分類 | 国・重要文化財 |
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種別 | 工芸 |
所在地 | - |
所有者等 | 熱田神宮 |
指定(登録)年 | 明治44年(1911) |
時代 | 鎌倉 |
長さ25.1㎝ 元幅2.6㎝
平造、三つ棟。反りはなく、身幅は広目で、重ねも厚い。
鍛えは小板目がよくつまり、一面に地沸ついて映り立つ。刃文は中直刃、小沸よくつき匂口深く、小足・葉入り、金筋わずかにかかる。帽子は直ぐに湯走りかかり二重刃となり、先は深く小丸で長めに返る。彫物は表裏同形で、棟寄りに刀樋と、下半の地の中央に彫りの深い素剣を添え、ともに区際で角留めとなる。
茎は生ぶで、わずかに反る。目釘穴は2個、その下に「来国俊」と大振りの三字銘があり、「正和五年十一月日」と裏銘がある。
作者は山城国来派の代表工で、その遺作も少なくない。なお徳川黎明会所蔵の太刀に「正和四年歳七十五」との銘があるので、この短刀は76歳の作となる。
地刃健全であり、出来口、彫物にも来派の特色がよく表れている。
同作の短刀は2口が国宝に指定されているが、その1つである。