取材:2022年3月7日
私は就職を見据えて進学したわけではなく、小学生のころから続けていたスポーツで大学まで進み、そのままそのスポーツに関する仕事に就きました。その仕事に不満はなかったのですが、コロナ禍で思うように働けず、「このままでいいのかな」と自分を見つめ直すきっかけになりました。母が看護師で、仕事の話を子どものころからよく聞いていたのですが、当時から命を預かる仕事に憧れはありました。そこで、あらためて人の助けになっていると実感できる仕事がしたいと思い、介護職をインターネットで検索し転職を決意したのです。
介護職は、未経験者でも求人があり、丁寧に仕事を教えてもらえるんだなと思いました。それまで縁のない業種でしたが、「誰でも最初は素人」という気持ちで介護の世界に飛び込んでみようと思ったので、不安は全くなかったですね。
入職後は、座学の研修を午前中にして、午後は現場のケアを先輩と一緒に行うことが多かったです。手厚いフォローもあって介護職の仕事を1から学ぶことができて良かったです。
介護職って「きつい」「つらい」などといわれていますが、どんな仕事でもつらいことってあると思います。私の場合、自分がやりたいと思って選んだ仕事なら、つらいことも気にならないはずだと思い転職しましたし、自分のやりたいことを仕事にした方が良いと考えます。

介護業界に転職する上で、両親の理解があったこともありがたかったです。子どものころからやってきたスポーツとは全く違う道なので少しだけ驚いていましたが、父は「いいじゃないか!自分で選んだことなら、楽しんでやれよ!」と応援してくれました。思い返せば、友達も介護職に対してマイナスイメージを持っている人がいなかったので、介護職の道に進むことが気にならなかったのかなと思います。
私の思う介護の仕事の魅力は、直接「ありがとう」「助かる」といった言葉をたくさん掛けていただけること。介護職ほど感謝の言葉を掛けていただける仕事は、なかなかないですよ。また、利用者さんと日常のささいなことを共有して、一緒に楽しめることもとてもやりがいになっています。とにかく仕事が楽しいです。はっきり自信を持って言えます。
他にも、人生の大先輩である利用者さんのいろいろな話が聞けるので、考え方の視野も頭の知識も広がるばかりです。利用者さんとのジェネレーションギャップも、私はむしろ楽しいんでいます。そう考えると、介護職は好奇心旺盛な人に向いている仕事かもしれません。
私が勤めている施設は、毎日同じ利用者さんが同じ生活を保つことがベースになりますが、同じことをただ繰り返していては退屈になってしまうかもしれないので、利用者さんの話をたくさん聞いて、思い出話で昔を思い出してもらうこともケアの一環と考えています。
介護職は、特別な能力が必要ありません。大事なのは、「人を思いやる心」を自分の中に持っていたいと思えること。若い方でも年齢の高い方でも、0から始められる仕事です。知識は研修や仕事で、コツコツ積んでいけば大丈夫。この記事を読んでいる方には、ぜひ介護職を目指してほしいです。
