分類 | 国・重要文化財 |
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種別 | 書跡 |
所在地 | 一宮市大和町 |
所有者等 | 妙興寺 |
指定(登録)年 | 平成5年(1993年) |
時代 | 鎌倉~明治 |
本文書は、臨済宗妙心寺派妙興寺の伝来文書である。滅宗宗興(めっしゅうそうこう)によって貞和4年(837)に創建された同寺は、北朝、足利幕府と密接に結びついて寺勢を伸張、その後、豊臣秀吉、松平忠吉、尾張徳川家から寺領を給された。多くの中世文書を有する。
天正末年までの中世文書、近世文書、明治年間のものまであわせると549通ある。巻子本等によく整理されていて、各巻に番号が付してある。その内容の概略は、第二は妙興寺志略と重書注文(元禄7年以前成立)、第七は南北玄興より明治11年までの歴世印可状、第八は近世後期・明治初期の勅壽・綸旨、第九は元禄より明治までの嘱状類、第十四・十五は妙興寺天祥庵規式類、第十六~二十一は、寺領注文、第二十二は年貢注文、第二十三は尾張徳川家歴代黒印状、第二十四~二十六は年貢注文、第二十七は開山仏事請下行帳、第三十二は寄進状類、第三十三は開山自筆重書案、第三十四~三十六は売券・寄進状、第三十七は判物・書状、第三十八は雑文書、第三十九は段銭等請取、第四十は雑文書、第五十は紛失状等である。(他は欠番。)無題の巻子と掛幅は書状、未成巻のものは妙興寺衆徒等出銭注文である。
これらの史料により、中世禅林の所領、経営、法などがわかるだけでなく、多くの所領を寄進した荒尾氏、中島氏などの国人の所領形態を知ることができる。