取材:2018年10月30日
私は幼いころからおじいちゃん、おばあちゃん子でかわいがってもらった経験からお年寄りが大好きでした。おじいちゃん、おばあちゃんとは同じ敷地内に住んでいて、自分の家よりおじいちゃん、おばあちゃんの家にいる時間のほうが長かったくらいです。小学5年生のとき、将来何になろう?と母に相談したところ、お年寄りが大好きだから介護職はどうかと勧められ、そんな仕事があるんだと興味を持ち始めました。それからずっと私の夢は介護職になることです。
中学校のときの職業体験も高校のときのインターンシップも介護施設。介護の仕事をすることしか考えていませんでした。親や同級生からは「大変だけど大丈夫?」と言われることが多かったのですが、私が職業体験やインターンシップの体験後も変わらず志望していたことで、口だけではなく本当になりたいのだと応援してくれるようになりました。私自身も研修を通して充実感ややりがい、楽しさに触れて、夢を実現させたいという思いが確信に変わりました。
体験や実習で施設に行くのは本当に大好きでした。施設に足を踏み入れた瞬間から「できないことがあれば手助けしたい」という思いに駆られます。見ているだけで癒やされるのに、笑顔なんて見るともうたまりません。その上、ありがとうなんて言われるとすごく嬉しいです。

介護職というと、体力的に心配されることがありますが、学校で身体的な負担が少ない介助をできるボディメカニクスも習いましたし、小学2年生のときからバレーボールをやっていて体力、体幹には自信があります。バレーボールは重心移動が大事なスポーツなので、経験を介護に活かして利用者さんも安心安全に介助したいと思っています。
実習はデイサービス、グループホーム、特養、老健、在宅、訪問介護を経験しました。驚いたことがあったのですが、職員さんの名前を覚えられない認知症の利用者さんがいらっしゃいました。職員さんを呼ぶときはいつも「おーい」。私がある日、こっそり職員さんの名前を教えたところ、覚えてくれて「○○さん!」と職員さんを名前で呼んだんです。その職員さん、すごく驚いていました。覚えられないと思っていたのに、覚えてくれていて。私もその様子を見て、覚えられないと決めつけてはいけないなと思いました。
実習ではいろんな施設に行き、最後はいつも泣いてしまいました。夜勤や排泄介助も最初は抵抗がありましたが、実習後半は抵抗感もなくなりバリバリできるようになりました。それどころか排便があったことがうれしく思えるようになりました。便秘は良くないので、排便できると「良かったね!しっかり出たよ!」という感じで大喜びしました。

排泄したくて呼ばれたとき、少し遅れてしまって「すみません」と謝ったら「いいよー。申し訳ないね。ゴメンね」と逆に謝られてしまいました。その心の大らかさにいつも感動しますし、それを見て私も利用者さんへの接し方を考え直しました。自分を見つめ直すことができるのが介護の魅力だと思いますし、笑顔やありがとうの言葉を1日何回も言ってもらえるのは活力になります。ありがとうの言葉で頑張れます。
卒業したら介護職に就きますが、最初は業務を覚えて、慣れたら利用者さんに応じた介護を追求していきたいです。そして利用者さんをいきいきさせてあげられる、笑顔にしてあげられる介護福祉士になりたいです。そのためにはまず私が笑顔でいなければなりません。そこから始めていこうと思っています。