知事の記者会見
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平成29年1月23日(月) 午前10時

1 知事発言
(1) 知事のアメリカ渡航の成果について
 1月23日月曜日午前10時の定例記者会見を始めさせていただきます。
 まずはですね、昨日夜、アメリカ訪問から帰ってまいりました。中部空港で、ちょうど6時半ぐらいに着きまして、その後ですね、ぶらさがりの記者会見させていただきましたので、その折にですね、お話しさせていただいた方も多いかと思いますが、改めてですね、定例会見という形で、今回のトランプ新大統領の就任式典に出席をしたこと、そしてまた、関係の上院議員、知事とですね、会談したことについて、振り返りながらお話をさせていただければと思います。
 期間中はですね、ずっと19日も20日も、それぞれ面談等々の内容等々につきましては、記者クラブに御報告をさせていただいておりますので、それを御覧いただければということでございますが、それを総括的にまとめる形でお話をさせていただければと思います。
 その前にですね、これが正式な招待状でございまして、これは現地でないといただけないので、現地で私の知り合いの所のスタッフへいいただいたということでございます。
 それではですね、私から申し上げたいと思います。
 先週木曜日、1月19日朝、早朝ですね、日本を立ちまして、19日の午前中に、9時過ぎにワシントンD.C.に着きまして、19日、20日と現地で行動し、そして現地時間21日の土曜日の朝、向こうを立ち、そして22日日曜日夜、こちらに帰ってまいりました。
 今回、まずですね、大統領の就任式典に、20日、出席をさせていただきました。第45代アメリカ大統領就任式典という、歴史的な瞬間に立ち会うことができまして、大変光栄であったと思います。
 トランプ大統領、そしてペンス副大統領の宣誓式の後、トランプ大統領の就任演説を直接聴き、現場でなければ得ることができない多くの期待、熱気を感じることができたと思っております。
 新大統領の演説は、これから4年、8年のアメリカ、そして世界の動向を決めていくことにつながります。とりわけ愛知はアメリカ経済の動向と密接に関係する地域でありまして、この演説をしっかりと、一言一句聞き漏らさず、脳裏に焼き付けるように努めてまいりました。
 そして印象的だったのは、「政治をワシントンから国民へ」「言葉より行動を」「アメリカ・ファースト」「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」など、選挙キャンペーン中からのフレーズで組み立てていることでありまして、アメリカ再生に向けた強い意気込みを感じることができました。是非、公約された減税や大規模な社会インフラ投資でアメリカ経済を力強く向上させてもらいたいと思います。そして、そのことが、世界経済、引いては日本及び愛知の経済を向上させることにつながるものというふうに考えます。
 なお、これは、21日土曜日、翌日のTHE WALL STREET JOURNALで、現地で買ったものでございますが、“The Trump Era Dawns”トランプの時代が始まると。この最初の見出しはなんだろうなと思ったら、“We are transferring power from Washington,D.C., and giving it back to you, the people” ワシントンD.C.から、国民の皆さんに、権力を、政治をですね、お渡しするんだというのが、THE WALL STREET JOURNALのタイトルでありました。まあ、それぞれ見方がいろいろあるんでしょうけれども、ここを見出しに持ってきたということなんだなあというふうに改めて思いました。そこが、今回、アメリカ政治の、その専門家に言わせれば、国民と遊離している、いわゆるestablishment、既存勢力なり、プロの政治家から、国民に力をお渡しするということを、一番の大きなメッセージにしてきたということだというふうに思って、ああ、こういう見出しが来るんだと思ったのが、率直な感じでございました。これが一つ、私の感想でございまして。
 しかし、その一方でですね、世界や人類の未来に向かってのメッセージ、そして世界や人類をリードしていくとの決意やビジョンが発せられることを期待をしておりましたが、そのことに触れられることがなかったのは大変残念でありました。そういう意味では、期待外れとも言えると思います。
 これは日本のみならず、世界中の多くの方々が共有している認識だと思いますが、アメリカ大統領は世界をリードする超大国のトップであり、アメリカのみならず世界や人類の未来に対しても大きな責任を有しているものだと考えます。是非、大統領就任後は、こうした視点での政策の実行を期待したいと思います。また、世界で最も重要な二国間同盟である日米同盟のカウンターパートとして、日本もトランプ新政権にしっかりと物申して欲しいと思います。我々愛知も、パートナーとなる関係各州の知事、連邦議員、そして多くのアメリカの友人とともに、日米関係の前進と世界への貢献に向けて取り組んでいきたいと思います。
 また、今後の日米の経済関係について、愛知からアメリカに進出している日本企業は、アメリカ国内へ大きな投資をし、多くの雇用を生み出しております。これからも、良きアメリカ企業市民として活躍してくれると思います。こうした良好な関係を維持・発展し、日米両国が経済面でもウィンウィンの関係を前進していけるよう、今後も積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 それが、20日の就任式典の感想でございました。
 また、州知事、連邦議会議員等々との面談もありましたので、そのことも簡潔にご報告いたします。大統領就任式に先立ち、19日木曜日は、州知事、連邦議会議員、駐米日本大使と面談・意見交換を行いました。
 まず、ワイオミング州選出のバラッソ上院議員でありますが、昨年3月に訪日し、安倍総理等と面談するとともに、リニア実験線に試乗し、東海道新幹線にも乗車しているということでありまして、私からは、リニアはあと10年で完成し、東京―名古屋300kmが40分でつながるビックプロジェクトであって、自分がその建設促進期成同盟会の会長を務めていることなども説明しました。また、愛知には、トヨタ自動車の本社があり、航空宇宙、ロボット等の産業日本一の県であるということ、そして日本からワイオミングには16の日本企業が進出しており、進出企業のビジネスが成功するよう、良好な日米関係、経済関係を構築するために取り組んでいきたいと申し上げました。
