知事の記者会見
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平成29年1月4日(水) 午前10時

1 知事発言
(1) 年頭所感
 それでは、皆様新年明けましておめでとうございます。1月4日、仕事始めの日ということで、午前10時、定例の記者会見を行わせていただきます。
 まずは新年の御挨拶から。先程の仕事始め式と同じようなことになって大変恐縮でありますが、ライブ中継の配信もやっておりますので、しばしお付き合いをいただければというふうに思っております。
 それでは、平成29年の知事年頭所感を申し上げたいと思います。
 昨年はですね、リニア中央新幹線の本格工事が愛知県内で実施をされ、そして日本初のジェット旅客機MRJの飛行試験もスタートということで、日本の未来をつくるプロジェクトがまた一つ大きく前進した1年となりました。また、「芸術・アート」の年として、8月から始まった「あいちトリエンナーレ」、10月からの「国民文化祭・あいち大会」、また「全国障害者芸術・文化祭あいち大会」を12月まで連続して開催し、「芸術・アート」の年として、愛知の芸術力、文化力も発信することができました。
 また、アジアのオリンピック、スポーツと平和の祭典、アジア競技大会も2026年愛知・名古屋に開催することが決定となりました。様々なプロジェクトを立ち上げることができ、そして果敢に取り組むことができた1年でございました。その勢いを今年もですね、更につなげていきたいと思います。
 今年は酉年でございます。考えますと、ちょうど12年前の酉年は2005年、愛知万博の年でございました。めぐりめぐってですね、2017年ということでございますが、この酉年ですね、また大いに愛知が羽ばたいていく、力強く羽ばたいていく1年にしたいと思います。
 その意を込めまして、私の今年の書き初めがですね、こちらでございまして、「図南鵬翼(となんほうよく)」と申します。
 中国の荘子の言葉でございまして、鵬(おおとり)、中国の伝説的な山、斉の名山である泰山、標高1,524メートルという、こういうめでたい山がございますが、泰山と同じような大きさの鵬がですね、天高く舞い上がり雲を越えて南に向かう。舞い上がること9万里、3万6,500キロメートルを舞い上がって雲の上に出て、青空を背に南を目指すというのが荘子の言葉でございました。これはですね、転じまして、鵬が翼を羽ばたいて空高く舞い上がり、南の海を目指すという故事から、大事業を成し遂げようとすること、大志を、大きな志を抱いて大事業を計画することを意味いたします。
 これは2年前の未年のときの「扶揺羊角(ふようようかく)」にも使わせていただきましたが、まさに鵬がつむじ風を巻き起こして羊の角のように旋回し大空へ舞い上がり南を目指すという言葉でございます。「図南鵬翼」、是非そうした勢いのある1年、そして大きな志を持って、東京一極集中ではなく、日本をこの愛知・名古屋からしっかりとですね、引っ張っていく、そういう大きな志を持って大事業、目標に向かって羽ばたいていく、そういう1年、そして勢いのある1年にしていきたいというふうに思っております。
 東京オリンピック・パラリンピックの2020年、そしてリニア開業2027年、さらにはですね、2026年のアジア競技大会、そうした目標に向けてしっかりチャレンジをしていきたいというふうに思っております。そのためにも、これまでの愛知の産業力、経済力、文化力、人財力、地域力を更に高めて、愛知の可能性を広げる1年としてまいりたいと考えております。
 そして、そのまず第一といたしましては、中京大都市圏づくりでございます。
 リニア、東京‐名古屋の開業を見据えながら、愛知のポテンシャルを最大限に発揮してまいります。名古屋駅のスーパーターミナル化、県内の鉄道・道路のネットワーク、そして中部国際空港の2本目滑走路、港湾の機能強化、愛知の産業と生活を支える社会基盤、インフラの整備を着実に進めてまいります。
 そして、「産業首都あいち」づくりでございます。日本一の産業集積を生かし、産業競争力の強化を更に図ってまいります。
 航空宇宙産業では、MRJやボーイングのプロジェクト、そしてまた設備投資、研究開発支援、人材育成、そうしたものにしっかりと取り組み、アジア1の航空宇宙産業クラスターを更に発展させて、アメリカのシアトル、そしてフランスのツールーズと並ぶ世界三大航空宇宙産業の拠点としていきたいと思います。
 また、自動車産業の分野でも、水素ステーション、EVの充電ステーション等々の整備促進を通じ、日本一の自動車産業立県として水素社会の実現をリードしていきたいと思います。
