知事の記者会見
メインメニュー
知事のマニフェスト 知事の発言・寄稿 知事記者会見 県議会知事提案説明 知事からのメッセージ 知事交際費の執行状況 プロフィール トップページ 写真で見る主な活動


平成29年4月17日(月) 午前10時

1 知事発言
(1)平成28年熊本地震の発生から1年に当たって
 おはようございます。4月17日月曜日午前10時ということで、定例の記者会見を始めさせていただきます。
 まずですね、この週末でありましたが、平成28年熊本地震の発生から1年がたちました。4月の14日と16日ですね、昨年の、発生した平成28年熊本地震により犠牲となられた方に対しまして改めて心から哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げる次第でございます。
 このコメントは14日金曜日に記者クラブの方に出させていただきましたが、改めてこの場でも申し上げたいと思います。
 私ども愛知県では、発災直後から被災地域支援対策本部のもとで、職員の派遣、被災者の受入れ、物資の提供、そして県民の皆様からの義援金の受付と、被災地の一日も早い復旧・復興に向けまして全庁を挙げた応援を行ってまいりました。
 今年度新たに、熊本県へ職員を2名を長期派遣するということにもなりまして、引き続き被災した方々の公営住宅での受入れなどを行って、被災地の皆様のお力になれるように取り組んでまいりたいと考えております。
 また、愛知県では、この度の地震における教訓を本県の防災対策に生かすということで、平成29年3月にですね、地震防災計画の行動計画である第3次あいち地震対策アクションプランの改訂も行わせていただきました。今後とも地震防災対策、より強固なものとなるようにしっかりと取り組み、県民の皆様の安心・安全を確保していきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 そしてですね、これも先程か、この後かあれですが、北朝鮮の弾道ミサイル発射に対する知事コメントも併せて発表させていただきます。

(2)北朝鮮の弾道ミサイル発射について
 4月16日、昨日、北朝鮮は、また弾道ミサイルを発射いたしました。失敗ということでありましたが、重大な挑発行為であり、断じて容認することはできません。明白な国連安保理決議違反ということでありますので、厳重に抗議をするとともに、強く非難をいたします。政府には、毅然とした対応をし、こうしたことを断固ですね、阻止していただけるように、しっかりと進めていきたいと思っております。
 本県としては、引き続き、県民の安全・安心を確保するために全力で取り組んでまいります。

(3)「あいち発明の夏2017」の実施について
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/san-kagi/invention-summer-outline.html
 「あいち発明の夏2017」の実施についてであります。
 愛知県では、生涯にわたって数多くの発明をなし、この地域の産業の礎を築いた豊田佐吉翁が明治31年の8月1日に日本最初の動力織機の特許を取得したということで、8月1日を「愛知の発明の日」と定めて、広く県民の皆様に創意工夫、知的財産の重要性を考えていただく機会といたしております。
 今年は、その豊田佐吉翁の生誕150周年に当たるということでありまして、愛知県では、今年7月、8月をあいち発明の夏2017と銘打ち、7月下旬にポートメッセなごやにおいて集中的に開催されます「愛知の発明の日」記念講演会、世界青少年発明工夫展2017、そしてロボカップ2017名古屋世界大会といった大規模イベントと県内各地の協賛行事との緊密な連携を図ることにより、科学技術や創意工夫を大切にする気運の醸成により積極的に取り組むことといたしております。
 こうした中で、この度、あいち発明の夏2017の中核となる「愛知の発明の日」記念講演会の開催概要が決定いたしました。開催日は7月28日金曜日で、特別講演の講師としては、トヨタ自動車株式会社名誉会長の豊田章一郎氏をお迎えすることとなりました。多くの県民の皆様の御参加をお願いいたします。
 また、本日から「愛知の発明の日」の趣旨に賛同していただける協賛行事の募集を開始いたします。あいち発明の夏2017を大いに盛り上げていただける団体や企業の皆様の積極的な御応募をお待ちをいたしております。
