第5回
職員と認知症の利用者が協力して家事を行い家庭的な雰囲気の中で暮らす「グループホーム」
取材協力:社会福祉法人尾張健友福祉会 萩原グループホームちあき 
所長 岩田衣代さん

少人数で共同生活をおくり認知症利用者の自立をサポート

 グループホームは「認知症対応型共同生活介護」といって、認知症のある高齢者の入居施設です。萩原グループホームちあきでは9人ごとのユニットが2つで18人。少人数で家庭的な雰囲気の中、共同生活を送っています。介護職員が食事作りも行っており、調理や掃除、洗濯などの家事も入居者さまに手伝ってもらいながら共同で行うことが理想。認知症の程度によっては難しい面もあるものの、できること、得意なことに参加していただいています。グループホームは小規模少人数なので職員や他の利用者さまとも馴染みの関係が作られ、お祭り参加や町内清掃など地域での交流が多いのも特徴です。
 グループホームの介護職員に必要なスキルは特にありませんが、認知症について学んでいくことは必要です。何ごとも否定せずにいつも笑顔でいることが一番良いと思います。

施設外観写真

自分の得意なことを活かしチームワークでケアに当たる

 利用者さまのうれしそうな顔が見られることが介護職の醍醐味です。楽しい企画で盛り上がると、利用者さまも職員も達成感、充実感に満たされてやって良かった、またやりたいと思え、それがやりがいに繋がっています。利用者さまと楽しく調理をしたり、編み物の得意な利用者さまに編み物を教えてもらったり。英語教員だった利用者さまに英語の発音を教えてもらったこともありました。アットホームな雰囲気の中で暮らしながら利用者さまの生活を支える仕事は、身体介護中心の介護職とは少し違うところがあると思います。
 グループホームでは入浴や食事の介助、排泄介助だけでなく主婦の経験、家事の経験を活かせる仕事が多くあります。食事作りが苦手な職員は入浴やレクリエーションを担当。それぞれが得意なことを活かせる職場でもあります。
 ここでは介護職、看護職、計画作成担当者ら20〜70代の幅広い年齢の職員がチームワークを活かして働いています。できることを協力し合って暮らす生活の場で、ぜひ皆さんの笑顔を活かしてください。

施設内写真

グループホームでの1日の仕事

今回学んだ入所施設との違いは…

社会福祉法人尾張健友福祉会 萩原グループホームちあき

社会福祉法人尾張健友福祉会は、地域で生活する人々が、健康で文化的な生活を営める「最後のよりどころ」になれるようにと考えています。その中で、認知症の症状が有り要介護認定された高齢者の方が、地域とふれあう環境を保ちつつ小規模の共同生活を営む施設がグループホームです。認知症の高齢者がスタッフの支援のもと、食事の支度や掃除、洗濯などを行い、自立して普通の生活を送ります。

問い合わせ先:萩原グループホームちあき
一宮市萩原町串作東沖12
TEL:0586-82-0637
URLhttps://chiaki.com/fukushi/page_1197.html