愛知県の国・県指定文化財と国の登録文化財

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日本書紀(紙背和歌懐紙)附承和三年霜月四日寄進状 一巻 (にほんしょき(しはいわかかいし)つけたりじょうわさんねんしもつきよっかきしんじょう)

分類 国・重要文化財
種別 書跡
所在地 名古屋市熱田区
所有者等 熱田神宮
指定(登録)年 昭和25年(1950年)
時代 鎌倉

巻子本 紙本墨書 縦31.6㎝
当神宮所蔵の『日本書紀』は、もと、全30巻のうち16巻を備えていたが、今は第十一巻を欠き、15巻となっている。15巻中10巻は和歌懐紙の裏を料紙としている。各巻の筆者は少くとも数人あり、卜部家折本を用いている。各巻には朱墨の訓点を加え、内9巻には京都金蓮寺の浄阿の寄進奥書があり、その年代が永和元年(1375)から永和3年(1377)となっているところから書写の年代を推定しうる。
附属の寄進状(添状)があり、これによると、熱田神宮権宮司田島仲宗の所望により、熱田円福寺住職厳阿上人の仲介で、浄阿が寄進したものである。料紙の和歌懐紙は総枚数163枚、24~25人の詠草で、永和元年(1375)3月~同2年9月までほぼ毎月のものと推定される。概ね各3首で総数483首あるが無名の歌人も多く、室町時代前期の和歌の1資料として注目に値する。

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