分類 | 県指定 |
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種別 | 書跡 |
所在地 | 一宮市大和町 |
所有者等 | 妙興寺 |
指定(登録)年 | 昭和40年(1965年) |
時代 | 平安 |

紙本墨書斎宮女御集断簡 小島切
料紙、縦21.8㎝ 横15.2㎝ 一幅
俗に小島切といわれる断簡で、歌は、
「 一品の宮よりいせの御くたりに
わかれ行ほとは雲井にへたつともおもふ心はきりもへたてし
御かへしおなしをりに女御殿より
秋きりとたちいつるたひのそらよりもいまはときくのつゆそこほるヽ
御かへし
きくにたにもりけるつゆをむへしこそおくるヽそてのかはかさりけれ」
雲母をちらし表に飛雲文様をおく鳥の子紙を用いている。本書では飛雲文が中央下にある。
江戸初期の光悦流茶人であった小島宗真所有であったので俗に小島切といわれる断簡である。筆致は藤原時代の仮名書きのおもかげを十分に示し、特に自由変転な書体はいわゆる遊糸連綿(ゆうしれんめん)の体様を表すものとして注目されている。
斎宮女御は醍醐天皇の皇子重明親王の女で、朱雀天皇の承平6年(936)9月に斎宮に卜(ぼく)定され、伊勢下向。天慶八年(955)退下、帰京後、村上天皇に入内したので、この名がある。和歌をよくし、家集が残る。これはその古伝本の断簡。