナギというのは、また更にアピールしていければと思います。
 東京のウナギ屋さんに行くと、やはり一番ブランドは、私は誰とは言わずに「このウナギはどこのウナギですか」って聞くのを大体しているのですが、大体「うちは愛知のウナギ使ってますよ」といって、胸を張って言っていただくのが大方なので、それはありがたいことだなと思いますけど。
 あと、やはり資源の問題は、これはやはり資源保護と両立していかないといけませんので、我々も下りウナギの放流だとか含めて資源保護を一生懸命やっていますから、こういったものをまた引き続きしっかりやっていければと思います。
 私は、ウナギは、自民党の養鰻議員懇談会の会長をずっとやっていたので、毎年このウナギがどうにかならないかと、次は何にするのだと。いわゆる日本人がヨーロッパウナギを食いつぶしてしまったのでヨーロッパが稚魚の輸出禁止とかいう話になって、次は何に行くのかといったらインドネシアに探しに行くとか、アフリカのマダガスカルか、あっちのほうまで大ウナギをとりに行くとか、タスマニアのウナギをとりに行くとか、そんな話もありましたけど、やはり日本ウナギが一番いいので、是非資源の回復をしてやっていただければと思います。
 あわせて、ですからウナギもあれば、アサリは全国の生産の65%が、国産のアサリの65%は三河湾ですからね、そういったものを。ところが、これもその筋には知られているわけですよ。東京のそういったところの料理屋さんに行ったら、愛知のアサリというのはブランドになっているのですけど、もっともっと多くの人に知っていただきたいということで、ウナギだとかアサリだとかそれからフグ、遠州灘で一番とれるフグとかですね、あとシラスだとかコウナゴ、いろいろな魚種がたくさんありますから、そういったものをブランド化してもっとアピールしていければと。
 最近でいえば、豊川の流域でやっているアユの養殖ですね。アユの養殖もいつの間にやら日本一になってしまったので、岐阜を追い抜いて。これもやはり技術なのですね。冷水病という、いわゆる池の中の養殖アユがみんな死んでしまうようなそういう病気が出ないように養殖していくということをずーっとやってきた養殖漁業者の皆さんの努力の成果だと思いますから、そういったものを生かしながら、もっともっとやはりブランド化、ブランド化。これはやはり一番大きな課題ではないかなと思います。また、関係者の皆さんとしっかりブランド化を進めていければと思います。
【記者】  愛知県の産業として、工業や農業はもうかなり知られていますが、知事は、今後、漁業についてもバックアップしていき、伸びていってもらいたいという期待感をお持ちですか。
【知事】  もちろん。愛知は、静岡の焼津だとか神奈川の三崎とかああいう、何といいますか、三重県の尾鷲とか、遠洋漁業の基地があるわけではないので、やはり漁獲高とか漁業の生産高がずーっと全国の上位に行くということはなかなか難しいと思います。やはり近海漁業、沿岸漁業を中心にしながら、養殖漁業を絡めながらということですから。
 ですから私は、量とか生産額にとらわれるのではなくて、さっき申し上げたように、これっていう特色のある漁業生産があるものですから、そういったものをウナギだアサリ、アユとかフグとかシラスとかそういったものを、特徴のあるものをとらまえてブランド化をして、やはりもっともっとアピールしていければと思っています。
 ちなみに、やはり三河湾、伊勢湾、それから太平洋という海に恵まれて、特に三河湾、伊勢湾って内海ですから放っておけばすぐ汚れてしまうので、やはりそれの浄化も含めて海を大事にする。環境面での意味も込めて、愛知の漁業をこれからも大事にしていきたいと思っています。
 

(3)

