知事の記者会見
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平成28年8月2日(火) 午前10時

1 知事発言
(1)第61回愛知県消防操法大会の結果について
【知事】 おはようございます。8月2日火曜日午前10時ということで、定例記者会見を始めさせていただきます。
 昨日月曜日は午前中、9時半から豊橋で豊橋市制110周年の記念式典がありまして、そちらに行っておりましたので、1日ずれて今日ということでございますので、御理解いただければと思っております。
 先週の土曜日、7月30日土曜日に愛知県消防学校において開催されました第61回の愛知県消防操法大会の結果について一言申し上げます。
 優勝したのは、ポンプ車操法が岡崎市額田の消防団、第2位が知多市、第3位が北名古屋市ということでございました。知多市消防団が3連覇しておりましたので、それを岡崎市額田の消防団が4連覇を阻止して破ったということで、大変に白熱したと聞いております。小型ポンプ操法は南知多町消防団が優勝、準優勝が長久手市、3位が半田市ということでございます。
 会場には3,000名を超える方が参加して真夏の中で本当に頑張っていただいたということで、心からお祝いを申し上げたいと思っております。また、今後とも消防の皆さんによろしくお願いを申し上げたいと思います。

(2)愛知目標達成に向けた国際先進広域自治体連合協働事業について
(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/shizen/gichitairengo.html)
【知事】 愛知目標達成に向けました国際先進広域自治体連合協働事業について申し上げます。
 私ども愛知・名古屋は、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)、2010年のCOP10の開催地として、生物多様性の保全に関する世界目標であります「愛知目標」の達成に貢献をしていくため、生物多様性の保全に先進的に取り組んでいる海外の5つのサブナショナル政府(州・県レベルの広域自治体)と本日、「愛知目標達成に向けた国際先進広域自治体連合」を立ち上げることといたしました。
 この連合は、生物多様性分野における交流・連携を図ることで相互に触発をし合って、それぞれの取組の更なる強化を目指すとともに、リーダーシップをとって世界各地域のサブナショナル政府に対し、取組の活性化を促すことを目的とするものであります。
 構成メンバーといたしましては、本県のほか、2014年のCOP12で私ども愛知県主催のサイドイベントに御参加をいただきましたカナダのケベック州やスペインのカタルーニャ州、ブラジルのサンパウロ州に加えまして、生物多様性条約事務局から推薦のあったカナダのオンタリオ州、今年12月のCOP13の開催地元であるメキシコの州政府連合でございます。2012年のCOP11におきまして私ども愛知県主催のサイドイベントに参加をいただきましたフランスのオーベルニュ・ローヌ・アルプ州につきましても、この連合に加わっていただくよう調整中ということでございます。
 この連合につきましては、今年の3月に第1回ウェブ会議を開催し、オーベルニュ・ローヌ・アルプ州を含めたサブナショナル政府に対しまして、本県から連合の立ち上げに関する提案をいたしました。その後、6月に連携・参画を呼びかける正式な書簡を各サブナショナル政府にお送りし、7月15日に開催した第2回ウェブ会議で連合への参画についての意思確認等を行い、本日の連合設立ということになったわけでございます。
 今後は、ウェブ会議などで連合メンバーと意見交換を重ねまして、今年12月メキシコのカンクンで開催されますCOP13におきまして世界の生物多様性保全の活性化を促すための取組を共同で行うことといたします。
 具体的には、連合メンバーとのフォーラムの開催、それから共同声明の取りまとめを行った上で、世界各地域に取組の活性化を呼びかけていくために、世界の自治体、国際機関、締約国等の関係者が出席する国際自治体会議の場で共同声明の発表を行ってまいります。こうした取組を世界に発信することによりまして、COP10の開催地として愛知目標の達成に貢献をしていきたいと思っております。
 資料にありますように、大体資料にその中身、今私が申し上げたことが書いておりますので、また御覧をいただければと思っておりますが、設立は今日8月2日付ということで、構成メンバーは今申し上げたところ。具体的には、主な取組と書いてありますが、連合フォーラムの開催、それから共同声明の取りまとめ、それから国際自治体会議への出席、共同声明の発表ということでアピールをしていきたいと思っております。
 その資料の裏面に3月、6月、7月とこういう形でやってきたと、経緯を書かせていただいております。
 COP13は12月でございまして、自治体会議はそのうちの12月10日、11日ということでございます。そこで共同のフォーラム、共同会合をやっていきたいと思います。
 もう1枚の紙がCOP10以降の愛知県の取組ということでございまして、COP11がインドのハイデラバード、COP12が韓国の平昌(ピョンチャン)、そして2016年の12月がメキシコのカンクンという形でずっと行われておりまして、それに我々、愛知目標の達成に向けて、更に取組を進めていきたいと思っております。
 参考資料として、私が送りました正式書簡をお付けしておりますので、御覧をいただければと思っております。
 提案については、背景という形でずっと書かせていただいておりまして、今私が申し上げたことが述べられておりまして、裏面には目的、連携・協働の内容という形で示させていただいております。
 こういう形で我々がCOP11、COP12で愛知県主催のサイドイベントをやったときに必ず参加をしていただける熱心な、そういった州政府等々に連携を呼びかけたところ、快く参加意思を表明していただいたということでございますので、今後、こういったところと連携をしながら、さらに環境施策、生物多様性の施策の推進に向けて努力、取組をしていきたいと思っております。
 バランス的にも、ヨーロッパ、それから北米、南米、そしてアジアという形でバランスも取れているのではないかと思いますし、それぞれやはりその国を代表する州政府でありますから大変力もあるので、アピール力もあるのではないかと思います。
 なお、フランスのオーベルニュ・ローヌ・アルプは、我々のところにいつも参加していただいたのはローヌ・アルプ州というところで、リヨンを中心としたローヌ・アルプ州でありますが、フランスは州が大体今22が半分、13になったのかな、半分近くに合併をしまして、オーベルニュ州と合併をしたところでありまして、まだ州政府の形を今つくっているところだということなので、ただ参加の意向だけは表明していただいておりますが、具体的にはまだ、形ができたらまた連絡しますということですが、意向だけは、それは参加しますよということで聞いております。この新たな州はフランス第2の経済成長拠点でありまして、ヨーロッパでもGDPベースで第6位の経済規模を誇るという大変大きなところでございますので、是非参加をしていただいて、大いにアピールをして、発信をしていただければと思っております。

