取材:2025年3月12日
- 大山さん:
- 私は、小さなころからお婆ちゃんが大好きでしたが、お婆ちゃんはフィリピンに住んでいて、日本から離れていたため、最期のとき、一緒に過ごすことができなかったことがずっと心残りでした。自分にも何かできることがあったのでは、と考えたことが介護の仕事に興味を持ったきっかけです。もともと世話好きで、母が特別養護老人ホームで介護の仕事をしていたこと、そして自分も母の事業所で高校生のときにアルバイトをしていたことも大きいです。実際に介護の仕事に触れて、私もやってみたいと思うようになりました。

- 後藤さん:
- 私は祖母がデイサービスでボランティア活動を行っていて、小さなころから高校2年生まで、よく一緒に連れて行ってもらっていました。祖母と一緒に配膳したり洗濯物を畳んだり。私はお爺ちゃん、お婆ちゃんたちと折り紙を折ったりお話したり。レクリエーションのときにマイクを持って歌うこともありました。子ども心に、自分も役に立っている気がして嬉しかったんです。だから小さいときからお年寄りがたくさん集まっているところが好きでしたし、仲良くしていたお年寄りが特養へ入所したときは、お昼休憩に特養へ遊びにいったりもしていました。そんな環境にいたので、進路を決めなければならない時期になって介護職を選びました。今は夢がかなって毎日楽しいです。
- 大山さん:
- 介護職の魅力はたくさんありますが、私は将来自分の親に介護が必要になったとき、仕事を通して学んだ知識とスキルが活かせることが魅力の一つだと思っています。利用者さんから「ありがとう」と言われるたびに、嬉しくて笑顔になります。それも私がどんなに疲れていても頑張ろうと思える理由です。

- 後藤さん:
- 私は利用者さんの歩んでこられた人生のお話を聞くのがすごく楽しいです。自分が生まれていないときのことを知るのは面白いですし、人生十色だなっていつも思います。私も大山さんと一緒で「ありがとう」と言ってもらえることはとても嬉しいのですが、中にはしゃべることが上手にできない利用者さんもいて、表情でニコッとされるだけでも幸せになります。
- 大山さん:
- 短大卒業後の進路を考えたとき、実はほかの職業も候補にあったのですが、やはり介護職が自分の性格にも合っていると思って介護の仕事に決めました。私は結構真面目で人見知りなところもあるので、決まった利用者さんと長い期間をかけて信頼関係を築いていけることが向いていると感じました。
- 後藤さん:
- 私は高校卒業後、専門的な介護を学んでから就職したわけではありませんが、介護職をずっとやりたいと思うばかりで、全く不安はありませんでした。むしろ楽しみが大きかったのを覚えています。入職前の2週間、研修をやってくださったのでそこで介助の仕事や介護職の基本を教えてもらいました。1週間は座学で2週間目は現場実習。先輩も優しく教えてくださったことで安心して入職できました。
- 大山さん:
- 介護職はキツいと言われることがありますが、若い世代の皆さんは、体験やボランティア活動などでお年寄りと触れ合い、コミュニケーションを取ることで考え方も変わってくると思います。お茶会などでお話しながら一緒にゲームをしたりお菓子を食べたりすれば楽しい記憶になります。交流会など、触れ合える機会を増やしていけるといいなと考えています。誰にでも両親や祖父母に介護が必要なときが将来必ずやってきます。そのとき、どうやって面倒を見ればいいのか知りたくありませんか。まずは想像してみてください。そして介護職に興味を持っていただきたいと思います。

- 後藤さん:
- 私は小さなころから祖母とデイサービスに通っていたので、レクリエーションが一番好きでした。リハビリも兼ねて楽しめるのがとてもいいと思っているので、今後もレクリエーションを学び、介護レクインストラクター(R)の資格を取得したいです。若い世代の方の中には介護の仕事において、人の気持ちを考えて行動することが難しいと感じることがあるかもしれません。でも、自分がされて嬉しいことをやってみたらどうでしょう。そう考えてもらえれば簡単だと思います。介護職はそんなに難しい仕事ではありません。自分もお年寄りも同じ人間です。自分がされて嬉しいことを一緒にやっていければ楽しめる仕事なのかなって思います。