取材:2021年4月21日
おじいちゃん・おばあちゃん子で育った私は、中学生のときから将来は2人の介護をしてあげたいと考えていたので、高校は福祉科のある学校に進学しました。卒業後は、もともと料理をするのが好きだったのと、調理師免許が取りたくて専門学校へ進みますが、仕事をするなら介護職以外は考えておらず、「福祉の道」へ戻りました。
介護の現場は、学校で習ったことだけじゃないと思っていたので、入職時に不安がなかったわけではありません。最初は戸惑うこともありましたが、先輩方が丁寧に教えてくださったことは、今も感謝しています。私の場合、慣れるまでは、家に帰ってから一日を振り返り、反省点を見つけて翌日の仕事に生かせるように「復習」を欠かしませんでした。アドバイスを素直に受け入れることも大切なのだと思います。
介護の仕事に就いて、一番喜んでくれたのは祖父母でした。祖母は一昨年亡くなってしまいましたが、仕事で身につけた知識や技術を生かしたケアもでき、おばあちゃん孝行ができたかなと思っています。
今年で入職7年目になり、昨年12月からは、自立されている利用者さんが多いグループホームに配属されています。その前までは特別養護老人ホームが職場で、今よりも利用者さんの数が多く、重い認知症の方もいらっしゃって、初めのころは時間に追われ、あせってしまうこともありました。ここで学んだ一つが、心にゆとりを持って仕事に取り組まなければならないということ。私たち職員の不安やあせりは、利用者さんにも伝わるので、気持ちの余裕を持つことは忘れないように心掛けています。

ケアマネジャーの資格取得が目指せるキャリアとなり、ゆくゆくは取得したいと思ってはいますが、まだまだ現場を続けたいです。なぜなら、利用者さんと関わることが何より好きですし、私のことを気にかけてくれる利用者さんがここにはいらっしゃいます。それと私の場合、動き回っている方が性に合っているんですよ。
介護の仕事の魅力は、利用者さんやそのご家族から、たくさんの「ありがとう」が聞けることと同時に、必要とされているのを感じながら働けることだと思っています。介護の仕事と聞くと、大変なイメージを持つ方が多いかもしれませんが、それを補って余りあるやりがいがあることは、声を大にして言いたいです。

人を相手に、人の役に立つことができるのが、介護の仕事。さらに、その人の人生にも寄り添います。利用者さんやそのご家族と深いところでつながることができたとき、いろいろな喜びが待っているんです。
介護の現場は、まだまだ人手を必要としています。少しでも興味があるようでしたら、ぜひお勧めしたいです。働きながら資格が取れますし、若い方しか始められない仕事ではありません。大切なのは、ただ一つだけ。「人が好きなこと」です。介護技術は後から付いてきます。あなたも一歩を踏み出してみませんか。
