
ばしょう踊は、雨乞踊りとして踊られた。今は開催日が決まっていないが、毎年8月に市民会館で開催される「いちのみや民俗芸能のつどい」で公演されている。
踊りは1人の武将と2人の鉦(かね)擦りが1組となり、4組出る。これに唄い手、笛吹きが加わる。武将は、太鼓を胸に付け、約3メートルの竹を12(12ヶ月を示す)に割き、それに1年の日数分の色紙を付け、中央に御幣を立てた芭蕉と呼ばれる指物を背負う。色紙は、雨乞祈願のときは白、お礼のときは緑、金、赤、銀、紫紺の5色と決まっている。唄には、「雨乞いかけ唄」「豊年踊りの唄」「ひねり踊り唄」などがあり、「ひねり踊り唄」は歌舞伎などの外題物の踊りである。
ばしょう踊の成立は不明であるが、古い記録として、同町の「大日加藤家文書」の中に天保14年(1843)に踊られたことが記載されている。昭和16年を最後に雨乞としては踊られなくなった。