(3)第13回教育懇談会の開催について
【知事】 第13回教育懇談会の開催についてでございます。
 これからの愛知の教育を、広く御意見をお聞きする「教育懇談会」を8月16日火曜日午後1時半から開催いたします。13回目となる今回の議題は「子どもたちの感性を育む芸術・文化教育」であります。
 来週、8月11日から「あいちトリエンナーレ2016」が開幕いたします。10月29日土曜日から「第31回国民文化祭・あいち2016」、12月3日土曜日から「第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会」。大規模な文化行事を連続して開催する、まさに今年の愛知は「芸術・アートの年」でございます。今回の懇談会は、美術や音楽など子どもたちの芸術・文化教育のあり方を始め、子どもたちが芸術や文化に親しむ機会の拡大、国内外で活躍する芸術家の育成など、幅広い観点から御意見を伺ってまいりたいと考えております。
 今回は特別参加として、美術教育が御専門の愛知教育大学名誉教授の藤江充さん、そして、前回に引き続き、漫画家の江川達也さんにも御出席をいただく予定でございます。
 この懇談会でいただいた御意見、御提案につきましては、今後の愛知の教育と文化芸術施策の充実に生かしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 芸術・文化教育、大変大事なジャンルだと思っております。もちろんその道に進まれる方もおられるでしょうし、子供たちの感性を磨くという意味でも、文化・芸術に触れていただくということは大変すばらしいことだと思っておりますので、今回はその文化・芸術教育をテーマに教育懇談会を開催したいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