第24回参議院議員通常選挙の結果について

【記者】  参議院議員選挙の愛知選挙区の結果の評価を聞かせてください。
【知事】  参議院選挙の愛知選挙区についての感想ということでありますが、本当は先週の月曜日に申し上げないといけないのですが、先ほど申し上げた事情で投開票日の10日の夜にもうこちらを、愛知を出ましたので。結果を見て、そしてそれぞれの当選された方の事務所をお祝いに訪問して、その上で日本を立ったということでございますが。
 1週間たちましたけれども、大体今はいろいろな調査を、皆さんやられていますから、そういったデータを拝見することもありますので、そうなりますと、自分も大体、仕事や行事、それから応援も含めて街頭に出ますので、そういう雰囲気等々もあわせれば、大体想定の範囲内だったのではないかと思います。言葉を変えて言えば順当だったのではないかなと思います。
 ですから、そういう意味では、当選された4名の方は引き続き、まずはやはり国会議員ですから国政についてしっかりとお訴えされたことを実現されるように努力し、頑張っていただきたいと思っておりますし、あわせて、愛知選挙区から出ているということでありますから、愛知の発展について更にお力をいただければと思っております。
【記者】  改憲勢力を整えた安倍政権への所感を聞かせてください。
【知事】  これで衆議院、参議院ともに戦後初めて3分の2を、憲法改正を志向する政党会派の皆さんが3分の2を超えたということで、これは戦後初めてのケースですよね。ですから、当然これまで安倍総理、安倍さんも自民党も憲法改正やるのだと、これは党是だと、公約にも掲げているということなので、それについて議論をされていくということになるのだろうと思います。逆にならないとおかしいのでしょう、それは。ですから、急ピッチで議論が進んでいかれるのでしょう。
 もう秋に臨時国会を開けば、憲法審査会ですか、そこで改憲項目を何にするかということについて議論をされるとお聞きをいたしておりますが、十分議論をしていただければいいのではないかと思いますが。
 私は、議論をされるということは大変結構なことだと思いますし、そういう意味で憲法審査会、その前の憲法調査会をもう延々と、これは2000年以前から、90年代からずっとやってきたわけですね。私も憲法調査会の時代にはたびたび出させていただいて、いろいろな意見を申し上げてまいりました。やはり時代にあわせてフレキシブルに検討すべきではないかという持論も申し上げてきたところでございます。
 ただ、二つあるところで、一つは、憲法自体をどうするか、いろいろな議論を私はされたらいいと思いますが。ということと、もう一つ、憲法9条の平和憲法どうするかというところの二つの側面があると思うのですが。
 私は、前から申し上げているように憲法観は、一つとしてやはり憲法9条は、憲法9条の精神を、憲法9条をどう見るか。憲法9条は戦後の日本の平和と安全、そしてアジア太平洋の平和と安定にとってよかったのか、要らなかったのかと、こういう憲法観、ここが一番大きいと思うのですが。
 私は常々申し上げておりますが、戦後70年の日本及びアジア太平洋の平和と安定にとって憲法9条が果たした役割は非常に大きいと、率直に評価するというそのスタンスに立った上で憲法をどう議論するかということが、私が前から申し上げている私の持論、立場でありますから、そういった面での議論が深まっていく、進んでいくということは期待したいと思います。
 一方で、ではその憲法9条にはさわらないで憲法だけ変えようかというような議論が、どうもそちらのほうに行くのかなという気はしますが、それであったとしても、やはり憲法自体を議論することは、議論はいろいろな意味で、是非どんどん進めていただきたいと思いますし、特に、参議院選挙期間中も申し上げたのですが、地方分権というのは最近どっかに行ってしまったので、誰も言わなくなったと。街頭演説で民主党の枝野幹事長には、最近国会でも全く、うんともすんとも地方分権言われませんねと言ったら、いやいや我々は言っていますよと言うから、ではもっと議論吹っかけてくれと思いましたけどね。
 それはあれですが、要は国の形を変えられるという意味で、やはり地方分権とか、財政の規律の問題とかですよ、そういった本来の国の、国家のありようみたいな話について、私は地方分権だったら、そう議論は、意見は、そごは、各政党で意見の食い違いはないのではないかと思います。地方分権反対と言われる方はおりますよ、国会議員で少なからずおりますよ。おりますけれども、表向きは多分言えないでしょう、きっと。
 だから、私は、こういう機会に、本当に憲法の議論するのだったら、それこそまずは地方分権からやってくれと、地方分権からやってくれと。本当に地方分権するのかしないのか。今のままの、こんな完全な中央集権でもない、分権がある程度進んでいるけれどまだまだ十分でないというような中途半端なやり方でいいのかと。私は、やるのだったら、世界の流れとして、分権もどんどん進めていって、各地域がそれこそ独自にどんどん施策を展開してやっていく、そのことが日本の成長につながる、国としての成長につながるというのはもう、成功した国は全てそうですが、アメリカでもドイツでもみんなそうですよ、中国でもそうですよ。中国は民主主義というかそういう選挙というあれはありませんが、分権型でそれぞれの省とか直轄市がどんどん活力を出して中国経済を成長に導いた、その成長のエンジンだったというのは間違いないわけですから、そういう成功モデルはもう明らかなので、私は今のこの閉塞する日本を打破するのであればまずは地方分権の議論から大いにしていただいて、地方分権であれするというのであれば、そう私はそごはないのではないかなと思いますけどね。
 だから、本当にそれは憲法改正に持ち込むのだったら、それは国民投票にかけないといけませんから、そこに行く前に本当に、与党だけではなくて、3分の1と言わずに、谷垣さんがよく野党第1党の民進党にも入ってもらわないといけないと言われているのは、私は至言だと思いますけど。だとしたら、お試し改憲とか何とかいうことの言葉は置いておいて、まずやるのだったら基本的人権だとか何とかって結構難しいはずですよ、環境権とかいろいろ、プライバシーとかいろいろ。本当に憲法に書き込むとなると結構難しい議論が出てくると思うので。
 だとすれば、それはやはりあれですよ、地方分権、地方分権。だって、みんなやると言っているのですから、各政党全部。地方分権をまずやると。ということで、国会で議論を練り上げていただけたらいいのではないでしょうか。本当にそれは国民投票にかけて、発議して国民投票にかけるかどうかは別ですよ、別。別だけど、だってそこで合意ができなかったら、そもそもそこまでいかないのですから。そんなに皆さん言うならまず地方分権、徹底的に地方分権の議論をしてやるということを、是非私は提案をしたいなと思いますけどね。そう言ってボールを投げて、受けとめていただけるかどうかはわかりませんが。あまり期待できないかなという気はします。いずれにしても、そういった形で議論は進めていただければと思います。
 
