取材:2017年9月11日
もともと奈良県の出身で、実家にいたころは機械関連の工務店で働いていました。5年ほど勤めましたが、機械相手の仕事ではなく人と接する仕事がしたいと思うようになり、転職を決意しました。今の職場で働くことになったのは、叔父が施設長と知り合いで、紹介してもらったのが縁です。何の知識もないままの転職だったので、やっていけるか不安もありました。しかし職員の働く姿を見て、特に自分より若い同僚が「自分はこういう介護がしたい」と熱く語り、実践している姿はとても輝いていて、自分も同じようになりたいと思ったのです。このときの気持ちが原動力となり、介護の仕事未経験ながら転職して8年、頑張ってこられました。(哲次さん)
職場のある美浜町が地元の私は、母親と姉が看護師、おじいちゃんと同居という環境で育ったせいか、将来は医療や福祉の仕事に就くのかなと何となく思っていました。中学から大学まで地元を離れていたので、就職では戻るつもりでした。学生時代の夏休みに今の職場でアルバイトをしたこともありましたが、入職したばかりの頃はとにかく先輩の真似をしながら仕事を覚える毎日。資格の取得も働きながら目指していました。大変でしたが、一緒に資格取得を目指す同僚とモチベーションが同じだったこともあり、努力することがつらいどころか楽しかったです。(悠さん)
担当部門は別でも夫婦で同じ施設で働いていると、話しかけないようにしてしまうなど、変に意識してしまうところがあるかもしれません。でも、家に帰れば良き相談相手。お互い相談するときは客観的なアドバイスができるように、一歩引いて話を聞くようにしています。そうすることで、自分に置き換えて考えることができて、仕事に生かせています。(哲次さん)

相手の置かれている状況が分かるのは、同じ職種・職場ならではだと思います。例えば、早番が続いているから疲れているだろうなとか、気を遣うべきところが分かるのは、逆にストレスがなくて楽。それに主人も私の状況を分かってくれていると思える、安心感があります。家計の方も収入が安定しているので将来のために貯金はできますし、同じように介護職同士で結婚してマイホームを建てた同僚もいるので、生活する上での不安は感じません。(悠さん)
将来的には子どもはほしいと思っていますが、出産してしばらくしたら復職もしたいと考えています。法人で子育て支援制度があり、ママも働きやすい環境だと思います。実際、時短勤務で働いている正職員のママが多い職場なので、介護職は育児中の人も活躍できる職種だと感じています。(悠さん)

介護の仕事は人対人なので思うようにいかないことも多いですが、そこがやりがいだと思います。「簡単じゃない」ですが「何とかしたい」という気持ちが原動力になり、いろいろ考えながら工夫するのは楽しいものです。私が入ったばかりのころ年下の先輩が、得手不得手があっても協力し合って目標達成を目指すことが大切だと言っていましたが、確かに介護の仕事は一人ではできないこともあるので、一緒に働く仲間の存在は欠かせませんし、そんな仲間たちと出会えるのも介護の現場の特長といえるでしょう。(哲次さん)