 このあいち発明の夏2017の実施により、県全体で高まることが見込まれる科学技術への関心や交流を基礎として、少年少女発明クラブの活性化、拡大など次代の産業首都あいちを担う科学技術の人材の育成、支援に一層注力をしてまいります。
 2枚目以降が資料でございまして、ここに書いてありますスケジュールはね、7月下旬にポートメッセなごやで今申し上げた三つのイベントがありまして、最初にロボカップの開会が26日で、27日、28日、29日、30日と四日間やると。うち、世界青少年発明工夫展を27日、28日、29日と、その真ん中のときに愛知の発明の日記念講演会で、豊田章一郎名誉会長に28日金曜日に講演をしていただくと、こういうことで大いに盛り上げていこうというふうに思っております。
 その資料の裏面に、28日は午後0時45分から午後2時半まで講演会ということで、「ものづくり、ひとづくり」で豊田章一郎会長の特別講演、その後、「第4次産業革命で製造業が遭遇する大変革」として、渡部俊也会長ですね、日本知財学会の会長に御講演いただくと、こういうことでございまして、多くの方にお越しいただければというふうに思っております。
 この愛知発明の日というのは毎年8月1日前後にイベントをやっておりますが、これは今年はこういう形で大きく盛り上げていくということにしております。
 それから、世界青少年発明工夫展2017というのは、これはですね、2004年に日本、東京で第1回が開催されて、以降ですね、ずっと各国、特にアジアの国々が中心ですけれども持ち回りで開催されておりまして、2016年度は中国のハルビン、2015年度は台湾、こういう形でぐるぐる回っております。
 要は、青少年の発明作品の展示コンテストということでありまして、参加国の青少年が自らの発明を、来場者に発明作品を紹介し、発明工夫を通じた国際交流を図るものということでございます。
 これまでも愛知県の子供たちはですね、児童生徒は、これまでにも12名の児童生徒が日本代表としてこれまでの大会に出ておりまして、この2017年度、今年度の大会もこの選考対象となる全国大会で、この間私のところに報告に来てくれたね、全日本学生児童発明工夫展の内閣総理大臣賞をとった方とか全国少年少女チャレンジ創造コンテストで文部科学大臣賞をとった子供たちとかいますので、その子たちは有力な候補になるのではないかということで、必ず何人かは出てくれるということで期待をいたしております。
 ロボカップはね、これは名古屋市が中心に、今この大会の構成を取り組んでおりますが、私ども県もですね、当然助成というか補助を出して、県と市で共同でやる大きなプロジェクトということでございまして、自律移動ロボットによる競技大会で、サッカーとかですね、大規模災害のロボットのレスキューだとか、キッチン、リビングルームなど生活の場での家事支援、それから子供たちいわゆるジュニアの大会、そういったものも併せてあるという大きな大会でございますが、全部相乗的に盛り上げていければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

(4)第70回全国植樹祭大会イメージソングの制作について
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/zenshoku/h290417.html
 第70回全国植樹祭大会イメージソングの制作についてでございます。
 この度、2019年春に名古屋市と尾張旭市に広がる愛知県森林公園で開催する第70回全国植樹祭の大会イメージソングを、愛知県岡崎市出身のシンガーソングライター岡村孝子さんに制作していただけることになりましたので、御報告をいたします。
 岡村孝子さんにはLOVEあいちサポーターズあいち音楽大使として、日頃から出演するテレビやラジオ、コンサートなど様々な機会に愛知の魅力をPRしていただいております。岡村孝子さんの清潔感ある柔らかな歌声は、私たちに癒しを与えてくれる緑あふれた全国植樹祭のイメージにふさわしく、大会のテーマである「木に託す もり・まち・人の あす・未来」をイメージさせるような、心に響き、心に残り、親しみが湧く楽曲ができ上がることを大変楽しみにいたしております。
