知事の記者会見
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平成31年3月18日(月) 午前10時
1 知事発言
(1)「新城ラリー2019」の来場者数等について
 皆さん、おはようございます。3月18日月曜日の午前10時の定例会見を始めさせていただきます。よろしくお願いをいたします。
 昨日、一昨日、土日で行われました新城ラリー2019について、私からも御報告をしたいと思います。
 この土日ででですね、行われました新城ラリー。新城市さんからは2日間で4万9,000人の来場者があったという報告をいただいております。昨年の11月の頭にありましたので、4か月半ぐらいでまたもう一回ということでございますが、これは、今年の、2019年秋にですね、世界ラリー選手権を誘致しようということで、バッティングするので半年前倒しをしたということで、今までは日本ラリー選手権の最終戦でありましたが、今回は第2戦ということでございました。結果は、世界ラリー選手権、今年の秋はですね、ちょっと誘致がかなわなかったんですが、2020年の秋開催、この愛知県と岐阜県でですね、開催ということで、今、中身を詰めております。昨日もWRCのですね、関係者等々ともお会いをいたしまして、視察に来ていただいていましたので、そんなこともやっておりますが。
 ちなみに、そういうことと、週末の天気が少し、気温も低かったということと雨の予報だったということで、去年の11月は5万4,000人、今回、4万9,000人。僕はもっと減るかなと思ったんですが、それでも、ほぼ同じぐらいの規模の方がね、来ていただいたので、本当に定着したのかなというふうに思います。
 私も、TOYOTA GAZOO Racingのアンバサダーの脇阪さん、脇阪さんに運転していただいて、トヨタ自動車が今度出すGRスープラ、17年ぶりに発売ということだそうでございますが、それに乗らさせていただきましたが。大変、園内道路をね、園内道路を4周ぐらいしましたけども、大変気持ち良く乗らせていただきました。
 いずれにしてもですね、このラリー、モータースポーツ、またしっかりと愛知県から発信をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

(2)愛知県立瀬戸つばき特別支援学校の開校について
(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/tokubetsushienkyoiku/tsubakikaikou.html)

 愛知県立瀬戸つばき特別支援学校の開校について申し上げます。
 県立春日台特別支援学校の過大化による教室不足を解消するため、今年の4月1日、瀬戸市南山口町に、知的障害のある児童生徒を対象とした瀬戸つばき特別支援学校を開校します。
 尾張北東地区に知的障害特別支援学校を新設してほしいと、かねてから要望いただいてきた保護者や地域の方々にも喜んでいただけるものと考えております。
 というのはですね、この地域の子供たちは今の春日井市の春日台特別支援学校に通っていただいておりますが、この平成31年度にはですね、450人を超えるということが見込まれることからですね、地域から、この尾張北東地区の知的障害特別支援学校開設、新設の要望が出されておりました。また、三好特別支援学校の教室不足の解消、長時間通学の解消ということも課題であったことから、今回、この瀬戸市の県有地である、旧みなみやまグランド、これはですね、愛知県立大学のもうちょっと北のところでありますが、そこにあった県有地のグラウンド、職員の厚生施設としてのグラウンドなのでちょっといろいろな思いがありましたが、それは借りればいいということでですね、もうとにかく一から土地を造ってたら大変だということで、あるものを使えということで指示をして、ここに瀬戸つばき特別支援学校というのを作ったということでございます。
 これは、瀬戸市の自然豊かな素晴らしい地域環境を生かしながら、児童生徒一人一人の適性に応じた教育を展開をいたします。また、地域とのつながりを大切にした特色ある取組を工夫することで、学校が活性していくのではないかと考えております。
 開校に先立ち、25日に報道関係者と招待者を対象として内覧会を行いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 本県では、現行の「愛知県特別支援教育推進計画(愛知・つながりプラン)」に基づきまして、教室不足解消のための特別支援学校の新設、通学環境の改善のためのスクールバスの増車など、教育的ニーズや障害特性に応じた教育環境の整備を着実に進めてまいりました。
