- 東海地区を中心に活動中の愛知県稲沢市出身の3人組。身長186cm、体重150kgを超す巨体のTAKAOと、姉妹ボーカルMIKA、AKOで4年前に結成された。2016年10月からは、@FMにてレギュラーラジオ番組放送中。TAKAOは高校教師や介護職の経験を持つ優しき巨漢。数々のイベントを主催し、先輩アーティストSEAMOと共同でイベント「GOLDEN AMIGOS」も立ち上げる。
- シンガーソングライターの草分け的存在。歌手になることを目指して2002年から始めた路上ライブは05年に1000回に達し「路上の天使」と呼ばれた。03年にI WiSHのボーカルとしてデビューし「明日への扉」が大ヒット。「旅立ちの日に…」は卒業ソングの定番曲として人気を誇る。ライフワークとしてボランティア活動にも積極的に参加している。
更新日:2020年2月28日
愛知県では11月11日の「介護の日」に合わせ、同月10日に愛知県一宮市のショッピングセンターで「あいち介護の日フェア2019」を開催しました。当日は「介護」と「介護職」をテーマにした様々なトークショーやステージイベントで大変な盛り上がりをみせました。その中から、稲沢市出身の3人組ユニットマジカル♡パレードBEACHのメンバーで介護職経験のあるTAKAOさんと、介護・福祉サポーターのFEN-GIRLSの皆さんとのトークショー、そしてシンガーソングライターの川嶋あいさんのトークショーを振り返ります。
(司会・高井泉帆さん)
— まず、主催である愛知県の福祉局福祉部のかたにお話をうかがいます。このイベントで「介護」と「介護職」のことを皆さんに知ってもらう意義について教えてください。
- 愛知県:
- 現在の日本は超高齢社会です。愛知県でも4人に1人がお年寄りで、将来は3人に1人がお年寄りになると言われています。ここにお越しの皆さんの中でも介護と直面することになる方がいらっしゃることと思います。今回のイベントをきっかけに、今は関係が無い方にも介護について知っていただき、それぞれのお立場で行動するきっかけになればと思っています。また、介護の仕事は魅力が詰まっているお仕事です。私達が普段接する機会のある介護職の方も毎日「ありがとう」と言われてやりがいある仕事だとおっしゃいます。魅力あふれる仕事ということを多くの方に知っていただききたい、介護職にあるマイナスイメージを払拭できるイベントになればいいと思っています。
— 介護・福祉サポーターのFEN-GIRLSの中倉桃果さんと佐藤多恵さんにも加わっていただき、お話ししたいと思います。マジカル♡パレードBEACHのTAKAOさんは介護職を経験されていたそうですね。
- TAKAOさん:
- はい。7年ほど前、介護ヘルパーとして4年間、有料老人ホームで働いていました。日勤も夜勤もあり、食事や排泄、入浴の介助、たんの吸引などもしていました。
— 7年前を振り返って、今はどんな感情が残っていますか。
- TAKAOさん:
- 楽しく、やりがいがありました。今でもその施設には定期的に顔を出していますが、入居者の方が「おかえり」と言ってくださいます。

— 辛かった思い出もありますか。
- TAKAOさん:
- 体が大きいので苦労した部分はあります。移乗する際、テコの原理を使わず、腰を痛めることもありました。今、振り返ると体の使い方が下手でしたね。
— FEN-GIRLSのお二人は現役でいらっしゃいますが、お仕事される中で体の使い方は慣れてくるものですか?
- 中倉さん:
- 先輩が教えてれますし、法人内でも研修を取り入れているので、体を痛めない方法ができるようになります。
— 今の介護事情を教えてください。
- 中倉さん:
- 皆さん、「2025年問題」という言葉を聞いたことありますか?2025年には日本人の3人に1人が高齢者になります。これは介護を必要としている方と、その方々を支える担い手の割合が合わないということでもあります。私はデイサービスの介護職員をしていますが、介護の仕事はやりがいと魅力にあふれた業界なのに、それが知られていません。介護職を「きつい、汚い、暗い」というマイナスの3Kではなく「感動、感謝、感激」という明るいイメージに変えていきたいという思いを持って活動しています。
— 介護の仕事のやりがいを教えてください。どんな時にこの仕事をやっていて良かったと思いますか。
- 佐藤さん:
- 私は介護福祉施設の管理栄養士なので、献立を作り、皆さんが食事を食べている様子を見に行くと、「おいしかったよ」と言ってもらったり笑顔を見ることができて力になっています。年齢を重ねるごとに食べる力は弱くなっていきますが、介護職員や看護師、ご家族と協力しながら、その方が楽しみを持って食べていけるようにサポートしたい。この目標を達成できたときにやりがいを感じています。チーム力が介護業界ならではの魅力です。
— そんな思いを持ったお二人、介護の現場で頑張っていただきたいです。
- TAKAOさん:
- お二人がおっしゃったように、以前はマイナスのイメージがあったのですが、給料も上がってきているし、研修制度なども整ってきて働きやすい環境になっていると思います。ここにいる皆さんの中で、介護職に興味を持った方がいらっしゃったら、ぜひ相談ブース(イベント内設置)に立ち寄っていただければと思います。
— 川嶋さんは介護職というと、どんなイメージをお持ちですか。
- 川嶋さん:
- いろんな方々と接する仕事ですよね。十人十色でいろんな方がいると思いますので、介護職の方はそれぞれの個性、キャラクターを見ながら対応されているのかなと想像します。
— 介護業界は人手不足だと言われる中、介護に縁の無い方々のボランティア活動も注目されています。そういった活動をどう思われますか。
- 川嶋さん:
- ボランティアで参加することは介護を知る入り口になるのではないでしょうか。介護職は大変なイメージをお持ちの方が多いと思いますが、大変な中にも喜びが訪れたり、生まれたりする瞬間もあるはずです。そういうことは実際に人と接してみないと分からないので、体験するすごくいい機会ですよね。ボランティアが広がって、もっと身近になるといいですね。

— 川嶋さんは支え合うことの大切さを実感されたことはありますか。
- 川嶋さん:
- 私はデビュー前に路上ライブをずっとやっていて、路上で今のスタッフの皆さんと出会うことができました。デビューして16年、その方たちと一緒に活動して今では家族同然です。偶然の出会いも奇跡になり得るし、かけがえのない関係になり得ます。それは人との結びつきの中でもらえる宝物です。他人だけれども心が通い合える瞬間があるし、その人のために何かしてあげたいという関係になれるのだと感じました。
— 海外で学校建設などのボランティアをされているともお聞きしました。
- 川嶋さん:
- 発展途上国の中には、近所に学校がなかったり、親の仕事を手伝ったりして学校に行けない子どもたちがたくさんいます。建てた学校を実際に見に行ったこともありますが、身近な当たり前にあるものを幸せ、喜びに変えて子どもたちが生きている姿を見て、たくさんのエネルギーをもらいました。実際に現地で接してみないと分からなかったことです。
— 介護の仕事をされている方、目指そうとしている方にメッセージをお願いします。
- 川嶋さん:
- 大変なお仕事の中にも必ず人の笑顔やうれしい言葉に出会える瞬間があると思うので、思い切って踏み出していってほしいなと思います。そして行き詰まったときは一人で抱え込まず、周りの方々に相談してください。