取材:2020年8月21日
大学のコミュニティ福祉学科で学び、超高齢化社会や老老介護など社会問題も関心があったことから介護には興味がありました。しかし介護業界に就職しようと思ったのは、おじいちゃん、おばあちゃんと同居していて高齢者の方々が身近な存在だったことや、人の役に立ちたいと思っていたこと、高校・大学生のときボランティアで高齢者施設を訪問して、お話を聞くのが新鮮でもっと知りたい話したいと思った経験があったからです。
無資格・未経験で介護職になるには正直、不安もありましたが、興味の方が上回っていたので就職が決まってからは現場に行くのを楽しみにしていたくらいです。不安が軽減できた理由がほかにもあります。この会社の研修制度が充実していたからです。研修制度はこの会社を選んだ理由の一つで、現場に配置される前に介護技術や知識を学び、介護職員初任者研修の資格を取得しました。新卒の場合、入社後3年はフォローアップ研修を受けることができますので、研修所で同期と仲良くなって、知識や技術を学びながら「最近、どう?」なんて悩みを話したりもしています。
働き始めて思うのは、一人ひとりの入居者さまに寄り添っていくことで喜んでいただけることにやりがいを感じるということです。食事介助、排泄介助、掃除、夜間の見守りなど仕事は多岐にわたりますが、「ありがとう」と言われることが多く、当たり前のことをやらせていただいているだけなのに、すごく感謝されて介護の仕事に挑戦して良かったと思います。うまく言えないのですが、不安がっている方、悲しい顔をされている方でも、こちらが笑顔で話しかけると笑顔を返してくださる。その瞬間が嬉しいです。

また、介護の仕事は援助に入るときは入居者さまと1対1が多いのですが、チームワークが必要な仕事だと感じる場面もたくさんあります。さまざまな職種の職員が助け合って、入居者さまやご家族さまとコミュニケーションを取りながら、より良くしていこうという姿勢が、介護職っていいなーと思うポイントでもあります。
友達からはよく「大変そうな仕事」と言われますが、実際働いてみると、そうでもありません。私は介護の仕事にやりがいを感じていますし、全く苦ではありません。今も夜勤明けですが、元気ですよ!
今後は介護福祉士の資格を取得して、ゆくゆくはケアマネの資格も取って、その先には管理業務の仕事に就くことも考えています。でも本音を言うと私は現場が好きなので、できるだけ現場で長く働きたい気持ちもあります。

机に向かって事務の仕事をするより動いている方が好きですし、中学校のときは水泳、高校では陸上、大学ではラクロスをやっていたので体力にも自信があります。体力が無いからといってできない仕事ではありませんが、あったらあったでいいと思います。
こんな現場が好きな私でも、最初のころは入居者さんに触れることもできませんでした。食事やお風呂などその方に合った援助を考えていくのが怖かった、というか心配でした。それも慣れていくうちに入居者さんが信頼してくださるようになって、今ではいろいろなことを話せるようになりました。最初は自分の名前と天気のことくらいしか話せなかったんですよ。
中高生の皆さんの中には、介護の仕事を大変なだけの仕事と思っている方がいるかもしれません。年をとることは誰もが通る道です。当たり前の生活が当たり前にできなくなっていくことで抱く不安な気持ちに寄り添いながら援助していく中で、大変なこともあるかもしれませんが、とてもやりがいのある仕事だと思います。介護・福祉の専門校以外の学校や学部出身者でも研修制度が充実している会社や法人を選べば大丈夫です。ぜひ進路の一つとして検討してみてください。