第1回

タブレットと介護記録ソフト導入で、職員の負担軽減、介護の質向上

話を聞いた人:特定非営利活動法人すみれ 
代表理事 五十川うたえさん

Q. 事業所での課題は?

利用者さんの記録を書くのに時間がかかってしまっていたことと、すべて紙媒体だったために保管場所の確保に限界がありました。紙に書いたものを読み返して、月末の報告書を書くのにも1日がかり。保管期限を過ぎた書類を手作業でシュレッダー処理をするにも相当の時間をかけていました。そこで、タブレットとソフトの導入によって記録、請求作業の効率化と、保管場所の問題を解決できないかと考え、2024年12月に記録作成と請求業務を一元管理できるソフトと、勤務する職員一人一台ずつのタブレット5台を導入しました。

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Q. 導入後の効果は?

記録作成の時短が進み、もともと少なかった残業がさらに減りました。タブレットだと文字の入力数にも限りがあり、本当に必要な記録、1か月後、半年後にその記録が活かされて新たな取り組みに繋がるのかなど、職員が考えて書くようになりました。本当に必要なことは何なのか。自分の思い込みだけで記録していなかったかを考えるきっかけにもなりました。紙の保管場所に関しても今後、徐々に効果が見えてくるはずです。加えて、申し送りの際に実際に見てみないと確認できない皮膚疾患などを写真で撮って経過が確認できたり、契約時に処方箋などの書類を利用者さん宅で撮って保存したりすることもできます。時間が短縮できた分、利用者さんの個別ケアについて話し合う時間が増え、レクの打ち合わせにも時間が使えるようになりました。

写真2

Q. 職員の反応は?

タブレットに触る前までは正直、不安がありました。でもやり始めたら割と早めに慣れることができたと思います。ソフトは使えば使うほど自分たちの使い勝手の良い仕様になっていきます。ケアマネジャー2人、介護職員6人、看護師1人の小規模な施設なので、みんなで情報共有し、提案し合いながら育ててきました。一人一台のタブレットに情報を集約できたことで、隙間時間にも入力作業ができるようになり、より直接介護業務に専念できる環境が整ったと感じています。

写真3
印象的だったエピソード

庭の植物の蕾を見て「こんな花が咲くよ」と画像を検索して利用者さんと楽しんだり、入院中の利用者さんの写真を面会時に撮り、職員と共有することができました。

特定非営利活動法人すみれ すみさん家

利用者さんの特性を踏まえ、能力に応じて自立した日常生活を送ることができるよう配慮してケアを提供しています。また、地域包括支援センターや他の居宅介護支援事業者、介護保険施設と連携。利用者さん同士やボランティアさんとの交流を通して社会との接点の場を持ち、地域密着型の通所介護(デイサービス)を実践しています。

特定非営利活動法人すみれ すみさん家
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