取材:2021年4月21日
私が介護職を目指したきっかけは、仕事自体に興味があったことと、お年寄りが好きだったからです。それまで飲食店で働いていたのですが、仕事を変えたいと思っていたところだったのでチャレンジしてみようと思いました。
介護とは全く無縁でおじいちゃんやおばあちゃんと同居していたわけでもなかったので、介護の仕事がどういう仕事なのかも分からないまま。最初は不安しかありませんでした。でも、仕事を変えるとき不安なのはどの仕事でも同じです。

ただ、働く場所はオープニングの施設を希望していました。人間関係が一から始められることがオープニングの施設を希望した理由ですが、働き始めてみると他にもいいことがありました。それは最初のころ入居者さんがまだ決まっていなかったので、いろいろ学ぶ時間があったことです。実際、その間に初任者研修を修了し、まだ入居者さんのいないベッドを使って介護職経験がある先輩から移乗の方法やおむつの替え方など実践的なことを教えてもらうことができました。
実際に入居者さんのケアを始めるまで一番不安だったことは、おむつ交換です。人にとって一番大事なところだから、私にできるのだろうか?と。でも不安だったのは、実際にやってみるまで。慣れたら全く問題ありませんでした。

もし、介護職に就きたいけど、おむつ交換ができるかどうか不安だから踏み出せないという方がいたら、そこは気にしなくて大丈夫だよと言いたいです。仕事として割り切ってしまえば平気です。私も今では便が出たら「良かったな」と思います。
今の施設は自立できている方もいらっしゃるので、介護度が高い方のケア技術を学べる機会が多くはないのですが、これからもっと技術を磨き、会社のサポートを受けながら取れる資格はどんどん取っていきたいと思っています。
介護の仕事に就きたいと言ったときは「大丈夫?」って心配していた友達も、今では「すごいね」と言ってくれます。看護師をしている母も「大変そうだけど頑張っているね」と応援してくれています。
私は1日に何回も「ありがとう」と言われる介護の仕事にやりがいを感じていますし、頑張って資格を取ればお給料も上がるところが魅力だと思っています。また、先輩たちを見ていると結婚したり出産して一度辞めても再就職しやすいようですし、資格を持っていたらどこでも働けるところも将来性のある仕事だと実感しています。仕事はたくさんあるので、働こうと思えばどこでも働ける、それが介護職のいいところだと思います。

介護の仕事をやっていれば、将来、絶対自分の役に立ちます。親の介護もすることになるかもしれないので、やって損は無いでしょう。自分のおばあちゃんは私が子どものころに亡くなりました。今は介護の仕事をしているので、もしおばあちゃんが生きていたら、介護してあげたかった、もっと早く介護のことを知っていれば良かったと思うことがよくあります。
日本はどんどん少子高齢化が進み、介護職は今以上に必要な職業になっていきます。私たち若い世代がもっと介護に関心を持ち、介護職にも興味を持ってもらえると嬉しいです。