 なお、4月26日水曜日午後3時から、愛知県東京事務所において私から岡村孝子さん御本人に大会イメージソング制作の委嘱状をお渡しする予定としております。
 また、既に発表させていただいておりますが、全国植樹祭の効果的な広報・PRを行うため、これまで愛知万博広報プロデューサーを始め、様々な行事で御協力いただいておりますマリ・クリスティーヌさんに広報大使をお願いすることといたしました。
 全国植樹祭の開催まで2年余りとなりました。いよいよ今年度からは式典会場や植樹会場の整備に着手するなど、本格的な準備作業に取りかかってまいります。また、開催機運を更に盛り上げていくために、昨年度から実施をしております全国植樹祭の植樹行事で使用する苗木を育てる苗木のスクールステイについても、地元の名古屋市守山区と尾張旭市内の小中学校始め県内一円で取り組んでまいります。
 こうした取組に加え、県内の全市町村において全国植樹祭をPRするキャラバン活動や各種記念事業を展開するなど、全国植樹祭の成功に向けて、県民の皆様と一体となってしっかりと準備を進めてまいります。
 資料がありますが、こういった形で岡村孝子さんにイメージソングの制作をお願いをするということでございます。素晴らしい歌を作っていただくことを期待いたしたいと思っております。大体、今から頼んで、作っていただくのは大体1年後の平成30年春かなと。そうすると、あと1年ちょっとということでありますから、大体1年前くらいから盛り上げていければいいのではないかというふうに思っております。ちなみに、是非、全国植樹祭のその当日もですね、御本人に出ていただいて、できたらやっぱり歌を歌っていただくと有り難いなというふうに思っておりますが、これはこれから御相談をしていきたいと思っております。
 そして、苗木のスクールステイの実施計画はですね、全国植樹祭で使用する予定の苗木は1万本ですが、そのうち3,900本をこの子供たちに育ててもらって、それを植えていこうと。ですから、これは種から播いて植えてちょうど苗木になって植えるくらい、ちょうどいいくらいになりますから、今から準備をせないかんということなので、平成28年度は尾張旭市内の全小中学校12校で実施をいたしました。平成29年度は名古屋市守山区の四つの小学校において実施したいと。また、県内一円に緑の少年団というのが71団あります。ここでもこの苗木のスクールステイをやって、子供たちに育ててもらった苗木をこう植えていければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

(5)都市再生緊急整備地域の指定に係る申出について
(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/chiiki/toshisaisei.html
 都市再生緊急整備地域の指定に係る申出についてでございます。
 明日、中部国際空港東・常滑りんくう地域(仮称)について、常滑市と共同で国に対して都市再生緊急整備地域の指定の申出を行います。この指定がなされた場合、本県においては名古屋市以外では初めての地域ということであります。
 この地域は、中部国際空港の2本目滑走路を始めとする空港機能の強化、愛知県国際展示場を中心としたMICE機能の充実、中部臨空都市における企業誘致等に取り組んでいるところでありますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2026年のアジア競技大会、更に2027年度の東京−名古屋間のリニア開業を見据え、こうした取組の更なる加速化につながる都市機能の強化が重要であります。
 都市再生緊急整備地域に指定をされますと、都市計画の特例や民間都市開発事業に対する税制支援、金融支援の措置の活用が可能となるため、積極的な民間投資につながり、都市開発事業が促進されることで、本県の取組に大きく寄与するものと期待をされます。
 地域指定の申出をした後は、パブリックコメント、そして内閣総理大臣を本部長とする都市再生本部の決定、閣議決定といった手続を経て、早ければ夏頃に指定地域が決定されると聞いておりますので、地域指定を受けられるよう、国としっかりと調整をしてまいりたいと考えております。