 さらに、明日の大統領就任式での演説は歴史に残る素晴らしいものになるよう期待しているということを、トランプ氏に是非お伝えいただきたいと申し上げたところ、議員は、19日の午前中でした、この後トランプ氏とのランチ・ミーティングに行くということなので、十分伝えたいと、私もそう思っていると、これからも日米の良好な関係を築いていきたい、という発言がありました。
 バラッソ氏は共和党の上院政策委員長ということで、序列でいえば共和党上院の4でありまして、そういう意味で大物議員の一人と言っても良いと思いますが、そういった、大変好意的な友好的な雰囲気と言いますかね、そういう発言でありました。
 続きまして、カンザス州選出のロバーツ上院議員でありますが、議員は上下両院で農業委員長を務めており、訪問時も、新農務長官の承認の件の打合せで、少し待たされましたが、そういう新しい農務長官の就任の件で、今ミーティングやってるからちょっと待ってくれと、こういうことなので、それは当然待ちましたがね。その合間を縫って、面談をしていただきました。私から、20年以上前にカンザス州を訪問し、若い頃、小麦の生育状況の調査等々で大平原を回ったことがあったんで、その話をしたら、非常に喜んでくれましたけれども。
 議員は、海兵隊情報局員として、1960年代、日本や沖縄に滞在した経験があり、日米同盟は大変大事だというふうな発言があり、特に、北朝鮮の核開発は深刻であり、どう考えるかという質問といいますかね、日本の政治家はどう思っているんだという発言がありました。
 私からは、北東アジアの平和と安定のためには、日米同盟が極めて重要だ、というふうに申し上げて、特に、北朝鮮問題は大変深刻な状況だと認識しているということ、それから中国の海洋進出も大きな問題であり、こうした課題に対処していくためにも、日米同盟が大変大切だということを申し上げたところであります。
また、日本から80以上の企業が進出しており、良好なビジネス関係が保てるように、お願いしたいということを申し上げました。
 続いてインディアナ州のホルコム知事でございます。私から、インディアナ州には愛知から進出したトヨタ自動車を始め多数の企業が約50の拠点を設け、大きなビジネスを行っている。これからも日米の良好な関係を前進させ、日米の経済関係を発展させるとともに、文化面や人的な交流の促進もしていきたいということを申し上げました。
 ホルコム知事からは、インディアナへは、日本から260の企業が進出しているけれども、投資の規模からして53%が愛知の企業からのものであると。大変大きな雇用を生んでおり、我々にとって、インディアナにとって、世界で最も重要な地域が愛知だと考えていると。更に良好な関係を発展させていきたいとの発言があったところであります。また、今年9月には日本を訪問する予定である、と言ったので、「是非それは、愛知に来てくれ。」と言ったら、「必ず行こう。」と、こういう話を、返答もいただきました。併せてですね、「あなたも、必ずインディアナを是非訪問してほしい。」という要請があり、私も「そうしたい。」ということを申し上げたところであります。
 また、ホルコム知事から、愛知の経済はどうかと質問がありましたので、日本経済は全体で横ばいでありますが、愛知は自動車、航空宇宙、ロボット産業などが伸びており、成長しているということを説明をいたしたと。そして、ホルコム知事から、パデュー大学という大変有名な大学でありますが、農業、航空宇宙等の優秀なエンジニアを多く輩出しており、隣接してハイテク企業団地もあるので、日本企業の投資を歓迎したいという発言もありました。
 続いてですね、ウエストバージニア州選出のキャピト上院議員であります。私から、愛知からトヨタ自動車始め多くの企業がウエストバージニアに進出しており、良きアメリカ企業市民として活動しているので、これからもよろしくお願いしたいということを申し上げました。また、日米関係を発展させ、経済関係も前進させ、企業だけでなく、文化、人的交流も促進していきたいと申し上げました。
 また、国会議員時代の約10年前に、トヨタのウエストバージニア工場を訪問したこともお話しをいたしました。併せてですね、州政府、キャピトルも訪問し、そこにリンカーンの大きな銅像がありましたねと、statueがありましたねという話もさせていただいて、大変和気あいあいと話ができました。
 キャピト議員は、自分はトヨタが大好きで、最近トヨタの車を買ったがエクセレントだというふうに言っておりました。これからも、日米関係を発展させていきたいと言われたということでありまして、また、私から、是非早い機会に日本、そして愛知を訪問して欲しいと要請をしたのに対し、議員からは、是非そうしたい、楽しみにしているとの発言がありました。
 キャピトさんは、まだ日本に来たことないということでありましたので、是非来てくれということを申し上げました。彼女はですね、57年ぶりにウエストバージニアから共和党で上院議員になった方でありまして、今回、上院の院内総務、マジョリティリーダーであるミッチ・マッコーネル氏から4人の、何と言いますかね、自分の政策顧問のようなものを作ったんですが、そのうちの一人に指名された大変有望な方だということでございます。
 ウエストバージニアはですね、前にロックフェラーさんがね、知事、上院議員をやっておられた関係で、トヨタ自動車及びトヨタグループの関係企業が10社ほどかな、進出しておりますが、はっきり言って、山とカントリーロードの所ですから、大変貴重な雇用の場ということだろうと思いますが、こうしたところとも、やはりですね、しっかりと連携をしていきたいと思います。
 続いて、ミシシッピ州選出のウィッカー上院議員でありましたが、ミシシッピにはトヨタ自動車、これカローラの工場がありますけどね、7企業10拠点が進出し、大きなビジネスを行っており、これからも円滑な事業展開ができるよう支援をお願いするとともに、経済関係を更に発展をさせていきたいと申し上げました。
 議員からは、日本から多くの企業進出、投資があり、日本企業は地域に大変大きな貢献をしてもらっている。これからもこうした関係が続くことを願っているとの発言がありました。
