実際にお子さんが介護職として働いていらっしゃる親御さんへインタビューしました。

お子さんが介護職の道に進んだきっかけから現在までの活躍の様子、また今後期待することなど、親目線ならではのお話をいただきました。

お婆ちゃんの要介護をきっかけに
介護職に転職した息子を家族で後押し

安城市の介護施設で働いている息子さん(26歳)の母親、東さん

取材日:2024年8月1日

今では新入社員の指導も資格取得目指し勉強中

 息子は子どものころからお爺ちゃん、お婆ちゃん子で、車で10分くらいのところに住んでいる私の両親の家にしょっちゅう行っていました。とても可愛がってくれて、遊びに連れていってもらったり実家で遊んだり。息子も庭の木を切ったり畑を手伝ったりして本当によく行き来していました。そんな仲良しのお婆ちゃんが脳梗塞で倒れて介護が必要になり、息子はかなり心配をしていました。そのころは別の仕事に就いていたのですが、仕事の合間を見てはお婆ちゃんのところへ行って、自分に何かできることがあるのではないかと思ったようです。介護職は人の役に立つ仕事でやりがいもあるから転職しようと思うと相談を受けました。
 私も介護の仕事について知っているとは言えないまでも、母のデイサービスへの送り迎えなどを通して仕事の内容はこういう感じかな?とは想像できます。でもいざその仕事に就くとなると見ているのとは違うと思いますし、相手は人間です。大変な仕事であることは間違いありません。でも介護の仕事は動けない方、困っている方を助ける仕事だと私は思っていて、息子にも自分が就きたい職であれば、いいと思うと伝えました。
 息子が介護の仕事に就いてからも、事故がないように、とは思いますが心配はしていません。やはり男の子なので自分からはあまり仕事の内容を細かく話しません(笑)。でも転職から6年経った今では、新しく入った職員さんを教える立場になり、介護福祉士の資格取得のための勉強もしていて、そのための講習も受けていると教えてくれました。

ギャップを感じることが多い介護職のイメージと実際の話

 世間で介護の仕事はキツイとか思っていらっしゃる方が多いと聞きますが、それはニュースなどで報道されている話が影響しているように感じます。私の周囲で介護の仕事に就いている人から実際に聞く話とは大きな差があります。介護職をしている知人は、利用者の方が喜んでくれるのが嬉しいとおっしゃっていますし、息子も同じようなことを言います。言葉がうまく出ない方の表情から気持ちを汲み取ってケアに反映できると嬉しいし、やりがいを感じると話していました。利用者の方は一人ひとり性格も体の状態も違うので簡単な仕事ではありませんが、利用者さんのために一生懸命やっているのが伝わってきますし、本人も自覚をもって取り組んでいると思います。
 実は以前、私はある総合病院の救急外来で夕方から夜にかけて受付の仕事をやっていた時期がありました。そのとき、息子が救急車で具合の悪くなった利用者の方を連れてきている場面に何度か居合わせたことがあります。ご家族の方が来られるまで気が気ではないはずです。私は何もしてあげることができませんが、責任ある仕事の一端を見た気がしました。

仕事に慣れても初心を大切に体に気をつけて頑張ってほしい

 息子は子どものころ、周りから見るとかなりのワンパクだったと思います。でも私からすると親ばかですが、とても優しい子です。私が重い荷物を持っていると持ってくれたり、いつも小さなことに気づいて助けてくれました。そんな性格がきっと今の仕事に生きているのではないかと思います。
 今後も、お年寄りを助けたいという初心を忘れず続けていってほしいです。仕事に慣れて上の立場になっていくと、また違ったプレッシャーを受け、介護の仕事に就いたころの思いを忘れてしまいそうになることもあるかもしれませんが、初心は大事にしてほしいです。
 これから資格も取得して責任も大きくなっていくと思いますが、あの子は耐えられる。乗り越えられるはずです。あとは体調のみ。体に気をつけて頑張ってほしいです。家族もみんな応援しています。