(4)ダイコー(株)会長の再逮捕等について
【知事】 昨日ダイコーの大西氏が再逮捕されたということでございまして、そのダイコーの現状等々について御報告をさせていただきたいと思います。
 ダイコーの大西会長につきましては、7月12日に食品衛生法違反で逮捕されたということでありますが、昨日、廃棄物処理法違反及び詐欺の容疑で再逮捕されたということでございます。今回の再逮捕によりまして、事件について全容が更に解明されることを期待したいと思っております。なお、こうした事件が二度と起こらないように、廃棄物処理の観点から関係機関としっかりと連携をし、産業廃棄物処理業者や排出事業者に対する監視・指導の強化など、再発防止にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 そして、現時点といいますか、7月29日金曜日までの時点での撤去状況を申し上げますと、県の事務管理による撤去につきましては、7月29日の金曜日までに約164トン撤去をいたしました。さらに、排出事業者による廃棄物の回収状況につきましては、これまでに81社で合計1,252トンが回収されました。合わせまして1,416トンが撤去されたということでございます。
 引き続き県による事務管理の撤去は毎日行っております。廃棄物の分別、荷づくり、搬出等の作業は毎日行っております。で、1,416トンですが、体積で見ますと、当初保管量が8,900立米なので、重さはそれだけありませんので、体積でいいますと大体4割程度が撤去されたという状況でございます。したがって、一宮市大和町の保管場所はもう撤去は終了いたしました。あとは稲沢市の3か所ということでございますが、これは鋭意今やっているということでございまして、毎日毎日、この暑い中でありますけれどもやっていると。腐敗するようなものはもう最初にやりましたので、今は順次やっている。もちろん、排出事業者の分が多いので、それはもっともっと、これはやっていただくということで進めていければと思っております。
 いずれにいたしましても、廃棄物の撤去は、地元の周辺住民の皆さんの生活環境が悪化しないようにしっかりと、これはやっていきたいと思っておりますし、あわせてこういった廃棄物の関係のことにつきましては、こうした事件が二度と起きないように、再発防止策をしっかりとやっていきたいと思っております。

(5)愛知県内の障害者支援施設等の安全確保について
【知事】 もう既にこれは皆様にも情報提供させていただいているかとも思いますが、7月26日神奈川県で発生いたしました障害者支援施設における殺傷事件につきまして、それを受けて、7月27日、翌日、愛知県内の障害者支援施設、それから障害者等の皆さんが入所している、高齢になりますと特別養護老人ホーム等々にも入所しますので、そういったいわゆる入所施設が愛知県内に1,554か所ございます。障害者支援施設が69か所、障害児、子供の入所施設が14か所、特別養護老人ホーム等高齢者の入所施設が1,379か所、それから児童養護施設等児童の入所施設が90か所、救護施設が2か所ということで、1,554か所ということでございますが、そこには、安全確保の徹底につきまして直ちに通知を行ったところでございます。安全確保をしっかりやってもらいたいという通知を行わせていただきました。
 そして、この県内69か所の障害者支援施設につきましては、安全対策につきまして自主点検表を送付いたしました。例えば、マスターキーなど鍵の管理は徹底されているかとか、夜間において出入り口、居室窓等の施錠は徹底されているかとか、夜間勤務体制はどのようになっているか、不審者侵入等の防犯・避難訓練は実施しているか、職員を対象にメンタルヘルスチェックは実施しているかなどの自主点検表を、これを7月28日に送付をいたしました。ですから、7月26日に事件が発生し、7月27日に1,554か所に対して安全確保の徹底について通知を行い、7月28日に69施設に対しまして回答期限を8月4日として自主点検表を送付いたしました。
 で、この自主点検結果を踏まえまして、8月上旬から順次69施設を訪問し、防犯体制や不審者への対応等についてヒアリング、現地確認を行って、施設の安全確保について総点検を実施いたします。69か所のうち、名古屋市と中核市の所轄が確か約30か所だと思いますので、名古屋市、中核市の担当者とも随時連携をし意思疎通を図っておりまして、協議をしておりまして、その連携をしながら一緒にといいますか、それぞれの所管ごとに同じタイミングでこの現地確認を行っていきたいと思っております。
 ということで、この事件を受けまして、私どももそういった形で早急に対応している、今やっているところということでございまして、引き続きしっかりとやっていきたいと思っております。