 さらに、私から、明日のトランプ大統領の演説が希望に満ちたものになることを期待しているが、日本には、これまでの発言から経済関係について心配する向きもあるというふうに申し上げたところ、議員からは、確かにそうした声はアメリカ国内にもあるが、というか、アメリカ国内の方がもっとあるんだと言っておりましたがね。今回、商務長官に指名されたウィルバー・ロス氏も、先日の上院での公聴会で、これまでの共和党に沿った発言をしており、共和党政権として政策を実行していくんだという発言がありました。更に言ったのは、今回のスタッフ、閣僚の顔ぶれを見れば、ジョージ・ウォーカー・ブッシュの閣僚メンバーと、名前は違うけどほぼ内容は一緒なんだと。まさに共和党政権なんだと。共和党のスタッフなんだ、ということを強調しておられたということでございまして、私から、共和党政権は、日本の政治家にとってはこれまでの親和性があるので、新政権で日米関係が発展することを期待している、ということを申し上げたところでございます。
 そして次にですね、佐々江駐米日本大使と面談し、日米関係全般、自動車、航空宇宙産業等愛知の動向について意見交換をしたところでありまして、私の方から3年前に名古屋で、当時インディアナ州知事であったマイク・ペンス氏と会った時の話をし、その写真を渡したところ、次の機会にペンス副大統領に話しますという発言がありましたと。その写真がこれですけど。ということでございました。
 先程のインディアナ州のホルコム新知事は、この1月からの就任で、その前任がマイク・ペンスさんですからね。選挙は、11月8日ということでございました。マイク・ペンスさんが知事の時にホルコムさんは副知事でありましたから、そういう意味では、まさにホットラインというかね、大変太いパイプがあるというふうに思っています。そういったこともあって、先日ですね、もう10日ほど前になるんでしょうか、豊田章男社長も、マイク・ペンス次期副大統領とワシントンD.C.で会っていたということでありますから、そういった関係を、やはりしっかりと大事にしていくということではないかというふうに思っております。
 そしてですね、最後に、20日の大統領就任式の後、夕方5時前ぐらいからでございますが、テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員の、テッド・クルーズさんはちょっと忙しくてもうおられなかったんですが、そのスタッフとお会いし、ミーティングを行わせていただきました。私から、愛知県とテキサス州の友好協力協定の締結、トヨタ自動車、JR東海、中部電力等のプロジェクトなど経済プロジェクトの進展、日米両国及び愛知とテキサス州の更なる関係の強化について説明し、クルーズ上院議員の協力、そして議員の早期の訪日と愛知への訪問を要請したということでございます。
 クルーズ上院議員のスタッフからは、日米関係の重要性、そしてテキサス州と愛知県の関係の深化の必要性については、全く同感であり、クルーズ議員の早期訪日の意向に沿い鋭意調整しているとの発言がありました。
 要は今、行きたいと本人が言っているので調整していますよと、そういう話でございまして、是非来てくれということを申し上げました。
 今後とも、安全保障、経済面で日米関係の前進と、愛知とテキサスの友好関係を強化していくことについて、認識が一致をしたということであります。
 そしてその後、20日金曜日は、トヨタ自動車を始めとする、愛知県から進出している企業関係の皆さんと意見交換を行いました。出席された方はですね、二つ言われておりまして、一つはですね、いろいろ言われてるにしてもですね、トランプ新政権の大きな政策の、公約の柱が、減税と大規模なインフラ投資と、それと規制緩和ということでありますから、アメリカ経済は良くなる、元気になる、ということで、それで市場がですね、それを期待をして、今上がっていると。当然アメリカ経済が良くなれば、我々のビジネスも良くなる、日本経済も良くなるということで、ポジティブに受け止めてる、ということが一つ。
 そしてもう一つがですね、これは日本企業が集まる、日本大使館が主催して、集まっていろいろ意見交換をした際に、そういう話になったということでありますが、どうもやはりあの、日本の企業の皆さんはですね、アメリカに進出して、あんまりその、昔はね、やっぱり日米貿易摩擦とかいろいろあったんで、あんまり目立たないようにしようと、やはりアメリカに溶け込もうと、現地化しようということでやってきたのはそうなんですが、やはりこれだけアメリカに貢献をしていると、これだけ地域に根差して貢献しているということを、もっともっとアピールをしていこうということを、皆で言っているということでありましたんで、私からも、是非そうしてくれと。それは、奥ゆかしくですね、何も言わずに一生懸命に黙々とやるというのは日本の美風かもしれませんけど、それはアメリカでは通用しないんじゃないかと。いや、むしろこんなにやってるんだということを、積極的にアピールした方がいいんじゃないかということを申し上げました。
 例えば、トヨタ自動車が、全米で直接雇用だけで13万6,000人、間接も入れれば47万人の雇用を生み出しているということなんかはね、もっともっとアピールしてもいいんではないかと。あと例えば三菱重工なんかもね、もっともっと、アメリカで相当ビッグビジネスをたくさんやってますから、そういったことをもっとですね、アピールをしていくべきではないかということを、皆で話している。そういう認識だと、こういうことでございましたんで、頑張って欲しいということを申し上げました。
 今回の渡航はですね、実質2日間ではありましたが、実りの多い有意義なものとなったと思います。 アメリカの経済動向に大きな影響を受ける本県といたしましては、今後もトランプ新大統領の政策をしっかりと注視するとともに、今回面談をした方々を始め、関係各州、愛知と関係の深い州の知事、連邦議会議員、そして多くのアメリカの友人と交流を重ねながら、更なる日米関係、経済関係の強化に取り組んでまいりたいと考えております。 大変忙しい日程でありましたけれども、大変疲れましたけど、事務的にはやりきった感があるので、満足して帰ってきたということでございます。
