分類 | 国・登録文化財 |
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種別 | 建造物 |
所在地 | 犬山市内山1(明治村) |
所有者等 | 財団法人 明治村 |
指定(登録)年 | 平成15年(2003) |
時代 | 明治42年(1909) |
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外観
■登録理由
煉瓦造の門で両側に脇門を備え、脇塀が接続する。門柱は赤煉瓦積角柱で胴部に3条の花崗岩の帯を巡らす。門柱頭部は箱形で蛇腹を廻す。鉄製門扉は戦中に供出されたものを移築時に復原した。細い竪格子を粗く配しており、円環と渦巻の装飾が軽快である。
登録の基準 | 造形の規範となっているもの |
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■詳細解説
第八高等学校正門は明治42年(1909)に名古屋の旧制第八高等学校の正門として建てられた。同校は明治27年(1894)の「高等学校令」に基づき設置された旧制高等学校の一つで、第一の東京からはじまり、仙台・京都・金沢・熊本・岡山・鹿児島に続き第八番目に名古屋に開校された。明治期に創設された旧制一高から旧制八高までは、政官界に卒業生を早く送り込んで後発の学校より優位に立ったため、他と区別するため特別に「ナンバースクール」と呼ばれた。
同校は当初、愛知県立第一中学校の校舎を借りて開校したが、翌明治42年(1909)、愛知県愛知郡呼続町大字瑞穂に木造瓦葺の新校舎が落成して移転した。校舎とともに建てられた門は、四本の門柱と鉄製の門扉、袖柵から構成されている。門柱は角柱で赤レンガに白御影石が三条帯状に配しており、鮮やかな色彩の対比が特徴的である。門柱頭部は箱形で蛇腹(じゃばら)を廻し、その上に飾電燈を置く。門扉、袖柵は細い鉄材で竪格子を構成しており、円環と渦巻きの装飾が全体を軽快に見せている。これらの鉄材は太平洋戦争中に供出されたが、移築に当り創建時の姿に戻された。
(石川新太郎)