 お手元の資料のですね、2枚目のところにエリアが書いてありまして、これが378ヘクタールということでありまして、空港島の滑走路以外の、こちらのターミナルを含めた都市施設ですね、あと企業立地の場所、物流基地、それから県が造りました前島といいますか、りんくうタウンを対象とし、これは用途地域とか容積率の制限等の緩和も可能になるということでございますので、この地域の発展に大きく寄与するのではないかということでございます。
 国とは事務的に調整を行っておりまして、これは引き続きしっかりと進めていきたいというふうに思います。
 現行では、愛知県内は名古屋市の3地域で570ヘクタールが指定をされています。3地域は、名古屋駅から伏見、栄までが一つで401ヘクタール、名古屋の千種・鶴舞地域が24ヘクタールで一つ、あと名古屋の臨海地域が約145ヘクタールと、こういうことで指定がされておりますが、名古屋以外では今回初めてということでございますので、しっかりと指定をし、都市整備を進めていきたいというふうに思っております。

(6)瀬戸市定光寺町地内における違法開発について
 瀬戸市の定光寺のですね、話でありますが、開発区域を明示した地形図などを未提出のものについては、定光寺の代理人の弁護士が、これまでの経緯や今後の作業内容等の確認を行っておりますとの報告を受けておりまして、測量も含めた報告書作成業務の委託先は今月末頃に決定する見込みだと聞いております。
 なお、雨の多くなる6月、梅雨になりますとね、何でこれがわかったかというと、雨が降って道に土砂が流れてきたのでということだったので。それがちょっと懸念されますので、定光寺に対しては土砂流出を防ぎ排水を適切に誘導するための水路、沈砂池等の設置、法面の整形、沢筋の堆積土砂の撤去などの補修工事を行うよう、4月11日に指示を出したところでございます。
 これにつきましては、4月13日に定光寺側から、指示に沿った補修工事を実施する旨の回答を得ております。

2 質疑応答
(1)都市再生緊急整備地域の指定に係る申出について
【質問】 都市再生緊急整備地域の指定についてですが、このタイミングで申出をするのはなぜですか。
【知事】 毎年ですね、毎年国の方のあれ、1年に1回夏ごろ指定か、というスケジュールで、実務的にずっとこう調整をして、この時期ということなので。
 よそも一緒だなこれ、全部な、ということでございます。
【質問】 今年、申出をするのはなぜですか。
【知事】 具体的なですね、そういった弾が無いと中々手が挙げられないので。
 これは、この地域では、私ども愛知県国際展示場の建設、今設計をやっておりますから、この秋ぐらいには実際に建設工事に入るんだろうと思いますが、それから、ボーイング787の展示を中心とした複合商業施設ですね、複合商業施設も、これも造るというのを決定し、これはもう今ちょうど設計だな、もうすぐかかるのかね、一部かかっているのかな。いずれにせよ2018年夏にはできると。それから、LCCのターミナルビルも2019年の上半期にはできるということが、どんどん出来ていき、あとりんくうタウンもそういった形で、また色々な企業立地の話も進んでいる。それから更にですね、空港島に新規ホテルの立地、これもですね、進んでいるなどなど、都市開発事業の早期実施が見込まれることに加え、これは基準なんですな指定の、都市開発事業の早期実施が見込まれることに加え、その周辺で都市開発事業の気運の存在が認められる地域。
 要は、何もないところは駄目よと。要は、どんどん進んでいて、更に盛り上がると気運が認められるところを後押しするという制度なので、そういう意味では今一番こう盛り上がってきている、具体的な事業、プロジェクトも進んでいるし、そういう気運も盛り上がっている。それを更に後押しをしていこうということで、今このタイミングということだと思っています。
【質問】 今回、申出をする地域では、既に開発済みの地域や計画進行中の地域もあると思いますが、指定による規制緩和の内容など、指定の前後で不公平感があったり、計画中の事業に影響を与えたりしますか。
【知事】 そこはどう見るかということでありますけれども、基本的には今も進んでいるものは、とにかくもう事業化を決めた事業者ですから、1日も早く具体化したいと。オープンして、民間の場合は当然資金を投下すれば1日も早くオープンして回収に入りたいと、こういうことですから、すぐやっていただけると思うんですが。
