取材:2020年10月26日
高校3年生で進路を決められずにいたころ、介護の仕事に就いている母が、その楽しさを教えてくれたことが介護職を意識したきっかけです。母は私に「介護の仕事が合っているのではないか」と勧めてくれました。母は障害がある方の介護の仕事をしていましたが、私は近所に住んでいるおばあちゃんが大好きで、お年寄りの介護の仕事をしたいと思いました。私は自分で話すことも、人の話を聞くことも大好きなのですが、特にお年寄りのお話を聞くのが楽しいです。自分の知らないことをたくさん知っているし、今では考えられないようなこと、例えば戦争の話とか聞けるのが勉強にもなります。地域のお年寄りと交流することも大好きなので、そんなところを母は見ていてくれたのだと思います。
しかし、いざ介護の勉強をしようと思い始めたとき、母はもちろん大賛成でしたが父が給料面で心配があると反対。でも一緒に求人票を見るうち、これくらいなら十分だと考え方を変えてくれました。今では自分の夢なんだから一生懸命やりなさいと応援してくれています。

実習に行ってみて困ったこともありました。コミュニケーションの点では、最初に話しかけるきっかけが見つからないことです。話好きですが、話すまでが難しい。実技でも学校で習ったことだけでは、対応できないことがあって指導者さんに聞くことも多かったですし、思っていたより難しいことがたくさんありました。
気持ち的に落ち込んだこともありましたが、それ以上に嬉しいこともたくさんありました。利用者さんが名前を覚えてくれたんです。普段の生活では当たり前のことかもしれませんが、とても嬉しかったです。また、「あなたの食事介助をまた体験したいな」って言ってくださる方もいて、介護の仕事を目指して良かったと思いました。
私は知識を身につけてから働きたいという気持ちがあったので専門学校に進みましたが、実習に行ったとき、学校で学んでおいて良かったと思った場面がたくさんありました。今通っている学校は先生たちが親身になって相談に乗ってくださり、アドバイスをいただけます。仲間と一緒に勉強できる点も心強いです。

介護の仕事の魅力は、いつもの関わり方、介助で良かったことも日時や利用者さんの機嫌、体調が変わることで変わってくることです。そこに対応していくことが難しいけど楽しいです。直接ありがとうと言ってもらえる職業は他にあまりないと思いますし、一般のイメージより楽しいことがたくさんあるので、もっと介護に興味を持ってくれる人が増えるといいなって思います。
将来は特別養護老人ホームで働き、利用者さんと長く関わっていく中で利用者さんに合った介助や生活を提供できる介護福祉士になりたいです。