 初日19日は向こうに9時過ぎについて、その後、政治家だけではなくて、日本から行ってるメディアの皆さんとの面談、アポイントも入れますと、10のアポイントをやりましたので、1分の休みもなく、ひたすら移動し、ひたすら歩き、ゴルフ1ラウンド歩くよりもはるかに歩き、昼飯も食い逃し、やりまして、大変良かったというふうに思います。また、20日のですね、8時前、7時50分ぐらいには現地に着いて、寒くなくて良かったなと、雨がぱらぱら降ってましたけどね。ほんとにトイレがあるかというのは心配してたので、生まれて初めておしめをはいて行きましたけどね。変な感じがするなと、そのお世話にはならなかったので良かったなと思いますけどね。やれやれで。
 ということでございますが、大変充実した有意義な渡航だったんではないかと思います。要はこれから、これからですよ、これから。新政権が発足してね、直ちにTPPの離脱、NAFTAの見直し、オバマケアの撤回といったことを矢継ぎ早にですね、言われましたけども、これは元々想定されてましたのでね、就任する前から。ですから、それは言われるだろうと思いますが、我々としては、TPPの必要性等々はですね、これは外交の問題で、ここまで日本がまとめ上げてきたわけでありますし、そもそもアメリカがですね、中心になって主導してまとめたわけなんで、そうしたことも含めてですね、これは粘り腰でですね、お話をしていき、掛け合っていただく必要があるというふうに思います。その一方で、我々はですね、さっき申し上げたように、本当に、この愛知から行っている企業がたくさんアメリカに進出をし、アメリカで投資をし、アメリカでビジネスをやり、アメリカで雇用を生んでいる。アメリカにしっかり根付いていると。そういった所とね、やはり我々もしっかり交流をして、何と言いますかね、血の通ったと言いますか、本当に、人と人とのね、人間同士の温かい付き合いをね、更に深めていこうと、いきたいというふうに思います。ですから、また近いうちに、そういった関係の深い州及びそうしたところの上院議員始め連邦議員の皆さんのところに、またお会いできるようにやっていきたいなというふうに思っております。
 以上がですね、今回の私のアメリカ訪問の経過の御報告と、私の思い、感想等々でございました。

(2) 名古屋銀行・愛知銀行・中京銀行との地方創生に関する包括協定について
(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kikaku/kyotei2.html)
 名古屋銀行・愛知銀行・中京銀行との地方創生に関する包括協定について申し上げます。
 この度、愛知県と、名古屋銀行、愛知銀行、中京銀行との間で、地方創生に関する包括協定を締結することとなりましたので、お知らせをいたします。
 地方創生の推進に当たっては、地域の経済の動向や産業の状況等に精通する金融機関と連携・協力することで、取組の実効性を更に高めていくことが重要でありまして、昨年6月には、三菱東京UFJ銀行と地方創生に関する包括協定を結びました。その後、名古屋銀行・愛知銀行・中京銀行の3行から揃って包括協定の御提案をいただき、この度、合同で締結式を開催することとなりました。
 1月26日木曜日、各銀行の頭取にお越しいただいて、県庁本庁舎正庁で行います。
 この3行は、いずれも愛知に地盤を置く地方銀行でありまして、県民や県内の中小企業の皆さんに幅広いネットワークを有しております。こうしたネットワークを生かしながら、中小企業振興を始め、観光振興、食・農林水産業振興、女性の活躍促進など、幅広い施策の実施に御協力をいただけることは、大変意義のあることだと思っております。
 今申し上げましたように、具体的な項目といたしまして、連携項目としては、一つ、産業振興・企業誘致。二つ目、観光振興。三つ目、食・農林水産業の振興。四つ目、女性の活躍促進。そして五つ目、子育て支援、健康・福祉の増進。六つ目、まちづくり。七つ目、その他。とこういうふうになっておりまして、そういった協定を結ぶことといたしております。
 去年6月に結んだ三菱東京UFJさんとはですね、国内最大のメガバンクさんですから、例えば海外ネットワークを生かした県内企業の海外への展開支援でありますとか、海外現地でのビジネスマッチングなどの取組をですね、応援をしてもらっているということもございます。
 一方でですね、今回の協定は愛知県に地盤を置く地方銀行さんでございますから、その地域密着のネットワークを生かして、中小企業のビジネスマッチングなど、産業振興、それから女性の活躍促進、子育て支援など、愛知県内の、我々の県の幅広い施策に御協力をいただくということを中心にできればというふうに思っております。
 ですから、今回はですね、3銀行足並み揃えて協定を結びですね、足並み揃えて愛知の地方創生に御協力いただくということで、大変意義のあることだというふうに思っております。
 是非、そうしていきたいと思いますので、また当日はですね、1月26日木曜日、午後1時からということで、3頭取がみえますので、何とぞよろしくお願いをしたいというふうに思います。今後とも、こうした皆様と一緒になって、愛知の更なる発展、地方創生に向けて、取り組んでいきたいと思っております。

2 質疑応答
(1) 知事のアメリカ渡航の成果について
【質問】 現地で日本からの進出企業の方と面談したとのことですが、それは、普段、愛知県で活動されている方々ということですか。また、その方々から不安の声は出なかったでしょうか。
【知事】 お話ししたのは、トヨタ自動車さんとか、今申し上げた三菱重工さんとか、あと中部電力さんとかJR東海さんといった関係の皆さんということでございます。
 ワシントンオフィスはね、どちらかというとビジネスをするというよりも、情報収集とか調査とか。もちろんトヨタは圧倒的に、何十人も、どのぐらいいるんだろうな。日本企業で最大の規模のオフィスを持っているんであれでしょうけれども、そういった形なんで、常にアメリカ政府、連邦政府と、そして連邦議会の動向などをウォッチしていくという方々でありますが、そういった方々と有意義な意見交換をさせていただいたということでございます。
 そして、正直言って、今後どうなるんだろうということは皆さん言っておられたし、そういう思いは間違いないですよね。だけど、そうは言っても、もう1月20日に新政権が発足したわけだから、こういった政権の皆さんとね、そして当然大統領はそうですけれども、実際具体化していくのは政権の閣僚、チーム、スタッフですし、それはアメリカはやはり三権分立というか、大統領制ですから、連邦議会も独立していますのでね。連邦議会が法律、そしてまた様々なものを承認しない限りは政策は進んでいきませんので、そういったところとやはり十分連携をしながらね。特にやっぱり日米同盟は大事ということは、皆共通認識なんで。特に共和党の議員は日米同盟というのはぴしっと皆入っていますから、日米同盟、それから日米関係、そして日米の経済、これの重要性をいろんなルートで話していくと、訴えていくということで、私は十分意思疎通は図れていくというふうに思っています。改めてそんな思いをいたしました。

