愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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鉄地銀象嵌円頭大刀(てつぢぎんぞうがんえんとうたち)

分類 県指定
種別 考古資料
所在地 蒲郡市栄町(蒲郡市博物館)
所有者等 蒲郡市
指定(登録)年 昭和59年(1984年)
時代 古墳
鉄地銀象嵌円頭大刀

鉄地銀象嵌円頭大刀

本資料は昭和17年ごろ、蒲郡市清田町木森所在の権現山古墳(円墳)から出土し、同町の石山神社に奉納されていたものである。
刀身はほぼ完全に近い形で残存しており、全長は75cm程に復原される。円頭形柄頭は茎から分離した状態で発見され、刀身には無窓の鍔とはばき(はばき)とが着装されている。
X線透視調査により、円頭柄頭、鍔、はばき(1)の各部分に銀象嵌(ぞうがん)(2)による装飾の施されていることが確認され、保存処理が行われた。円頭柄頭には、六角形の頂点に円文を置き、3本一組の平行直線で繋いで亀甲状の区画を配し、その内部に両翼を大きく広げた1羽の鳥が表出する。諸貫孔のある区画には、孔をとり囲むように唐草文風の波状文が配されている。この単鳳亀甲けい文は鮮明に表現されており、全国的にみても類例の数少ないものである。
鍔の表裏両面には唐草文風の図文、また鍔縁には波状文が、さらにはばきにも渦状文が象嵌されている。柄頭、鍔、はばきに同様な銀象嵌装飾を施す例としては、島根県松江市岡田山一号墳出土品があり(3)、本品と極めて良く似ている。文様構成はほとんど同じであるが、亀甲区画内には双鳳が配されている。おそらく同じ工房で製作されたのであろう。両者ともに年代は6世紀後半代とみられ、古墳時代の卓越した象嵌技術を示す好資料である。
【注】
(1)はばき刀剣の刃・棟区にはめこんで、刀剣が抜けないように締めておく金具
(2)象嵌  金属・陶器などの表面に模様を刻んで金銀などをはめこむこと。
(3)島根県教育委員会『出雲岡田山古墳』1985
参考文献
愛知県『愛知県史』資料編3 古墳 2006

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