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働く人のゴカイ インタビュー

社会福祉法人たんぽぽ福祉会 特別養護老人ホームたんぽぽ祢々の里 尾関亜也さん

取材:2025年6月27日

祖父母の介護にしっかり関われず後悔、超多忙なサラリーマンから介護の道へ

 私は介護老人保健施設(老健)に約8年勤務し、今の特別養護老人ホーム(特養)に入職して7年が経ちました。私が介護に最初に触れたのは、祖父母の介護を手伝った時です。当時は広告企画や店舗管理の仕事をしていてかなり忙しく、主に介護を担っていた看護師の母と一緒に介護に取り組みたかったものの、しっかり関われなかった後悔がありました。

尾関亜也さん

 祖父母が他界した後、私は十分に介護に関われていたのか?もう少しできることがあったのではないか…そして、自分が母の立場になったとき、母のように立ち回ることができるか、と疑問に思いました。同時にそれまでお金のことばかりだった仕事と福祉の仕事は、対局に近いところにあるのではないか。経験してみたいと思うようになりました。そこで、転職を機に介護の仕事を経験してみることに。母も「やりがいがある、いい仕事だよ」と応援してくれました。
 介護の仕事に就くことに不安はありませんでした。看護師やケアマネージャーの資格を持ち、訪問看護事業所等に携わっていた母が、小さいころから職場に何度か連れて行ってくれたこともあり、看護や介護が身近にあったからです。

介護の仕事のマイナスイメージは本当の介護の現場を知らないだけ

 転職時には、就職先を決めると同時に介護知識もきちんと知りたいと思い、当時のヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)取得に取り組みつつ仕事を始めました。
 仕事を始めて気付いたのは、介護は付加価値を見つけていく仕事だということ。一つひとつの作業や業務に対して、ただ何かを行うのではなく、介護の意味を持たせる。例えば1杯のお茶を出すとします。飲食店ならお客さまから注文を受け、希望のものをお渡しする。それが介護であれば、コップはこれでいいのかを検討します。ガラスは危ないし取手も必要です。温度はどうか?提供する机の高さはいいか。一人ひとりに合わせて1杯のお茶を出す、それがケアです。

尾関亜也さん

 加えて、「ありがとう」を言ったり言われたりすることが増えました。それは利用者さんやご家族からはもちろん職員間でも、「ありがとうございました」が飛び交っている。そんな職場は介護現場以外ではなかなか無いのではないかと思うと同時に、それが魅力の一つなのかなと思います。
 どんな仕事でもきつく、ストレスを感じるはずです。職種ごとに、そのストレスの種類が異なり自分に合っているか合わないか、だと私は思っています。介護の現場は気軽に見られる環境ではないので、きつい、汚いというイメージだけが独り歩きをしている部分もあるのかなと感じています。レクリエーションを行っているのを見て、きつくて耐えられないと思う人は多分いないでしょう。やはり、突出してマイナスイメージがある人は本当にただ知らないだけなのかなと思います。

働く事業所やサービスで違う介護の仕事、イメージで敬遠するのはもったいない!

 昨年にはケアマネジャーの研修も修了し、その他の介護に関する資格も色々と取得し、今後のキャリアプランとしては、高校の実習生や技能実習生に、自分の得た知識や勉強してきたことを伝えていきたいと思っています。高校で実習に来て、卒業後に就職してくれた職員もいます。介護福祉士の資格を取ることがゴールではなく、自分の興味を持った分野、例えば福祉用具とか栄養とか医療とか、専門性を高めて働くのもいいと思います。色々なことに視野を広げて勉強して、モチベーションを保ちながら働き続けられるよう手助けすることが私の目標です。
 介護というのは自分の家族もいずれ必要になると思いますし、自分が年を取ったときに関わることになるものです。中高生ではまだ実感が無いとは思いますが、ただ、介護職の経験をして損をした、やるんじゃなかった、1年やってみたけど自分の人生に全く意味は無かったとは思わないはずです。いざ自分の両親が入院するとなったら、みんな大慌てです。でも介護に携わっていれば何が必要か、どんな話し合いをしなければならないかというのが分かるので、必ず役には立ちます。それと介護の仕事は働く事業所や選ぶサービスで1日の流れが随分違います。それを知らずに介護のイメージがきつい、汚いだけで敬遠してしまうのは、ちょっともったいない。自分の特性に合ったサービスや施設を選べばいい。自分の人生に関わる衣食住、医療、行政、老化など幅広い知識と経験が得られる仕事だと思います。

尾関亜也さん
社会福祉法人たんぽぽ福祉会 特別養護老人ホームたんぽぽ祢々の里
社会福祉法人たんぽぽ福祉会 特別養護老人ホームたんぽぽ祢々の里
社会福祉法人たんぽぽ福祉会 特別養護老人ホームたんぽぽ祢々の里

10人の小さな生活空間(ユニット)で、プライバシーを守りつつ、利用者とスタッフがお互いに馴染みの関係をつくりながら家庭的で温かい生活を過ごしていただきます。明るい笑顔と高いモラルを持った職員を育成。経営基盤を強化し、安心と信頼を提供します。

問い合わせ先:特別養護老人ホームたんぽぽ祢々の里
一宮市千秋町加納馬場字松下60番地

TEL:0586-77-7667

URL:http://www.tanpopo-fukushi.or.jp/nene/top.html

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