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働く人のゴカイ インタビュー

社会福祉法人よつ葉の会 特別養護老人ホーム瀬古の家 上西美穂さん

取材:2024年10月28日

シンプルにかっこいい!実習で感じて介護の道へ

 私は祖父母が遠方に住んでいて、たまたま帰省したときにデイサービスに行く祖父を見送ったことがありました。祖父は元々気難しいタイプの人で口数も少なく、笑ったところもあまり見たことがありませんでした。それがデイサービスにいざ出かけるとき、祖父の顔がすごく楽しそうだったんです。こんな柔らかな表情もするんだと驚きました。そのとき、中学生だった私は介護の仕事に興味を持ち、福祉の勉強ができる高校に進学しました。高校では、福祉の職種は介護職だけではなく、色々な職種の方が支援を必要とする人を支えていることを知りました。そんな中、実習に行った高齢者施設で、介護職は利用者さんの生活の中にいて、一番身近な立場で関わることができる職業だと知り、シンプルにかっこいいと思って介護職に就くことに決めました。利用者さんの生活をずっと見られる施設を希望して、介護福祉士の資格を取得後、今の法人に就職し6年目になります。

上西美穂さん

 介護職は、利用者さんのいろいろな変化を近くで見られることが魅力だと思います。自分が関わって関係を築くうちに、お話中の笑顔が増えたなとか、口数が増えたと感じるときはもちろん嬉しいですし、プラスの感情だけではなくちょっと怒ったりして心の動きが見られることも心を開いてくれたのかなと思える瞬間です。必ずしもプラスの感情ではなくても、ここから良い関係にもっていける一歩なのだと思うと、私はやりがいを感じます。何か思うことがあって、それを少し私に見せてくれたんだなと思うと、じゃあ次はこう関わってみようとか、こう話しかけてみようと考えるきっかけになります。そういう行動はしょっちゅうあるものではありません。アクションをくれれば一歩進むし、いろいろな支援を考えるきっかけや糸口になると感じます。

コンテスト出場で得た発見と気付き

 働き始めて4年目くらいのときに、介護技術や介護の基礎を学び直すきっかけになるのではないかと上司が「あいち介護技術コンテスト」への出場を勧めてくれました。コンテストと聞いて最初はちょっと構えてしまいましたし、もっとすごい素敵な支援をされる職員さんもたくさんいるのに、なぜ私が?という思いでした。しかし、上司と一緒に2022年大会を見学した際、自分だったらこうするとか、こんな声掛けをするんだと考えましたし、こんな支援の方法もあるのだと発見もありました。勉強になり、出場をきっかけにいろいろなことを学べると思ったので出場を決意しました。

上西美穂さん

 コンテストでは当日にならないと課題が分かりませんので、本番まで過去に出た課題を先輩に見てもらいながら練習したり、事前課題もいろいろな方に協力してもらって仕上げました。当日は10人が出場して私がトップバッター。出場者は他の出場者の発表は見ることができないのですが、1番目だと自分が終わったあと、他の出場者の発表の様子が全部見られます。他の方を見ることで、気付いたことがたくさんありました。あと、仲間の職員さんが応援に来てくださって心強かったし、高校の恩師も来てくださって、お世話になった方がたくさん見てくれたので、グランプリ受賞の報告ができたのは嬉しかった。プレッシャーは感じましたが、出場して良かったと思いました。
 コンテストの課題では、対象の方のペースに合わせることが重要なので、その後の支援でも時間はかかっても利用者さんは自分でやろうとしているからちょっと待ってみようとか、全部介助するのではなくて、ここは自分でやってもらおうと考えるようになりました。あとコンテストでは本当に基礎ができていないと難しい課題が多かったので、初めて学校で学んだときのことを思い出して、なぜこの支援をやるのかという根拠を考えながら支援をするようになったかなって思います。

どんな方に対してもうそをつかずまっすぐ関われる職員でありたい

 これまで色々な経験をさせていただいたので、自分の経験したことを今度は次の世代、後輩や介護の仕事を志す学生さんに伝えていけるような存在でありたいと思います。それは直接教えるだけでなく自分が現場に立つ姿、背中を見せるじゃないですけど、自分が現場に立つ姿で伝えていけるような存在になりたいです。介護職員として入居者さん目線に立てる支援をずっとしたいと思いますし、どんな方であってもうそをつかず、まっすぐに関われる職員でありたいと思います。

上西美穂さん

 介護の仕事って、きついと思われがちかもしれませんが、この仕事で一番大事なことは、利用者さんの生活をサポートすることです。技術は練習でいくらでもどうにかなります。一番必要なのはサポートとするための視点や考え方。ですから介護の技術とは関係なくても、自分の趣味や好きなことが伝えられれば利用者さんにとって刺激になったり、楽しくなれると思います。他にも一緒におやつを作ったり、おしゃべりしたり。それだけでも利用者さんの刺激になるし、変わっていくところが見られて、介護職の魅力を感じることができます。体力だけではない楽しいところがあるんだよ、と伝えたいですし、少しでも興味があったらボランティアなどに参加して、ぜひ現場を見に来ていただきたいです。現場を1回感じていただければ、面白いって思ってもらえるはずです。

社会福祉法人よつ葉の会 特別養護老人ホーム瀬古の家
社会福祉法人よつ葉の会 特別養護老人ホーム瀬古の家
社会福祉法人よつ葉の会 特別養護老人ホーム瀬古の家

住み慣れた地域社会の中で心豊かな生活ができるよう、自律支援のための介護サービスを充実させ、入居者さま、ご家族さまの意思を尊重しながら、笑顔あふれる地域に開かれた特別養護老人ホームを目指します。瀬古の家はユニット型で完全個室。介護が必要になってもご自分のペースでくらしていただきながら、顔なじみの職員が上質な介護サービスを提供しています。

問い合わせ先:社会福祉法人よつ葉の会 特別養護老人ホーム瀬古の家
名古屋市守山区瀬古東二丁目209-1

TEL:052-758-6201

URL:https://sekonoie.jp/

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