2 質疑応答
(1)愛知目標達成に向けた国際先進広域自治体連合協働事業について
【質問】 愛知目標達成そのものは国のやるべきことで、国の役割が大きいかと思いますが、あえて自治体が連合を組むということで、自治体の役割をどのように考えていますか。
【知事】 これは、2010年のCOP10のときに、愛知・名古屋で開催されたCOP10のとき、2020年愛知目標が採択されたわけでありますが、その議定書の中でも「生物多様性のためのサブナショナル政府、都市その他地方自治体に関する行動計画」ということで、それも採択されておりますので、その重要性というのはもうそのときから認識されている。要は、全体的な目標は国がつくる部分もあるかもしれませんが、我々もそれを踏まえて、地域の実情に基づいた目標をつくり、また、具体的な生物多様性保全に対する取組、環境保全の取組、我々愛知でいえば「あいち方式」という、開発をしたらその代替の措置を、代償措置、ミティゲーションと呼んでいますが、代償となるような環境保全の措置を、場所を確保しておくといったことを言っておりまして、そういった個々具体的なことは、現場を持っているやはり州政府、地方政府、そういったところのほうが、より具体的な取組ができるということだと思っております。
 ですから、引き続き、我々は何といってもCOP10をやったところのホストといたしまして、生物多様性に関する取組は引き続き、更に続けていきたい。そのときにやはり国際的に似たような、同じ思いを持った州政府、それもそれぞれの地域、それぞれの国で圧倒的な発信力、発言力があるところと組んで一緒に発信するということは、私は多くの方々にその意義を認識していただくことになると思いますので、そういった意味でこれは大変意義があることだと思います。ですから、それぞれ皆さんのどういうことをやっているかの、そういう意見交換もやりながら、お互いまた交流が深めていければと思います。
 それで今回連絡をとっているのは、ブラジルのサンパウロであり、カナダのケベック、オンタリオ、それからスペインはカタルーニャですがバルセロナですから。それからオーベルニュ・ローヌ・アルプはリヨン、フランス第2の経済圏ですから、そういう意味では、連携相手にとって不足はないといいますか、お互い意見交換、連携していくことで得るところは多いのではないかと思っています。

(2)愛知県内の障害者支援施設等の安全確保等について
【質問】 障害者支援施設にヒアリングを行って総点検をするということですが、何かしら不備があることが分かったときは、県としてどのような対応をしますか。また、ヒアリングをどう生かしますか。
【知事】 こういう自主点検表でチェック項目がありますから、大体それは常識的には、誰が見ても、さっき私が申し上げたような形で、外部の侵入者がちゃんと防げるかとか、ちゃんと避難ができますかとか、ちゃんと職員体制ができていますかと、連絡体制ができていますかということなので。あと、施設的にもちゃんと、施錠とかそういうことができていますかとか、そういったことが大体ありますので、それを自主点検していただいて、ヒアリング、現地確認して、不備があればそれは直してもらうという形で、直ちにそこで、その段階で、現地で指導すると。指導して改善してもらうということになろうかと思います。
 ですから、そういう意味では、こういった福祉の事業所につきましては、当然行政から、お一人こうやって入所で受けた場合は、若干の本人負担はあるにしても、大方はやはりその措置費用というのが出ますので。障害者の場合はそういう、その費用はだから行政から出るわけです。ですから、日常的にやはりそういった意味で連携しておりますから、そういう意味では、今回のような安全確保等々については、そういう行政の目、管理監督する立場として、その目線からそういった面で不備があれば、これは指摘をすれば、それは直していただくということになろうかと思います。そういう意味で機動的に対応していけるのではないかと思っております。

【質問】 例えば施設を改修するという場合に、資金面で県から何らかの措置はありますか。
【知事】 いや、基本的には、私は大体、今ある施設でそういった面は大体できていると思いますので、若干の不備があるとか、若干その施設が古いとか、若干本来警報ベルが鳴るやつがどうも古くて鳴らなくなっていたとか、そういうのはやはり、それは自己資金で直してもらうということになろうかと思います。
 そんな大きなあれにはならないと思います。ですから、そういったものは当然、社会福祉法人として、そういう行政からの報酬をもらって事業として運営しているわけですから、それぐらいのことは対応できると思います。

