取材:2026年2月18日
- 山口さん:
- 介護職に就いたきっかけは、特別な理由があったわけではありませんでした。2000年に介護保険制度が始まって介護が世間に注目されていたころ興味を持ち、2007年ごろに福祉とは全く関係無い職業から転職しました。世間を賑わせていたのでなんとなく、という感じです。不安も無いかわりに知識もありません。だからこそ、就職してから一生懸命勉強しました。技術的なことは先輩に教わり、知識は本を買ったり図書館で借りたりして必死でした。でも、今振り返ってみると、そのとき働きながら必死で勉強したことを、しんどいとは思いませんでした。若かったし、やる気はすごくありましたから。自分で言うのもおかしいですが、本当に頑張りました。
- 高野さん:
- 私は訪問介護をやっている友だちから、話を聞いたことが介護の仕事を知ったきっかけです。当時30代後半でしたが、介護の仕事で私でも人の役に立てるのかなっと思ったときに、無理なく通える所でヘルパー2級の講習があることを知り、チャレンジしてみようと飛び込んだことが今に繋がりました。情報もあまり無かったことで、逆に不安を抱かずに就職できたように思います。
- 山口さん:
- 介護職のやりがいについて、これまで意識したことがありませんでした。あらためて考えてみると、ケアが利用者さんにぴったりハマったと感じられることや、自分のことを頼りにしてくれることがモチベーションに繋がっています。自分のことをあてにしてくれるというか、「ありがとう」という言葉もよく言われますが、声を掛けられてお願いされることが嬉しいです。
- 高野さん:
- 私も求めているわけではありませんが、「ありがとう」と言われるとやはり嬉しいです。利用者さんの笑顔が見られると、良かったなって思います。自分のケアで利用者さんが笑顔になられると充実した気持ちになります。それが働く原動力になっています。
- 山口さん:
- 今、思うと前職は自分じゃなくても回っていく仕事だったのが、介護の仕事は交代制で任されることもあって、自分がいなければ成り立たないと感じることに手応えのようなものがあるのかもしれません。今、利用者さんと向き合う際に心がけていることは、「否定しない」ということです。自分の価値観で良いとか悪いとか決めつけない。利用者さんを受け入れ、利用者さんの気持ちに寄り添って心情を汲み取る、「受容と共感」ですね。それは入職したばかりの若いスタッフにもよく伝えています。
- 高野さん:
- 私が大切にしていることもそこに通じると思いますが、まずは聞くこと。利用者さんのお話に耳を傾ける。それと優しく声掛けすることです。利用者さんは目上の方。人生の大先輩でもあります。皆さん、自分の考え方や思いがあります。それを尊重する。やはり否定ではなく受け入れ。すべてを受け入れることはできないとしても、受け止めることが必要だと思っています。
- 山口さん:
- 介護の仕事を大変でキツい仕事だというイメージを持っている人に伝えたいのは、まずは経験してほしいということです。これは介護に限らず、他の仕事でもそうだと思います。情報があふれている中で、先入観だけで物事を判断するのはもったいない。自分がやってみてどうだったか、が正解なんじゃないかと思います。それと、今後AIに奪われる仕事がたくさん出てくるでしょう。でも、介護の仕事は人間がいる限り無くなりません。また、豊明苑では看取り介護も行っています。介護職は人の死と向き合う重い仕事でもありますが、こんな仕事、他にはありませんよね。
- 高野さん:
- 責任ある仕事でありながらも、思っている以上に笑えることが多いです。私はここに来てから毎日1回以上は必ず笑っています。
- 山口さん:
- 確かに笑いは多いです。
- 高野さん:
- イメージばかりが先行してしまっていますよね。
- 山口さん:
- 僕は今後、後輩たちに技術や心構えを伝えていきたいですね。若い人たちが主となって、やっていけるように。
- 高野さん:
- 私はこれからも介護技術や知識を学びたい。若い職員と一緒にスキルアップしていきたいと思っています。





