取材:2020年8月24日
社会人になったら人と接する仕事、人の役に立つ仕事がしたいと考えていた私が、介護職の道へ進んだきっかけを挙げるとするなら、祖母の存在でしょうか。病気で目が不自由になってからも普段通り家事をこなす姿を見て、祖母も含めて将来介護が必要になった人を助けてあげたいと強く思ったのです。
学校で福祉を学んでいたわけではありませんでしたが、短大時代にインターンシップで介護施設へ行き、利用者さんと触れ合い、初めて介護の現場を目の当たりにします。私にできるかなと不安が頭をよぎったものの、祖母のためになるのであればと介護職の道に進むことを決心しました。
現在の会社に就職して3年ほど経ってから、祖母は亡くなってしまいましたが、要介護状態になった祖母をお風呂に入れてあげたり、食事の介助をしてあげたりなど、少しは役に立つことができて良かったです。
今の職場はサービス付き高齢者向け住宅で、利用者さんへの訪問介護が主な仕事。ケアプランに沿って、生活援助や入浴介助、排せつ介助などを行います。訪問介護はサービスを行う時間が決まっているので、事務作業など自分の他の仕事の予定が立てやすく、介護中はその利用者さんのためだけに時間が使えるので、一人一人と深く関わることができるんです。また、利用者さんは介護度の低い方が多いので、例えば排せつ介助もトイレ介助が中心。介護の仕事としては、特別養護老人ホームなどに比べるとやさしい方だと思います。

行事としては、フロアーごとで月に1回、誕生会を行っています。以前、介護サービスを利用する必要のない、身の回りのことはご自身でできる入居者さんのお祝いをしました。最初は遠慮して参加するのを拒まれていましたが、いざ誕生会が始まると涙ぐんでおられ、こちらまでうれしくなりました。そういう瞬間に出会えるのも、今の職場の素敵なところです。
ひとくちに介護の仕事といってもさまざまで、サービス付き高齢者向け住宅のような介護度が低い方のお世話をする施設があることも知ってほしいです。決して楽ではありませんが、コミュニケーションが取れる利用者さんも多い分、「ありがとう」といった感謝の言葉を聞く機会がたくさんあります。他の施設形態での勤務経験がある同僚によると、サービス付き高齢者向け住宅は働きやすいそうです。

私はというと、15名ほどいるスタッフの中で年齢的には若い方ですが、在職年数でみると中堅の部類に入ります。5年目に入り介護福祉士を目指すこともできますが、それよりもまずは目の前にある仕事に集中し、視野を広げることが先。そして、利用者さんや面会にみえるそのご家族、他のスタッフから今以上に頼りにされる職員になって、特に夜勤に入ったとき、利用者さんから「杉江さんが夜勤だと安心できる」と言われるようになりたいです。