 
(4)

東京都知事選について

【記者】  東京都知事選について、知事はどのように見ていますか。
【知事】  都知事選については、これは今選挙中ですので特段のコメントといいますか感想めいたことしか申し上げられませんが、日本の首都東京、日本の地方自治体の代表選手の東京ですから、是非丁々発止の議論をしていただいて、よりよい方を都知事に選んでいただければと思います。
 7月31日ですから、すぐ、8月になったらリオのオリンピックがある、多分これは行かれるというか行かれないといけないのでしょう。行かれることになろうかと思います。4年後は東京オリンピック・パラリンピックがありますから。そういうまさに日本を代表する東京の代表となられるわけでありますし、またあれだけの財政力と力があるわけですから、国に対して物申す一番手でもありますので、是非すばらしい方になっていただいて、我々愛知とも。愛知と東京というのは大体、最近国から狙い打ちのようにやられる、財源を狙い打ちのようにとられることも一緒ですしね、物申すことも大体一緒ですし、大体ベクトルは一緒なので、また、どなたになるにせよしっかりと連携をとって、スクラム組んで、国に物申していきたいと思います。
 東京に次いで愛知がやはり日本の成長のエンジンであることは間違いありませんから、またしっかりと連携とってスクラム組んで、日本の成長のために、そして地方分権のために国に物申していければと思っています。