 また、日本一の集積を図るのはロボットもございます。AIの発展、進化に伴って、更にロボットの可能性が広がっております。そして、2020年10月にですね、オリンピック・パラリンピックに次いで、ロボットのオリンピックとも言うべき「ワールドロボットサミット」を愛知で開催することが決定いたしました。世界最先端のロボット産業の見本市、展示会と合わせて、ロボットの競技を行うということでございまして、是非世界初のロボットのオリンピック、ワールドロボットサミットを成功させていきたいというふうに思います。
 そしてですね、自動車の自動走行、無人飛行ロボットのドローンなど近未来技術実証などの支援にも積極的に取り組み、イノベーションを喚起していきたいと思います。
 国際展示場も2019年秋の開業に向けて整備を着実に進めてまいります。
 さらに、農林水産業の分野でも、中部地区最大、全国3番手の大農業県・愛知の力を更に発揮し、生産力強化、「名古屋コーチン」などのブランド力の強化、53年連続日本一を誇る「花の王国あいち」の更なるパワーアップに意を用いてまいります。
 国家戦略特区による規制緩和も更に進めてまいります。
 有料道路コンセッションもスタートいたしました。今年の4月からは全国初となる愛知総合工科高校の専攻科の公設民営化もスタートいたします。医療ツーリズムの推進に関する規制緩和も提案をいたしておりますし、産業人材、農業人材といった外国人の人材活用も進めていきたいというふうに思います。
 そして、「人財力」の強化といたしましては、2019年、2020年と2年連続で技能五輪の全国大会の愛知開催が決定いたしました。2020年には障害者の技能競技大会アビリンピックも開催いたします。そして、2023年技能五輪の世界大会の招致を実現していきたいと思います。
 そして、スポーツ大会による活性化にも取り組んでまいります。
 2026年9月アジア競技大会の開催は決定をいたしました。愛知・名古屋モデルの国際スポーツ大会として成功に導いていきたいと思います。
 そして、今年の4月は日本水泳、そして12月にはフィギュアスケートのグランプリファイナルが開催をされます。2019年はラグビーワールドカップということで、しっかりと盛り上げていきたいというふうに思います。
 また、2020年FIFAフットサルワールドカップの招致も取り組んでいるところでございます。
 そして、観光振興。
 外国人訪日客が2,000万人を超える中で、愛知・名古屋はもっともっと多くの方に来ていただくポテンシャルがあります。「“Heart”of JAPAN〜Technology&Tradition」、愛知の特徴を生かし、産業観光、武将観光、そしてユネスコ無形文化遺産に登録されました全国一の、日本一の山車からくり等々の山車まつり、更に愛知の魅力を磨き上げて発信をしていきたいと思います。
 そして、あいちのグローバル展開ではですね、咋年5月は伊勢志摩サミットのゲートウェイとして、オバマ大統領始めG7の首脳、アジアのアウトリーチ国の首脳全てに、この愛知を訪問いただきました。
 そしてさらに、昨年はアメリカのテキサス州、ワシントン州、そしてベトナムのホーチミンと友好交流及び相互協力に関するMOUを締結いたしました。
 更にグローバル化をしっかり進め、愛知・名古屋のプレゼンスを発揮していきたいと思います。
 そして医療・福祉の充実も進め、人が輝くあいちを盛り上げていきたいと思います。
 医療・福祉では、あいち健康の森を中心として、認知症に理解の深いまちづくりの先進的なモデル、「オレンジタウン構想」を進めてまいります。
 重症心身障害児者施設として、今年は豊川市に民間施設がオープンいたします。これまでの整備と合わせまして、平成25年時点の1.8倍の700床に近い重症心身障害児者施設を整備することとなりました。
 また、昨年実施した「愛知子ども調査」の結果は、今年度3月までに取りまとめてまいります。子供の貧困対策も含め、しっかりと進めてまいります。
 また、昨年はですね、福祉の関係では、障害者差別解消推進条例、そしてまた10月には手話言語コミュニケーション条例も制定いたしました。そうした福祉施策の充実に努めてまいります。
 そして、教育環境の充実でございます。
 昨年4月に開校した愛知総合工科高校、更に進めてまいります。
 また、今年4月にはステップアップハイスクールとして城北つばさ高校を開校いたします。
 さらに、知的障害特別支援学校の過大化解消のために、平成30年度に大府市、31年度に瀬戸市で新設してまいります。
 そして、安心・安全の確保ということで、防災対策を更に強化してまいります。
 そして交通安全としてですね、「ながらスマホ」対策も引き続きしっかりと取り組み、訴えていきたい。交通安全には更に取り組んでいきたいと思います。
 そして、環境施策でも愛知はトップランナーであり続けたいと思います。
 昨年12月、生物多様性条約の国際会議、COP13がメキシコで開催されました。国際先進広域自治体連合を愛知から声をかけて、2020年を目標とする「アイチ・ターゲット」の達成に向けて更にアピールをすることができました。
 また、低炭素社会づくりに向けた取組、そして次世代自動車の普及促進などによりまして、「環境首都あいち」を目指していきたいと思います。
