愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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滝学園本館・講堂(たきがくえんほんかん・こうどう)

分類 国・登録文化財
種別 建造物
所在地 江南市東野町米野1
所有者等 学校法人滝学園
指定(登録)年 平成13年(2001)
時代 本館:昭和元年(1926)
講堂:昭和8年(1933)

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本館正面

本館正面

■登録理由

本館

鉄筋コンクリート造、2階建、長大な主屋の両端に短い翼屋をつけた平面。簡明なデザインであるが、正面中央の頂部ペディメント付の玄関突出部、大屋根中央の時計塔など、地域の景観のシンボルとなっている。設計は村瀬國之助、施工は名古屋の安藤建設という。

登録の基準 国土の歴史的景観に寄与しているもの
講堂

滝学園は名古屋の豪商滝信四郎が創設した。講堂は鉄筋コンクリート造、屋根鉄骨トラス組で本館前広場の東側に建つ。無装飾に近い点が特徴で、正面に設けられた額縁を廻した3連出入口や、ペディメント風の屋根妻面などが、象徴性のある形態を構成している。

登録の基準 国土の歴史的景観に寄与しているもの

■詳細解説

講堂正面

講堂正面

滝実業学校は、実業家瀧信四郎が私財を投じて大正15年(1926)に設立した学校である。敷地は、当時、古知野町東野と呼ばれた瀧家の故郷にある。校地の近くには瀧家の旧本宅があり、瀧信四郎は地元の人々のために大正3年(1914)には、その本邸(旧宅)内に瀧文庫と呼ばれる図書室と講堂を設けていた。
現存する本館は、この滝実業学校の開校に合わせて建てられた校舎である。建物の平面は、正面中央に車寄(くるまよせ)の付いた玄関を設け、玄関ホールから両側に延びる廊下に沿って教室を配する「片廊下式」の平面であり、玄関を中心とした左右対称の平面になっている。そして、建物の両端は、手前に1教室分が張り出し、後方に3教室分が延びている。この平面形状に合わせて、外観では、正面中央に時計塔を立て、中央を強調している。建物の構造は、柱、梁、外壁と2階の床を鉄筋コンクリート造とし、1階の床、小屋組と屋根を木造とした混構造である。このような混構造は、大正末から昭和初期にかけて愛知県の各地で見られた構造形式である。
講堂は、昭和8年(1933)に竣工した建物で、後方に図書館が併設されている。構造は鉄筋コンクリート造で講堂の小屋組み部分を鉄骨造としている。講堂の収容人数は約1000人で、客席の一部は2階席になっている。中央正面に演壇があるが、竣工時には演壇の後方に奉安庫があった。また、演壇は演劇などに不向きであることから、客席側に増設している。
本館をはじめとした当時の滝実業学校の建物の設計は、建築家村瀬国之助(明治28年工手学校卒)に委ねられた。彼は陸軍や文部省の技手を歴任し、京都帝国大学や第15師団司令部の建設工事に従事したのち、大正時代から愛知県内で活動した建築家である。瀧信四郎が経営する株式会社瀧兵商店が開設した蒲郡ホテルの建設工事では、村瀬が監理を行っているほか、彼は、瀧の発案による蒲郡ホテルを核とした海浜リゾート開発の計画を作成している。(西澤泰彦)

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