取材:2025年12月5日
僕は小さいころからお婆ちゃん子で、隣に住んでいたお婆ちゃんの家にしょっちゅう遊びに行っていました。お婆ちゃんは同世代のいろいろな友だちと交流していて、僕もその人たちの話を聞きながら、お年寄りはさまざまな経験をしていてすごいって思うようになったんです。戦争の話など勉強になることもたくさんあって、尊敬の気持ちを抱いていました。将来は高齢者の方々と関わりつつ人を助ける仕事をしたいと思うようになり、選んだのが介護の道です。知識を身につけて早く仕事がしたかったので、専門学校を選びました。
僕が介護の道に進んだことに対して両親は応援してくれています。そもそも僕が介護職に向いていると言ってくれたのも両親とお婆ちゃんで、「じゃあちょっと介護職について調べてみよう」と思って調べたら確かに自分に合っていそうと思ったことも介護の専門学校を選んだ理由の一つです。
4月に入学したばかりでまだ実習には行っていません。興味深い授業はたくさんあって、特に面白いのは「社会学」です。「社会学」というと難しくとらえがちですが、実は身近なテーマを扱うことが多くて。例えば家族とか、最近だと宗教の話もありました。そういった身近な集団を分析する。そこで新たな見方を学ぶことが多いです。普段、生活しているだけでは気付かない新たな視点を発見できる授業です。
実習はまだですが、グループホームと介護老人保健施設にボランティアへ行きました。行く前と後では認知症に対する考え方が変わったように感じます。以前は認知症について、5秒前の会話も分からなくなるくらい何もかも忘れてしまうというイメージでした。でも僕が行ったグループホームでは、一見、普通の高齢者の方が暮らしていて会話もスムーズでした。認知症の進行度も人によって違うのかもしれません。
老健でのボランティアでは、ちょうど夏祭りのイベントをやっていて、屋台も出ていました。僕はかき氷の屋台を手伝っていて、ある利用者さんとやり取りしたのですが、その方はコミュニケーションを取るのが難しい方でした。その利用者さんに「どのシロップがいいですか?」と聞いても反応が薄くて、どれがいいのか分からなかったんです。最初はすごく焦ったのですが、僕が一つひとつイチゴ、メロン、レモンと指差ししながら聞いたところ、その方が好きなシロップを指差したときにちょっと反応がありまして。その時は、「あ!コミュニケーションが取れたんだな」って嬉しかったのを覚えています。言葉でのコミュニケーションが難しい相手でも、工夫すれば通じるんだと分かった瞬間でした。
まだボランティアでしか現場を見ていないのでよく分かっていないところがあるとは思いますが、僕が思う介護職の魅力は、やっぱり人助けができるところです。2つの施設に行ってみて、利用者の方も職員さんも和気あいあいとしていました。こんな温かさを感じる仕事って他にはなかなか無いのではないかと思います。職員さんは皆、忙しそうにはされていますがいきいき働いていらっしゃると感じましたし、夏祭りイベントでは皆さん楽しそうにニコニコされていました。
僕が介護職員になったら、利用者さんにとって家族のような存在になりたいです。どんな施設に就職するかまだ分かりませんが、もし高齢者施設だったら孫のような、障害者施設だったら兄や弟のような存在。そんな温かな親近感を感じてもらいながら、頼りがいのある介護職員になりたいと思っています。
介護士って現状、大変な職業ですし、あまり良くないイメージを持っている人もいますが、人の役に立つことができて、やりがいが大きく、達成感が味わえる仕事だと思っています。でも、介護の仕事が誰にでも向いている仕事であるとは言えません。ボランティアで現場を見る機会もあるので、気になったら調べてみて、進路選択の候補として挙げるのがいいのではないでしょうか。自分に合っているかどうかはそれから考えてみても遅くないと思います。