 さらに、県立安城特別支援学校の過大化解消と併せて、肢体不自由の児童生徒を対象とする県立岡崎特別支援学校の長時間通学解消のため、次は2022年を目途に、西尾市内に知的障害と肢体不自由の学級を併置する新設校を設置することといたしております。ですから、ちょうど3年後ですね、3年後に西尾市に開設をしたいというふうに思っております。
 今後も、昨年12月に策定した「愛知・つながりプラン2023」に基づいて、障害のある子供たちの教育環境の改善のためにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 資料を御覧をいただければと思いますが、こういったイメージ図といいますかね、こういった形で出来上がるということでございます。
 25日月曜日に内覧会を行いますので、よろしくお願いいたします。
 裏に概要が書いてありますが、学校概要としてはですね、48学級、児童生徒数250人、教職員113人。敷地面積は3万1,000平方メートルで、校舎延床8,300平方メートルということでございます。
 通学範囲はですね、春日井市の南部、それから瀬戸市、尾張旭市、これが春日台特別支援学校の今、行っている子供たち。そして、長久手市、豊田市の山間部は今、三好特別支援学校に行っている子供たちをこちらに来ていただくということでございますのでですね、春日台特別支援学校の過大化はですね、これで解消ができるというふうに思っております。
 春日台特別支援学校は、これで生徒数が285名の平成31年度の見込みなので、大体解消できるかなと。三好特別支援学校が319名ということなんでございますが、まだまだこの三好特別支援学校のところは増えていくことが見込まれますので、引き続きですね、豊田市内への新設校の設置が必要と考えておりまして、豊田市さんから候補地として提案のあります南山国際高等学校・中学校の跡地につきまして、これはもう募集は停止しておりますが、まだ学校は続いているので、土地は豊田市さんの土地ということなので、そこを対象としてですね、今、豊田市と相談・協議しながら、そこに新たな豊田の特別支援学校をですね、開設できるかどうかをしっかりと検討していきたいというふうに思っております。そういった形で、一つ一つですね、着実に進めてまいります。
 なお、校名についてでありますが、資料の3、これは、瀬戸市の花である「つばき」の花言葉「控えめな優しさ、誇り」のように、障害のある児童生徒一人一人が誇りを持って個性を伸ばして自立をし、地域社会に根ざして活躍できるようにとの願いを込めた校名といたしました。
 去年の4月に大府もちのき特別支援学校を開校しました。これも、もちのきは大府市の木だね。
 地元の皆さんの愛着のあるものをですね、こうして名前に付けてですね、地元の皆さんに支えてもらう、かわいがってもらう、そういう特別支援学校にしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをしたいというふうに思っております。
 総事業費は43億円強かかったということでございますが、しっかりと進めてまいります。

(3)子どもの貧困対策を充実・強化するための「子どもが輝く未来基金」への寄附の募集開始について
(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/chiikifukushi/kodomomiraikikin.html)

 子供の貧困対策を充実・強化するための「子どもが輝く未来基金」への寄附の募集開始についてです。
 1月15日の定例記者会見でお伝えいたしました「子どもが輝く未来基金」の造成につきまして、3月12日に2月県議会で議決をいただき、この基金はできましたのでですね、本日から寄附の募集を開始をいたします。
 募集に当たりましては、発表資料に添付のあるリーフレットを作成をいたしましたので、御覧をいただきながらお聞きをいただければ。これでございます。
 このリーフレットにありますように、県内には7万人以上の子供が全国の一般世帯の半分以下の所得で暮らしていると推計をされます。こうした中、児童養護施設等で暮らす子供の大学等への進学支援や子供の孤食を防止し、安心して過ごせる居場所となる子ども食堂の取組を県内全域に広げていくことが必要です。
 子供たちに夢と希望を届けるために、御賛同いただける方からの御寄附を基金に積み立てて、児童養護施設入所児童等の自立支援、子ども食堂の開設支援、子ども食堂における子供の学習支援の三つの取組、五つの事業に活用させていただくことにより、県民の皆様とともに力を合わせて、支援が必要な子供たちを応援していく輪を広げてまいりたいと考えております。
