取材:2025年12月12日
介護職への道を選んだきっかけは母がデイサービスで働いていたことです。中学生のとき、母の職場を見学させてもらい、母が働いている姿を見て、素敵だなって思うと同時に職員さんたちと温かい雰囲気をつくり上げていらっしゃるのを見て憧れを抱きました。学校から行く職場体験ではなく個人的にお願いして見学だけさせてもらったのですが、すごく素敵な仕事だなって感じたことを覚えています。高校は家庭科と福祉を学べるヒューマンケア科に進学し、特別養護老人ホーム(特養)や障害者施設で実習をさせてもらいました。
高校卒業後の進路選択を考える際、両親に介護か福祉の道に進みたいと伝えると「やりたいなら、やればいい」との反応でした。聞いただけでは放任のように見えるかもしれませんが、私は信頼されていて自分の選択を応援してくれていると感じています。その証拠に、実習の際など口には出さなくても生活面でいろいろとサポートしてくれて、とてもありがたかったです。今思うと、私の緊張感が伝わっていたのかなとも思います。
周りの人の反応も、私には介護職が向いていると思ってくれる人が多く、友だちもヒューマンケア科の同級生が多かったので、介護や福祉の現場を分かった上で応援してくれています。
高校を卒業してすぐに就職せず短大に進学した理由の一番は不安です。もっと知識を身につけて、技術も高めてから現場に出た方が利用者さんにも安心していただけるし、自分も安心して働くことができるかなと思いました。
短大では面白い授業がいろいろあり、私は特に心理学系の授業に惹かれました。例えば「適応機制」という言葉。心の防衛反応とも言われますが、自分でも心当たりがあったりして興味深かったです。
実習はデイサービス、特養、介護老人保健施設、グループホームに行ったのですが、中でも印象に残っているのが特養でのある出来事です。1か月間の実習期間中に私がレクリエーションを行うことになり、利用者さんのリクエストで散歩をすることにしました。冬だったので結構寒かったですし、手洗い・消毒などをしっかり行い感染症にも気をつけなければなりません。もちろん職員さんにもサポートしていただき散歩を終えたところ、利用者さんがとても喜んでくださって。笑顔がたくさん見られただけでなく「工藤さんが来てくれて良かった」って言葉をいただいて、すごく嬉しかったです。
実習中はまだ技術的なことを習得できていない時期だったこともあり、なかなかうまくいかないこともありました。でも、実習を終えて習得とまではいかなくても、レベルを上げることができたと感じました。介護の現場で痛感したのは、利用者さんによって聞きやすい声のトーンや発音の仕方が違うということです。利用者さんそれぞれに聞きやすいよう工夫して伝えることが難しいけれど大切だということに気づきました。
いろいろな施設で実習させてもらって感じた介護職の魅力は、「ありがとう」の言葉を言ってもらえることだと思っています。人と直接関わり合えるところが一番素敵です。私自身、実はコミュニケーションを取ることがあまり得意ではありません。でも施設での職員さんと利用者さんを見ていると、目が合っただけでニコッと笑い合ったり、発語できなくても何を言いたいか分かるという場面があり、ちゃんと信頼関係が築けていてすごいって思いました。
今は就職先も決まり、介護福祉士の資格試験に向けて勉強中です。卒業後は、母がデイサービスでつくっていたような温かい雰囲気をつくれるような職員になりたいと思っています。
高校生の皆さんに伝えたいのは、介護の道って否定されることが多かったり応援されないこともあったりするかもしれませんが、自分が悩んで決めた道です。そこに間違いは無いと思うので、自信を持って進むためにも、ぜひたくさん悩んでください。