 まだまだ、これ、全部埋まっているわけではありませんので、まだたくさん用地はありますから、そういったものをアピールしてね、もっと来てもらうという上においては、いいアピールになるのではないかというふうに思っております。ですから、正直言って、そんなに目を見張るほどの優遇策があるかというと、それはちょっとウッていう感じがするんで、まあ一つの弾みになると思っていただければいいのではないかというふうに思っています。
 そりゃね、やっぱりそんなにお金がどんと付くとか、税金が全くかからんようになるとか、そんなことはありませんのでね。少しはこう後押しをしていくということにつながるということだと思っています。
【質問】 都市再生緊急整備地域の指定後、遡っての恩恵はないですか。
【知事】 それはないね、やっぱり。
【質問】 申出後、選考されて落選することはありますか。
【知事】 それはないでしょうね。というか、協議が整ったやつを申出するという話ですわね。協議が整わなかったら、申出しないでしょ。
 だから、何か所かの枠があってこれを指定していくというのではなくて、もうずっとこれは平成14年からやってきているやつなので、もうだから15年くらい前からやってきているやつなので、そういう意味では、協議が整ったところから順次やっていくということだと思っています。
 さっき言ったように都市開発事業が具体的な弾があって、これが更にそういう気運が盛り上がっていくということでないとあれなんで、そういったところはそう全国的には、やっぱり大都市部中心に、大都市部とか地方の拠点都市ね、そういったところを中心にということで、大体もう指定の条件が揃っているところはもう指定したということだと思っています。
【質問】 知事は、都市再生緊急整備地域の指定について、名古屋市の事例を3点挙げられました。最近の事例で、この地域でこれを行ったらこういう効果があった等があれば教えてください。
【知事】 名古屋市のやつはですね、これは指定は全部、だから平成14年に3か所全部やっているので、その後、一番のよく引き合いに出る例があれじゃないでしょうか、駅前のトヨタのミッドランドスクエアだよな、あれの容積率の割増しだよな、たしかな。ということがよく言われますけどね。だから、そういうことでいくと、名古屋駅周辺はあれだけど、栄の方はまだ具体的に出てないということかなという気がしますけどね。
 あと、伏見の再開発もこれを多分使っているんじゃないのかな。違うかな。使ってる。
【振興部長】 ミッドランドスクエアや大名古屋ビルヂング周辺、あと、ささしまライブといった名駅の周辺で使っています。

(2)「あいち発明の夏2017」の実施について
【質問】 「愛知の発明の日」の記念講演会について、詳細発表は6月ということですが、現時点で、おおよその定員は分かりますか。
【産業労働部長】 300人を予定しております。
【質問】 トヨタ自動車(株)の豊田章一郎名誉会長が、御講演されるのは、いつ以来ですか。
【知事】 あれは産業技術記念館であったね、2年前か3年前だったな。オムロンの立石さんがたしか会長をやっているあれで、僕は冒頭の挨拶をやって、その後の挨拶だけで御無礼したから、名誉会長から、いやいや知事さんおられるとしゃべりにくいから早く帰ってちょうだいとか言われたけどさ。今度は聞く予定でいますけれどね私は、しっかりと。

(3)人口推計について
【質問】 先日、総務省が平成28年10月1日現在の人口推計を発表しました。知事の受け止めと分析を教えてください。
【知事】 我々、やっぱり常に常に県内の人口動態はですね、関心を持って注目して見ております。把握をいたしております。月単位でね、住民票のあれだと月単位で出てくるので、それを集計して随時発表させていただいております。
 昨年6月には、愛知県の人口は初めて750万人を突破したということをね、発表させていただいて、大体足元の雰囲気だと、やっぱり今、年間、今の勢いで2万5,000人ぐらいは増えているという感じのデータを持っていますので、そうするとこれ、10月1日、去年の10日1日からその前の10月で2万3千何百人でしょう。だから、人口増の勢いは更に高まっているんですね。特に社会増が増えてきているというのは、このデータのとおりでありますから。
 そうしたのを我々常に常に情報を集めてですね、動態を見ておりますし、そのために愛知県内の地方創生のプランを作ったときでも、県全体もそうですが、県全体を作りました、県内市町村のそれぞれのところでも作っていただいて、よりきめ細かくね、対応していかなきゃいけないというふうに思っておりますし、そう申し上げております。
