愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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馬越長火塚古墳出土品(まごしながひづかこふんしゅつどひん)

分類 国・重要文化財
種別 考古資料
所在地 豊橋市今橋町1
所有者等 豊橋市
指定(登録)年 平成24年(2012年)
時代 古墳
馬越長火塚古墳出土品

棘葉形杏葉

豊橋市北部に所在する馬越長火塚古墳は、墳丘長70メートルの前方後円墳で、古墳時代後期に属する。後円部には南に開口する複室構造の横穴式石室がある。
昭和43年(1968年)に地元有志が石室を発掘調査し、昭和55年(1980年度)には愛知県教育委員会が前庭を調査し、豊富な遺物が出土した。また、平成16年度から平成20年度(2004~2008年度)にかけて豊橋市教育委員会が墳丘を中心に確認調査を実施している。本件は、これらの発掘調査で出土した主要な遺物である。
当該資料をもっとも特徴づけるのは、鉄地金銅張馬具である。石室の前室から出土しており、棘葉形杏葉・雲珠・辻金具・鞍金具・飾金具が認められる。いずれも鍍金が厚く施されており、遺存状況の良好な資料が多い。とりわけ、棘葉形杏葉は精美な忍冬唐草文で飾られ、当時の製作技術を知るうえで貴重な資料である。
玄室からは大形の琥珀製棗玉・水晶製切子玉・ガラス製勾玉など玉類が豊富に出土している。なかでも、ガラス製蜻蛉玉は当時の手工業生産の水準あるいは対外交渉を考えるうえで重要である。
前庭では、閉塞石の下から須恵器が多量に出土している。蓋坏・盌・高坏が主体をなし、平瓶・脚付長頸瓶・甕なども認められ、良好な一括資料である。このうち、甕は底部を焼成後に打ち欠いており、配置や器種構成とあわせて墓前祭祀を考えるうえで重要である。また、これらの須恵器は大部分が静岡県湖西窯産であり、当時の流通状況をよく示す。
以上本件は、東海地方を代表する、古墳時代後期に属する大型古墳の出土品一括として、古墳時代の手工業生産の様相ならびに葬送祭祀の実態を考えるうえで極めて重要である。

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