愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

トップページへ戻る

紙本著色築城図屏風(しほんちゃくしょくちくじょうずびょうぶ)

分類 県指定
種別 絵画
所在地 名古屋市博物館
所有者等 名古屋市
指定(登録)年 昭和58年(1983)
時代 桃山末期

六曲一隻 55.8×210.2cm
小型屏風画面に所せましと描き込まれた人物や建物で埋め尽くされる。下部には、築城の工事の様子が表される。左二扇に巨岩を綱で曳く大勢の人夫、次に長い材木を並べて運ぶ工人たち、右は何台もの荷車に積んだ品々を運ぶ様子が周囲の雑踏を伴って描かれる。右端下部には幕が張られ、工事の喧騒をよそに宴を楽しむ武士たちも描かれる。一方、金雲を挟んで上部に右から城の外郭の様子、次に高く聳える石垣の上に威風堂々たる天守を細密に描く。左端2扇には金雲で三方取り囲まれるように 整然と並ぶ町屋や竹藪の外に芝居小屋と集まる人々など城下の賑わい風俗が描かれる。金雲の上部と下部で場面を分けた構成を破綻なくまとめ、しかも大勢の人物をいきいきと景観内におさめて表現する力量のある画家の筆による作品である。勢いある築城の普請の様子から慶長年間(1595~1615)までの制作が考えられる。

前へ戻る