【質問】 アメリカのTPP離脱に対して、知事は、今後もアメリカの政界関係者と積極的に会って、再考を促したり、新しい自由貿易の方法を模索したりするつもりだということでしょうか。
【知事】 そういうことになるんでしょう。日本としては、やはりアメリカの政府として、政府と交渉し協議をし、まとめたわけですから、そのことがやはりこの参加した14か国かな、参加した国にとってもメリットがあるし、アメリカにとってもメリットがありますよね、ということを言っていくということではないでしょうか。
 ただ、現実には、特に薬の知的所有権の期限等々の問題で、やはり共和党、トランプさんというよりも共和党関係の中に、やっぱり相当ネガティブな意見があるのは事実なのでですね、そういう点を含めればね、今すぐ事態が動いていくかどうかというのはなかなか難しい面があるのは率直なところだと思いますが、そういったことも踏まえながらね、踏まえて、しかしやっぱり自由貿易が大事だし、そういう投資のルールをね、投資とか様々な貿易のルールをですね、国際間でまとめていくというのは大事だよね、ということを申し上げていく価値があるし、それは必要があるんではないか。そういうふうに粘り強くやっていくということだと思います。私も行けば必ずそういう話はしたいと思います。

【質問】 共和党の議員と面談した際に、トランプ大統領の貿易に関する保護主義の傾向等について、少し前にトランプ大統領がトヨタ自動車のメキシコ工場の計画に対してツイートしたことも含め、議員の方々から何か意見はありましたか。
【知事】 私から特にその話を言う必要がないだろうと思いましたし、皆、やはり当然トヨタの工場が進出しているところが多かったですから、そういう方々始めですね、また日本企業がたくさん進出しているところの方々が多いので、あえてそこのことを言わなくても。むしろ私からは、日本の企業が非常にアメリカでいいビジネスをしていると、アメリカの地域、そして経済、そして雇用に貢献しているということを申し上げればね、向こうの方から全くそのとおりだと。彼らは地元に雇用をつくってくれるだけではなくて、本当にいろんな地域の活動に貢献してくれていると。いろんな地域の活動、ドネーションも含めてでしょうけれども、ドネーションも、そしていろんな地域活動に積極的に入ってきてくれて一緒にやってくれるというのを向こうから言っていましたね。
 ですから、そういう意味では、もう定着しているということだと思いますが、そのことを、もっともっと我々は言っていかなきゃいけないという思いだと思います。そのことを言えば、向こうも「そうだよね」と返してくれるので、それをお互い申し上げていくということではないかなというふうに思います。

【質問】 今回のアメリカ訪問の一番の成果を教えてください。
【知事】 一番の成果はですね、何といっても今回のトランプ新大統領の就任、そしてトランプ新政権の発足の、本当にワシントンでの、アメリカでの空気、その雰囲気というのを肌で感じることができたというのが、私は大きな成果ではなかったかなというふうに思っております。
 やはりなかなか、正直言って前途は容易でないなという感はあります。それはアメリカ国内にとってもね、対外的にも、まだまだその方向性自体がなかなか分かりにくい、よく分からないというところが正直なところだと思います。そういう点を、まず改めて認識をすることができたということが一つあるのと、だからこそですよ。だからこそ、我々は皆それぞれのチャンネルで、やっぱりアメリカとの関係のルートは持っていると思うので、この際、それを皆でもう一回総動員しながらね、やっぱり日米関係の重要性を再認識し、それをもっとアピールしていくということが必要だということを思いました。
 ですから、今回私はインディアナ州の知事、州知事1人と上院議員4人、クルーズさんのスタッフを入れれば上院議員は5人。ですから、6人の共和党の有力政治家のところとも話をさせていただきましたが、彼らと話をすれば、皆日米同盟の重要性を本当に認識していると。
 むしろ経済だけではなくて安全保障の関係でね、むしろ向こうからこれについてどう思うんだというような質問があるから、それは即座に私は答えますけど。そういう意味で様々に、とにかく機会を、人間だからね、やっぱり機会を重ねて直接話をして、日米同盟、安全保障も経済も含めてですよ、日米関係、そして日米同盟が大事だということを繰り返し繰り返し言っていくと、我々からもね。そうすると、必ず向こうからもそういうのは返ってくるということだと思いますし、特に、特に日本の企業が進出し、大きなビッグビジネスをやっているようなところは、本当にもう関係はできていますから、それを企業さんだけにお任せするんじゃなくて、我々も出かけていってね、向こうからも来てもらえるように招いて、そういう関係をね、重層的に強化をしていくということが必要だというふうに思います。
 私、国会議員時代からずっと、いつも思って申し上げてきたことでもあるんですが、やはり国と国との間の同盟関係、人と人との間の親友関係も一緒だと思いますが、お互い分かっているだろうと思ってね、5年も10年もほったらかしにすればね、そりゃ気持ちは冷えちゃいます。やっぱり同盟関係、友情関係というのは、常に常に常にやっぱり確認をしていくということが必要ではないでしょうか。
 ですから、今回大統領就任式にも出席できましたが、併せて州知事、上院議員、6人の皆さんと有意義なミーティングができたということは、大変意義深かったんではないか。そういうもの、あの騒然としたワシントンの就任式の雰囲気の中で一緒にいたよねと、あの時を共有してたよね、という話は、また次に行けば必ずそういう話題から、「おうおう」という話になって、血の通った会話がすぐできるんじゃないかと思います。
 ですから、時間をつくるのはなかなか大変かもしれませんが、是非機会を見つけてね、捉まえて、また近いうちにアメリカを訪問し、それもワシントンだけではなくて関係各州にも私から出向いていって、その友情関係、信頼関係、同盟関係を確認していくということが必要ではないかというふうに思います。