 というのは、愛知県の人口動態は、名古屋から西三河にかけては総じてこれからも増えると。あと10年20年たってもですね、まだまだ伸びていくという、特に西三河が一番勢いがあるということはもうデータが出ておりますけれども、一方で、東三河は人口減少局面に入っている。また知多半島部、それから名古屋からちょっと離れた尾張でも周辺部もですね、人口は横這いから減少局面に入っているというのはもうデータが示しておりますので、我々としては、よりきめ細かく、よりきめ細かくその対応、対策を作っていきたいということを申し上げております。
 今回のデータでいえば、東京一極集中は更に加速しているということをですね、示していますから、これはやはり何とか歯止めを、ストップをかけていかなければいけないのではないかということ。これはずっと私、全国知事会でも申し上げてきておりますし、一番のポイントはね、やっぱり大学生ですよ。去年、僕は夏の全国知事会で申し上げたけど、毎年大学生が新規に東京都の大学に10万人来ると。東京都から、あれ県単位でいくから、東京都から2万5,000人が神奈川とか千葉、近隣、よその県、あとうちにも、愛知とか関西とかに出ていくのが2万5,000人ですから、大学生だけで7万5,000人の純増なわけですよね。この今回の人口増のデータを見ると、10万何千人が東京都のプラスでしょ。圧倒的にこれは大学生問題ですよ、これ。これを更にですね、今東京の私大がまた定員増、駆け込みの定員増を文科省に申請して、これが認められてしまうと、今仕掛けは、要は届け出れば認められちゃうということですからね、もうこれは由々しき事態だと思いますね。
 だから、そういう意味では、私は東京一極集中を止める。それは特に大学生、若い人がどんどんどんどん東京にね毎年毎年。だって、大学生だけで10万人も来るっていうのは、そりゃ途方もない数字ですよこれ。ですから、何とかこれを歯止めをかける方策を更にやっぱりこれは言い続けていかないかんのじゃないかというふうに思っています。
 その一方で、愛知が東京、沖縄に次いで3番目にね伸び率が多かったということについては、私はやはり愛知県の産業力、経済力が全国からですね、やっぱり国内外から、特に外国人の方も増えていますのでね、増えていますので、国内外から人を引きつけているということだと思っておりますし、こういう傾向はね、これからも私は続いていくと思いますし、続いていかせたい。そのためにもね、やはり産業集積を更に更に進めて、活力ある愛知をね、引き続き作っていきたいというふうに思っております。
 ですから、これまで我々がやってきた政策、施策はですね、正しいと、この路線でいいということではないかというふうに私自身は受け止めておりますし、この産業集積、集積が集積を呼ぶと、人・モノ・金・情報を集めて更に産業を高度化し、そして国内外から人材を引き寄せて発展を続けていくという愛知モデルをね、これからもしっかりと推し進めていきたいというふうに思っています。

(4)自動走行システムの公道実証実験について
【質問】 先週、警察庁が自動走行システムの公道実証実験を可能にするための基準案を公表しました。愛知県も自動走行システムの公道実証実験を推進していますが、改めて、知事のコメントをお願いします。
【知事】 指針、方針を出して、今パブリックコメントにかけておりますから、来月、5月にはその方向が具体的に出てくるんだろうというふうに思っております。我々が想定していた範囲でありますから、遠隔操作でやって、運転席にドライバーが乗らないレベル4で安全性が確保できるということを、遠隔操作による自動走行ができる車両というのはそうたくさんありませんので、それをもってその安全性を確認をし、警察官も乗って確認をした上で、道路等々も確認をして、その上で個別の警察署が許可を出すと、こういう仕組みでありますから。
 我々が想定していた感じでありますので、あらかじめそういったものを念頭に置きながら、平成29年度愛知県内の幾つかのところで、それも公道を使ってレベル4のですね、自動走行の実証試験をやりたいということで我々も既に予算を通しておりますから、今はですね、県内市町村にやりたいというところを募集し、そしてこの事業を県の委託事業としてやっていただく事業者をですね、募集するということで着々と進め、警察庁からパブリックコメントも終わって正式に指針が出れば、直ちに取り組めるように進めていきたいというふうに思っています。
