Q. 事業所での課題は?
当施設では、職員不足により施設の稼働率を十分に高められないという課題があり、現場職員の運用基準の見直しに加え、業務の効率化や人材の定着・確保につながるICT化の推進が急務であると考えていました。しかし、2010年に導入した介護ソフト以外にはICT機器の活用が進んでおらず、PC操作に不慣れな職員が多かったこともあり、施設全体のICT化は大きく遅れていました。また、見守りセンサーなどの機器を導入したくても、導入に係る費用や、職員のICT導入に対する否定的な意見があり、導入が困難な状況でした。
そこで、施設内に生産性向上委員会を発足。まずは現場の業務改善及び雇用管理改善に着手しました。直接介護業務の手順を見直し、マニュアル化。見守りセンサー導入や電話、ナースコール、見守りシステムの統合、そして通信インフラの整備を実施した結果、職員(特に夜勤帯)の不安と負担が軽減されました。更に、訪問介護事業所にも介護記録ソフトを導入。直行直帰が可能となり、ヘルパーの担当件数増加や報告時間の削減に繋がりました。
Q. 導入後の効果は?
夜勤時の職員の不安が少なくなるだけでなく、夜勤勤務時の歩数も1万3000歩から1万歩に約3000歩減少。これまで夜間の“様子見”訪室が約10回あったものが導入後は不要な訪室0回に。アラートに頼った訪室ケアではなく、事前に画面で確認できることで、適切なタイミングで訪室できるようになり、大幅に業務負担が軽減されました。訪問介護事業では、ソフト導入により訪問介護の記録業務が1件あたり約5分削減されました。分かりやすい画面であったことからICTが苦手な職員も即座に活用でき、不安が払拭されて自分たちもICTが使えるという自信が芽生えました。職員の中に新しい取り組みにも前向きな姿勢でチャレンジしようとする姿勢が生まれたことが一番の成果だと感じています。
Q. 職員の反応は?
肯定的な反応がほとんどでした。特に年配職員から当初は不安があったものの、実際に使用してみると便利で、業務改善によって生まれた時間をご利用者さまのケアに充てることができると前向きな意見が多く聞かれました。直感的な操作画面により、苦手意識が解消できたことも良かったです。
ICTに抵抗があると想定されていた年配職員が「便利な世の中になった」と喜んでいたのは予想外の反応で嬉しい誤算でした。私自身、ICTの専門家ではないという不安を抱えながら進めていましたが、伴走支援を受け、アドバイザーの方から励ましやアドバイスをいただくことで方向性の正しさを確認でき、自信を持って進めていくことができました。私たちの施設のように専門部署が建てられない規模の法人でも、さまざまなサポートを受け、導入できる仕組みがあることが分かったことも大きな収穫でした。
社会福祉法人知立福祉会 特養護老人ホームほほえみの里
利用される方がどこか懐かしく感じるような土壁と木を取り入れた空間。施設というよりはお家、ご家族と職員がふれあいながら作る大家族のような「もう一つの我が家」です。「心と心が通い合い、ともに笑顔で、地域の中に暮らす」を基本理念に、利用者の人権を尊び、真心を込めてサービスを提供します。


