取材:2016年12月19日
中学校2年生のときの職場体験で高齢者施設へ行き、利用者の方とお話ししたりする中で、自分には介護の仕事が向いているのではないかと思ったことが、介護職を目指したきっかけです。元々、家が農家で両親が外で働いていたこともあり、おばあちゃんっ子でした。お付き合いで近所のおじいちゃん、おばあちゃんたちと話をすることも楽しく、人と関わる仕事に就きたいと思っていました。
高校は福祉実践コースに進学し、もっと深く勉強したいと専門学校に進学しました。目指しているのは信頼される介護福祉士になることです。コミュニケーションを重ねることで絆を深め、信頼関係を築いていくことが理想です。
介護の仕事というと移乗やトイレ介助、食事介助を思い浮かべがちですが、心のケアも介護職の仕事だと思います。学校で学んだことは現場で役に立ち、知識があるのと無いのとでは大きく違うと思います。もちろん現場に出て初めて分かることも多くあるので楽しみです。私は特別養護老人ホームで働きたいと希望していて、認知症や寝たきりの方に関わっていきたいと思っています。どのようなケア、サポートを行えば利用者さんが笑顔になれるのかを考えながら働きたいです。
ボランティアや実習で印象に残っているのは2年生のときの実習です。利用者さん1人を受け持って介護計画を作成しました。利用者さんの情報を分析し、ケアプランを作成していく際にコミュニケーションを重ねることでその方を深く知ることができてうれしかったです。打ち解けていくうちに笑顔がどんどん出るようになりました。利用者さんの笑顔や元気になられる変化が直接見られるのは介護職ならではだと思います。それをご家族に伝え、職員で共有していくことはやりがいの一つだと思います。

技術は学校で学べますが、一人ひとりに合った介護は実践していかないと分かりません。私も現場に出たら、一人ひとりに合った介護を少しずつ実践できればと思っています。お話をしながら、この方はどう思っているのか、こうした方が生活の質が上がるんじゃないかなど考えることが介護のやりがいだと思います。笑顔が見られたり、ありがとうと言ってもらえるのももちろん介護のやりがいですが、私は自分が行ったケアで、利用者の方が生きる幸せを感じていただける、その心の変化を見られることがやりがいです。
楽しくて仕方ない介護の仕事ですが、実習でターミナルケア(終末期)に入られた方がいて、その方が亡くなられたときは辛かったです。コミュニケーションが取れなかったので、どうしたらいいのかわかりませんでした。職員さんに教えてもらったのは、その方が安心できるように話し掛けるとのアドバイスです。耳は聞こえているので、お話することで安心されると知り、ターミナルケアは声掛けが大事だと学ぶことができました。
介護の道に進むことを、地域のおじいちゃん、おばあちゃんたちから「大変じゃないの?」と言われますが、両親や家族は賛成して応援してくれています。
進路に悩んでいる方がいたら、いろいろな面で視野を広げて見てほしいと思います。介護の仕事は人との関わりが好きな人、お年寄りが好きな人、子供が好きな人、優しい心を持った人には向いている仕事です。ありがとうと毎日言われますし、他の仕事にはないやりがいがあります。私自身は高校生のときに介護職員初任者研修の資格を取り、専門学校に入ってから福祉住環境コーディネーターや上級救命講習の資格を取得しました。そういった経験も現場で役立つのではないかと思っています。