 こうした取組を進めていくに当たっては、地方分権と行財政改革が不可欠でございます。しっかりと地方分権を進め、そしてしなやかな県庁をつくり、施策を実行してまいります。
 そして地方創生としては、東三河の振興をしっかり進めてまいります。新東名の開通のインパクト、そしてまた三河山間地域の振興を含めてですね、更に取組を強化してまいります。
 そして、愛知県の人口は昨年6月に750万人を突破いたしました。愛知県は自然増・社会増、両方を維持しながら人口増加を続けている数少ない県であります。東京一極集中にストップをかけ、愛知が日本の活力を取り戻す核となるように、幅広い施策に今年も総合的に取り組んでまいります。
 どうかですね、県民の皆様には引き続きですね、こうした施策に御理解をいただいて、御支援をいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 そして、愛知は咋年ですね、H-UA、H-UB ロケットも打ち上げ成功いたしました。今年は早々にですね、H3、次世代の2020年供用を目指すH3ロケットのエンジンの燃焼試験も、もうそろそろあるということでございまして、まさに下町ロケットの世界でございます。様々なチャレンジを進めていくシンボルだと思います。
 我々も、愛知もまさに大きな目標に向かってロケットスタートを切って、今年1年鵬のように、この「図南鵬翼」、鵬が羽ばたくように目標に向かってまい進していく、そういう1年にしていきたいと思います。どうか今年1年、愛知県民の皆様にとりましてよいお年になりますように、そして笑顔で1年が過ごせますように、心から御祈念、御期待をいたしまして、年頭の御挨拶とさせていただきたいと思います。何とぞよろしくお願いをいたします。

2 質疑応答
(1) 年頭所感について
【質問】 年頭所感の中で知事からいくつかの項目を挙げていただきましたが、今年、特に力を入れていきたい項目や目標がありましたら聞かせてください。
【知事】 これは、我々愛知県政の課題というのは森羅万象にわたりますので、年頭所感では、そういう意味では様々な分野にそれぞれに力を入れていくんだということを申し上げさせていただきました。
 ただ、そういう中でもね、我々としてしっかり取り組んでいく、いかなきゃいけない、肝に銘じていかなきゃいけないことはね、やっぱり今の日本が直面する課題というのは東京一極集中であり、人口減少でありということで、国自体の活力がだんだんだんだんこう体温が何か下がっていくように、体が冷えていくようにね、活力が落ちているというところが、私は一番問題だというふうに思っております。ですから、そういったことをはね返していく意味でも、我々愛知がね、やっぱり熱く熱く体温、日本という国の体温が下がっていく、体が冷えていくのを食い止めるようなね、まさにほっかほかカイロのようになって、熱く熱く熱を持ってね、我々が動いていくことによってね、活動していくことによって、まさにエンジンが回るように、我々愛知から熱を発してですね、日本という国の体をね、温めていきたいというふうに思います。
 そのためにはね、やっぱり愛知の得意技は何か。それは日本一の産業力、技術力、産業集積でありますから、この産業集積、集積を生かしてですね、集積が集積を呼んでいく、そういう意味での力強さをね、更に更に前面に出して打ち出していきたいというふうに思います。それが一つは自動車産業であり、また航空宇宙産業であり、ロケットであり、ロボットであるということでありますし、世界に誇るテクノロジー、ハイテク産業を更に前進させて、前面に打ち出して、この愛知がしっかりと回っていくことによって、動き回って活動することによって、日本の経済、それに日本自体の地域も経済も社会も活力を出していけるように取り組んでいきたいというふうに思っております。
 そのためにやらなきゃいけないことは、そういう産業集積を生かした産業力の強化でありますし、インフラ整備であり、様々な大きなプロジェクトの推進ということだというふうに思っております。そういったことを総合的にね、生かしていきながら前進をさせていきたいというふうに思っております。

(2) 愛知県内で回収された死亡野鳥における鳥インフルエンザ簡易検査の結果を受けての対策等について
【質問】 酉年の今年の最初の発表が、愛知県内でも死亡野鳥において、鳥インフルエンザ簡易検査の結果、陽性反応が出たというものでしたが、これについての知事の受け止めをお願いします。
【知事】 昨日のですね、午前10時に豊橋市役所から東三河総局に野鳥の死骸がですね、死亡野鳥が持ち込まれ、簡易検査の結果ですね、午後3時に陽性反応が出たということでございます。