 ですから、先程申し上げたように、今回面談した方々を始めね、愛知県との関係の深い各州の知事、それから上院議員始め連邦議員、そして多くのアメリカの友人、そういった皆さんと、やはりもっともっと意見交換、面談をし、ミーティングを重ねてね、日米同盟の大事さ、日米関係の大事さを訴えていく、そして確認をしていくということをこれからもやっていきたいというふうに思っています。

【質問】 TPPについて、日本政府としては、引き続き優先的に、アメリカの新政権側に、TPPの国内手続を進めていくよう交渉していく方針ですが、一方でトランプ大統領は、二国間協議を進めていくとの方針を示しています。知事は、今後の自由貿易の在り方としては、どのような枠組み、あるいは通商交渉が望ましいと思いますか。
【知事】 私は、今の日本の政府の方針でいいと思いますね。というか、何で二国間交渉じゃなくてこういうマルチの、多国間の交渉の中でやってきたか、特にTPPという形になってきたかというと、それは歴史の流れがずっときて。ウルグアイラウンドまではマルチの協定、国際間協定、多国間協定ができましたけど、ドーハラウンドは結局その後うまくいかなかった、動かなかったということで、だから二国間の自由貿易協定ができてきて、それも二国間だけではなくて、12か国、環太平洋の大きなTPPという枠組みができて、それでまがりなりにも何とかまとまったというところまで来たんですよね。
 ですから、昔と違って、やっぱり日本とアメリカが圧倒的な経済力でね、スーパーパワーで、二つ合わせたらもう世界経済の、二つ合わせて世界経済の5割ぐらいになった時代はありましたな、20年ぐらい前ね。そういう時代とは今は違いますからね。二つ合わせても3割ぐらいじゃないですか、今。ですから、そういう意味ではやはりマルチに、世界経済との関係といえばマルチにならざるを得ないと思いますし、そういう方向でね、やっぱり私はやっていくべきだと。もっとどんどんどんどん世界経済の、特にアジアの経済力が勃興したので、二国間でやるよりも、多国間でルールを決めていくと。特に関税だけじゃなくて、もうルールを決めていく。投資ルール、貿易ルール、知財のルール、それから訴訟のルールとか、そういうルールを決めていくということが必要になってきているので、それはやはり、多国間でマルチでやっていく必要があるというふうに思います。
 ただ、トランプさんがそういう形で言っておられますが、これはですね、二国間交渉をアメリカ政府がやるということになりますと、連邦議会がそういった貿易交渉の権限を政府に、こういうのをあげますよと、委ねますよという形で、そのやり方にもよりますけれども、法律が要るんですよ。要るんですよ。
 昔々あったのは、昔、スーパー301条ってありましたね。威嚇的な交渉で、日米貿易摩擦が華やかなりしころは、それでどんどんどんどん威嚇的な交渉を仕掛けられて、のまされてきたという歴史がありましたが、ああいうものだと法律が要るんですよ。 ですから、そういう意味で連邦議会と調整、協議が整わなければ、それはそう簡単にはできないしね。今、関税をどんとね、メキシコに工場を移したら製品は35%関税をかけると言っていますけど、それはそんな簡単にできませんよ、それは。ですから、そういう意味もあって、やはり連邦議会の皆さんとやっぱり意思疎通をしっかり図っていくと、やっていくと。
 何がアメリカの国益なんですかと。やはり日米同盟、日米関係を強化していくことがアメリカの国益にかなうんじゃないですかということを、やっぱりもっともっと強くアピールしていくということが必要ではないかと思いますし、特に経済関係こそですよ、日本とアメリカの関係は大事ですよねということを、強く言っていきたいなというふうに思っています。

【質問】 現地からの報道によると、50万人規模のデモがあり、いわゆる分断社会に対する懸念の声もありますが、知事は現地に行って、分断社会に対する空気をどのように感じましたか。
【知事】 まさに報道されているとおりだと思います。実際にあの現場にいてね、大統領就任式を一歩出た後の街の騒然とした雰囲気ですね、騒然とした雰囲気と、そのデモと野次と怒号とシュプレヒコールでね、物々しい感じというのはですね、本当に正直言って違和感があったというのが率直なところです。
 ただですよ、やっぱりあれだけの激しい選挙戦をやり、選挙キャンペーン中にですね、トランプさん自身があれだけいろんなことを発言をされたということに対して、それはノーだということを意思表示するというのも、これも民主主義の、私は大変大事なツールだと思いますから、そういう意味では、それは当然あり得べきことだというふうに思いますが、ただ、正直言って、就任しょっぱなから激しいなという感はありますね。
 ですから、そういう意味も含めてですよ、僕はもう既に申し上げましたが、トランプ大統領の就任演説の中で融和とか統合、ユナイトとかオールアメリカとかね、オールアメリカンピープルとか、そういう全ての国民に向かってのメッセージ、融和を問いかけるメッセージ、一部ありましたね、一部あったけど、もっともっとそれをね、もっとそれがあってもよかったんじゃないかと。今までのことはね、いろいろな意見はあったにしても、そういう多様性の中で一つの方向に向かっていくのがアメリカの良き伝統なんだということを、もっと格調高くね、何か訴えてほしかったなという気はしますね。
 ですから、そういう意味では、スタート早々からなかなかこれは前途が大変だなと、前途多難だなという感じはいたしました。
 それともう一つ、やはりその分断というか、その雰囲気はやっぱり、それも併せてよく、強く感じましたね、肌で。ただ、これはアメリカだけじゃなくて、イギリスもヨーロッパも、日本だってそうかもしれません。日本は比較的まだ少ないのかもしれませんが、グローバル化が進んでね、海外からの移民がたくさん入ってくる。それからグローバル化が進んで国内にあった生産活動が海外に出ていく。これはもう不可避なんですね。そういったもの、グローバル化の影響で、かつてどの国に、民主主義の国、どこの国にもあった中間層が、要はスキルが高い人は所得が上がっていくけれども、要はグローバル化の波に乗ってね、そういった職業、職種に就いた人は上がっていくけれども、多くの方がやはり賃金が低い方にですよ、引っ張られたということでの二極分化というのは、どこの国でも起きているわけですよね。それに対するやっぱり反発というのは、まさに大きな背景として強く感じました。