【質問】 措置入院について、退院をさせるタイミングを計ることが難しいということから、第三者の目が必要ではないかと言われていますが、知事はどのように考えていますか。
【知事】 措置入院というのは、精神障害とかのために自分を傷つけたり他人に危害を加えたりする、いわゆる自傷他害のおそれがある方に対して行政が強制的な入院を課す制度だということでございまして、うちだけではなくて、日本全国、大体保健所がその責務を担っているわけです。
 措置入院の手続や要件は、精神保健福祉法で厳密に定められておりまして、その決定や解除には精神保健指定医の資格を持った医師の診察、診断が必要だということなのです。ですから、そういった手続を踏んで。愛知県では、名古屋市を除く、これは政令市の名古屋市が権限を持っているので、名古屋市を除く愛知県では、平成27年度中に措置入院を決定した件数は99件、同じく措置入院を解除した件数は97件ということでございまして、措置入院期間の平均144日。措置解除後も引き続き入院を継続する患者が全体の8割近くということでございます。ですから、これはあくまでも医療行為の中で、その患者さんというかその方のために、その方が放っておくと自分を傷つけたり人に危害を加えたりというおそれがあるので、そういうことにならないように、強制的に入院して治療するということですから、治療ということなので、あくまでもやはりお医者さんの、この精神保健指定医の資格を持った精神科のお医者さんの診察、診断に基づいて決めていくということになりますから、そういった手続をうちも踏んでいるということなので、引き続きそういった形でやっていくということではないかと思います。
 ですから、いろいろな御意見があるのは承知しておりますが、これは国全体の制度の運営のあり方として議論をしていただかないといけないのではないかと思います。

【質問】 今回の事件について、退院のタイミング等が事件に関係しているのではないかという意見もありますが、知事はどのように考えますか。
【知事】 これは、結局、こういう精神関係の治療を受けられている方だけではなくて、いろいろな医療行為について、結局、患者さんの容体というか状況というのは千差万別なわけです。ですからケース・バイ・ケースなので、私は今回の事件については、これから全体事実関係が解明されてくると思いますけれども、その事実関係、解明されていく事実関係を注視したいと思いますが、今回犯罪を起こした容疑者についても、私がさっき申し上げた精神保健指定医の、お医者さんの判断を、診察を得て、判断を得て、これは改善されたという形で退院をしたということだと思います。ですから、そのときの判断がどうだったかというのは、やはりそれは専門家がそういう診断書とか診察書とかそういったのを見て、専門家が判断をして評価をすると、専門家が第三者の目で評価をするということを待ってということではないでしょうか。我々はそういう専門的な知見はありませんから、あくまでも専門家の皆さんにそういう事実関係を見ていただいてということになろうかと思います。

(3) リニア中央新幹線の大阪延伸前倒しについて
【質問】 リニア中央新幹線の関連で、今日にも全線開業の前倒しのための国の経済対策が閣議決定される見通しですが、知事はどのように考えていますか。
【知事】 私はリニア中央新幹線建設期成同盟会の会長をずっとやっておりますので、そういう意味で、東京から大阪に至る9都府県の皆さんの代表をやっておりますので、そういう意味で、前々から東京―名古屋―大阪全線の開通、できるだけ早くの、全線同時開業が一番望ましいわけですが、それが現実的には、まずは東京―名古屋開通して、その後西への延伸を更に図っていくということなので、だとすれば、できるだけ早く全線開通に向けて進めていただくということは、大変望ましいということだと思っておりまして、そういう形で政府が支援するということであれば、歓迎をしたいと思っております。これは前から申し上げております。
 問題は、ただ単に財政投融資で国から公的資金で融資するということだけですぐ進むわけではありませんので、やはり具体的な手順、取組をやっていかないといけませんから、そういう意味では、そういったことを更に進めていただくように事業者であるJR東海には是非お願いしたいと思いますし、それについて沿線の都府県の皆さんとまた連携しながら、しっかりと協議を進めてやっていければと思います。
 それと、そもそも今日、今回3兆円ですか何兆円になるかあれですけれども、そういった財投の融資の枠組みが決まるということであっても、具体的なことはこれからですから。ですから、そこは国とJR東海さんがどういう形で、どういうスキームでやっていくのかと、支援の措置を、十分協議をしていただいて、よりよい形でやっていただければいいのではないかと思っています。
 もう一つ申し上げますと、当然国民経済的に見て、やはり東京―名古屋だけでなくて、東京―名古屋―大阪と三大都市圏が全部結ばれるということは国民経済的には大変メリットがあるということだと思います。経済効果は非常に大きいと。全線開通のほうが大きいというのは自明の理だと思いますが、我々、この名古屋・愛知地区にとっても、とにかく2時間圏で行ける範囲が、最初、東京―名古屋の開通だけでも圧倒的に、首都圏、関東圏とこの東海圏、中京圏は、首都圏と中京圏はほぼ2時間圏内に全部おさまってしまうということになりますが、今度大阪まで行きますと、関西圏も全部、この愛知・名古屋から2時間圏で行けるということになりますから、そこの新大阪から更に1時間ちょっとなら。ですから、そういう意味では、一番時間距離が短縮できるエリアが広がるのはこの真ん中にある愛知・名古屋のこの地域なのです。これは三菱UFJリサーチ&コンサルティングさんがそういうデータをちょっと出していましたけど。私、その講演といいますか、そのあれを聞いたことがありますけど、そういうのを見ても、やはり一番メリットが大きいと思いますので、大いに歓迎したいと思いますし、是非具体的に更に詰めていただきたい。
 まだ、正直いって、こんなのはとば口ですよ。入り口。これから、これから。だって、路線もまだこれからなのですし、具体的なスキームだってこれからなのですから、これは入り口なので、関係者の皆さん、またこれをスタートとして、大いに努力をしていただきたいと思っております。

