分類 | 国・重要文化財 |
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種別 | 絵画 |
所在地 | 一宮市大和町 |
所有者等 | 妙興寺 |
指定(登録)年 | 昭和50年(1975) |
時代 | 室町 |

絹本墨画淡彩文殊図
一幅85.5㎝×37.3㎝
教典を持つ文殊が湧雲から上半身を現したところを描く。画面上部に空谷明応(1328~1407)の賛がある。賛者空谷明応は無極志玄(天竜寺2世)の法嗣で、足利義満の好遇を得て、相国寺、天竜寺等を歴任し、禅林五山の間に重きをなし、歿後仏日常光国師の称号を諡られている。本図賛は応永7年(1400)明応の北山等持寺在住時の筆で、73才晩年の気格が窺われる。絵の描写は流暢な運筆で児文殊の可憐な姿をよく写している。伝統的礼拝画としての文殊像より鑑賞的立場に移行する水墨文殊図の成立過程を示す遺例として、本図はきわめて貴重である。