 ただ、なかなかこれは答えがないといいますかね、そりゃ即効薬はないと思いますので、そういう意味で、これは今後のトランプさんの新政権の政策の大きなポイントになるかと思いますが、ただ単に企業をね、個別の企業を、言葉はあれですが恫喝してですよ、アメリカ国内で工場を造れ、雇用を増やせと言ってもですよ、そりゃアメリカの経済の中で製造業が占める割合は10%ですよ。だから、そのことを、ここを増やしても、ほかがどうも逃げていったんではね、トータルで雇用は増えませんから。もっともっとですから別のやり方がね。ただ単に国境を閉じて、アメリカに工場を造らなかったら関税をかけるぞみたいな保護主義的なことをやったって、僕は国内の雇用は増えないし、経済も良くならないと思います。ですから、もっともっと、それと大体グローバル化で門戸を開いて世界中からいい人材をね、頭脳をかき集めて、付加価値の高いもので。IT化の時代でね、一番一人勝ちというか一番の勝ち頭はアメリカじゃないんですか、シリコンバレーを見るまでもなく。ですから、そういう意味での現実を見据えた政策をしっかりやっていただくということが必要ではないのかなと。そのことの方が、アメリカ経済が良くなるということにつながるんではないかというふうに思いましたね。
 ただ、いずれにしてもあれですよ、これで次はもう来年11月の中間選挙ですから。もう2年ありませんのでね。1年半ですよ、実質ね。それで結果を出していかないと、今度は中間選挙でもし上下両院共和党が負けたら、どっちか片方でも落としたら、それまたねじれという形になりますからね。hung parliamentになるので、そういう意味では、トランプさん、トランプ新政権は1年半で結果を出さないかんということを突きつけられていますから、私は、様々な政策は結構、政権スタッフは多分、political appointments が4,000人なので、4月までかかるだろうというか、普通かかるんですけれども、そんなの待たずに、ばんばかばんばかやっていくというような気がしますけどね。
 やっぱり結果を求められていますよ、やっぱり。1年半ですからあと、中間選挙。ですから、そこがどういうふうになっていくのか、そこは本当に注視したいと思いますし、それが変なふうにならないようにね、やっぱり我々もちょっと、私もゆっくりまた考えりゃいいやじゃなくて、そういう知っているようなところとか、そういう関係の深そうなところは、またできるだけ早い機会にちょっと訪問した方がいいのかなというふうにも思っております。

(2) TPP対策について
【質問】 愛知県では、これまでTPP対策予算として128億円余りを計上し、愛知県TPP対策本部で定期的に話し合いをするなどしてきていますが、TPP対策についての今後の展望を聞かせてください。
【知事】 TPP対策についての、我々愛知県としての対応としてはね、特に産業面ではですね、特に輸出型製造業が多いので、関税が多くのところで撤廃したり軽減されるというのは大変メリットがある。それから、海外への投資のルールが明確になっていくことで、そういった面でも、中小企業にとっても非常にメリットがあるということを申し上げてまいりましたが、一方で、今御指摘のように農業面ではですね、特に畜産関係を中心に関税が下がる等々でですね、これは大きな影響があるのではないかということを申し上げておりました。
 ですから、そういった面で、そういった畜産を始めとした農業の対策、産地の集約化対策とか、より生産性の高いものを作っていくとか、ブランド化とか、そういったことを今着実にやっておりますが、これはこれでですね、とにかく農業面での力をつけていくというのは、これは必ずやっていかないかんことでありますので、引き続き予定どおりやっていくということだと思っております。
 TPPだけでなくて、例えば日本とEUのFTA、EPAとかね、引き続きそういう二国間に、地域間での関税の引き下げ撤廃、そして貿易の自由化といった流れは変わらないと思いますので、そういった面からしてもやはり農業面での対策強化、これは必須のことだと思いますから、これは予定どおりやっていこうというふうに思っています。

【質問】 TPPに関するアメリカ政府の動きや日本政府の対応を受け、企業の皆さんも対策を考えられているようですが、取材を進める中で、ここ最近、特に中小企業の方々のTPPに関する動揺が大きいと感じています。これについて、知事からメッセージなどがあればお願いします。
【知事】 むしろ、そういうのを期待してたけど、それが実現しないで困ったなとか、例えばメキシコに進出しようと思ったけどこれじゃ行けないなとか、そういう話。
 その声は聞きますね。特に中小企業さんというよりも、ある程度大きな企業さんだろうと思いますが、今年も、あれは1月10日でしたかな、中部の経済界の賀詞交歓会ありましたね。あの時に、私がお話しさせていただいた経済界の方でも、本当に、結構何社かの方が、いや、実はメキシコにね、あれ考えてたけど、進出はちょっと今、もうちょっとよく考えるわとか、ちょっとペンディングにするとか何とかと言う人が、1社2社じゃなかったのでね。
 ですから、そういう意味ではね、もちろんトヨタ自動車さんは予定どおり、もう着工しましたから、これはもうやるということだと思いますが、そういう意味では、TPPもそうですけど、今後のトランプ政権、アメリカ政権が打ち出す通商政策、通商・防衛・外交政策、経済政策というのは大変重要なので、だからやっぱりしっかり注視しながらですね、我々としてやれることをしっかりやっていく。政策というか、国と国としての外交は、やっぱり政府がきちっとやっていく話ですけれども、我々やはり多くの、アメリカにいろいろなところにそういう友人とかルートを持っていますから、もっともっとそれを強いものにしてね、我々お互いの利益のためには、日米関係、そしてアメリカの経済政策はこうあってもらわにゃいかんよね、ということをね、やっぱり強く発信をしていく必要があるんじゃないかというふうに思っています。
 そういった県内の中小企業なりそういう企業の皆さんにはね、やはりそういうのはしっかり、最後は個々の企業さんの経営判断になろうかと思いますが、その企業さんの判断が非常に影響を受けないようにね、我々が外交面で、そしてまた二国間で、そしてまたアメリカとの関係をもっともっとしっかりやっていくということだと思っています。