 寄附の方法につきましては、リーフレットの裏面を御覧ください。「銀行等で振込」、「現金で納付」の方法がございます。このリーフレットが寄附申込書となっておりますので、県の主要機関やWebページからも入手できるということでございます。
 子供の貧困問題の解決に向けて、県として市町村と協力し、行政が行うべき役割をしっかりと果たしてまいります。県民の皆様におかれましては、子供の貧困対策への新たな取組に御理解をいただき、寄附等御協力を賜りますようによろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 この募集リーフレットをですね、県民事務所、福祉相談センター、保健所など県の主要機関や、そして市町村の窓口、また社会福祉協議会の窓口等で配布していただき、また、県のホームページでも呼び掛けていきたいというふうに思っております。
 なお、予算的にはですね、1年間でこの五つの事業で1,500万円、1年の予算、事業を考えておりまして、この今回2月補正で県から、県民の皆さんの寄附をいただいたものを原資に、2,500万円をもうこの基金に積み立てておりますので、当面、あと2,000万円をですね、御寄附をいただければ、3か年の事業ができると。4,500万円になりますのでね。ということで、まずは2,000万円をですね、目標にお願いができればかなというふうに思っております。
 また、五つの事業はですね、ここに書いてありますように児童養護施設入所児童等の自立支援ということでございまして、大学生入学準備金の支給、大学等受験費用の支給、退所費用。準備金が9月で、その後に、A、Bは今回で追加をするということであります。
 それから子ども食堂の支援、子ども食堂開設経費の助成、それから子ども食堂での学習支援実施に必要である学習参考書とかですね、児童図書などを買う費用の助成。これも新しいものでございます。
 また、県民の皆様の御支援を何とぞよろしくお願いを申し上げたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 事業の内容は、またこの資料を御覧いただければというふうに思っております。

(4)エアアジア・ジャパン株式会社との包括連携協定の締結について
(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kouku/renkei-airasia.html)

 エアアジア・ジャパン株式会社との包括連携協定の締結についてです。
 今、申し上げましたように、愛知県とエアアジア・ジャパンは、航空会社としては初となる包括連携協定を締結することといたしました。
 締結式は、3月22日にですね、午後、夕方ですね、午後5時25分から愛知県公館におきまして、エアアジア・グループのトニー・フェルナンデスCEOをお迎えをして行います。
 エアアジア・グループはアジア最大級のLCCでありまして、その日本法人であるエアアジア・ジャパンは、中部国際空港を本拠地とする唯一のエアラインでございます。
 現在、エアアジア・ジャパンは、国内での札幌線、国際線の台北便、また、昨年、エアアジアのグループ会社であるタイ・エアアジアXが中部−バンコク線に就航しております。今後、エアアジア・グループの中部国際空港での航空ネットワークの一層の拡大により、中部とアジア各地との交流がより活発となることが期待されます。
 こうしたことから、県としては、エアアジア・ジャパンと包括連携協定を締結することにより、県の施策との連携、あるいは県の関係部局を通じ、市町村や観光協会、交通事業者や観光事業者等の参画を得た連携など、効果的な施策を展開をしてまいります。
 具体的には、観光振興、食・農林水産業振興、産業振興、人材育成の各分野で様々な取組を進めます。既に実施している取組として、観光振興分野では、機内誌へ愛知県の観光情報を掲載をしていただいております。もう既に掲載していただいておりまして、今のこの冬季号、春夏秋冬あるんですね、年4回発行しているので。今のこの冬の号では犬山特集をね、やっていただいております。今年の夏、2019年の夏の号は、南知多町の離島や海の幸が見所、食べ頃というのをやっていただく。2019年の秋は、半田市の彼岸花が見所、2019年の冬、1年後は、豊田市の香嵐渓が見所と、こういうふうにやっていただきますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 今後はですね、例えば食・農林水産業振興分野としては西尾茶の機内PR、産業振興分野としては伝統工芸品の機内販売、人材育成の分野としてはエアアジア・ジャパン社員を県立高校へ特別講師として派遣することなどを検討をいたしております。
