取材:2016年12月20日
介護の仕事に就こうと思ったきっかけは、曾祖母の存在と父が介護福祉士とケアマネジャーの資格を持ち、介護施設で働いていることに影響を受けたからです。両親が共働きで、叔母の家に住んでいる曾祖母に面倒を見てもらっていました。叔母の家で晩御飯を食べ、たまにお風呂にも入って家に帰るという毎日でした。小学生のころから時代劇を見ていたせいか今は同年代と話すよりお年寄りと話が合うくらいです。介護の道に行こうと思ったのは高校3年生のとき。初めて進路を真剣に考えました。それまではミュージシャンやスポーツ選手になりたいと夢を抱いていました。
ちょうどそのころ、曾祖母の体調が悪くなって自宅で介護するようになり、曾祖母と接することで自分が得をしているような気分になっていました。父の背中を見て介護職に就きたいという気持ちもありました。中学生のとき、あまりにも勉強しない僕を父が職場の宿直室で勉強させていたことがあります。部屋を抜け出した僕を父が探したら、利用者さんに囲まれておしゃべりしていたなんてこともあったくらいです。
同級生に障がいを持つ子がいたせいか僕の周りには福祉関係の仕事に理解がある人も多くて応援してくれています。介護職に就きたいと言うと、今最もホットな職種だよねとか、いい仕事だよねと共感してくれることが多いです。僕自身も超高齢社会を迎えた今、最先端の仕事だと思っています。

父も僕が将来介護職に就きたいと話したとき、喜んでいたように見えました。ある日授業で習ったことをお父さんにどう思う?と尋ねたら1時間くらい熱弁されました。僕は身近に現場で働いている人の声が聞けるので、アドバンテージがあると思います。
将来は昭和の職人さんみたいに、仕事を生きがいにしたい。介護福祉士の資格と社会福祉士の資格も取りたいし、送迎で必要になるかもしれないので大型免許もほしいです。実習はまだですが、学校から一度施設見学に行きました。皆さんが楽しくワイワイやっていて、ここは楽園かと思いました。リラックスできますし毎日でも通いたいくらいです。ただ、対応が難しい方もいらっしゃると思うので、そこはスタッフ同士のコミュニケーションを取りつつ頑張りたいという思いを抱きました。
僕は職場体験やインターンシップで介護以外にも美容関係やスポーツジムなどに行って、色々な経験をした中で、これだと思ったのが介護でした。介護の仕事は人生の大先輩からいろいろな話が聞けて楽しいし自分のためにもなるということに気付きました。そこから徐々に介護職を意識しはじめて、父に介護職に就きたいと決意を話しました。父は、お前がやりたいならやりなさいと言ってくれて。今振り返ると顔が喜びでにやけてましたね。

進路についても、専門学校に行こうと思うと話したところ、大学でしっかりとした知識を学び、資格を取って働くよう言われました。父は他職種からの転職なので、自分の経験からアドバイスしてくれたのだと思います。そこで同朋大学のオープンキャンパスに行ったら先生と学生の距離が近く、一人ひとりの顔を見ながら授業をしてくれると思い、同朋大学に決めました。高校生の皆さんにも、気になったらとにかく飛び込んでやってみて!と言いたいです。
僕も父と同じようにゆくゆくはケアマネジャーになりたい。利用者さん一人ひとりの特徴を覚えて対応でき、現場にも入れる、そして新しい利用者さんの相談援助にも対応できるオールラウンダーになりたいです。