分類 | 国・登録文化財 |
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種別 | 建造物 |
所在地 | 名古屋市熱田区神宮1-1-1 |
所有者等 | 熱田神宮 |
指定(登録)年 | 平成13年(2001) |
時代 | 江戸中期(1661~1750) |
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南東面全景
■登録理由
もと飛騨北東部の合掌造民家。入母屋造、平入の広間型平面で、下手にマヤとニワ、上手に仏間を挟んでデイとチョウダを前後に配する。股柱など構造形式からみて現存合掌造民家としては最古期に属し、城戸久調査指導による移築も最初期の民家移築保存例になる。
登録の基準 | 再現することが容易でないもの |
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■詳細解説
岐阜県吉城郡古川町細江字末真(すえざね)に所在していたが、昭和11(1936)年、名古屋市昭和区の神野金之助(かみのきんのすけ)氏の屋敷に移築され、同32年(1957)に熱田神宮に寄贈され、現在地に移築された。2度の移築は名古屋工大教授城戸久(きどひさし)の指導のもとに慎重に行われ古材の保存状態は良い。
入母屋屋根、平屋、合掌造(がっしょうつくり)民家。平入(ひらいり)の広間型平面で下手(しもて)にマヤとニワ(だいどこ)、上手(かみて)に仏間を挟んでデイという客間とチョウダという寝室を前後に配する。太い楢(なら)木の枝を利用した股柱(またばしら)、蛤刃(はまぐりは゛)の手斧(ちょうな)で仕上げた柱、広間は復原すると土間となるなどは古さを示す。
伝説によると、古川町末真より越中東街道を6キロ奥の数河(すごう)高原より江戸時代に移築されたと言う。高く積んだ茅棟抑えの破風に垂直に立てた「ハホザオ」と呼ぶ棒、杉皮巻きの棟抑え、柱の隅に残る雪囲いを留める小穴も独特で、豪雪地に建てられた事を偲ばせる。飛騨東北部の現存する合掌造民家として最古に属し貴重な遺構である。(長谷川良夫)