 観光面ではですね、今、申し上げた機内誌への掲載、それから名鉄グループと連携した中部−台北便就航記念キャンペーンということで、台湾から来た方に犬山市の城下町コースとか恵那峡遊覧コースとか伊賀コースなどをですね、名鉄さんと組んで観光していただくということとか、また、私どもは、タイ・エアアジアXの昨年の就航に伴って、タイのインフルエンサーを招へいした視察ツアーを昨年10月に実施をしておりまして、これは県が招待をしてね、SNS等で情報発信をいたしております。また、本県の地域活性化に通じることということで、常滑市、常滑商工会議所と連携をし、中部−札幌線を活用した「婚活フライト」を実施をいたしております。
 それから、食・農林水産業では、今、申し上げた西尾茶を活用したお菓子、あめですね、粉末の抹茶ラテなどを機内サービス用に無償提供をする、そういったサービスもやると。今後ですね、今後やるんですね、この春にやると。そして、県の食材を生かした機内食メニューも今後検討をするということです。
 産業振興としては、常滑焼とか有松絞りなどの県の伝統工芸品の機内販売の可能性について検討していただきます。
 また、県立小牧工業高校にこの4月から開設されます航空産業科でエアアジア・ジャパン社員を派遣した特別授業の実施というのも考えております。
 そうした四つの分野を中心としながら、ほかの分野も含め、同社と県が連携し様々な事業を展開をしていきたいというふうに思っております。
 愛知県とエアアジア・ジャパンの一層の協力・連携関係を強化をいたしまして、この地域の活性化、中部国際空港の更なる利用促進につなげていきたいというふうに思っております。
 ちなみにですね、中部国際空港のLCCの就航割合は、2018年の夏ダイヤでは13.1パーセント。関西国際空港は42.9パーセント、成田国際空港が30.6パーセントということなので、ここがまだ伸びしろがあると。ここが伸びていけば、やはり二本目の滑走路に向けてですね、やっぱり我々はしっかり取り組んでいかなきゃいけないということだと思います。
 ちなみに、今年の秋にはですね、LCCターミナルもオープンいたしますので、更にそれが伸びていく。今、中部国際空港、滑走路一本だと、年間発着回数のマックス、限度が15万回ということで、今年度は11万回をちょっと、届くか届かないかというところまで伸びてきておりますので。あと、LCCターミナルはフルに使いますと年間3万回の発着を受け入れることができるということなので、LCCターミナルができて、それが回転し出すと、もう足らなくなるということは見えておりますので、そういった形で二本目の滑走路に向けてしっかりと取り組んでいきたい。そしてあわせて、こうしたエアライン、エアアジア・ジャパンさん始めエアラインの皆さんともしっかり連携をして、需要の掘り起こしを進めていきたいというふうに思っております。
 私からは以上であります。

2 質疑応答
(1)エアアジア・ジャパン株式会社との包括連携協定の締結について
【質問】 エアアジア・ジャパン株式会社との包括連携協定の締結に向けて、知事が期待することを教えてください。
【知事】 私が大変重要視しているのは、やっぱり中部国際空港に本社、拠点を置くLCCのエアラインだということなんです。
 ですから、ここを拠点にですね、国内、それから特にエアアジア・グループはアジアをですね、マレーシアが本社ですけども、アジアに大変大きなネットワークを持ってますので、乗継等々も含めればですね、やはり相当大きな、非常に利便性があるというか便利だということなので、この中部国際空港に本社ということは、ここからアジアを中心にどんどんまた機材を増やしてですね、路線を増やしていただけるという可能性が大いにあるということなので、そういう点でやはりしっかり期待をしたいというふうに思います。
 むしろそういう中でエアアジア・ジャパンさんから、先ほど申し上げました機内誌にですね、愛知県の観光地のPR、宣伝等々をいっぱい載せていただいておりますし、様々に観光のツアー等々にも協力をしていただいている。それからまた、愛知県のですね、お茶だとか機内食等々そうしたもの、特産品も工芸品も含めて御協力いただくということもですね、有り難いなと思います。
 いずれにしても、とにかく中部国際空港を拠点にする、ここに本社を置くエアラインだということがね、やっぱりほかとはちょっと違うと思いますので、是非ここからね、更に路線をどんどんと増やしていただいて、そのネットワークが広がることを大いに期待をしたいというふうに思っています。

