愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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旧国鉄武豊港駅転車台(きゅうこくてつたけとよこうえきてんしゃだい)

分類 国登録
種別 建造物
所在地 武豊町字道仙田9-8
所有者等 武豊町
指定(登録)年 平成21年(2009年)
時代 昭和2年/平成14年改修

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全景

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■登録理由

衣浦湾に面する旧武豊港駅構内に残る貨物用の転車台。長さ7.3mの上路式のプレートガーター2基を各中央部で直交させ、中心の半球形支承と桁両端の車輪で受ける。貨車の方向転換を効率的に行うために考案された全国的にも残存例の少ない直角2線式転車台。

登録の基準 再現することが容易でないもの

■詳細解説

旧国鉄武豊港駅転車台は、当駅隣接地で操業していた旧ライジングサン石油(後のシェル石油)の油槽(ゆそう)所へ貨車を出入させるための転車台である。
転車台は、平成11年(1999)8月、武豊町立武豊小学校の5年生児童が「総合的な学習の時間」の授業の課題で、町の史跡を調べる歴史探訪に出かけた際に発見した遺構である。同年12月、小学生は学習の総仕上げとして、町長から町の歴史について話を聞いた際に保存を要望、これを契機に復元、保存の検討が始まった。転車台は、風雨にさらされ、傷みも激しかったが、小学生の声が町長に届き、平成13~14年度(2001~02)に、覆屋をかけるなど保存修理等が行われ、現在に至っている。
転車台のあった武豊線は、明治19年(1886)、旧武豊港の桟橋から熱田までの間に敷かれた愛知県下の最初の鉄道である。旧武豊港駅があった場所には開通100周年を記念した「武豊停車場跡地」の記念碑が建っている。武豊線敷設の目的は、武豊港が、高崎~大垣間(中山道線)の鉄道建設に伴う資材陸揚げの最適地であり、その後、東海道線の建設に変更され、資材運搬に使用された。また、開業時から客車の運行も行われている。開業当初から木造の転車台が架設されているが、その後の消息は定かでない。なお、この転車台は昭和2年(1927)に設置されたものである。
転車台は、2組の桁を直角に組み、桁上に軌条を敷設した上路型の直角2線式で、桁長は、7.5mである。規模は、石油製品輸送用20t積み3軸タンク車に合わせたと考えられている。橋桁の中央下部には、橋桁を支える軸受があり、先端下部には、8個の車輪がついている。車輪は、橋桁を支えながらコンクリート基礎に枕木で固定された円形レール上を回転するようになっている。そして、資材を運搬する貨車を転車台に載せ、手動で110度方向転換させた。この角度は、敷設されていたレールの角度によるものである。また、1線式ではなく2線式にしていたのは、貨車を何台も連続的に方向転換させるのに効率がよいと考えられている。この直角2線式転車台は、全国的に残存例の少ない貴重な存在であり、鉄道技術の歴史を実証的に物語る貴重な遺産である。

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