 これを踏まえまして、環境省は昨日ですね、半径10キロの範囲を野鳥の監視重点区域に設定したということ、そして私ども県庁ではですね、愛知県では、環境部、農林水産部は、環境省、静岡県、豊橋市の公表に合わせて、昨日午後7時にその旨の発表と、そして半径3キロ以内にある家きん農場についてですね、早速確認をし、昨日は異常ないということを確認いたしました。
 そして、本日ですね、午前、この県の東部家畜保健衛生所がですね、立入検査を今まさに実施をしている、今向かっているかもう到着したかということでございますが、早速その検査をしていきたいというふうに思っております。
 これはですね、私どもとしてはですね、これがそういった家きんの農場等々に行かないようにですね、とにかく我々として対策は万全を期していきたいというふうに思っております。是非それぞれの農家の皆さんにも御努力いただきたいと思いますし、私どももですね、環境部、農林水産部を挙げてその地域、監視区域はしっかりとパトロールをし、監視を強化していきたいというふうに思っております。
 そして、県民の皆様にも是非この野鳥についてですね、野鳥が死亡している、いたという場合にはですね、まずは近くの愛知県の県民事務所や、そしてまたそれぞれの地元の市町村、市町にしっかりと、担当課に、どこでもいいんですけど、その市役所に御連絡をいただきたいということでございまして、それ以外はですね、過度に心配する必要はない。人にうつることはありませんのでね、過度に心配することはないということでございますが、人間がそのウイルスを持っていくことがありますのでね。ですから、そこが一番気を付けなきゃいかんところでありますから、絶対触らない、連絡をしていただく。そしてですね、むやみに野鳥等々を追い立てたり捕まえたりするということもやめていただく。そういったことで慎重な行動をとっていただきたいということでお願いをしたいというふうに思います。
 我々としてはですね、年末年始もでございますが含めて、これからもですね、緊張感を持ってこの鳥インフルエンザ対策に取り組んでいきたい、立ち向かっていきたいというふうに思います。とにかく我々も、行政としてはですね、愛知県も、そして地元の市町、市町村の皆さんとも連携して監視を強化していきたいというふうに思っておりますし、県民の皆さん、住民の皆さんにもですね、是非そういった点についてですね、関心を持ってですね、そして先程申し上げたようにそういったもの、鳥については基本的には余り触れない、触らないということ、そして何かあれば連絡をいただくということでですね、御協力をいただければありがたいというふうに思います。これが広がっていかないように万全を期していきたいというふうに思っております。

(3) 高齢者の交通事故対策について
【質問】 残念ながら、愛知県は昨年、交通事故死者数が暫定値でワースト1位となってしまいました。愛知県では65歳以上の高齢者の交通事故死者が55パーセントを占めているようですが、こうした高齢者の交通事故を減らすために、県警や県として、今後、何か新しくやっていきたいことがあれば教えてください。
【知事】 とりあえず、まだ、今1月4日でありますので暫定でありますけれども、暫定の交通事故死者数が212人かな。暫定で212人でありまして、一昨年よりは1人減ったんですね、暫定ではね、ということでありますが、残念ながら、14年連続ですか、全国ワーストということでございました。
 一咋年よりは減ったということについてはですね、多くの皆さんの御支援、御尽力、お力添えを感謝したいと思いますが、引き続きですね、厳しい情勢だというふうに思っております。そういう意味で、年も改まりました。また今年1月から、一からまた交通安全をしっかり、啓発、対策をしっかりやっていきたいというふうに思っております。
 そういう中で高齢者の事故が半分以上、大体6割というのが大体これまでの傾向でありまして、これはこの何年か変わっておりません。ですから、常に我々としては高齢者への交通安全への啓発、注意喚起等々ですね、取り組んできております。それぞれの警察署単位でそういった交通安全の、いわゆる地域のそういう集会があればそうした交通安全のアピールをする、またそういう高齢者の集まりがあればそういったこともする、それからテレビコマーシャルも打つ、高齢者の交通安全のそういった教室も開くなどなどやっております。また引き続きですね、これはこれでいいということはありませんので、そういった取組をしっかりやっていく。それから、反射材をですね、夜間は特にですが、夜間だけでなくて外出する際には、特に今、冬はやっぱり防寒具を着ますから、その防寒具のところに反射材をつけていただく。そういったことも引き続きですね、周知をしていきたいというふうに思います。
 とにかくこれは、傾向はここのところずっと一緒でありますから。じゃあこれをやれば直るとかそういう話、特効薬みたいなのはありませんのでね。私は着実に地道に、そういった引き続きまた高齢者に対する交通安全のアピール、PR、そしてまた周知啓発対策を着実にやっていくということで取り組んでいきたいというふうに思っています。