第2回
介護職員の気付きから始まる、食べる喜びのための連携
インタビュー:社会福祉法人愛生福祉会
特別養護老人ホーム庄内の里
管理栄養士 関根亜由子さん

栄養ケアに欠かせない介護職員の情報

 特別養護老人ホームで働く管理栄養士の仕事は、主に献立の作成とそれに伴う食材の注文、栄養ケア・マネジメントです。栄養ケア・マネジメントでは、利用者さまの咀嚼力、嚥下力、栄養状態を把握した上で食生活の希望や病気の状態を考慮しながら利用者さまごとに栄養ケアを行っています。利用者さまの様子や状態を一番よく知っているのが介護職の方なので、介護職の方が気付いた小さな変化を共有することは大切なことですし、なくてはならない情報です。

 当施設では、食べることは楽しいことであってほしいと、職員が協力して四季折々の行事を行っています。コロナ前は月に1回はバイキングも開催していました。夏祭りを盛大に行い、焼きそばやみたらし団子など屋台も出て近所の方たちと一緒に楽しみます。いつもと趣向が違う食事やイベントを通し利用者さまは季節を感じたり、楽しく食事したりすることができるのですが、介護職員さんや看護師さんの協力無しには行えません。準備を含め、職員全員の尽力あってこそ実現できることだと思います。

技術と丁寧な対応で利用者さまの快適な生活をつくる

 日々、介護職員の方はトイレやお風呂など身体介助を行いながら、ホールにいらっしゃる利用者さまの様子もうかがい、話を聞いています。ホールを気にしながら介助を行っているのを見ると、目はいくつあるんだろうと思うことがよくあります。
 実は私も初任者研修を受講して、移乗やシーツ交換を習いましたが、なかなかスムーズにはいきません。それが介護職の方は自然に移乗し、褥瘡じょくそうに繋がることがないよう、しわ一つ無くシーツを交換します。この技術と丁寧さが利用者さまの快適な生活に繋がっていくのだと常々感じています。利用者さまの手になり足になり、ときには目になって色々なことをお世話しているので、利用者さまもご家族さまからも感謝の声を耳にすることも多いです。介護職、看護職の人たちとお話するときも、そう言ってもらえると嬉しいし頑張れるという話はよく聞くので、そこが活力、やりがいにもなっているのでしょう。

利用者さまのため、共に寄り添いたい

 特養では看取りケアを行っているところが多いかと思います。以前、介護職の方たちの情報で看取りの際に役に立てたかなと思うことがありました。介護職の方が身体介助しているときに、ある男性の利用者さまが自分は伊勢の出身だと話をしたことがあったそうです。だんだん体力が落ちてきて、口から食べることが難しくなってきたとき、介護職の人が、そういえば伊勢うどんが食べたいと言っていたということを私に話してくれました。その利用者さまは極刻みというすごく細かくした食事をしている状態だったので、まず看護師さんに相談し、どうすれば提供することが可能だろうか検討しました。介護職が食事介助するとき看護師がしっかりと見守る。そして、麺のゆで時間を長くしてもっと柔らかくして、うどんの長さも短くしました。利用者さまはうどんを口に含み、しばらくもごもごして、ちゅうちゅう出汁を吸って。そして飲み込むことができた瞬間「おいしかったー」と笑顔を見せてくれました。
 利用者さまのためにできることは何だろう、して差し上げられること、家族さまや御本人さまが望むことに気づくのも介護職の人ですし、それを実現できたことも介護職の方たちの協力があってこそでした。それぞれの専門職が専門のスキルで提案して提供する。誰か一人欠けても実現できなかった。そう思うと介護職の人たちの存在は私にとっても、とても大きいものです。

介護職員さんへ応援メッセージ

利用者さまが穏やかで安心できる生活を送れるよう、共に寄り添い、一緒に取り組んでいきましょう!
利用者さまが穏やかで安心できる生活を送れるよう、共に寄り添い、一緒に取り組んでいきましょう!

介護職員さんへ応援メッセージ

  • N.M.様
    みんないい人で親切です。これからも仲良くしてください。お願いします。
  • O.F.様
    ここに入居させてもらって、イヤに思ったことはありません。これからもよろしくお願いします。
  • T.T.様
    私はおしゃべりが好きなので、おしゃべりに付き合ってくれてうれしいです。いつもありがとう。
  • T.S.様
    みんな頑張ってくれていると思う。ありがとう。
社会福祉法人愛生福祉会 特別養護老人ホーム庄内の里

「愛・誠実・謙虚・感謝」という4つの法人理念をもとに、ご利用者さまの豊かな生活のお手伝いをさせていただきます。看護部門と協力病院、地域の医療機関、居宅介護支援事業所との密な連携により、お一人おひとりの安全な生活をバックアップ。栄養士、調理師が心を込めて四季折々のおいしい食事を手作りしていることも特徴です。家族のような優しさとぬくもりに包まれて、笑顔の絶えない毎日をお過ごしください。

社会福祉法人愛生福祉会 特別養護老人ホーム庄内の里
問い合わせ先:社会福祉法人愛生会 庄内の里
愛知県名古屋市西区中小田井2−98
TEL:052-505-1165
URLhttps://www.aiseifukusikai.jp/facility/shonai/