(3) MRJの納入延期について
【質問】 MRJの納入がまた延期になり、これで5度目となりますが、これについて知事はどのように考えていますか。
【知事】 新聞各紙等々で報道されていることは承知をいたしておりますが、三菱重工、三菱航空機さんから正式な発表、コメントがなされたわけでは、現段階ではありませんので、それについてのお答えは控えさせていただきたいというふうに思っております。
 現段階で、特に我々の方にですね、連絡が、この点について連絡なり報告があったということではありません。報道によれば、今日の午後ですか、発表されるということなので、その前後には連絡があるんではないかと思いますが、その連絡なり報告、説明があればですね、仮にですよ、あれば、その段階で考えをまとめて、また皆さんにお示しをしたいというふうに思っております。現段階ではまだ具体的なことを聞いているわけではないので、仮定の話にはお答えしない方がいいのではないかというふうに思います。
ただ、どういう状況であろうともですね、このMRJはこの愛知を挙げて取り組んでいるプロジェクトであることは、もう御案内のとおりでありますしね。MRJの試験開発、開発から、そしてまた試験機を造るところ、全て愛知の工場でやり、MRJの量産工場を造るために、豊山町の県営名古屋空港のターミナルビルの真ん前にですね、一等地に7万2,000平方メートルの土地を造って三菱さんにお渡しし、もうMRJの量産工場、建屋はできていると。それから、そこから滑走路に行く進入路も今工事中だと。更に出荷待ちのMRJを20機ほど置けるエプロンも今建設中だと。更に格納庫をまあちょっと増やしてくれと言うから、その工事も今やっているということで、我々としてですね、今、県営名古屋空港はどんどんMRJ仕様にどんどんどんどん改造して延々と工事をやっておりますので、そういう意味で、我々としてもですね、もう相当大きな投資をしていますから、とにかく今更引くことはできませんし、これは三菱グループさんもそうでしょうし、国もそうだと思いますがね。これはまさに国家プロジェクト、ナショナルプロジェクトなんだし、そして地域の期待もね、やっぱり国民全般の期待も非常に大きいプロジェクトだと思いますから、何としても成功させていきたいというふうに思っておりますし、その成功に向けて我々としてできる限りのサポートをね、これからもやっていくと。その姿勢は変わらないということでございます。
 ただ、御質問に対するお答えについてはまた、正式な御連絡等々があった段階でまた考えたいと思います。

(4) 文部科学省の再就職等規制違反について
【質問】 先週、文部科学省でいわゆる天下りあっせんの問題が発覚しました。これを受け、愛知県でも、改めて天下りに関するチェックなどの指示はしますか。
【知事】 これは私がアメリカ渡航に行く前から少し報道がありましたが、行っている間に文科省の事務次官が辞任するという報道を向こうの現地で聞きまして、本当に驚いているということでございまして。
 今回のケース、報道で聞くだけですが、これはやはりこの国家公務員のですね、再就職等々に関する国家公務員法の規制には触れていくということになろうかと思います。
 やはりですね、何でこの天下り規制をこういう形でやったかということの原点に立ち返ってね、国民の目から見て、やはり不透明なことはやっちゃいかんと。やっぱり公務の公正性を確保するためには、官民の癒着ということが、国民の皆さんから見てですね、みられないようにすると。透明で公正にやるということでこういう形にしたんでありますから、やはりそのルールは守っていただかなければいけないというふうに思っております。
 愛知県の規制はもう御案内のように、ずっとこれもやってきておりますが、地方公務員法の改正法の施行によってね、国と同様にこういった現職職員による再就職のあっせんとか、利害関係企業等に対する求職活動の規制をいたしておりますし、愛知県退職者人材バンクというのをつくってですね、そこでルールにのっとって適正に対処しているということでございます。ですから、それを踏まえてですね、そのルールにのっとって、これからも適切にやっていくということだと思っております。
 ですから、今回国で起きたようなことは、私ども愛知ではそんなことはやっていないということで申し上げたいと思います。
 また、具体的にどういう形であれしているかは、また人事局の方にお聞きをいただければというふうに思っています。

(5) ダイコー(株)への損害賠償請求について
【質問】 ダイコーの廃棄物処理の問題についてですが、一部の企業がダイコーに対して損害賠償の請求等を考えているようです。県は、現在、廃棄物の撤去等をしていますが、業者に対する費用の請求等、愛知県としての今後の進め方について教えてください。
【知事】 まだ今撤去をやっているところですので、一体どのぐらいの費用がかかるかというのはまだ確定しておりませんのでね、現段階ではまだ確としたことは申し上げる段階ではないと思っております。
 現段階は、とにかく全力を挙げてですね、その撤去を完成させるということだと思います。でもって、我々はもちろん公費をね、愛知県の県費としては、予備費で4,000万円を使いですね、大変な負担をしてやっておりますが、それ以上にですね、民間の廃棄物業者さんに、御協力をいただいているというところなので、まずはですね、その撤去を最優先に頑張ってやっていくということだと思っておりまして。それが完了し、当然公金を使った作業ですから、どのぐらいの費用がかかったのかということは、当然それはまとめてですね、その上で、今言われたような費用を求償していくということは、これはやはり考えていかないかんことではないかというふうに思います。
 ただ、本当にそれが、現実問題ですよ、その会社が何でこうなったかというと、それは倒産状態というか倒産しちゃったもんだから、やりようがないので我々が代わってやっているということなんで、じゃあ負担する資力があるかと言われれば、それはないんでしょう、きっと。だけど、物事の手順として、まずは一生懸命やっていく。で、どのぐらいかかったは、しっかり把握をして、それはもちろん議会始め県民の皆さんに報告せないけませんからね。やった上で、それは手順にのっとって、当然求償ということを考えてね、やっていくということはあることだというふうに思っています。これからですよ。