取材:2021年10月27日
私は小学生のときから介護の道に進みたいと思っていました。小学校の卒業文集にも将来は介護士になりたいと書いています。きっかけは大好きだった親戚のおじさんが認知症になったことでした。優しかったおじさんが以前とは別人のようになって、どう接していいか分からず、話しかけることも出来なくなりました。「おじさん、バナナ食べる?」という会話すら出来なくて、その時私はすごく悲しく、悔しい気持ちになりました。
そして、こんな思いはしたくない。こうならないためにはどうしたらいいのだろうと考えました。知識があれば認知症になったとしても最期まで仲良くできたのではないかと思い、こんな気持ちを二度と味わわずに済むよう、自分は介護や認知症について勉強しようと決心しました。
中学校の職業体験は特別養護老人ホームに。高校生のときも夏休みは障害者施設やグループホームにボランティアで行っていました。その際も「めっちゃ楽しい!」というのが私の感想です。職員の方も利用者さんも喜んでくれるし、私もずっと介護の現場に興味があって、施設に行けるのが嬉しかったです。

高校生まで正直勉強はあまり得意ではなかったものの、大学の介護や福祉に関する授業は全て面白いと感じます。これまで漠然としか捉えられていなかったものを明確な言葉で教えてもらえる。こういう経験がこれから増えていくのだろうと思うと本当にワクワクします。
介護の仕事は大学を出ていなくてもできますが、大学や専門学校は自分の知りたいことをより深く専門的に学ぶことができる場所だと思います。少なくとも私にとっては、自分が興味のあることを楽しいと思いながら勉強できるところです。私が両親に「介護福祉士になりたい」と言ったとき、親は私が精神的にも体力的にも弱いことを知っているので、「人の死に耐えられるのか?」と心配したようですが、学校でターミナルケアのことを学んだことで少し不安を拭うことができました。
今、先生から紹介いただいた同朋大が連携するアカデミックケアホーム太閤というところでアルバイトをしています。アルバイトをするようになって思うことは、将来は自分がされたい介護ができる介護福祉士になりたいということです。職員の方の中には、「この人のこの介護のやり方いいなぁ。喋りかける言葉も柔らかくて、介助も丁寧で見本にしたい!」と色々勉強になるので目標にしたいです。

同時に、介護の仕事は、入居者さんの人生がより良くなるように考えることを仕事にできることが、「お金に代えられない楽しさがある」と感じています。
先日、バイト中にこんな出来事がありました。部屋の掃除をしようと思って道具を持って歩いていたら入居者さんから呼び止められて、手が痛くて開けられないから箱からチョコレート出してくれない?と話しかけられました。出したら「がんばっとるで、あなたにあげるわ」って言われて。お金に代えられない喜びを実感した瞬間でした。