取材:2020年6月24日
私は高校を卒業してすぐ今の法人に入職していますが、通っていた学校は商業科でしたし、入学した当初は簿記の資格を生かし事務職として就職できればと考えていました。そんな私が、介護職の道に進むきっかけになったのが、3年時の担任の先生に勧められ、興味本位で足を運んだ介護施設の合同就職説明会。このとき祖母がとても喜んでくれて、将来、祖母に介護が必要になったときも役に立てるかなと考えたのです。説明会で仕事内容を聞いて抵抗がなかったこともあり、チャレンジしてみようと思いました。祖母が大好きなので、迷いはなかったです。
今思えば、先生が介護施設の合同就職説明会を勧めてくれたのは、2人で介護事務の話をしたことがあったからだと思います。「介護施設には事務もある」「それなら資格が生かせるかもしれない」といった会話でしたが、介護職として就職することになったのは、自分でも驚きです。
入職してすぐのころは、大変そうだと思いながらも、やってみなくては分からないと開き直っている自分がいました。また、同期たちは大学で福祉を学んでいたので、スタート地点の違いを不安に感じたこともありましたが、自分のペースでしかできないし比べても仕方がない、頑張るしかないと切り替えました。少しでも疑問に思うことがあれば先輩たちに聞いて、知識を吸収するのに必死だったことを覚えています。

入職4年目となり、たいていのことは慣れました。しかし、自分の仕事に対する不安がやわらぐことはあっても、全くなくなることはないと思っています。介護の現場は日々状況が変わり、対応も利用者さんによってさまざまです。その中で自信を持って仕事をしていくには、経験を積んでいくしかありません。もちろん常に責任が伴いますが、そこが介護職のやりがいでもあります。
今年の3月まで配属されていた特別養護老人ホームでは、元気なときから亡くなるまで関わらせていただいた利用者さんもみえました。このとき強く思ったのが、介護の仕事ほど人生に寄り添う仕事はないということ。4月にデイサービスへ異動してきてからも、この気持ちは変わりません。介護の現場は施設形態に関わらず、他の介護スタッフや、看護師などの異なる職種との連携が不可欠。1人の利用者さんに対し、複数のスタッフで関わっていきます。世代を超えた仲間ができるのも介護の現場の良いところなので、介護の仕事に少しでも興味があるようでしたら、ぜひチャレンジしてみてほしいです。

私はというと、実務者研修まで終えているので、次は介護福祉士の資格を取得することが目標。現場では、利用者さんにもスタッフにも信頼される職員を目指しています。特に利用者さんには孫のようにかわいがっていただいていて、ありがたいことではありますが、一職員として困ったときにこそ頼りにされる存在になりたいです。