(4)教員のわいせつ事案での処分の公表について
【質問】 教師のわいせつ事案での処分について、しばしば、公表されなかったことが後から明らかになりますが、現状の公表の仕方と防止のための取組について、どのように考えますか。
【知事】 こういった形での事案、まさに犯罪行為事案は、あってはならないことでありますから、極めて遺憾だと思っておりますし、被害を受けられた子供さん、そして保護者の方には心からおわびを申し上げたいと思っておりますし、それでもってこういったことが起きないように、やはり関係の、それぞれの教育委員会、それから学校、そういったところには更に綱紀粛正といいますか、しっかり点検をしていただきたい。しっかり点検、指導していただきたい。
 関係者、管理職の方々はそういったものをしっかりと、学校現場、それぞれの学校の教員の先生方について、やはり日常からそういう行動等々については把握をして、特に最近は学校単位で、やはり風通しをよくして、その地域の子供たちの教育、その地域に合った特色のある教育をやっていこうということで、チーム学校というのを目指してやっていただいているわけなので、そういう意味からしても、もっともっと意思疎通をよくして連携をして、お互いが連絡をし合いながら、こういった犯罪事案等々についてはその芽を早い段階で摘んでいただくということが私は必要だと。改めてこういったことについて、また教育委員会のほうには強く指示をしていきたいと思っております。
 そして、公表の仕方でございますが、これは、被害を受けられた方、そして保護者の方の御意向というのもございますので。そういった形で今回については、絶対に公表してくれるなという強い要望があったと聞いております。そこのところは、個別の判断ということになろうかと思っております。
 被害を受けられた方のプライバシー等々もありますので、そういった点については、また我々もそういった形で、そういった方々の御意向、御意思、それから御要請はやはり尊重していかないといけないと思いますので、その点は、個別の判断ということになりますので、御理解をいただければと思っています。

【質問】 不祥事の件数に対し、被害者側の意思を尊重して公表しないとする件数が多いと感じられるが、それでも意思を尊重していくということですか。
【知事】 これはやはり、それぞれの方が、やはりこれは伏せてくれと言われたら、それはやはり意向は尊重せざるを得ないのではないでしょうか。
 その数が多いかどうかというのは、ちょっと私はコメントする立場にないというか、控えたいと思いますが、それぞれについてやはり、それぞれケース・バイ・ケースなので、我々としては、こういったものがあれば、基本的には公表していくという基本方針でありますけれども、その被害を受けられた方、それからその保護者の方が公表してほしくないと言われれば、それはやはり聞かざるを得ないのではないかと思いますけどね。ですから、それも含めて個別の事案ごとの判断ということでやっているということであります。