取材:2018年1月13日
「あいち介護サポーターバンク」のことは、夏休みに入る前くらいに入ってきた折り込みチラシで知りました。参加することにしたのは、母の「行ってみたら?」という何気ない一言。私には障がいのある友達がいて、その子の手助けをすることが好きでしたし、高校生になってからはそういう気持ちが生かせるのは介護の仕事かなと考えていたんです。そこで、自宅で美容院を営んでいて、いつか介護施設へ出張美容に行ってみたいと思っていた母と一緒に勉強するつもりで登録を決めました。
研修に行ってみたら10代や20代の人はいなくて、それどころか母より上の世代が多くてびっくりしましたが、座学の他に、車いすの扱い方やエレベーターに乗ったときの動かし方、AEDの使い方など、2日間みっちり学ぶことができました。資格がないので現場で実際に扱うことはありませんでしたが、知ることができただけでも良かったと思っています。
夏休み期間中に、豊橋市内にあるデイサービス施設に数回行きました。あいち介護サポーターとしてのお仕事は午前中。毎回、朝一緒にラジオ体操をしてから自己紹介をするのですが、耳が遠い方もいるので大きな声でゆっくり言うことを意識しました。その後は利用者さんの作品づくりに同席して、のりの蓋を開けたりシールをはがしたりなどのお手伝いをして、お昼ご飯を運んだところで終了です。

施設の中はゆったりとした時間が流れていて、それがとっても心地良かったですね。2日連続で行っても私の名前を覚えていない利用者さんもいましたが、何かしてあげるたびに「ありがとう」と言ってくれたことはうれしく思いましたし、地元の豊橋についておしゃべりができたのも楽しかったです。
今は将来介護の仕事に就きたいと考えていて、介護福祉士の資格は取りたいと思っていますが、どんなところで働きたいのか決めるのはまだこれから。働く場所にはどういう施設があって、どんな仕事をするのかは実際に行かないと分からないと思うので、ちゃんと見てから決めたいです。だから、あいち介護サポーターバンクへの登録は施設の雰囲気を知ることができる良い機会にもなりました。

研修でも施設でも「高1なの?」「若いのに偉いね」と色々な人に言われましたが、やってみたくて登録したことなので、そう言われたことに私の方が驚きました。きっと年配の方が登録するイメージがあったんでしょうね。でも実際私がしたことはおしゃべりやちょっとしたお手伝いといった、利用者さんが良い時間を過ごすためのサポート。介護と聞くと、入浴やトイレの介助など少し大変なイメージを抱くかもしれませんが、残念ながら私たちにそこまでできる資格はありません。でも、利用者さんの役に立てることがあったのも確かです。今回、施設の方が利用者さんを抱えたりしているのを見て、もっと男の人や若い人が必要だと感じました。そうした現状を実感してもらうためにも、あいち介護サポーターバンクへたくさんの人に登録してほしいです。