(2)豊田市における女子児童2人の転落死事案について
【質問】 豊田市の小学六年生の女児二人が自殺をしたとみられる事案について、知事の受け止めをお願いします。また、愛知県として対策など考えがあれば教えてください。
【知事】 豊田市のですね、小学生が2人、一緒に自ら命を絶つという痛ましい事件、事故がありました。大変切ないことだと思っております。
 心から御冥福をお祈り申し上げますとともにですね、御父兄の方は、このことでですね、同級生、学校はですね、動揺しないでほしいと。予定どおり卒業式をやり、予定どおり皆さん中学校に進学していっていただきたいという、そういうようなコメントをね、発せられておりまして、本当に親御さんのお気持ちを考えますとね、もう本当に切ない思いがいたします。
 御冥福をお祈りするとともにですね、もう二度とこういう悲しい事案がね、起きないように、我々大人がですね、しっかりと子供たちをケアし、カバーし、サポートをしていかなければならないということではないかというふうに思っております。
 我々県としては、こういった場合に、アドバイザーというかスクールカウンセラースーパーバイザーね。スーパーバイザーという形で。豊田市教育委員会にもそういったカウンセラーがおりますから、こちらはそうした各教育委員会、学校のカウンセラーをサポートするスーパーバイザーを、県教育委員会におりますので、すぐ派遣をして、学校の先生方、そしてまた、子供たちの実態把握、そしてカウンセリング等々でですね、対応させていただいております。
 まずはですね、いつも私申し上げるんですが、まずは事実関係、実態の把握。事実関係の把握ということが大事だと思いますので、その要因をですね、何でこんな悲しい事件、事案が起きてしまったのかという要因、実態、事実関係をね、しっかり把握をして、二度とこういうことが起きないようにその対策を組んでいくということだと思います。
 今、事実関係の把握等々に、これは今、学校と一緒に、豊田市教育委員会と一緒にやってるんだね。御遺族の意向もあるかと思いますが、できるだけ客観的な観点でね、事実関係の把握、そして再発の防止、そうしたことをしっかりとやっていければというふうに思っております。

(3)大阪府知事・大阪市長のダブル選挙について
【質問】 来月の統一地方選挙で大阪府知事と大阪市長のダブル選挙が行われますが、知事の所感をお願いします。
【知事】 もう早いもんで、この4年に一度の統一地方選挙もですね、今年は例年より1週間、天皇陛下のですね、御即位の関係もあり、1週間ちょっと早いということもあり、今週の木曜日、3月21日から知事選挙、始まるんですね。11ですか、11の知事選挙が始まる。来週金曜日、3月29日から県議選挙、市議選挙が始まると。4月の7日が前半戦、そして4月21日が後半戦ということでありますので、日本中ですね、大体ほとんどのところで県議選挙はありますので。そういう意味ではですね、大変重要な選挙の期間にね、突入するということだと思っておりますので、全国各地のですね、国民の皆さん、有権者の皆さんには、その地域をね、より身近なところ、地域をしっかりと、自分の住んでいるところ、働いているところを良くするために、まずは選挙に参加していただいて、しっかりとね、一票を投じていただけるようにお願いをしたいというふうに思います。
 そういう中で、この大阪のことについても大変注目されておりますが、統一地方選挙にあわせてですね、府議選挙、市議選挙があるので、そこをてこ入れをしようということで選挙に打って出るということについては、政治活動はね、それぞれの政治家の信念でありますので、これは私がコメントすることではないと思います。それぞれの皆さんがその思いを持ってね、有権者に訴えるということでありますので、その信念、信条、政策、しっかり訴えて、有権者の審判をいただくということではないかと。しっかりお訴えしていただければと思います。
 ただ、いろんなマスコミ等々で言われておりますが、私も正直驚きましたけれども、知事が市長選挙に出て市長が知事選挙に出ていくというクロス選というやり方はですね、任期が今年の11月なんで、その任期をジャンプするための手法、便法ということかもしれませんが、やはりクロス選というやり方については、率直に言って違和感が私もあります。各紙、ほぼ全ての新聞、メディア等がやはり同じように論評されておられますが、さすがにちょっと違和感があるなという気がいたします。
 ただ、それもね、それも含めて、やはりあとは有権者がどう評価し判断するかということではないかというふうに思っております。
