愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

トップページへ戻る

八王子貝塚出土品(はちおうじかいづかしゅつどひん)

分類 県指定
種別 考古資料
所在地 西尾市錦城町229 西尾市資料館
所有者等 西尾市
指定(登録)年 平成22年(2010年)
時代 縄文
土器類

土器類

土偶

土偶

骨角器類

骨角器類

石器類

石器類

本資料は、愛知県における縄文後期(4000年前~3000年前)の時代を代表する西尾市八王子貝塚から出土したもので、東海地方の縄文時代後期の文化様相を示す基準資料である。特に後期中葉前半の土器群はこの地域の特徴をよく示すもので、八王子式土器と呼ばれる。
八王子貝塚は、西三河の平野部を占める碧海台地の南端、西尾市西部の矢作川左岸にある台地北東縁に立地する貝塚で、昭和58年(1983)に愛知県指定史跡に指定されている。本遺跡からの出土土器は、縄文時代後期中葉の東海地方、特に尾張・三河・遠江の標式土器として戦後八王子式土器と名付けられ研究者間に知られていた。しかしその主な資料は、明治34年(1901)から昭和13年(1938)にかけて多くの研究者によって13回もの調査、踏査が行われた際の出土品で、前後の時代の土器が混在し、層位的に必ずしも厳密に分類されたものではなかった。
昭和56年(1981)、貝塚南端に市道建設工事の計画が起こり、西尾市教育委員会によって発掘調査が行われ、多くの資料が出土した。発掘調査面積は僅か230m2の小範囲であったが、コンテナー300箱にのぼる遺物の出土量で、これらは堆積が1mにも及ぶ貝層の中にあって4層にわたって層位的な確認ができた。長年にわたる資料の整理の結果、本遺跡では縄文時代中期後半から後期中葉後半に至る遺物の出土があったが、それらの詳細な形式分類ができ後期中葉前半の八王子式土器の全容と、その前後の段階の土器や後期中葉の共伴遺物の特徴が明らかになった。これにより八王子式土器の東海地方における重要性がさらに強く認識されたうえ、本遺跡の遺物はこれまでいわれてきた関東地方の加曾利B式土器の影響下にあっただけでなく、西日本との交流も大きかったことを示していて、東西文化の接点に位置することが明瞭になった。また出土品には当時の伊勢湾・三河湾沿岸の生活文化を如実に示す土偶、石器、骨角器、貝製品など貴重なものも多い。なかでも土偶の出土例の多さは目を見張るものがあり、矢作川上流域との文化交流も強いことが判った。
こうした重要な成果を踏まえて今回の整理で選定された出土品を県指定有形文化財・考古資料として指定する。なお、古くから地元西野町小学校に保管されてきたものも併せて整理され指定資料に含められた。指定品の内訳は土器294点(完形品及び復元品49点を含む)、小型土器8点、土偶26点、石器194点(漁労具である石錘82点を含む)、骨角器48点、貝製品16点の合計586点(内51点が西野町小学校に保管されていたもの)である。このうち582点は西尾市教育委員会によりすでに西尾市指定文化財の指定(土偶4点は昭和55年(1980)、その他の遺物は平成5年(1993))を受けている。なおこれらの資料は西尾市資料館収蔵庫に一括整理し保存されている。
また発掘調査報告書は、西尾市教育委員会により平成12~15年(2000~03)にかけ出版された「八王子貝塚I~IV」(西尾市埋蔵文化財調査報告書第9~12集)があり、更に平成21年(2009)3月西尾市埋蔵文化財調査報告書第19集として「縄文時代採集資料―八王子貝塚・貝ス居山貝塚・五砂山遺跡―」が刊行され、市内に所在する八王子貝塚の全資料がまとめられた。

前へ戻る