第2回

見守りセンサー機器を導入、実績重ね生産性向上推進体制加算Ⅰ取得を目指す

話を聞いた人:社会福祉法人カリヨン福祉会
特別養護老人ホーム カリヨンの郷「新千秋」
施設長 山本大樹さん
生産性向上委員会担当 村上真耶さん

Q. 事業所での課題は?

山本さん:

当施設では慢性的な人手不足という課題を抱えていました。特に夜間は職員1人で2ユニット(19人)の利用者さまを担当します。ナースコール対応、巡回、おむつ交換といった業務を一人でこなす必要があり、身体的、精神的な負担が大きく、職員の定着にも影響を及ぼしかねない状態でした。こうした課題を解決し、職員がより質の高いケアに集中できる環境を整えるため見守りシステム導入に至りました。

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Q. 導入後の効果は?

山本さん:

最も大きな効果として職員の巡回の負担が大幅に軽減されました。以前から使っているベッドセンサーは誤作動が多く、職員は夜間の不必要な訪室対応に多くの時間を費やしていました。しかし、システム導入後は部屋の状況をモニターで確認でき、状況を判断してから対応できるようになったため不必要な訪室の回数が減少しました。見守りシステムは今のところショートステイの1ユニット9床のみの導入なのですが、ショートステイは利用者さまが頻繁に入れ替わります。これまで利用者さまによって使い分けていたナースコール連動のベッドセンサーの設置と撤去を繰り返す必要が無くなり、利用者さまの状況を把握しつつ、必要なケアに集中できる環境が整ったと感じています。

村上さん:

ベッドセンサーが必要な利用者さまと、そうでない方が替わる都度ベッドを動かしてコードをつなぎ直す作業は結構な力仕事でしたし、時間もかかっていました。システム導入によりその時間が削減できただけでなく、体力的にも負担が軽減されました。

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Q. 職員の反応は?

村上さん:

私も含め、他の職員からもよく聞くのは巡回の安否確認の際、ドアの音や入室の気配で目覚めてしまう利用者さまがいらっしゃって申し訳なく思っていたのですが、モニターで状態が分かるようになり、本当に必要なときだけ訪室すればよくなったことで利用者さまの睡眠を妨げずに済むようになって良かったと思います。精神的な負担が減り、夜間の業務に安心して取り組めるようになりました。

山本さん:

導入が決まった際に業者の方が来てくださってレクチャーがあり、職員間でディスカッションしていくことで導入後の使用イメージを想像することができました。その後、合同研修という形で職員が使い方を学び、今ではどの職員もスムーズに使いこなせています。

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印象的だったエピソード

山本さん:

あるご利用者さまは立ち上がりが不安定で、夜間でも30分ごとにポータブルトイレへ移動を試みることがありました。以前はこの動きをベッドセンサーが感知するたびに職員が部屋に駆け付けていましたが、システム導入後は介助が必要な場合のみ訪室すればよくなりました。この事例は単に職員の負担を減らすだけでなく、ご利用者さま一人ひとりの行動パターンを把握し、ケアプランを立てる上でも役立っています。今後はすべてのユニットに配置することによって、特養の入居者さまの状況把握も行いたいです。看取りにおいても活動状況を把握することでより迅速な対応ができるものと考えています。そして、生産性向上推進体制加算Ⅰの取得を目指し、生産性向上を積極的に図ることで、職員の負担を軽減し安心安全を守りたいと思っています。

村上さん:

私たちが心のゆとりを持つことが、ケアの質向上にも繋がると思います。

社会福祉法人カリヨン福祉会 
特別養護老人ホーム カリヨンの郷「新千秋」

私たちはご利用者さまとご家族のこれまでの暮らし方・思いを大切にしています。お一人おひとりの個性や生活リズム、ご希望を尊重しながら安心してご利用いただけるよう、きめ細やかな質の高いサービスを提供しています。

社会福祉法人カリヨン福祉会 特別養護老人ホーム カリヨンの郷「新千秋」
問い合わせ先:特別養護老人ホーム カリヨンの郷「新千秋」
海部郡蟹江町新千秋後西34番地
TEL:0567-95-6700
URLhttps://shinchiaki.carillon.or.jp/