 それからまた都構想についてはね、大阪はかつてですね、4年前にちょうど賛否拮抗して、1万票ですか、ぎりぎりのところで否決をされたということで、あの前の案はそれで民意が示されたということだと思いますが、新たな案をどう評価するかはそれぞれの個別の話なので、私はそれは地元の、大阪の府民、市民の皆さんが判断をしていただくということではないかというふうに思います。そういう選挙戦、議論をね、しっかりと見守りたいというふうに思っております。
 ということでありますが、ただ、一つ感想を、ちょっと申し上げさせていただきますとね、記者会見のときに、松井さん、市長さんのお二人の記者会見のときの後ろに緑のバックボードがあって、そこに「大阪の成長を止めるな」というのがどーんと大きく書いてあったんで、それは思わずですね、個人的な感想ですけど、思わずブラックジョークではないかというふうに思ってしまいました。
 率直に言って、大阪の課題というのは、大阪経済が成長していないということではないでしょうか。それは多くの方が言われているんだろうと思います。現に実際の数字がですね、示されておるわけでありまして。
 別によそのことを言うわけではありませんが、ちょうどリーマンショック、2008年秋のリーマンショックの後、2009年度、2010年度というのが日本経済も各地区の経済もぐーっとね、経済総生産落ち込んだ。大体ボトムが2009年度、2010年度であります。全国的にもそうだし、愛知県とか、東京都なんかも2010年度がボトムでありました。
 その2010年度の最後ぐらい、終わりぐらいのときに私が就任をして、知事選挙のときにも申し上げましたが、何とか崖にね、爪立てるようにはい上がろうということで様々な施策をね、産業空洞化対策減税基金等々やってまいりました。企業立地のですね、様々な助成、支援、手当て、そしてまた誘致、そしてまた企業団地の造成、スピード感を持ってですね、様々にやり、おかげさまでですね、直近の数字では2桁、17パーセント、愛知県の経済は伸びて、大阪府を抜いて全国2位の経済総生産、GDPというふうになりました。
 この間、大阪経済は5.7パーセント。全国平均が7.1パーセントの成長なので、全国平均に届いていないですね。届いていない。大阪府と愛知県では人口はですね、大阪府880万、愛知県が750万ですから、130万人愛知県のほうが少ない。2割近くうちより大阪府の方が人口多いんですけれども、経済は並んだというか、愛知県が抜いたということをどう見るかということだと思います。
 大阪はね、江戸期はやっぱりね、天下の台所。明治以降ね、西日本の中心としてあれだけのインフラ整備をね、鉄道、道路も全て大阪を起点にしている。そりゃ関西国際空港は2兆5,000億円の巨額の費用を投じて一気に二本滑走路を造る。正直言ってうらやましい限りです。やはり歴史と伝統のある大都市ですから、町のつくりは正直言って名古屋の倍、倍以上じゃないですかね。つくりも大きいしですね。今、観光客も、インバウンドも1,100万人、1,200万人もね、観光客の皆さん来ている。我々もしっかり参考にしなけりゃならないこと、追いかけていかなきゃならないこといっぱいあると思っておりますが、ただ一方で経済は伸びていかない、成長していない。そこをですね、どう見るかということではないかというふうに思います。
 私はね、やはり大阪の経済の現状、経済・産業の現状、停滞している現状、低迷している現状、成長していかない、そのことをですね、やはり虚心坦懐に受け止めてですね、どうやったらこれが反転攻勢できるのか、成長戦略を描けるのかということをですね、しっかりと考えて実行していくということが一番大きな課題ではないかなというふうに思います。
 やっぱり数字はうそをつきませんのでね。この結果をどう見るのかということを私は是非多くの、今回大阪はダブル選挙、クロス選挙、それからまた府議選挙、市議選挙。有権者の皆さんがね、投票できる大変大きな機会があるわけですから、私は、現状から目を背けてね、威勢のいいスローガンだけをね、言っていくということではなくて、やはりしっかりとね、今の現状を受け止めて、そして対策をしっかりやっていくということをね、やっていただきたいなというふうに思います。
 何といってもですね、これまでも、これからもですね、やっぱり大阪は西日本の中心であり続ける。まさに日本のリーダーの一つでありますから、我々もね、しっかり大阪を見習っていくとこはしっかり見習って、切磋琢磨しながらですね、日本を引っ張っていく。やっぱり日本の成長エンジンというのは、東・名・阪の三大都市圏が切磋琢磨しながら引っ張っていくということではないかと思いますので、そういった面でね、しっかりお考えをいただく必要があるのではないかということではないかというふうに思います。