 愛知県内、去年は15の市町で自動走行の実証実験レベル3を行いました。今、31の市町村から是非うちでやりたいという要望が上がっております。もちろん、これ全部でやるということは無理ですけれども、物理的にね、難しいんですが、やはり昨年度の15か所での実証実験のですね、成果を踏まえて、今年度もですね、このレベル4に更にチャレンジをしていきたいというふうに思っております。
 いよいよ具体化の時だなということかなと思っています。
【質問】 東京都等では、国家戦略特区でレベル4の実証実験を進めていこうとしています。愛知県として、他の自治体に対してどのぐらいのスピード感をもってやっていくのか意気込みはありますか。
【知事】 いや、うちが一番先だと思いますけど、これだけ本格的にやるのは。
 皆さんも取材していただければ分かると思いますが、東京都の場合はそこまで進んでいない。むしろ国がやりたがっているんだな。東京都はまだそこまで準備が進んでいないというふうに承知をいたしております。ですから、県内全域を対象にしながら大々的にやって、だから15か所も一遍にやったのは我々だけでありますし、引き続きですね、レベル4の実証実験を県内全域で大々的に展開できる、そういうレベルにある、それからそういう準備を進めているというのは私どもだけだと認識をいたしております。
 ですから、特区を使う使わないというのは、それは手段の話であって、要は、運転席にドライバーが乗らなくても遠隔操作でやれるレベル4の自動走行の実証実験がやれればいいんでね。ですから、どういう手段だと、これは警察庁が全体的にこういう形でやればオーケーだよというのであれば、それにのっとって粛々とやっていけばいいということだと思っていますので。
 ですから、そういう意味では、繰り返しになりますが、県内全域を対象にしてですね、こういった形で大々的にレベル4の自動走行実証実験に取り組むことができる、展開することができる、こういうデモンストレーションができるというのは愛知だけでありますし、愛知が一番進んでいるということははっきりと申し上げられるのではないかと思っております。

(5)県立学校施設の長寿命化について
【質問】 県立学校施設の使用年数について、長寿命化の方針が決まったとのことですが、一方で、先般、愛知県は県内の施設の耐震化の現状について発表がありましたが、知事に説明していただけますか。
【知事】 60年を80年、要は長寿命化していくというのはですね、これは愛知県だけというよりも、国の文科省の方の一つの方針というかね、受けてということでもあるんですね。やはりうちだけじゃなくて全国にそういう当然学校をたくさん造って、戦後、高度経済成長期に造って子供たちを受け入れた、団塊の世代、それから団塊ジュニアという形でどんどんどんどん子供たちが増えて学校が足らないということでどんどん増やしていったということは事実でありますから。
 60年前っていったら昭和30年の頭ですからね。ですから、それが建替え期に来ているけれども、やはり一遍に全部というわけには、財政的にも難しいということも踏まえながらですよ、やはりリニューアルをし、そして長寿命化をしていけば、躯体が生きていれば、あとは内装をやりながらお化粧直しをしてね、一部メンテをしながらできるだけ大事に使っていこうということは、私はあるべき方向ではないかと思います。
 ちなみに、耐震化ということについてはですね、学校の耐震化は本館といいますかね、建物の教室の耐震化は、もう昨年度で全て完了いたしました、県立学校はね。今体育館の吊り天井の、講堂とかそういうものを今、吊り天井を撤去して安全にしていこうということを今やっておりますし、これも目処が立っております。数年のうちにできると。小中学校につきましてもね、多くの市町村でもう全部完了していると。
 愛知県は静岡県に並んで、ほぼ90何だったかな、98パーセントぐらいだったかな、何せ耐震化が完了しておりますから、学校については、私はそういう意味では耐震化十分完了している。その上で、耐震化をやった上で長寿命化をしてですね、大事に使っていこうということだなというふうに思っておりますし、ですから、引き続き建物の耐震化、安全性の確保というのはしっかりやっていきたいというふうに思っております。