 そのことはですね、むしろエール、エールを送りたいと、頑張ってほしいということをですね、申し上げたい。やはり大阪がきっちり成長すればね、我々も大変大きなメリットがありますので、そのことをですね、申し上げたいなというふうに思っております。
 ちょっと言い過ぎたかもしれませんが、率直な感想はむしろ、クロス選挙、都構想というよりも、あの「大阪の成長を止めるな」というあの看板は、正直言っていかがなものかというふうに思いましたけどね。
 数字見れば明らかなんですよ。全国平均の成長率に届いていないです。それをもって、ただプラスだからいいじゃないかということでは私はないと思うんでですね、やはりしっかりと大阪を成長させるために何をするのかと、大阪が成長するためにどうするのかと、大阪が成長するためにしっかりやり直すと、一からやり直すというようなことがね、やっぱり姿勢が必要ではないかというふうに思います。
 ちょっと辛口だったかもしれませんが、エールを送る、奮起をしていただくという意味で申し上げたいと。それと、我々もしっかりね、大阪って、もう我々のところよりもはるかな大都市ですから、名古屋に比べればはるかに風格のある大都市、大都会でありますしね。マスメディアのキー局もたくさんありますから。新たな文化も新たな発信力も、圧倒的な発信力ありますから。そういった面では大いに見習いですね、なかなか大阪のあの発信力のところまでは、吉本興業さんのパワーも含めてですね、なかなかそう簡単には届きませんが、見習って、しっかりとね、頑張っていきたいという思いを持っております。

(4)名古屋港浚渫土砂の中部国際空港沖への埋立事業について 
【質問】 名古屋港の浚渫(しゅんせつ)土砂を中部国際空港沖に埋め立てる事業について、間もなく環境影響評価書の準備書案が公開され、事業の具体的な内容が明らかになると聞いています。中部国際空港の二本目滑走路になると想定される西側の埋立てには15年かかる見通しで、知事が呼び掛けている2027年のリニア中央新幹線の開業には間に合わない可能性がありますが、どのように受け止めていますか。また、埋立てには漁業者の理解、同意が必要ですが、愛知県はどのように考えていますか。
【知事】 これは、中部地方整備局がかねてからですね、名古屋港の浚渫土砂の処分場を伊勢湾の中で探してきて、調査を重ねてきたというのは御案内のとおりでございます。いろんなところをね、調査をして、中部国際空港のエリア、それから四日市港の沖のところとか、いろんなところを探して、この中部国際空港の沖合といいますかね、このエリアが一番適切ではないかということで、今、絵を描いてですね、また、漁業者の皆様とも様々に協議、話合いを重ねているという状態でございます。
 そういう状況を我々ももちろん聞いているというか、一緒にそうした作業もね、取り組んでおりますので、十分といいますか全ては承知をしておりますが、まずはですね、あそこの海域を埋め立てて、そうした形で使っていくということについて、漁業者の皆さんの理解をいただかなきゃいけないので、そのことについてしっかりと話合いをしていく。
 当然我々、この愛知県内の水産振興、漁業振興に責任を持っておりますので、その漁業振興についてはですね、我々がしっかりとそのことについてサポートというか、もう漁業者の皆さんと一緒になって、一緒になって共同でね、取り組んでいくということでやっていきたいというふうに思っておりますし、中部地方整備局が事業主体ということでありますが、それは別に誰が事業主体ということじゃなくて、こういうのは一緒にやるに決まっているんでですね、中部地方整備局と我々愛知県とで一緒になってやり、そして名古屋港ですから、名古屋港管理組合でありますから、我々県、名古屋市まで一緒になってね、取り組んでいくということで進めていきたいというふうに思っております。
 そういった形で造っていきたいということでありますが、一方で、それをどういうふうに使うんだということになりますと、私はというか我々県としては、かねてからね、空港の二本目滑走路になりますねという話はずっと申し上げてきておりますのでですね、その空港の二本目滑走路をやるということを国の方に決断をしてもらえばですね、そういった段階から二本目滑走路といいますかね、空港事業としても取り組んでいくということになるんだろうというふうに思っています。
 ですから、それが急いだほうがいいということであれば、それはそこの事業と共同事業という形ですかね、今は港の、港湾の事業ですが、空港事業も入れ込んでですね、セットでやる。どういうふうな費用負担になるかというのはありますけれども、それでもって進捗を、そいつを早く進めていくということがあり得るんではないかというふうに思います。そうすればね、そうすれば時間は短縮できますわね。