(6)障害者雇用対策について
【質問】 愛知県は、4月に障害者を初めて雇用する中小企業の事業主に対して奨励金の制度を創設しました。愛知県における障害者の実雇用率は、昨年の6月時点で1.85パーセントとなり、全国平均を下回っています。障害者雇用の実情に対しての知事の考えと、奨励金制度を創設した狙いを改めて教えてください。
【知事】 障害者の雇用については、大変大事な、私は課題だというふうに思っておりますし、前々からもそういうふうに申し上げてまいりました。ですから、これをですね、法定雇用率まで何とかできるだけ早く達成して、更に障害者雇用を増やしていきたいということで、様々な取組をいたしております。ですから、大手企業さんを中心にですね、障害者の雇用に取り組んでいただいている方は、特例子会社も含めてね、相当増えているというのは御案内のとおりでございます。ですから、直近の数字でも、昨年ですね、障害者雇用の数というのは東京と愛知と大阪が図抜けて多いですね。でもって、率も1.81から1.85まで増えたのかな。ですから、率も相当伸びたということで、これまで実雇用数でいえば、愛知県の障害者雇用、過去最大にまでなったというのが実態でありますが。
 ただ一方で、東京とかうちはやっぱり雇用者数の分母が非常に大きいので、ほかに比べて圧倒的にですね。雇用の数も産業圏ですから、東京ももちろん働いている方が非常に多いので。ですから、どうしても率からすると平均を下回ってしまうという面はあるんですけれども、それは言い訳してもいけないので、とにかく法定雇用率を達成できるようにしっかり頑張りたいと思いますが、ただ、関係者の皆さんにね、本当に努力をしていただいて、この実雇用者数、障害者雇用が伸びてきている、それも大きく伸びてきているというのは事実なんで、そういった動きには心から感謝しながら、それを更に後押しをしていきたいと思います。
 そういう一環の中で、今年度から始めた中小企業さんの、何といいますかね、お試し雇用みたいなのを応援しようということで、今回そういった予算を作らせていただきました。
 やっぱり大手企業さんはいろいろな職種があっていろいろな仕事があるので、雇用しやすいと言うとあれですけれども、受け入れられる懐があるということだと思いますが、中小企業さんはやはり中々そこまでですね、仕事の種類も、バラエティーというか種類の数もそう多くないし、これで障害者の方を雇った場合に、あとはほかの社員でカバーせねばいかんのじゃないかとかいろいろな、あと、実際に仕事以外のときにもどういうふうに応対したらいいのかよくわからないとか、いろいろなことをやっぱり経験していないとね、最初に、いやちょっとという感じの危機感みたいのがあるのは事実だと思うので、それはそうじゃないですよということで、一回、やはり試しにやっていただければ、雇用していただければ、非常に戦力になるんだということをやっぱり実感していただくというのが大事なんで。それを後押しする意味での、今回そういう予算組みをさせていただいたということだと思っております。ですから、こういった形で引き続き更にですね、後押しをしていければというふうに思っています。
 あと、併せてですね、今ちょうど愛知県特別支援学校をですね、計画的に、新設、増設を今ずっとやってきておりますが、そういったところで、その特別支援学校を卒業した子供たちをまたできるだけですね、意欲と能力、個性に合わせて働いていただけるものに結びつけていきたいと。今数を増やして各地区に新設しているのも、そういった狙いもありましてね。やっぱりできるだけきめ細かく地元の企業さんと特別支援学校の学校の先生方がネットワークしていただけるとね、本当に雇用に結びついていくということは事実なんで、そういった面でもしっかりやっていきたい。
 例えば今年の4月に、設楽町の田口高校に3年前、豊根村の子供たち2人が中学を出るということなんで、山嶺教室という形で分教室を初めて、特別支援学校の分教室を初めて作りましたけれども、これで3年たって、その子たちね、ちゃんと就職してくれましたけど。そりゃ特別支援学校の山嶺教室の先生方、もう2年生ぐらいのときから色々なところを回ってね、うちの子どうですかと言って、どこか就職の口をずっと回って本人の希望とマッチングしてね、就職できたということですから、そういった形のものをね、やっぱりこれからも力を入れてやっていきたいというふうに思います。