 そういう意味で、先ほどこのLCCのときに申し上げましたが、今、大体11万回いくかいかない、ちょっと届かないぐらいかもしれませんけど、今年度。滑走路の今の一本の発着回数のマックスが15万回でありますので、ぐっぐっぐっと伸びてきているので、今の調子からいくと、もうあと二、三年で13万回は突破していくだろうと。そうなるとですね、もう空港はマックスってのはできなくてね、やっぱり夜間、滑走路の補修とかいろんなことがありますので、夜間の空いたときに補修工事みたいなことをこちょこちょやるんですね、メンテナンスを。それが全然全然できなくなるとなるとですね、空港の使用に非常に影響が出てきます。
 それと今でもですね、午前中とか夕方のですね、ラッシュ時にはもうお断りしている状態なんですね、もうこれ以上。ですから、そういう意味ではビジネスチャンスを逃しているということもありますので、15万回にぱんぱんになってから造ろうというんじゃ、そんなの1年や2年じゃできませんので。ですから今からね、今からしっかりと取り組んでいかなきゃいけないということだと思っています。
 それと、先ほど申し上げたLCCのターミナルは、あのターミナルで年間3万回の発着をですね、さばけますので。LCCターミナルができて、さっき申し上げた私ども中部国際空港はまだLCCの割合が13.1パーセント、関西国際空港は42.9パーセント。実に、43と13ですから30パーセントの開きがあるので、これが埋まっていけばですね、一気に15万回に近づいていくのではないか。それを見越しながら、にらみながらね、できるだけ早い機会に空港事業も入れ込んでね、やれたらいいなと。そういう形で今、思っておりますので、そこはしっかりまた話合いをしていければというふうに思います。
 それとあと、三重県さんともね、よく相談しなきゃいけないので。つい先月、私は川崎二郎先生ともね、ちょっとこの件で話しましたけど、川崎先生もね、中部国際空港やると決めたときの運輸大臣をやられてましたのでね、非常に思い入れが深いということと、前回、中部国際空港の漁業補償は、もちろん愛知県の海域ありますから愛知県の漁業者さんもそうですが、三重県側の漁業者さんにも漁業補償等々ね、あと水産振興をやってますので、また三重県さんともよく歩調を合わせながらね、やっていくということが必要ではないか。
 現に、津市と松阪市から高速船が来てますからね、空港にね。そういった意味で、またそういった航空事業もにらみながらね、我々はできるだけ早く決断し、踏み切って、二本目の滑走路に持っていきたい。そのことを引き続きですね、しっかり働き掛けをしていきたいというふうに思ってます。

【質問】 名古屋港の浚渫土砂を中部国際空港沖に埋め立てる事業について、中部地方整備局の計画では二本目滑走路の候補地とされる空港西側の埋立てに15年かかるのではないかと報道されていますが、空港事業と併せて行うことにより、埋立てを早めることができると考えますか。また、その際の具体的な方法について、どのように考えていますか。
【知事】 今、申し上げたように、現段階ではですね、空港事業として二本目の滑走路、今、やるということを国が決断をしておりませんのでですね。だから、我々がとにかく近い将来といいますかね、先々のことを考えて、もう航空需要は伸びていくから早く決断をして準備をしてやっていきたいということを申し上げているところなんですね。
 その一方で、名古屋港の浚渫土砂の処分場は必要だということですので、一番最適な場所はあの地域だということで港湾事業として絵を描いて、漁業者の皆さんと話を進めているということなんですが、これは空港事業としてですね、空港事業としても二本目滑走路をやるんだということになれば、そこの埋立事業に空港事業としての予算、事業費も投入できますから、ぐっと事業期間は短縮できると。一気に進められるということになるんではないかと思います。
 ですから、我々としては、一日も早くそういうふうに持っていきたいというふうに思います。できたら、先ほど申し上げたように、やはりリニア中央新幹線がね、やってくるまでには組んでおきたい。
 その頃になりますと、当然東京オリンピックを目指して羽田空港とかはいっぱい、東京都心部の空域も開放しながら便数を増やすということでありますが、それでも航空需要はまだまだ伸びていくと思いますので。リニアができれば、それと、あと中部国際空港もですね、首都圏のお客様にも御利用いただけるという可能性が非常に高くなってきますから、そういう意味では、それまでには何とか間に合わせていきたいなと、そういう思いであります。